【感想・ネタバレ】刑事の怒りのレビュー

あらすじ

心をえぐられたとしても、彼だけはあきらめない。

刑事・夏目信人シリーズ第四弾。
涙が溢れるだけでは終わらない。

年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護。
社会の歪みが生み出す不平等に、虚しさを抱えつつも懸命に前を向く人々。
非力な彼らを餌食にする犯人を前に、刑事のまなざしが怒りに燃える。
私たちが願うのは、被害者の幸せだけでいいのだろうか。

現代の闇に根差す凄惨な事件。
薬丸岳が「現代」を描くミステリー!

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Posted by ブクログ

夏目シリーズの最新作を読めて本当に嬉しい
短編集ではあったが、どの事件もいつも犯人や動機が意外なものだったり予想できないものが出てきて興味深く見れる
また夏目さんと本の中で出会いたいと思う

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2025年09月11日

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世相を映す痛切な犯罪事件。
立ち向かう夏目の姿勢は「罪を憎んで人を憎まず」では語り尽くせない何かがある。
短編賞受賞作「黄昏」や他の作品も珠玉の出来だが、やはり表題作が良かった。
切なくなるけど、あぁ、続きが読みたいなぁ。

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2024年12月04日

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【夏目シリーズ第4弾】
シリーズ第4弾は夏目刑事が東池袋署から錦糸署に異動から幕が開く。年金不正受給、レイプ被害、外国人労働、介護。現代の社会問題にそれぞれ切り込んだ作品群。

4番目に収録された表題作『刑事の怒り』
「植物状態になった患者」の生きる意味や苦悩、そして患者は幸せなのか。本人の意思が明確に確認できない状況で、生きて欲しいと思うのは家族のエゴなのか…
薬丸岳さんがたどり着いた命題への答えに胸が打たれ、人の尊厳と命の大切さについて考えさせれた。

読み終えて夏目ロス気味。夏目の娘・絵美ちゃんの今後の回復と、祐馬の心に光が灯る日が訪れる事を祈りつつ第5弾を待ちます。

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2024年09月02日

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夏目信人シリーズ4作品目。
4編の中•短編集の物語、どの作品も現代社会の問題を掘り下げた内容で実際にあった事件を薬丸岳さん独自の視点で描いている。

事件の真実を知る事への執念、夏目刑事の洞察力や犯人への優しさを感じる内容です。

夏目信人シリーズ4作品を読んで思う事は、犯人や関わっている人への思いやりが非常に好感が持てる良い刑事だと思う。
薬丸岳という作家さんの人柄が良く出ている。
これからも応援します。

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2023年12月17日

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夏目刑事シリーズ。
娘さんが回復してきているのが支えになる一方で、娘さんの本当の思いを知ることはできないという苦悩もあり。

社会問題に向き合い、優しく導く夏目刑事を見習いたい。
馴染みのある錦糸町周辺が舞台になったのもうれしい。

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2022年07月31日

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夏目シリーズ第4弾!
相変わらず、洞察力抜群で事件を解決していく短編集4編。
娘さんも植物状態から復帰して、何かええ感じ。
とは言え、事件の方は変わらず悲惨です(T . T)

普通なら、当然、この人が犯人、もしくは、こういう犯行でしょ!と皆んなが思ってるのに疑問を感じる。疑問を感じると納得できるまで捜査する。独りになっても。
鋭い洞察力もそうやけど、相手の行動を、相手になりきって行動を考えるんかな?
今回の4事件もその洞察力を発揮する。
でも、娘さんと同じような状況の人たちが殺されるのには、怒りが!

このシリーズは、いつも一気読み!
ええ感じにできてます。
夏目さん!これからも、頑張ってや!

