薬丸岳のレビュー一覧
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告解(こっかい)とは、キリスト教の幾つかの教派において、罪の赦しを得るのに必要な儀礼や、告白といった行為をいうそうだ。
テーマは『贖罪』であることが多い。加害者と被害者、いつ自分や家族がそうなりうる可能性がある内容だから、なかなか重い。
また小説の舞台となる地域が埼玉県であることが多いのが、薬丸岳の小説の特徴だ。大宮駅の改札、上尾警察署、川越刑務所、主人公は北本のアパートに住んでいて、元恋人は鴻巣にいる、宮原や桶川まで…それぞれの場所でのシーンなどは実際に取材も行っているのかなあ。どうしても親近感が湧き、読んでしまう。(プロフィールを見る限り、埼玉生まれでは無い)
あらすじは…
二十歳の大 -
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ある日、渋谷のスクランブル交差点で、若い男が斧を振り回した無差別通り魔事件が起こる。そして若い女性が切りつけられ瀕死となるが命を取り留め、女性を庇ったある人物が死ぬ。
フリーライターはこの事件の犯人に興味を持ち、事件の真相に関するノンフィクションを出したいと獄中の犯人に持ちかける。犯人は何故このような事件を引き起こしたのか…本当は決して交わるはずのなかった複数の人生がこの事件を軸に交差する…
子供は親を選んで生まれることはできない…これはよく言われる言葉だ。僕はさほど裕福とは言えないまでも、自分の家が貧しいとは思ったことはなく、大学までの学費を出してもらい、両親からの愛情を感じながら育まれ -
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読み進めるのが辛い本でした。
しかしながらページを捲る手が止まらなかった…
虚しい夢…信じたくない夢のことでしょう。
物語は通り魔殺人が起きる雪の公園から始まる。21歳の若者の刃で、12人もが殺傷…愛する3歳の娘がナイフで殺され、妻も背中を刺されたが瀕死で何とか生き延びるが精神が崩壊してしまい統合失調症で今も苦しんでいる…その夫(父親)が主人公だ。
犯人はなんと罰せられなかった…刑法第39条に『心神喪失の者は罪に問われない(中略)』とあり、精神鑑定の結果、犯行時に心神喪失だったことが認められ不起訴となる。
何も罪ない愛すべき幼い娘を突然奪われた絶望感と喪失感は計り知れない。
罪に問われる -
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籠の中のふたりを読んで、とても好みの内容だったことと、読みやすかったことから、違う作品も読んでみたくなった。刑法41条を扱った内容で、犯罪を犯したが罪に問われなかった少年たちと、法で裁けない現実からやりきれない思いをかかえる被害者家族の間で、何が起きたのか、謎が1つづつ解けていき、最後にはあっと驚く展開だった。事件はナイフで始まり、ナイフで終わる。ナイフが凶器というあたりに少年少女のリアルを感じる。子どもは間違いを犯す、だから教育が必要だという意見にも、その教育の中に罪と向き合った時間は果たしてあったのかという意見にも、どちらにも共感できて、とても面白かった!
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第一章は辛過ぎて読むのを止めたくなりましたが、必死に己の罪と向き合う宗佑と共に何とか読み進めることが出来ました。「殺されてしまったことは、伝えたかったことを伝えることが出来ない」 だからこそ殺人という罪は最も重いのだと思いました。牧師としての務めと被害者の父としての立場で揺れ動く宗佑の心情がとてもリアルに描かれていて、自分ならやっぱり石原を許せないだろうなと感じました。また、刑務官の苦悩も小泉を通して、痛いほど伝わってきました。本当に辛いお仕事だと思います。日本において死刑囚が2度と生まれない社会であってほしいと心から願わずにはいられません。そのためには、すべての子供達がしっかりと親の愛情を受
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皆さん、こんにちは。ブレイクニュースの野依美鈴ですー
自称ジャーナリスト野依美鈴は、SNSなどに寄せられた情報を元に個人でさまざまな問題のリポートをするYoutube配信者ある。
始まりは週刊現実の記者である真柄新次郎が彼女に出会うところから。大きな題材として彼女の正体、そして素顔を晒して時には過激で危ない真実に近づくブレイクニュースの目的はなんなのか。
虐待、8050、冤罪、ヘイトスピーチ、SNS炎上、医療過誤など。全7編で明らかになる真実。
無理やり恋愛ごとや家族のことなどが絡んできたりすることもなく、純粋に何かを成し遂げようとする人の軌跡のお話だと感じました。
各話今だからこそ起こりえ -
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「人間が人間を殺すというのはとても辛くて苦しいことだ」
許すことで救われる。
自身を凶行に走らせた心に巣食う瘴気を探り、向き合い、消化することで、囚われていた心が解放される。そしてそれができて初めて自分の罪と向き合うことができるのだろう。その過程に寄り添い、死刑囚を鬼畜から人間に戻すことが教誨師の役割であるならば、死刑執行は人間が人間を殺す行為となり、自らも含めそれに携わる者に、大きな罪の意識を植え付けることになる。なんと因果な役割だろう。体を蝕まれながらも一時もお酒を手放すことができない教誨師、死刑執行に携わり精神を病んで退職する刑務官。その精神的苦痛は甚大この上ない。いっそ鬼畜を鬼畜のま -
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薬丸岳さんの作品は重くて難しいテーマが多い。その中でも『悪党』は特に辛かった。
15年前に姉を陵辱し殺害された元刑事・探偵の佐伯修一が、忘れることの出来ない犯罪と向き合い葛藤する物語。
“被害者家族は加害者を赦すことができるのか”
佐伯は被害者遺族からの『加害者追跡調査』の依頼を受け調査を重ねていくうちに、自身の問題に立ち向かい、姉を殺害した犯人達への復讐に向かって動き出す。佐伯の苦悩がリアルに描かれていて、途中読むのが辛くなったが、エピローグではほのかに明るい未来が見えて心が救われた。
被害者家族は、どの様に前を向いて歩いて行けばいいのか。また加害者は生きる権利はあるのか。赦しや更正につ