薬丸岳のレビュー一覧

  • 虚夢

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    愛娘を奪い去った通り魔事件の犯人は「心神喪失」にて罪に問われなかった

    刑法第39条について扱った作品

    凄いお話しだった
    重い話なので前半はなかなか読み進められなかったが後半は一気読み
    被害者、加害者両側の視点から描かれていて色々考えさせられた

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    2025年01月13日
  • 天使のナイフ 新装版

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    少年法の光と闇を見た気分です。加害者と被害者は表裏一体というか、いつ立場が入れ替わってもおかしくないなと。終盤の伏線回収は、多少の強引さを感じながらも、驚かされました。どの立場になったとしても、誠実に対応し、身近な人を大切にすることを心がけなければと、気持ちが引き締まりました。

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    2025年01月11日
  • 友罪

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    人の好奇心は怖い。でもこれが罪を償うということ。

    人の命を奪うことは、その人の周囲の人の人生も狂わす許されないことである。そして加害者が更生し世に出て、人に問い詰められる恐怖と自責の念に追われ続ける人生を送ることは、死刑よりももっと辛く、だからこそ罪を償う行いになるのだと感じた。

    そして関係のない者が、興味本位で人に向ける感情の気持ち悪さといったらなかった。何よりも怖かった。

    あくまで周囲の人の視点でのみ書かれており、だからこそ考えさせられ面白かった。

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    2025年01月02日
  • 最後の祈り

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    第一章は辛過ぎて読むのを止めたくなりましたが、必死に己の罪と向き合う宗佑と共に何とか読み進めることが出来ました。「殺されてしまったことは、伝えたかったことを伝えることが出来ない」 だからこそ殺人という罪は最も重いのだと思いました。牧師としての務めと被害者の父としての立場で揺れ動く宗佑の心情がとてもリアルに描かれていて、自分ならやっぱり石原を許せないだろうなと感じました。また、刑務官の苦悩も小泉を通して、痛いほど伝わってきました。本当に辛いお仕事だと思います。日本において死刑囚が2度と生まれない社会であってほしいと心から願わずにはいられません。そのためには、すべての子供達がしっかりと親の愛情を受

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    2024年12月28日
  • 友罪

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    読みながら自分の中でも葛藤した。
    鈴木の詳しい動機が知りたいと思ったが、動機がなんであれ許されないことだということは1ミリも変わらない。

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    2024年12月22日
  • 刑事の怒り

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    世相を映す痛切な犯罪事件。
    立ち向かう夏目の姿勢は「罪を憎んで人を憎まず」では語り尽くせない何かがある。
    短編賞受賞作「黄昏」や他の作品も珠玉の出来だが、やはり表題作が良かった。
    切なくなるけど、あぁ、続きが読みたいなぁ。

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    2024年12月04日
  • ブレイクニュース

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    皆さん、こんにちは。ブレイクニュースの野依美鈴ですー
    自称ジャーナリスト野依美鈴は、SNSなどに寄せられた情報を元に個人でさまざまな問題のリポートをするYoutube配信者ある。
    始まりは週刊現実の記者である真柄新次郎が彼女に出会うところから。大きな題材として彼女の正体、そして素顔を晒して時には過激で危ない真実に近づくブレイクニュースの目的はなんなのか。
    虐待、8050、冤罪、ヘイトスピーチ、SNS炎上、医療過誤など。全7編で明らかになる真実。

    無理やり恋愛ごとや家族のことなどが絡んできたりすることもなく、純粋に何かを成し遂げようとする人の軌跡のお話だと感じました。
    各話今だからこそ起こりえ

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    2024年11月29日
  • 友罪

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    映画を先に見ており結果が分かっていたのでなんとなく先延ばしにしていた。結構なボリュームもありなかなか手が出なかったのだが薬丸岳さんの文章が恋しくなり読み始めたら一気読み。映画の印象とは全く異なる事に驚き、映画を先に見ておいて良かったと感じた。最後の手紙には心を乱されながらも涙が出てしまった。

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    2024年11月24日
  • 最後の祈り

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    「人間が人間を殺すというのはとても辛くて苦しいことだ」

    許すことで救われる。
    自身を凶行に走らせた心に巣食う瘴気を探り、向き合い、消化することで、囚われていた心が解放される。そしてそれができて初めて自分の罪と向き合うことができるのだろう。その過程に寄り添い、死刑囚を鬼畜から人間に戻すことが教誨師の役割であるならば、死刑執行は人間が人間を殺す行為となり、自らも含めそれに携わる者に、大きな罪の意識を植え付けることになる。なんと因果な役割だろう。体を蝕まれながらも一時もお酒を手放すことができない教誨師、死刑執行に携わり精神を病んで退職する刑務官。その精神的苦痛は甚大この上ない。いっそ鬼畜を鬼畜のま

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    2024年11月29日
  • 友罪

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    重い。職場で出会って友達になった鈴木は14年前に連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた黒蛇神事件の犯人だった。その事実を知ってしまった益田が鈴木のことをどう受け止めていくのか。益田が苦しみながら答えを導き出していく過程が気になって気になって読む手が止まらない。読後もズシっと心と身体にのしかかってくるような、重たい話だが、益田が辿り着いた答えが爽やかさもある素晴らしい小説。

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    2024年11月02日
  • 悪党

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    薬丸岳さんの作品は重くて難しいテーマが多い。その中でも『悪党』は特に辛かった。
    15年前に姉を陵辱し殺害された元刑事・探偵の佐伯修一が、忘れることの出来ない犯罪と向き合い葛藤する物語。