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2021年12月08日

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夏目刑事シリーズ。

最初に短編集があり、最後は本の題名にもなった刑事の怒りで終わります。

印象に残ったのは、最後の刑事の怒りで、夏目刑事が今までしてきたことは間違いだったのでは?という疑問にぶつかります。

それをどう乗り越えるかが見所だと思います。

個人的には間違えてないと思います

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2021年11月21日

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夏目信人シリーズ4作目。今回は「生贄」と「刑事の怒り」が特に良かった。「生贄」は読んでる間辛くて辛くて・・・。性犯罪は人間の心を殺してしまう犯罪。この罪が被害者に与える被害の大きさに比べて軽く扱われているのは確か、もっと厳罰化されるべきだと改めて思いました。「刑事のー」は夏目の娘の事も重ねさせてしまう事件。解説にもありましたが、やまゆり園の事件を思い起こしました。介護している家族の気持ちは他の人間にはわからない。裕馬はこれからどうなっていくのか。このシリーズまだまだ読みたい。

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2021年05月17日

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『刑事のまなざし』から始まる刑事・夏目信人シリーズ、第4弾。

社会的弱者の苦悩や問題を、丹念に掘り起こし、一つ一つ丁寧に浮かび上がらせる薬丸作品。

今回は、『黄昏』、『生贄』、『異邦人』、『刑事の怒り』の4作品。それぞれ、年金不正受給、性犯罪、外国人留学生、介護の問題。

それぞれ味のある作品ですが、特に、『刑事の怒り』は、被害者が自身の娘・絵美の姿とも重なり、犯人の理不尽な理由に怒りが...
ぜひ一度、読んでみてください。

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2020年06月20日

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夏目刑事シリーズは、外さない。人間ドラマであり、サスペンスであり、薬丸岳の真骨頂躍如たるものがある。

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2020年03月26日

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こちらは夏目刑事の短編集。薬丸岳さんのファンですが、私は長編の方が好きです。4編とも、面白かったです。
特に、オムライスの少年の続編もありました。とても気になる少年、追いかけてみたいです。なので、これから先も夏目刑事の続編を期待したいです。

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2025年11月26日

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最後の夏目シリーズ。ここまで4冊夢中になって読みました。
夏目シリーズは短編集が多いけれど、短いけれど厚みがあり面白い。
また続編が読みたいです。

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2025年10月11日

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大好きな薬丸岳作品。
今回は短編集で、話の内容はどれも重たいのだけど、あっという間にサクッと読めました。
印象に残ったのはやはり表題作の「刑事の怒り」と「異邦人」。
内容が重たくてもなぜかそんなに後味が悪くないのがすごいな…と思います。

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2025年08月15日

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犯罪を犯すに至ってしまう深い心の痛み、苦しさと怒り、隠し通したい真実。夏目刑事の抱く根本には人間としての尊厳への理解と愛があって寄り添って行く、そんな姿勢に好感が持てるシリーズ。シリーズものとしては時間が、さかのぼってしまったようだけど(読む順番が違うのかも)。
外国人労働者に迫った作品がわりと好きだったが、最後の「刑事怒り」は、一見、自殺幇助とみられた事件を解決していく様は生きていくことの意味を尊ぶ姿勢に貫かれているものだと思った。

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2025年07月12日

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夏目刑事シリーズ
びっくりするようなどんでん返しやトリックはないけど、その分短時間でさらっと読める短編集
性犯罪や技能実習生、在宅介護など近年の犯罪のトピックスが盛り込まれていてリアルでした

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2025年03月15日

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安定に面白いです。薬丸岳さんの作品は本当に全部好き。
重めのストーリーでも夏目さんのあたたかい人柄に救われる気持ちになれます。

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2023年09月24日

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薬丸岳さんの夏目信人シリーズで今回は黄昏、生贄、異邦人、刑事の怒りの4つの物語で構成されており、どの物語も夏目刑事の慧眼と行動力に感心させられますが、やっぱり彼の人柄ですかね~。犯人を追い詰めないというか、自省の機会を与えるというか。。。ただ、最後の物語である「刑事の怒り」については、彼自身が背負うものと、、、これ以上言わない方が良いですね。兎に角、読んでみて下さい♪

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2023年01月08日

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単行本で一度読んでいた。文庫本で再読。
夏目シリーズ第4弾。錦糸署に異動辞令がでた所から始まる。表題作の『刑事の怒り』は実際にあった事件を思い出しやり切れない思いです。新しい相棒の本上さんもまだ謎を抱えていそうですし、このシリーズはまだまだ読みたいですね。

