薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
薬丸作品にしては珍しく短めだが、テーマは実に薬丸さんらしい。
顔に豹柄の刺青を入れた男・片桐の数奇な人生が、複数の視点から語られていく構成。出所しては再び罪を犯し、何度も服役を繰り返す彼はなぜ、そうまでして犯罪に手を染めるのか。
物語は同じ5日間を別々の立場から追いかける巧みな構成で進んでいく。片桐への思い、彼の事件によって狂わされた人生、そして彼に自らの人生を重ねる人々の視線が絡み合い、先が気になって一気に読まされる。
大筋に裏切りはないが、ラストにはかなりの衝撃が待っている。片桐の人生の執念、そしてそれが導いた結末は、きっと彼なりの「愛」の形なのだろう。だが、それでもなお胸に残るのは、ど -
Posted by ブクログ
自分にとって初読となる薬丸岳さんの作品!
他の方の本棚に置かれていることも多く、あらすじを読んでいるうちに段々と興味の湧いてきた作家さんの一人。
600頁に及ぶ長編でしたが、とても読み応えのある一冊でした!
渋谷のスクランブル交差点にて通り魔事件が発生するところから物語は始まる。
通り魔事件の被害者である明香里、恋人を事件に合わせてしまい後悔する航平、自身の境遇を重ね加害者に興味を持ったフリーライターの省吾。3人はそれぞれの矜持を胸に真相へと迫っていく。
「刑務所に入りたかった」「誰でもよかった」という犯人のあまりに身勝手な動機。結婚し幸せな家庭を築きたい、と願っていた明香里の夢を一瞬で地 -
Posted by ブクログ
ネタバレ先ず、今心がお疲れの方、後半は個人的な話になりますし重たい話になりますので、しんどくなられましたらすぐにお読みになるのを中止して下さい。
その話をせずには本作の感想は語れないので、書かせて下さい。
本作はオーディブルで拝聴しました。中盤から非常に苦しかったです。途中で何度か聴くのを止めようかと思った程ですが、鈴木が過去に犯した犯罪を知った益田がどういう選択をするのか、どうしても知りたくて聴き終える事が出来ました。
鈴木は過去に子供を2人殺し、しかもその目を抉るという犯罪を犯して世間を恐怖の底に陥れた事がありました。ジャーナリスト志望の益田と、出所して名を変えて生活をしている鈴木が、同時期に -
Posted by ブクログ
薬丸岳さん著「友罪」
著者の作品の中でも特に人気のある作品で約10年前の作品。観てはいないが映画化もされているとのこと。
凄い作品だった。
何が凄いかというと今回のこの鈴木と益田の間柄の偶然性に関しては誰にでも起こりうるという点。だいたいの場合、過去に何があったのか?というのはお互いの理解を深めていくのと同時に進行していくものであり、最初から解っていることなど皆無だろう。
今回のこの作品のように徐々に違和感や疑心感が募り、過去が見え隠れしていくのが通例だと思う。そこを炙り出していくように物語は進行しており、凄く深い読後感を得ている。
もう20年位前になるが、自分がまだ雇われ店長をしていた店