薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
audible☆再読
1年ぶりの再読でも所々覚えていた!!
それぞれの人物に物語があり、村瀬快彦の心の成長には目が離せなかった。
是非、読んで欲しいと思う☆
そしてaudibleで聴いていると名前の漢字が分からないし聴き取りにくい名前もある。
ChatGPTで調べると名前と人物紹介が出てきてとても便利だった‼︎
快彦と織江の会話
「人と深く接するのがどうしようもなく怖かった。」
「あの時も怖いって言ってたね。」
「人の心に立ち入るのも自分の心に立ち入るのも、そういう性格としか言いようがない。子供の頃からずっとそうやって生きてきたから今更変えられないって。」
織江の目をしっかりと見つめ自分の心を縛りつけている鎖を解いていく。
誰の心にも心を縛りつけている鎖があると思う。
変わるのも怖い…けど変わりたい…そんな心の葛藤がこの物語がきこえてくる。 -
Posted by ブクログ
少年法の抱える葛藤をまざまざと描いた作品。自分の罪の重さとその責任を受け止めることができた人と、それらを軽んじて寧ろ被害者かのように生きる人。どんなに悔いても改めることはできない。けどその罪を負い続け、被害者とその家族のために、行為によって傷つけてしまった自分の大切な人のために、自分が生きる社会のために、何ができるのか考え続け動いていくしかない。どんなに恨んでも、罪を犯した人が死んでしまったらその人に罪の意識を持たせ贖罪させることができない。
子供には可塑性があるけど、罪の自覚をもたせる必要がないはずはない。更生保護教育による社会復帰と同時に自分の行いの理解をすることは忘れてはならない。
(無理に反省させても厳罰させてもダメだからやっぱり難しい。大切な人ができて分かるというけど、それだと可能性にかけるしかなくなる、沢村はその成功例) -
Posted by ブクログ
野依美鈴の本来の目的が隠されたまま、全てを捨てられる覚悟でないと真似できない勢いのメディアの取材と報道が繰り広げられる。ブレイクニュースだからこそ、野依美鈴だからこそ信頼して、情報をリークする人たちも多い。今の日本においてはどのメディアが近しいものとしてあるだろう。
作家として薬丸岳さんもメディアの担い手だが、この本においてはメディアやSNSに対する問題提起が中心だった。メディアとして続くために、その地位を守るために、ビジネスとしてやるために、本来メディアがやるべきこと(求められてること)はなかなか発揮されない。野依美鈴のビジュアルも皮肉だなと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ薬丸岳さんの作品は友罪、Aではない君と、に続く3作目。
どうやらものすごく私好みの作家らしいということがはっきりした。
久々の一気読み。
ニュースなどで殺人犯の精神病歴で罪に問われないことをずっとなんかおかしいんじゃないかと思っていた。もし自分の身内がその被害者になったら、怒りはどこに向ければいいのか。ずっと三上と同じ気持ちで怒りを持って読んでいた。
最後の最後で、松岡の視点、ゆきの過去が明かされて、これまでの自分の思いがはじめて揺らいだ。
専門家がどんなに研究しても統合失調症の視点には立てないし追体験はできない、ということ。
いますぐ「だからなにが正しいのか」を結論づけることはできないが、これまでの「そんなの絶対おかしい!」と声高に怒れない自分に気づく。正義か悪かの二極では測れないこともあるのではないかと…
薬丸岳さんの作品はいつも読後に深く考えさせられるなぁ -
Posted by ブクログ
★4.5です。
ネットメディアで活動するジャーナリストを描いた社会派ミステリー。
旧来のマスコミとは一線を画す独自取材で次々と社会問題をニュース発信する人気YouTuber。彼女の追い求める先にあるものとは・・・
数々の社会問題(8050問題、パパ活、冤罪、ヘイトスピーチ、等々)をネットメディアの可能性・リスクとともに作者独自の視点で切り出していて、単純にいろいろと考えさせられて面白いです。
短編連作の形式もテンポ感が小気味良く、それぞれにスパイスの効いた締めがあって上手いですね。短編であまり満足感を得ることがないのですが、本作は楽しめました。 -
Posted by ブクログ
ぶ厚かった。
登場人物、多かった。
青少年犯罪をテーマだと、この作家さん。
デビュー20周年、おめでとうございます!
