あらすじ
若くしてデイトレードで成功した榊信一。ある日、末期癌で余命わずかと医者に宣告される。それを機に、自身が秘めていた〝ある欲望〞に忠実に生きることを決意する。それが連続殺人の始まりだった。同じ頃、若い女性の絞殺体が発見され、警視庁捜査一課のベテラン刑事・蒼井凌が捜査にあたる。だが、犯人逮捕に執念を燃やす彼にも病が襲い……。
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薬丸岳さん、さすが。どんどん、読み進めてしまいます。刑事と犯人の二人の目線から、物語は進んでいきます。二人とも余命わずかの重い病気と宣告されてからのことが物語の中心になっています。読書の楽しみが味わえます。謎解きのむかって、進んでいきます。家族、友人、仲間も絡み合って、面白く読み進めることができます。
今、海外ドラマのロー&オーダーのSVU編(性犯罪系)を見ているので、重なる部分もある。人格形成の時、虐待されたり、誰にも愛されなかったりすると、人は、他人をモノとしてみてしまうのかな。私の想像枠を超えてしまうので、本やドラマでしかしらないけれど。だからと言って、他人に暴行したり、殺したりしていたら、この世の中は本当に地獄絵みたいになってしまうよね。人はやはり、もがきながらも、良い方向へ向かっていきたいと思うものだけれど。良い方へ向かっていこうと思えないとすれば、落ちて行って、人を傷つけるしかないのかな。どちらにせよ、人を変えることはできないので、自分の中にある問題をひとつひとつ解決して、良い方向へ向かうように歩いていくしかないよね。周りの人と心を通わせながら。そんなことを思った。
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初めて薬丸岳さんのお話を読んだ。
他の作品も読んでみたいと思わせるような作品。
なおオーディブルでは吉田剛太郎さんが朗読している。
演技は素晴らしいがプロの声優さんではないので少し滑舌に難はある印象。
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薬丸岳先生にはよく泣かされてるなーと思います。
刑事ものでこんなにグッとくるのは珍しいけど、家族ものでもあるからなんでしょうね。
途中までずっと岩沢刑事にイライラしていたんですけど最後良いキャラになりすぎてずるいなと思いました。笑
なんだかんだで職場でも家でも良い関係を築けていた蒼井の人生は素敵だなと思います。
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初読み作家の薬丸岳さん!
あらすじを読んで、うん?と思ったら
ドラマ観てましたꉂꉂ
余命宣告された警察官と余命宣告された犯罪者の
捕まるか捕まらないかのバトル物語
かなり面白かったꉂꉂ
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先が気になって一気読みだった。
動機が幼少期のトラウマだったのが、やり切れなかった。
犯人はすでに分かっている中で、殺人衝動の原因を探ることがメインの軸になっていて、面白かった。
ただ、どんな理由があっても、何の罪もない女の人を次々に殺していったのはやるせない。
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オーディブルで聴いたのだが、面白かった。警察小説ではいつも仕事に熱心で家庭を犠牲にしている刑事が出てきて鼻白むのだが、これも同じであるのだが、なんだかあまり白けない。主役の犯罪者はとても異常なのだが、なぜか没入することができる。異常な主人公を取り巻く登場人物がとても魅力的で、共感できるのがこの異常な犯罪小説を救っている。
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病が刻一刻と命を蝕んでゆく中、方やその奥底に秘めてきた欲望を開花させ、方やそれを止めるために執念を燃やす。
余命を知ったことで、愛する人から愛される喜びさえも凌駕するほどに膨れ上がる殺人衝動は、幼少期のトラウマ云々というより、『ジキルとハイド』のハイド的というか、ケモノのよう。そして愛する人の死が、愛する人にだけは本性を知られたくない、というただ一片残った人間性や理性をも奪い去り、怪物へと変貌させる。怪物に変貌を遂げた自分は地獄に落ちる、死んでも恋人と同じ世界に行くことはない、だから彼女に自分の本性を知られることはない、と安心しきっていた榊にとって(ここはなんだかロマンチスト)、蒼井の告げた言葉はまさに天啓とも言うべきものだったに違いない。まさに命を賭した蒼井の行動は、榊に、怪物としてではなく、死を恐れる人間として終わりを迎えさせることとなる。それは榊にとって罰であり、同時に救いであったのだと思う。
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末期がんの無敵の人の猟奇的な事件かと思っていたが、動機に母からの虐待が絡んできたところで、しんいちの苦しみが何十年も続いていたということが初めてわかった。
殺人衝動と失っていた記憶、死を間近にした人の無敵の行動。
許されないことなのに、なぜかしんいちを断罪しきれなかった
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面白かった‼️文章に無駄なく描写がなく、ストーリーは普通だけど、語り手のアングルが面白かった。久しぶりに続けて読みたい作家さんに当たって嬉しい!