    “被害者家族は加害者を赦すことができるのか”

    佐伯は被害者遺族からの『加害者追跡調査』の依頼を受け調査を重ねていくうちに、自身の問題に立ち向かい、姉を殺害した犯人達への復讐に向かって動き出す。佐伯の苦悩がリアルに描かれていて、途中読むのが辛くなったが、エピローグではほのかに明るい未来が見えて心が救われた。
    被害者家族は、どの様に前を向いて歩いて行けばいいのか。また加害者は生きる権利はあるのか。赦しや更正につ

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    2024年10月30日
  • 告解

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    面白かった。
    面白かったけど重いなぁ〜。薬丸岳さんの作品はほんとに面白いんだけどどの作品も重くてしんどくなる。続けては読めないなぁ。
    今回の作品は贖罪に対する在り方を問う作品ってことだけどでも交通死亡事故の加害者とその他の殺人事件の加害者とじゃ全然違うよなぁ。
    とりあえず毎日ハンドルを握る身としてはほんとひとごとじゃなく感じられた。
    毎日を大切に生きようと思える作品だった。

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    2024年10月28日
  • 天使のナイフ 新装版

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    犯した罪。それに伴う罰。少年だからという括りで被害者は何も情報を得られない。被害者だけが情報を晒され、加害者は未来があるからと隠される。今の報道にも同じものを感じる部分は大いにある。
    罪とは、罰とは。贖罪とは何か。
    少年法という一つの枠組みの中で今一度考えさせられる作品。

     被害者の苦悩や苦痛が描写されつつ、真相を追うことで見えてくる真実に驚愕の連続で読み進める手が止まらなかった。

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    2024年10月28日
  • 蒼色の大地

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    螺旋プロジェクト4冊目。
    読む順番がこれでいいのかが分からない。過去の作品を何冊か読んだことのある作家さん。その時は面白かったけれど全作品を追いかけるまではいかなかったけれど、、、これは最高に面白かった!螺旋プロジェクトの海族山族の関係が違和感なく無理なく自然に組み込まれている感じがした。時代的背景とストーリーの内容がイメージしやすかった。主要人物以外の名前が誰がどっちだっけという感じなってしまうことがあったが、どんどん読めたので一気読みした。最近は現代のものを読むことが多かったので、この螺旋プロジェクトでいろいろな時代の物語を読めてうれしい。

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    2024年10月21日
  • 友罪

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    お友達にすすめられて読ませてもらった本です。
    親しくなった人に重大な少年犯罪の歴があったとしたら、あなたはどうするのか...という、読者に訴えかける内容。1人の男性がいろんなことを考え、巡って、最後には答えを出す。
    登場人物それぞれが罪(と思われるもの)を背負っていて、自分の罪と比較する描写もあり、それを読者にも投げかけている。
    工場の面々の反応は一般的な反応を表していて、それがまた男性の刺激になっている。おそらく大衆の反応。
    友達で想像すると難しいが、恋人で考えると...受け入れるのは難しいかもしれない。過去に『イジメの首謀者でした』と言われただけでも嫌悪感を持ってしまうから。
    サポートチー

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    2024年10月15日
  • 最後の祈り

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    何故か薬丸岳さん、横山秀夫さんの文章はある程度時間が経過すると恋しくなる。あたまの悪い自分でもとても読みやすく、文章から想像がつきやすいので毎度どっぷり本の世界へ引き込まれる。今作はなんとも切ないストーリー。

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    2024年10月12日
  • 刑事の約束

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    このシリーズは短編の方が活きる気がする。
    今回も名作揃い。
    第4話は泣けた。
    最終話は胸を締め付けられた。
    哀しい犯罪。
    見つめる夏目の目は誠実で慈愛に満ちている。

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    2024年10月09日
  • 刑事弁護人

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    弁護士の持月凛子と西大輔が殺人の容疑で逮捕された警察官の垂水涼香を弁護する物語で504ページの分厚い本だったが、一気に読破できた.殺されたのはホスト・加納怜治で涼香の証言では彼の自宅でナイフで襲われ近くにあった酒の瓶で怜治の頭を殴った由.凛子と大輔が証拠集めに奔走する中で、大輔は涼香の証言に疑問を感じた.大輔は元警察官で学生時代に司法試験をパスした秀才で現在は弁護士.涼香は息子の響を亡くしており、それを悔いていた.怜治の前科を調べるうちにその捜査に涼香が加わっていたこと、その過程で涼香が有力な証拠を発見したことなど、大輔の琴線に触れる事象から調査を継続する中で新たな証拠を発見する.裁判の最終段

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    2024年10月06日
  • 虚夢

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    刑法39条“心神喪失者の行為は罰しない”
    犯罪を犯した精神障害者の責任能力の有無について真っ向から問題提議をする社会派ミステリー。

    『幼い娘を心神喪失者に命を奪われた。犯人は刑法39条により罪に問われなかった』

    刑法39条の違和感や理不尽さを被害者家族を通して表現しているだけでなく、犯人の精神疾患の問題の複雑さにも触れており、法律や精神鑑定のあり方についてとても考えさせられた。そして終盤に明かされる驚きの真実。心が揺さぶられた。
    読者に投げかける問題は深く結論は出ない。

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    2024年09月25日
  • 逃走

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    これは正解はなんだったのだろう。
    あの日に4人で心中すればよかったのか、夫婦が逮捕されるのがよかったのか、もう少し早く妹に真実を話せばよかったのか。。。すごく考えさせられました。わたしが妹なら、本当のことを早く教えて欲しかった。

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    2024年09月13日