薬丸岳のレビュー一覧

  • ブレイクニュース

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    実にスカッとする社会派ストーリーです。
    現在ではSNS情報は必要不可欠で一人あたりのスマホ使用時間が7時間以上の方もザラに存在し更に海外ではある年齢未満は使用不可にした法案や国自体で情報操作したりと世界的にその使用方法が改善される程必要不可欠なモノになり、その使い方次第で大きな影響力を生み出す、そんな今の時代ならではの現象を上手く物語にし完結に纏めたストーリーになってます。
    物語はYouTubeの申し子…とまで囁かれる女性が動画アップしながらも取材で奮闘する流れを…テキパキとこなす一流記者の如き立ち振る舞いで視聴数を上げていく流れを…スピード感ある描写で描かれてますが、その活躍も、ある目的の為…ていう設定が実におもしろい一冊です。

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    2025年08月12日
  • 友罪【電子特別版】

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    初、薬丸岳さん。
    ココの住人さんたちが(少なくともオイラなんかをフォローしていただいている方々)、多く手に取られている作家さんだ。

    恥ずかしながらオイラは、薬丸さんのお名前すら存じ上げなかった。

    ココに出会わない=薬丸さんとも出会わない。

    ご縁って本当に不思議だ。

    まず薬丸岳さんのつづる文章のリズムと、オイラの薬丸さんの文章を読むリズムが、とてもここちよかった。

    また大好きな作家さんが、お一人増えた。

    ココの住人さんのおかげ!

    そしてこの作品は「葛藤の連続」だと感じた。
    「あー。もー。」と何回も、オイラ自身も葛藤しながら読み進めた。

    そして「どうしても非情になりきれない登場人物」。

    なぜかドラゴンボールで瀕死のフリーザに、自身が宇宙空間では生きられないのに、自分の「気」を分けた孫悟空を思い出した。

    この感想にコケてる、ココの住人さんもいらっしゃるだろう。

    読書は自由だ!

    オイラが一貫して大切にしていることである。

    なので許してもらおう。

    ご一読をお勧めします。

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    2025年08月01日
  • 天使のナイフ 新装版

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    Audible聴了。
    自分の妻が生まれたばかりの赤ちゃんの前で殺されるも、犯人が13歳の中学生3人組ということで少年法により罰せられず、しかもその身元/処遇も全く明かされないという忸怩たる思いの主人公(実際「犯人を殺してやりたい」発言)。その犯人の一人が殺され(主人公が疑われる)、続いて一人は運よく助かるが、またもう一人が最後に殺される。
    犯人は誰なのか、何故妻は殺されたのか、非常に良く練られしかもテンポよく進むストーリーは、第1作目とは思えない「江戸川乱歩賞」受賞作。
    先に『籠の中のふたり』を聴いたが、薬丸岳はこれからも読んでいきたい。

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    2025年07月28日
  • 友罪

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    ネタバレ

    600ページ近くある大作だが、薬丸岳さんの本はとても読みやすく、すぐに読み終わってしまう。今回は友達が殺人を犯した過去があると知った時、どう行動するのか、という視点で話が書かれていた。苦しみながら生きていてほしい、そして一緒に償いを探していく、ということが、主人公が導き出した友情の証だった。難しいことを曖昧に終わらせず、結論を出してくれるところも、私が薬丸岳さんがすきなところの1つでもある。他にも、恋人が殺人を犯していたら?自分の息子が子どもを堕ろすと言ってきたら?自分がいじめに加担したせいで、友人が自殺してしまったら?たくさんの考えさせられる視点があって、読み終わった後は本当に複雑な気分になる。でもまた読みたいってなるのが不思議。

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    2025年07月25日
  • 刑事弁護人

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    事件の真相が二転三転してどうなる事かと思ったが、最後は予想通りの結末だった。最終結末は予想できたが、被告人の知人、友人何よりも子供への愛によってこちらの気持ちは揺さぶられ、次の展開にを知るためにページは進んだ。

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    2025年07月14日
  • 罪の境界

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    薬丸岳さん、2作品目。
    前回は少年法の話。今回は無差別殺人の話。
    裁判や刑事事件のことを詳しく分かりやすく書いてくれるので勉強になる。


    タイトル「罪の境界」とは……

    結婚を意識している彼から誕生日のデートをドタキャンされた「浜村明日香」
    彼女の不幸はそこで終わりではなかった。
    ドタキャンの腹いせにスイーツでも買って帰ろうと進路を変えスクランブル交差点を渡っていると、突然、斧を持った通り魔に襲われる。
    全身17箇所の傷をおい、1週間意識不明、死の窮地をさ迷った明日香。彼女が生きていられたのは斧を持った通り魔から彼女を守ってくれた男性がいたから………その男性は明日香に最後の言葉を託した「…約束は守った…伝えて欲しい」

