薬丸岳のレビュー一覧

  • 刑事の怒り
    安定に面白いです。薬丸岳さんの作品は本当に全部好き。
    重めのストーリーでも夏目さんのあたたかい人柄に救われる気持ちになれます。
  • 友罪
    難しいお題でした。
    なにをされるかわからない…怖い。というのを正直考えてしまう。

    二人の子どもを殺した人間に対する嫌悪感はある。
    だが、彼を自分の手で吊し上げてなぶりものにしたいと思うほどの憎悪はない。

    ただ、自分のそばにいてほしいくない…。

    どう更生しようが、今がいい人であれ、人を殺してしま...続きを読む
  • 天使のナイフ 新装版
    なかなか重いテーマで、読後スッキリとはいかないが色々考えさせられる小説だった。

    二重三重に重なり合う事件に意表をつかれっぱなしだったが、最初に感じた違和感も見事に回収される。
    スキのない物語作りなのだが、一点だけ納得できないのは相沢弁護士と祥子の因縁のくだりは果たして必要だっただろうか。あまりの都...続きを読む
  • 告解
    終盤に近づくにつれ、主人公と被害者の夫に対して、「堕ちないで、どうか堕ちないで」と祈るような気持ちでページを捲った。
    タイトルの告解の意味を理解したとき、人間が数十年かけて生き抜く人生の深層に触れた気がした。
    様々なものが折り重なって、一人の人間が完成していくんだ、と。
    とても読みやすい良作でした。
  • ハードラック
    大どんでん返し。
    ミステリーと言えば読んでいて一番気持ちが良い瞬間がソレを味わう瞬間。
    本作は序盤から気付かない程度の伏線を少しずつ残していきラストに繋げていくという王道のミステリーだが、ラストまでの繋げ方がとても巧妙なので、普段からミステリーを読んでいる人でも存分に楽しめる一冊となっている。

    ...続きを読む
  • 告解
    前半はページを繰る手が止まらなかった。
    主人公の現実が自分の未来のことのようで、読んでいて緊張感が半端ない。
    沢山の判断ミスが積み重なっていたものの、決して故意ではない過失致死。
    私にも、来るかもしれない未来。

    飲酒、雨の日、ネコ、脇目、どれかひとつに引っかかってさえいれば、そして運転をやめていれ...続きを読む
  • 虚夢
    人は自分の目に映るものだけを信じ、真実だと思い込む。
    それに飲み込まれるもの、利用するもの、惑わされるもの。
    それぞれの視点から心神喪失、刑法39条について描いていて、全く飽きることなく最後まで読めた。

    私だって、自分の目にうつっているのなら、皆がそれを幻だと言おうと信じないだろう。
    またこの物語...続きを読む
  • その鏡は嘘をつく
    普通に面白いエンターテイメントミステリー。
    謎解きも良かったし、検事・志藤のキャラも良かった。
    ただ、刑事・夏目信人の続編としては少し物足りなさが残る。
    第一作にあった「社会的弱者・マイノリティの哀しさ」が欠けていたからだろうか?
    3作目、4作目に期待する。
  • 刑事弁護人
    ミステリーとしてのストーリーとは別に(といっても大いに関連ありだけど)、弁護士というものを考えさせられる一冊。
    わたしも弁護士のことを「金次第」で悪人をも弁護する人々と位置付けているところがあり、昔 通り魔の被告人が無期懲役の判決を受けて控訴しようとした時に説得して納得させた弁護士の話を読んだ時くら...続きを読む
  • Aではない君と
    自分には3人の子どもがいるから
    両親に感情移入して読んでいて辛くなるかと思ったけど
    ふたりに対してイライラするばかりで
    まったく同情できなかった。

    少年院出てしばらくしてまだ未成年な上、全く反省もしていないのに
    自分らの仕事があるからと
    一人暮らしさせる親の気持ちが全くわからない。
    特に母親は自分...続きを読む
  • 蒼色の大地
    螺旋プロジェクトを、未来から逆行して読んでいるので(吉田篤弘が大好きだから!)海と山の対立度合いに、もしかして!といまさら気づきました。詳しく書くとネタバレになるので伏せます。

    本作には、どうやら前の時代(作家)から引き継いでいる登場人物がいるようです。

    時代背景は明治、山縣有明内閣の頃ですが詳...続きを読む
  • 告解
    自分の犯した罪に苛まれ、出所後の人生をどのように生きていくのか?
    また家族にまで及んでしまう影響を受け入れなくてはならない罪の重さに気持ちが重くなりました。
    人の道に反れるとはこういうことなのだろうとも考えさせられました。
  • Aではない君と
    あなたにしか翼くんは救えないんです。
    物事のよしあしおは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ
  • 友罪
    犯罪者がどんなに更生したと言われもなかなか受け入れられるものではないし、被害者にとっては更生云々の話ではない。なかなかヘビーな題材でした。
  • 神の子(下)
    4.2
    テンポ良く、サクサクと読めて楽しいが前編に比べてあっさりしてたかなーと思った。

    もっと怖くても良いし、逆に敵を壊滅させるくらいの方向に振り切って欲しかったかも。
  • 蒼色の大地
    螺旋プロジェクトの1冊
    山の一族も、海の一族も変わりつつある明治時代。最後のまつろわぬものの闘争を描いた伝奇小説。
    もののふの国で行先不明の人物も登場。ニクイ演出。
  • 神の子(上)
    4.4

    かなり面白い。
    主人公である天才少年の魅力にそれぞれ全く違う環境の人々が集まってくる感じが良かった。

    物語自体もこの先どうなるかが分からず、下巻が楽しみ。
  • ラストナイト
    薄い本だから軽く読もうと思って手に取ったのに、すっかり引き込まれてしまった。

    顔面に豹柄の刺青をいれ、犯罪を繰り返す片桐。
    昔に起こした傷害事件で最愛の妻と子と別れることになり、自暴自棄になっていると誰もが思っていたが…

    うわー衝撃…
    なんて悲しい人生なのか。
    「悪い人じゃないのに」という人が辛...続きを読む
  • 友罪
    あっという間に読み終わった…

    私なら親友が過去に殺人を犯したって知ったら離れるかな…
    誰にも共感は出来なかった…

    あと、結局なんで罪を犯したのかっていうの書いてなかったな…知りたかった
  • 友罪
    とても重いテーマ。過去に犯罪を犯した人と友達でいることはできるのか。犯罪を犯した人は、その後の人生をどうやって生きていけば良いのか。
    成人が犯した犯罪ならば、刑務所に入り懲役に服することで自分の犯した犯罪を償うことができる…いや、被害者や遺族にとってみればそれでも償うことはできないのだろうが、それで...続きを読む