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Posted by ブクログ
あなたは隣にいる友人が過去に残虐な殺人事件を起こした少年Aだと知ったら、どんな選択をしますか?
同僚だったら、恋人だったら。今の関係を続けることができますか?
ジャーナリストを目指していた益田と、住み込みの職場へ同日入社した鈴木。
入社当時、他を寄せ付けない雰囲気の鈴木はどこか危うさがあり馴染めないでいた。毎晩「ごめんなさい…ごめんなさい…」と酷く魘されている鈴木はどんな過去を抱えているのか。
そんな鈴木も同僚の介抱や益田の怪我・入院などを経て少しずつ社会へ溶け込めていく。益田のことは親友だと言う。
だがある日、益田は14年前に地元で起きた残虐な殺人事件「黒蛇神事件」の犯人が鈴木なのではないかと疑念を抱く。
ジャーナリストへの夢、友達を信じたい気持ち、決して綺麗事では済まされない心情があまりにリアルだった。
鈴木の過去や事件を調べる過程でやはり鈴木が黒蛇神事件の犯人であることは確信へと変わる。
清水や内海、会社の反応は至極当然。恐怖や拒絶があって当たり前のことをしたのだ。被害者や遺族への償いだけでなく、世間の反応にも一生涯耐えなければならない。
それでも受け入れようとしてくれる美代子や山内がいて良かったと思う。私はこの2人や益田のように鈴木を受け入れられる自信はない。
"フィクションだから"で終わってはいけない問題だからだ。本書を読んだ人間として責任を持って考えていきたい。
鈴木と関わるうえで過去の罪と向き合うと決めた益田の姿は読んでいてつらいものがあった。
学やさちこさんの気持ちを蔑ろにするつもりはないが、益田と鈴木がどうか友達でいてほしいと願う気持ちが強かった。
ラストは涙なしでは読めない。
マスコミやインターネットの情報の脆さも改めて感じる。いま私たちが見ているニュースや記事は果たして真実か。誰を救い、何が正義か。
更生や償いという点から世間の目が重要なことは十分に分かる。だが第三者の好奇心が当事者たちの心を蝕んでいないだろうか。
Posted by ブクログ
読んでいる間ずっと胸がざわついていた。
益田の心情があまりにもリアルで、「自分ならどうするだろう」と考えずにはいられなかった。鈴木の過去を知ったときの戸惑い、恐怖、信じたい気持ちと拒絶したい気持ち――そのどれもが痛いほどわかる。
それでも、少しずつ心を開き、償いきれない罪を抱えながらも必死に居場所を探そうとする鈴木の姿が切なくてたまらなかった。
彼がみんなと笑い合うその一瞬一瞬に、胸の奥がぎゅっと締めつけられる。
益田の裏切りには正直、モヤっとした。でも同時に、「きれいごとでは済まない」という現実も痛いほど理解できる。
もし私の大切な友人が、あの神戸連続児童殺傷事件のような過去を背負っていたら、果たして私は手を差し伸べられるだろうか――そう問われた気がした。
この物語は、友情や赦しを描いているようで、その奥に「人間の弱さ」と「それでも誰かを信じたいという願い」がある。
様々な立場の人の心情がリアルに描かれていて、読み応えがありました。
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