    なんとか生きていられた明日香だが、事件の恐怖から彼とも別れ、以前の明るい性格とは別人になり、大事な家族にもナイフを向けてしまう…そのままではダメだと家を出る……

    一方、通り魔殺人を犯した「小野寺」
    動機は「ムシャクシャしていた。誰でもよかった。」
    彼は母親に虐待されていた過去を持つ。
    ろくに学校にもいかせてもらえず、14歳の時に万引きをし補導され、施設で育つ…

    明日香は事件を克服できるのか…小野寺が事件を起こした本当の理由とは…


    まーー今回も考えさせられた。
    正解のわからのない質問の代名詞とも言える「なぜ人を殺してはいけないのか」の答えを見た気がする。
    やっぱどんな理由があろうが、どんな過去があろうが故意に殺してはいけない。
    人には人の分だけ、それぞれの生い立ちがある。
    どんなに不幸だとしても、それを人のせいにしてはいけない。でも人ってそんなに強くない…

    平和な国だと言われている日本ですら、戸籍のない子どもや生きるために売春や犯罪をする人もまだまだいるんだよ。身近にいないからピント来ないけど……旦那が離婚してくれない。とか悩んでる自分が恥ずかしくなってくる作品でした。

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    2025年07月12日
  • 刑事のまなざし

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    ネタバレ

    短編で夏目刑事の断片が少しずつ開示され、
    娘の犯人に辿り着く。名作!
    少年犯罪関連の小説はNo.1です。

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    2025年07月06日
  • 罪の境界

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    物語は、26歳の明香里が渋谷のスクランブル交差点で通り魔に襲われるという衝撃的な事件から始まる。明香里とその恋人・航平、そして事件に関心を持つライター・省吾の3人の視点を通して、被害の痛みや加害者への向き合い方が描かれていく。

    重傷を負った明香里は、通りすがりの男性に命を救われるが、その男性は「約束は守った…伝えてほしい」という言葉を残して亡くなる。その“約束”の意味が、物語を読み進める鍵となる。柚月裕子さんの『教誨』を少し前に読んでいたこともあり、「約束」というキーワードが印象的に重なった。

    省吾は犯人の過去を取材する中で、彼の幼少期が自分自身と重なるような、虐待やネグレクトにまみれた過酷な環境であったことを知る。もちろん、無差別殺傷事件の動機は決して正当化できない。しかし、誰かを傷つける背景には、断ち切ることの難しい“負の連鎖”があるのだと痛感させられる。

    どんなに傷つけられても子どもは親の愛を求め続ける。その姿は痛ましくもあり、同時に養育環境の重要性を改めて思い知らされる。

    被害者がどうやって現実と向き合い、立ち上がろうとするのか。加害者がどのようにして“境界”を越えてしまったのか。解決のつかない問題がいくつも残るが、だからこそ「これが現実なのだ」と強く感じさせられる作品だった。

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    2025年07月05日
  • 神の子(上)

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    面白い。 テンポがよくて読みやすい。映像が目に浮かぶようだ。

    後半 工場の徳山さんが町田と飲んだ時口にした「痛みっていうのは…自分がある程度幸せでなけりゃ感じられねえものなのかもしれねえなあ。……」という言葉には なんだか深く納得した。

    下巻に向けて気になる人間ばかりだ。雨宮、小杉はもちろんのこと 晶子もクサい。そしてやっぱり室井だ。町田への執着は彼の頭脳だけが目的だとも思えない。
    すべては下巻。

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    2025年07月04日
  • 悪党

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    薬丸岳さん著「悪党」
    今回の作品は軸が一本しっかりと通った連作短編集になるのだが、その軸の核がかなり著者作品特有の独自性を伴っている上、著者の筆圧の力も相まって読後の感想としては一本の長編小説に近い印象を受ける。

    今回の作品、被害者遺族の視点から描かれていく物語。姉がレイプ事件の被害にあい殺されてしまった被害者遺族の未来が描かれている。
    贖罪の気持ちを持たない加害者達に対しての怒り、加害者達の出所後の人生の放漫さや噛み砕き方に対しての赦し難い気持ち。
    それらを各短編ごと、上手い具合に他の犯罪等をもを引用とし、比較対象させながらの物語展開は圧巻だった。