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余命数ヶ月と言われたら。
殺人願望を押さえつけて生きてきた男と犯人を捕まえることに執念を燃やし続ける刑事。
この二人が残された限りある時間をどうやって過ごしたのか。
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もちろん、快楽殺人者の気持ちがわかるわけはないけど、どうにもただの狂人にしか感じずに、途中、嫌気がさしてきた。
命に限りがあると知った時、自分の快楽を得ることに走った者と、最後まで自分の生き方を貫き通した者。
最後の時、何を思って死んでいくのか。
仕事に最後の命の灯火を燃やし尽くし、家族と真摯に向かい合った人の最後が、安らかであったことに救われた。
狂人になるしかなかった人の辛すぎる生い立ちは、子供時代を幸せに生きたものには、到底わかるはずのないものだろう。でも、あえて小説として読まなくてもいいかな、私は。
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この作品を読んで思い出した。
若い時に付き合った彼氏が私だけに語ってくれた。「人を殺したい願望がある」のだと。
イケメンでクラスの人気者で明るい性格の彼の暗い一面を知り、若い私には受け止められず、いつか殺されるのではないかと怖れて、別れたけれど。
事件を起こしてないだけで、彼はいまだにその欲望を抑えて生きているのだと思う。
そんな「人を殺したい願望」がある男性が、末期癌で余命宣告を受けてから、残りの人生を自分の欲望の赴くまま、連続殺人を繰り返していく。
同じく余命宣告を受けた刑事が、その連続殺人鬼を追う。
快楽殺人でありながらも苦悩している描写が多々あり、さすが薬丸岳さんだなと思った。
Posted by ブクログ
末期癌を余命わずかと宣告される。自分自身の欲望に気づく・・・
それは悍ましい連続殺人の幕開け・・・
初めて薬丸岳さんの小説を読みました。
どんどん読むごとに小説の世界にどっぷり浸かってしましました。
怖くも悲しくもあり、色々な感情が動く作品だった気がします。
自分が余命わずかとなった時、自分は何のために生きているのか考えるきっかけをくれる気がしました。
物語も物語の人物の心境などわかる気がしてワクワクしながら読めました。
自分の知らない世界を教えてくれる著者の作品は良かったです。
もっと色々な作品に触れたいと思います。
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犯人と刑事のどちらもが余命僅かのがんにかかっているお話。
犯人の性描写が多く、性犯罪被害者の話が絡むので致し方ないのだけれども生々しくて勤務中に聞くのは結構大変だった。
トリックや複線のようなものは少なく、お互いの視点で交互に語られていくというもの。ホラーやミステリーの類ではない。
最後は犯人がおかしくなってあんまりおもしろくない終わり方だった。
Posted by ブクログ
こういう快楽系の殺人事件は、女として読んでいてほんとに胸糞わるくなる。
しかも、どうして犯人がそういう事件を起こすことになった過去を知ったとしても、全く納得も出来ないし、許す事なんて1ミリも出来ない。
それに加えて、犯人の彼に殺されかけた事があるにも関わらず、彼のことを思いつづける澄乃にも全く共感できなかった。で、最後の最後でようやく彼の本性を知り絶望の中で、彼の子供を身ごもりながら事故で亡くなる澄乃…
救いが無さすぎる展開の中、最後蒼井が犯人を捕まえ、子供達に看取られながら、妻の元へ旅立てたのだけが唯一の救いだった。
Posted by ブクログ
うーん、快楽殺人者がそれを追う刑事が共に胃がんの末期で最後はふたりとも死んでしまう。
澄乃が信一に扼殺されなくて良かったけど、主役のひとりなのに交通事故であっけなく死んでしまうなんて。
幼なじみでお互い両思いだったのにふたりの間にいったい何があったのか澄乃が二度も裏切ったってなんなのか、そこが知りたくて最後まで読んだけど、なんとも下世話な内容だった。
いくら水商売でも尻軽でもあんな殺され方はない。
それは親からの生育歴の問題のように書いてあったけど、それは信一の先天的な性癖なんだろうと思う。
読んでいて胸くそ悪くなった。
Posted by ブクログ
末期癌で余命わずかと宣告された、榊信一。それを機にある欲望が…
女性連続殺人事件の幕開けだった…
捜査にあたる捜査1課・蒼井。
蒼井もまた末期癌で余命わずかと宣告される…
なんとか生きているうちに犯人を捕まえようとする蒼井と、自らの欲望を満たそうとする榊…
結局は親の虐待によるトラウマだったのか…
しかし、澄乃がかわいそうすぎる…
最後には交通事故で死んでしまうなんて…
悔いが残るよな、澄乃は…
でも蒼井はよかったよ、ちゃんと瑞希とわかりあえて…
自分も死を前にすると、どうなるのだろう…
取り乱すのだろうか…
なるようにしかならないとやれることをやる、と生きたいが…
実際、どうだろう⁇
その時になってみなければわからないが、後悔はしたくない。
今を精いっぱい生きることが大事なんだろうな、やっぱり。