新型コロナのせいで、たくさんの影響があった。
いい事も、悪い事も、数えきれない。
そんなこと、あんなこと、あったあったと頷きながら読んだ。
青春の真っただ中の青少年にしたら、どんなに孤独で鬱屈した日々を送った事だろう。
まして、家族の中で辛い思いをしている若者にとっては地獄だ。
最初は善良な心でつながり始めても、
人が集まれば、徐々にまとまらなくなってくる。
まして、そこに邪な人物が入り込み、支配しようとすれば、とんでもないことになる。
困っていそうな人を、見ず知らずの段階でやみくもに自分の家に入れてしまう。そんなことは、絶対に怖くて、自分ならできない。
若さゆえの純粋さを利用する悪い大人は必ず出てくる。
最後はどうなってしまうんだろうと、気が気じゃなかった。
そして、ラストは嫌な余韻が残った。 -
Posted by ブクログ
衝撃の展開だった。
私自身、刑法第39条の存在を知らなかった。心神喪失と認められると刑が軽くなるのではなく、不起訴処分になるなんて…。被害者側からしてみればあり得ないし憤りを処理できない。本の中でも語られるように、心神喪失と認められた加害者が果たして本当にそうなのかは、専門家の判断でも信じられない部分があると思う。
心神喪失状態になる状況や病気はいくつかあるのだろうが、藤崎(この本における統合失調症の加害者)の場合はきっと罰しても効果はない(反省には繋がらない)。でも3年で出てくるのは社会的にもさらなる被害者が生まれるため良くないし、被害者側はたまったもんじゃない。じゃあどうするのか。
一生病院で過ごしてもらうのか。病気は完治しないとずっと入院してもらうからそれも有りかもしれない。人権に配慮した、居心地の良い、有料(もしくは要労働)の病院に一生いてもらえば被害者側の心は落ち着くのだろうか…。
そこまでは想像が至らない。 -
Posted by ブクログ
あなたは隣にいる友人が過去に残虐な殺人事件を起こした少年Aだと知ったら、どんな選択をしますか?
同僚だったら、恋人だったら。今の関係を続けることができますか?
ジャーナリストを目指していた益田と、住み込みの職場へ同日入社した鈴木。
入社当時、他を寄せ付けない雰囲気の鈴木はどこか危うさがあり馴染めないでいた。毎晩「ごめんなさい…ごめんなさい…」と酷く魘されている鈴木はどんな過去を抱えているのか。
そんな鈴木も同僚の介抱や益田の怪我・入院などを経て少しずつ社会へ溶け込めていく。益田のことは親友だと言う。
だがある日、益田は14年前に地元で起きた残虐な殺人事件「黒蛇神事件」の犯人が鈴木なのではないかと疑念を抱く。
ジャーナリストへの夢、友達を信じたい気持ち、決して綺麗事では済まされない心情があまりにリアルだった。
鈴木の過去や事件を調べる過程でやはり鈴木が黒蛇神事件の犯人であることは確信へと変わる。
清水や内海、会社の反応は至極当然。恐怖や拒絶があって当たり前のことをしたのだ。被害者や遺族への償いだけでなく、世間の反応にも一生涯耐えなければならない。
それでも受け入れようとしてくれる美代子や山内がいて良かったと思う。私はこの2人や益田のように鈴木を受け入れられる自信はない。
"フィクションだから"で終わってはいけない問題だからだ。本書を読んだ人間として責任を持って考えていきたい。
鈴木と関わるうえで過去の罪と向き合うと決めた益田の姿は読んでいてつらいものがあった。
学やさちこさんの気持ちを蔑ろにするつもりはないが、益田と鈴木がどうか友達でいてほしいと願う気持ちが強かった。
ラストは涙なしでは読めない。
マスコミやインターネットの情報の脆さも改めて感じる。いま私たちが見ているニュースや記事は果たして真実か。誰を救い、何が正義か。
更生や償いという点から世間の目が重要なことは十分に分かる。だが第三者の好奇心が当事者たちの心を蝕んでいないだろうか。