    凄いなと感じさせられた台詞があった。
    姉を殺された犯罪被害者である主人公が里帰りし父親に言われる台詞
    『いつでも笑っていいんだぞ。いや、笑えるようにならないといけないんだぞ。
    おれたちは絶対に不幸になっちゃいけないんだ』
    鳥肌が立った。

    これは色んな意味が含まれている名言。
    父親が息子の復讐への抑止のために言った台詞なのかもしれないし、自分の為に言った台詞なのかもしれない。事件以来立ち止まってしまった時の流れに対しての言葉かもしれない。

    父親はもしかしたら息子の復讐の果てを見抜いていたのかもしれない。もし復讐として罪を犯したとしてもなおの言葉だったのかもしれない。

    『おれたちは絶対に不幸になっちゃいけないんだ』

    亡くなってしまった娘の為にも…
    残された今ある自分達の人生の為にも…

    倫理観や道徳観を越えた深い言葉だった。同じ家族、同じ被害者遺族でしか共感できないであろう名言であり、その間柄だからこその言葉、言葉にできる数少ないであろう言葉なのだろう。

    素晴らしすぎた。


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    2025年07月06日
  • 虚夢

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    通り魔事件が起き、娘の命は奪われた。
    しかし、犯人は精神障害で心神喪失と認められ、罪には問われなかった。
    その後、三上孝一は妻と離婚し、無力感に苛まれながら数年を過ごす。
    だがある日、元妻は再び娘の命を奪った犯人を目撃する。
    三上たちは、その男に近付いていく。


    通り魔事件の加害者は心身喪失で無罪となったことに強い違和感を覚えた。
    人を殺したのに何の罪にも問われないことは、本当に正しいことなのか。
    悪いことをすれば罰せられる。
    それは犯罪者を更生させるため、悪事を働かせないための抑止力の機能をするものだが、被害者のための償いという側面もあるはずだ。
    そのため、被害者は自分の大切な存在を失ったのに、加害者は何の責任にも問われないのは到底受け入れられるものではない。

    「被害者がいれば必ず加害者がいるはずだ。
    誰が悪くてこんな悲劇が引き起こされてしまったというのだ。」
    この言葉が印象に残った。

    刑法第39条
    ① 心神喪失者の行為は、罰しない。
    ② 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

    まさにこの条文が本書のテーマである。
    心身喪失者は自分の意志で犯罪を犯したわけではないから、罰することに意味がないことは理解できる。
    だが、被害者の立場からすると、どんな状態であったとしても責任を取ってほしいと願うはずである。
    法律が守っているのは加害者の人権ばかりで、被害者の感情を軽視しているように感じる。
    両者の気持ちを尊重できないことは分かっている。
    しかし、被害者を蔑ろにする法律に疑問が残った。


    自分の大切な存在を奪った加害者は罪に問われなかった。
    加害者に対して罰を与えられないのであれば、憎しみが消えることはない。
    理不尽な出来事を許すことができない感情が元妻をある行動へと突き動かす。
    藤崎を殺して、刑法第39条の問題を世の中に訴えようとしたのだ。
    自分の人生を犠牲にしてでも訴えたかった気持ちは理解できる。
    しかし、どんな理由であっても殺人は許されない。
    娘の命を奪った加害者と同じになる。

    それでは、どうすれば立ち直れるのか。
    加害者を無理に許す必要はないと思う。
    一生、許さない気持ちを抱えたままでもいいと思う。
    許さないけど、その気持ちを抱えたまま前向きになれるように努力すればいい。
    同じような境遇の人と話し合ったり、自分の思いを発信したりする中で、自分の気持ちを整理して前向きになればいい。
    「立ち直る」とは許さない気持ちがなくなることではない。
    許さない気持ちを抱えながらも、前向きに生きようとする姿勢なのだと本書を読んで強く感じた。



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    2025年06月27日
  • 死命

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    初めて薬丸岳さんのお話を読んだ。
    他の作品も読んでみたいと思わせるような作品。

    なおオーディブルでは吉田剛太郎さんが朗読している。
    演技は素晴らしいがプロの声優さんではないので少し滑舌に難はある印象。

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    2025年06月22日
  • 友罪【電子特別版】

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    主人公、益田は、ジャーナリストの夢を諦めきれないままステンレス加工の会社で寮生活しながら働く。実際に起きた神戸の事件とそっくりな事件を物語にしているので臨場感ハンパない。実話に基づいていると言われても納得の描写でした。一緒に働く鈴木が神戸の事件の犯人ではないかと疑い始めた益田は鈴木に親友だと言われたことが引っかかっていた。親友を取るのかジャーナリストへの道を取るのか動けずにいた。一気読みでした。

