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Posted by ブクログ
薬丸さんも好きな作家さんのひとり。
薬丸さんのミステリーは、胸が締め付けられるテーマも多いけど…
とても興味深く、惹きつけられます。
この本は、夏目刑事シリーズ。
・刑事のまなざし
・その鏡は嘘をつく
・刑事の約束
に続くシリーズ第3弾。
夏目信人。
一人娘の絵美が通り魔事件の被害者となり、意識不明となる。
当時、法務技官だった夏目は、犯人を捕まえたいとの思いから、警察官となった。
警察小説はちょっと苦手なのですが、このシリーズは別。
夏目の人間的魅力に惹きつけられる。
【刑事の怒り】は4編の連作短編集。
・黄昏
・生贄
・異邦人
・刑事の怒り
どの作品も社会問題をテーマにしている。
表題作である「刑事の怒り」を読みながら、津久井やまゆり園の事件を思い出していた。
夏目の一人娘、絵美も10年もの間、意識不明の状態だった。
表題作はこの重いテーマを描いている。
この作品が描かれたのは、事件のあと。
薬丸さんはこの重いテーマに挑んだことになる。
とても考えさせられた。
刑事・夏目信人シリーズ。
今後も期待!
Posted by ブクログ
重い…いつにも増して重い…。休日に読んでいて、重苦しい気分になって、キリのいいところで一時中断した程に。
連作4篇からなる中編集。なかでも表題作「刑事の怒り」は、サリン事件の被害者が亡くなった直後だけに、彼女のことを考えずにはいられなかった。自分がその立場になった時、それが寝たきりになる側であったら、介護する側であったら。どう願うだろうか、想像もつかない。でも夏目さんが、「生きていたいと思わせてあげられない自分を責める」と考えていたことに、夏目さんの強さを感じた。