薬丸岳のレビュー一覧
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第一章は辛過ぎて読むのを止めたくなりましたが、必死に己の罪と向き合う宗佑と共に何とか読み進めることが出来ました。「殺されてしまったことは、伝えたかったことを伝えることが出来ない」 だからこそ殺人という罪は最も重いのだと思いました。牧師としての務めと被害者の父としての立場で揺れ動く宗佑の心情がとてもリアルに描かれていて、自分ならやっぱり石原を許せないだろうなと感じました。また、刑務官の苦悩も小泉を通して、痛いほど伝わってきました。本当に辛いお仕事だと思います。日本において死刑囚が2度と生まれない社会であってほしいと心から願わずにはいられません。そのためには、すべての子供達がしっかりと親の愛情を受
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皆さん、こんにちは。ブレイクニュースの野依美鈴ですー
自称ジャーナリスト野依美鈴は、SNSなどに寄せられた情報を元に個人でさまざまな問題のリポートをするYoutube配信者ある。
始まりは週刊現実の記者である真柄新次郎が彼女に出会うところから。大きな題材として彼女の正体、そして素顔を晒して時には過激で危ない真実に近づくブレイクニュースの目的はなんなのか。
虐待、8050、冤罪、ヘイトスピーチ、SNS炎上、医療過誤など。全7編で明らかになる真実。
無理やり恋愛ごとや家族のことなどが絡んできたりすることもなく、純粋に何かを成し遂げようとする人の軌跡のお話だと感じました。
各話今だからこそ起こりえ -
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「人間が人間を殺すというのはとても辛くて苦しいことだ」
許すことで救われる。
自身を凶行に走らせた心に巣食う瘴気を探り、向き合い、消化することで、囚われていた心が解放される。そしてそれができて初めて自分の罪と向き合うことができるのだろう。その過程に寄り添い、死刑囚を鬼畜から人間に戻すことが教誨師の役割であるならば、死刑執行は人間が人間を殺す行為となり、自らも含めそれに携わる者に、大きな罪の意識を植え付けることになる。なんと因果な役割だろう。体を蝕まれながらも一時もお酒を手放すことができない教誨師、死刑執行に携わり精神を病んで退職する刑務官。その精神的苦痛は甚大この上ない。いっそ鬼畜を鬼畜のま -
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薬丸岳さんの作品は重くて難しいテーマが多い。その中でも『悪党』は特に辛かった。
15年前に姉を陵辱し殺害された元刑事・探偵の佐伯修一が、忘れることの出来ない犯罪と向き合い葛藤する物語。
“被害者家族は加害者を赦すことができるのか”
佐伯は被害者遺族からの『加害者追跡調査』の依頼を受け調査を重ねていくうちに、自身の問題に立ち向かい、姉を殺害した犯人達への復讐に向かって動き出す。佐伯の苦悩がリアルに描かれていて、途中読むのが辛くなったが、エピローグではほのかに明るい未来が見えて心が救われた。
被害者家族は、どの様に前を向いて歩いて行けばいいのか。また加害者は生きる権利はあるのか。赦しや更正につ -
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螺旋プロジェクト4冊目。
読む順番がこれでいいのかが分からない。過去の作品を何冊か読んだことのある作家さん。その時は面白かったけれど全作品を追いかけるまではいかなかったけれど、、、これは最高に面白かった!螺旋プロジェクトの海族山族の関係が違和感なく無理なく自然に組み込まれている感じがした。時代的背景とストーリーの内容がイメージしやすかった。主要人物以外の名前が誰がどっちだっけという感じなってしまうことがあったが、どんどん読めたので一気読みした。最近は現代のものを読むことが多かったので、この螺旋プロジェクトでいろいろな時代の物語を読めてうれしい。 -
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お友達にすすめられて読ませてもらった本です。
親しくなった人に重大な少年犯罪の歴があったとしたら、あなたはどうするのか...という、読者に訴えかける内容。1人の男性がいろんなことを考え、巡って、最後には答えを出す。
登場人物それぞれが罪(と思われるもの)を背負っていて、自分の罪と比較する描写もあり、それを読者にも投げかけている。
工場の面々の反応は一般的な反応を表していて、それがまた男性の刺激になっている。おそらく大衆の反応。
友達で想像すると難しいが、恋人で考えると...受け入れるのは難しいかもしれない。過去に『イジメの首謀者でした』と言われただけでも嫌悪感を持ってしまうから。
サポートチー -
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弁護士の持月凛子と西大輔が殺人の容疑で逮捕された警察官の垂水涼香を弁護する物語で504ページの分厚い本だったが、一気に読破できた.殺されたのはホスト・加納怜治で涼香の証言では彼の自宅でナイフで襲われ近くにあった酒の瓶で怜治の頭を殴った由.凛子と大輔が証拠集めに奔走する中で、大輔は涼香の証言に疑問を感じた.大輔は元警察官で学生時代に司法試験をパスした秀才で現在は弁護士.涼香は息子の響を亡くしており、それを悔いていた.怜治の前科を調べるうちにその捜査に涼香が加わっていたこと、その過程で涼香が有力な証拠を発見したことなど、大輔の琴線に触れる事象から調査を継続する中で新たな証拠を発見する.裁判の最終段