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2020年05月14日

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ネタバレ

薬丸さんも好きな作家さんのひとり。
薬丸さんのミステリーは、胸が締め付けられるテーマも多いけど…
とても興味深く、惹きつけられます。

この本は、夏目刑事シリーズ。

・刑事のまなざし
・その鏡は嘘をつく
・刑事の約束

に続くシリーズ第3弾。

夏目信人。
一人娘の絵美が通り魔事件の被害者となり、意識不明となる。
当時、法務技官だった夏目は、犯人を捕まえたいとの思いから、警察官となった。

警察小説はちょっと苦手なのですが、このシリーズは別。
夏目の人間的魅力に惹きつけられる。

【刑事の怒り】は4編の連作短編集。

・黄昏
・生贄
・異邦人
・刑事の怒り

どの作品も社会問題をテーマにしている。
表題作である「刑事の怒り」を読みながら、津久井やまゆり園の事件を思い出していた。

夏目の一人娘、絵美も10年もの間、意識不明の状態だった。
表題作はこの重いテーマを描いている。

この作品が描かれたのは、事件のあと。
薬丸さんはこの重いテーマに挑んだことになる。
とても考えさせられた。

刑事・夏目信人シリーズ。
今後も期待!

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2020年04月13日

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夏目刑事シリーズ第4弾。
2話目からは、東池袋署から錦糸署へ異動。初日から遭遇した事件でコンビを組むのは、女性刑事本上。何やらいわくありげな相棒で、今後のコンビぶりに興味あり。
短編4編はそれぞれ、年金やレイプ、外国人労働者と、現代日本の社会問題を取り上げながら、ミステリーとしての面白さも満たしてくれる。
表題作では、夏目の娘絵美とシンクロする、身体活動や知的活動ができない患者への対応の問題を扱う。医療過誤か自死か、あるいは事件か、夏目の怒りは著者の怒りでもある。
ただ、娘絵美が作品ごとに回復しているのを見るのは、次回作への楽しみとなる。

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2020年04月09日

Posted by ブクログ

薬丸岳『刑事の怒り』講談社文庫。

刑事・夏目信人シリーズの短編集。人間の犯した罪の背後にあるものを夏目の鋭い目が暴き、事件の真相を明らかにする。時に暖かく、時に残酷な夏目の目。『黄昏』『生贄』『異邦人』『刑事の怒り』の4編を収録。

『黄昏』。娘が高齢の母親の腐乱遺体を隠し続けていた理由とは……人びとが隠していたい人生の影の部分をも暴き出す夏目の鋭い目。ちょっと残酷のように思う。日本推理作家協会賞短編部門受賞作。

『生贄』。極悪非道なレイプ犯罪。公園のトイレでレイプ被害にあった女性が加害者を刺し殺し、警察に自首する。事件に違和感を覚えた夏目は……夏目の正義感は十分理解出来るが、暴かなくとも良い事実もあるのではなかろうか。

『異邦人』。近年増えている海外からの留学生。中には留学という名目で日本に金を稼ぎに来ているという。東京のコンビニ店員などは殆どが外国人留学生のアルバイトだ。そんな状況で起きたベトナム人女性留学生による強盗傷害事件。夏目の鋭い観察力が事件の真相を暴く。

『刑事の怒り』。表題作。寝た切りとなった我が子を死に至らしめたのは実の母親なのか、バイク事故で意識不明となった若者の突然死は医療過誤によるものなのか、この世の不条理と罪深い人間に夏目の怒りは爆発する。

本体価格760円
★★★★

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2020年03月15日

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2017年第70回日本推理作家協会賞(短編部門
「黄昏」を含む夏目シリーズ第4弾
夏目刑事の犯人へも注ぐ優しさが読める短編4編

「黄昏」
高齢の母親の遺体をスーツケースに入れてかくしていた娘。母親の死を隠蔽した理由が切ない。
けれど幼いかな

「生贄」
夏目刑事が錦糸署に移動直後の事件。
公園のトイレで若い男がナイフで刺殺。
二重三重の性犯罪の被害者の苦悶。
夏目の許しの心情も揺らぐ。

「異邦人」
ベトナム人留学生が警察通訳人として同胞の女性の犯罪に夏目と共に関わる。
外国人労働問題を犯罪の根底に。

「刑事の怒り」
疾患や事故で身体が不自由となり呼吸器を必要とする患者が立て続け亡くなる。
それは自殺幇助か安楽死か
この物語では夏目の怒りをかう犯罪なのだけれど
重いテーマとして長く考察されていくんだろうなと思う。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

「刑事のまなざし」「その鏡は嘘をつく」「刑事の約束」に続く夏目シリーズ第四段。
4編からなる短編集です。
これまた、重いストーリばかり。しかし、この手の話は大好きです。

■黄昏
第70回日本推理作家協会賞受賞作品。
母親の死体をスーツケースに隠してもっていた娘。
母親の死を届けなかった理由とは?
年金詐欺 ?