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    2025年06月20日
  • ラストナイト

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    薬丸作品にしては珍しく短めだが、テーマは実に薬丸さんらしい。
    顔に豹柄の刺青を入れた男・片桐の数奇な人生が、複数の視点から語られていく構成。出所しては再び罪を犯し、何度も服役を繰り返す彼はなぜ、そうまでして犯罪に手を染めるのか。

    物語は同じ5日間を別々の立場から追いかける巧みな構成で進んでいく。片桐への思い、彼の事件によって狂わされた人生、そして彼に自らの人生を重ねる人々の視線が絡み合い、先が気になって一気に読まされる。
    大筋に裏切りはないが、ラストにはかなりの衝撃が待っている。片桐の人生の執念、そしてそれが導いた結末は、きっと彼なりの「愛」の形なのだろう。だが、それでもなお胸に残るのは、どうしようもないやるせなさだった。

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    2025年06月09日
  • 罪の境界

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    ネタバレ

    罪を犯してしまう人と犯さず踏みとどまる人の境界を考えさせられる話。
    罪を犯してしまっても社会で再度生きようとする飯山さんの過去を考えると、境界を越えてしまったらそれで終わりと言うことはできないのかと思った。
    罪の境界を越えない人と越える人ととの違いは、人と関わって大切な人ができていくことが大事なのだと考えると、そういう機会を与えなかった親の責任はすごく大きいと思った。
    母親に母親の考えや遠慮があったのかもしれないけど、子どもを突き放してしまうような最後は苦しかった。

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    2025年06月08日
  • ブレイクニュース

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    先を読みたくなる物語。時事問題を上手に扱いながら、主人公の目的を達成しようとするドラマを描いている。痛快だね〜

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    2025年06月04日
  • 友罪【電子特別版】

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    皆それぞれ過去の苦悩をもち、今とこれからを生きていかなければなりません。その苦悩を理解できる人はいない。それでも人を信用したいという思いを感じる作品でした。

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    2025年06月03日
  • 友罪【電子特別版】

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    読み進めるのが辛かったけど、めちゃくちゃ良かった。千切れた指の傷痕をみせてほしいと言ったのは、一度動かなくなった命が蘇生することに心の拠り所を見出したかったのかもしれない。

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    2025年06月03日
  • その鏡は嘘をつく

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    『刑事のまなざし』の夏目刑事シリーズ第2弾の長編。単なる自殺と目されていた案件に違和感を抱き現場に出て解決しようとする志藤検事と、いたずら通報疑われる事件を丹念に追っていた夏目刑事が互いに事件の核心に迫っていく様と絡みが面白い。夏目の深いまなざしは単なる犯人探しの枠を超えて加害者へも贖罪を含めた人間性の回復への信念が込められているように思える。このシリーズの今後にも期待が持てる。舞台の東池袋が身近で目が離せない感じもある。

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    2025年05月28日
  • 罪の境界

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    自分にとって初読となる薬丸岳さんの作品!
    他の方の本棚に置かれていることも多く、あらすじを読んでいるうちに段々と興味の湧いてきた作家さんの一人。
    600頁に及ぶ長編でしたが、とても読み応えのある一冊でした!

    渋谷のスクランブル交差点にて通り魔事件が発生するところから物語は始まる。
    通り魔事件の被害者である明香里、恋人を事件に合わせてしまい後悔する航平、自身の境遇を重ね加害者に興味を持ったフリーライターの省吾。3人はそれぞれの矜持を胸に真相へと迫っていく。

    「刑務所に入りたかった」「誰でもよかった」という犯人のあまりに身勝手な動機。結婚し幸せな家庭を築きたい、と願っていた明香里の夢を一瞬で地獄に叩き落されたかのような絶望感。本当に読むのがきつくて一回本を閉じかけました。。。。

    生い立ちがどんなに悲惨であろうと、人を殺していい免罪符にはならない。
    飯山が残した遺言の軌跡を辿り、自らも一度現実に打ちのめされた明香里だからこそ、あの言葉に説得力が出るのだと感じ心に強く響きました。

    何かを変えようと努力することなく、生まれを憎み母親への復讐に倒錯した結果、「罪の境界」を越え、人間ではなくなってしまった。だからこそ小野寺にとって悲劇的な最後の結末につながったのだと思います。

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    2025年05月26日