■生贄
これは辛い物語。
公園のトイレで起きた殺人事件。
レイプから身を守ったと主張する女性。
しかし、その女性の過去、そして、その真相とは..
最後、もうひとひねりあったところがすごい。

■異邦人
ベトナム人による強盗致傷事件発生。
しかし、その事件の真相とは?
外国人労働者に対する社会の「目」がポイント

■刑事の怒り
「生きる」ということを思い直させる物語。
眼しか動かすことができない状態で、誰かの介護なしに生きることしかできな状態で、「生きること」とは?
そのような状態に置かれた家族の想いとは?

「ドクターデスの遺産」を思い出しました、
しかし、事件の真相は別なところにありました。

ということで、とってもお勧め。

過去の事件、登場人物が出てくるので、過去作品と時間を離れず読むことをお勧めします。
ほとんど忘れてた(笑)

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2022年12月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

刑事・夏目信人シリーズ
自分の娘を通り魔に刺され、娘の意識は戻らない。重度障害者になった娘の事件の犯人に何度も会いに行く…
まず普通の人にはできないであろう。

それでも、刑事を続ける夏目。
こんな刑事がいたら…と思う。

容疑者はレイプから身を守ったと主張する、生贄という短編。
このメッセージはとても伝わる。レイプされた後の自分は死んだまま生きていた。
男性にはわからない感覚かもしれない。



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2022年08月23日

Posted by ブクログ

『こんなに怒りにうち震えても、まだ、人の心を取り戻して欲しいと望まずにはいられない。』

   
刑事 夏目シリーズの第4作目。
この作品も社会問題を扱った事件の短編集でどの話も興味深かった。

表題になっている“刑事の怒り”は、寝たきりの若者が急に亡くなり事件か事故かの両方で捜査するのだが、高齢化社会の昨今、考えさせられるテーマだった。

介護をする家族や恋人。意思疎通がままならない患者。誰かの手助けがなければ生きられない人の存在価値を、自らも娘が寝たきりである主人公に突きつけることで読者も一緒に考えさせられる。

“娘がもし死を望んでいたとしたら自分はどうするか“

この問いに対する主人公の答えを是非読んでみてほしい。


こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
・社会派ミステリーが好きなひと
・スキマ時間で読みたいひと
・刑事ものが好きなひと
・考えさせられる話が好きなひと

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2022年06月28日

Posted by ブクログ

夏目信人シリーズの第4弾! 今回も4つの社会問題・テーマに全力で向き合う良作が並ぶ。仕事上で出会うことが多かったパラサイト問題を扱った“黄昏”、職場にいる技能実習生のことを考えさせられた“異邦人”が特に引き付けられた。このシリーズは引き続き追いかけていきたい。ただ、著者の不勉強な面が出てしまうのが玉に瑕。ケアマネジャーは直接口腔ケアはしませんよ~。編集、校閲さんもチェックしましょうね!

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2020年09月20日

Posted by ブクログ

罪と戦う刑事夏目シリーズ。短編4作。優しさとこだわりと人柄が自身の教えになるミステリ。色々なことを考えさせられるのが薬丸岳作品。面白いよ。

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2020年04月27日

Posted by ブクログ

夏目シリーズの第4弾。4編からなる連作短編。亡き母の想いに胸を締め付けられた”黄昏”,強姦事件の傷が招いた悲しい悲劇”生贄”,出稼ぎ外国労働者のやりきれない境遇”異邦人”,そして相模原障害施設殺傷事件の嫌な記憶がよみがえる表題作の”刑事の怒り”。どれも心揺さぶられる良作でした。
あらすじ(背表紙より)
スーツケースに入った高齢女性の遺体。隠していたのは娘だった。母の死を届け出なかった本当の理由とは(「黄昏」)。公園のトイレで起きた殺人。容疑者はレイプから身を守ったというが(「生贄」)。犯罪者自身が抱える壊された心、それでも許されない罪の重み。現在をまっすぐ見つめる刑事・夏目の傑作ミステリー。

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2020年04月16日

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