薬丸岳のレビュー一覧

  • 刑事のまなざし

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    少年鑑別所の法務技官から警察官に転職した、刑事・夏目信人が活躍する短編集。
    『彼が何故転職したのか』を含めて物語は進んでいく。

    刑事といえば、視線が鋭く無骨なイメージがあるが、本書の夏目刑事は物腰がとても柔らかく温かい眼差しの“らしくない刑事”だった。
    そんな“らしくない刑事”の魅力は、人間に対する温かいまなざしと犯罪に対する厳しい姿勢。洞察力と観察力の鋭さに、ただただ感心した。夏目刑事の魅力的な人間性で、読後は完全に心を奪われた。

    良し悪しは別として、大切な何かを守りたいというのは全編に流れるテーマ。
    薬丸岳さんらしい『憎しみの連鎖』『贖罪とは何か』について問う深くて切ない社会派ミステ

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    2024年08月23日
  • 籠の中のふたり 【無料お試し版】

    購入済み

    推理小説?

    最初は「籠の中のふたり」がタイトルで推理小説だと思い読んでいました。今、95%読み終えましたが、やはり推理小説ではなかった。
    では、この小説は何、小説?今日中にあと5%を読み、結論を出したいと思います。以上です。

    #癒やされる #ダーク #共感する

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    2024年08月20日
  • 告解

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    順風満帆な主人公がひき逃げにより転落していく様、人としての葛藤、被害者遺族の心情…毎回そうですが、薬丸作品は一気読みです。
    被害者のご主人は加害者と最後に話すシーンの内容にそういう気持ちもあって直接話がしたかったのかと意外性もありましたが、今回もまた考えさせられる作品でした。

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    2024年08月18日
  • 神の子(下)

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    ネタバレ

    上下巻900ページ以上の長編であったが、先が読めない展開で最後まで飽きる事なく読み終えた。

    下巻は町田が少年院を出て大学生になり、学生達と起業する。平穏な日々の一方で、得体の知れない闇組織の室井がふたたび町田に接近する。その真意は…
    凄く面白かったけど、ラストに並外れた知能指数をもつ室井と町田の頭脳戦を期待していたので、あっさりとした結末は少し残念だった。

    自分の頭脳しか信じられなかった町田が、仲間の大切さに気が付き少しづつ人間らしい感情が芽生えていく姿が嬉しかった。特に最後のおにぎりのシーンは本当に心が温かくなり、穏やかな読後感が得られた。

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    2024年08月15日
  • 蒼色の大地

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    螺旋プロで小生初、薬丸岳さん。同性の男性の作家さんとしてはテーマの選定やストーリー展開、語り口など、好きなタイプと感じました。他の著作もトライしたいです。

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    2024年08月12日
  • 友罪

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    罪の償い方に正解はない。贖罪のつもりでやっていることが、被害者家族にとってはさらに傷をえぐられる気持ちになっていることもある。自己満足ととらえられてしまう。正解がないことでもがき苦しむ事が、与えられた罰なのか…。加害者側から描かれているため十字架を背負う辛さに苦しくなるが、被害者側から描かれた場合は、加害者に対しこの世に生きてることすら許さない気持ちになると思う。どちら側の目線で入るかによって180度変わるが、この作品では益田の手紙の深さ、勇気に感銘を受けた。

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    2024年08月11日
  • 誓約

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    訳ありの過去を持つ主人公が、過去を打ち切る為に交わした復讐代行の約束。16年後妻子にも恵まれ平和に暮らしていた主人公に突然手紙が届く「その約束を守らなければ家族の命を奪う」と。脅迫者は誰か、家族は守れるのか。スリリングな展開に手に汗握るミステリー小説。

    薬丸岳さんは『更生・償い』のテーマの作品が多いが、本作は『恨み・復讐』が全面押し出されている作品だった。
    主人公の過酷な幼少期には同情するが、やや身勝手な言動に感情移入出来なかった。ラストの主人公の涙もモヤっとしたし、昔犯した罪への贖罪が最後まで私は感じ取られなかった。
    『犯罪被害者の家族が加害者になる』という憎しみの連鎖について考えされられ

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    2024年08月05日
  • 神の子(下)

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    途中まで最後がどういう展開になるかドキドキしたけど、意外とソフトランディング。

    町田の周りで様々な異変が起こったが、最後は悪いことや最悪の結果にならず彼が人間性を取り戻していくことに。

    全体的な展開は結構面白かった。

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    2024年07月30日
  • 神の子(上)

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    18年間戸籍のなかった町田ヒロシ。

    天才的な記憶能力を持つが、心がない。

    色々なことに巻き込まれながら、保護司の家を助けることに。

    どうなるか?政界のフィクサー、謎の室井という人物、室井に雇われた雨宮、ホームレスなど様々な人の思いが交錯する。

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    2024年07月30日
  • 蒼色の大地

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    これまで読んだ螺旋プロジェクト4冊の中で、初めて誰にでもすんなり読める作品のような気がします。
    開国直後の完全には近代文明化されていない日本の中途半端な状況だからこそ、海賊の存在や外国との微妙な緊張感も受け入れやすくて上手い構成だと感じました。
    初めて読んだ作家さんですが、文章が読みやすくてキャラクター造成も良いので、他の作品も読んでみたいです。

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    2024年07月18日
  • 誓約

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    失恋後24作目
    相変わらずのテーマ。面白くてぐいぐい読めるものの、考えさせられる。薬丸岳を読むたびに、毎度同じ感想になる。
    真犯人は誰なのか、犯人を奔走することはできるのか、愛する人は守ることができるのか…ぎゅっと詰まってる一冊。

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    2024年07月15日
  • 刑事弁護人

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    ネタバレ

    読み始めた時期がドラマの「アンチヒーロー」と同時期であったので重なる部分もあると感じながら読んでいきました。
    なぜ嘘をつくのか、誰のためなのか、終盤まで散りばめられたピースがどうはまるのか想像しながら読むことができました。

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    2024年06月21日
  • 蒼色の大地

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    ネタバレ

    螺旋プロジェクトを読む中でこの作家さんを初めて読みました。

    山族と海族の対立による若者3人の運命が、最初から最後まで疾走感をもって描かれていてとても面白かった!
    まだ全時代読みきれていないけれど、1番海と山の対立が明確で、その中に葛藤も感じてよかったです。その中にも「そうだったの?」という伏線回収があり、一気読みできる爽快な読み心地でした。
    この作家さんの他の作品も是非読みたいと心から思いました。

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    2024年06月09日
  • 告解

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    失恋11作目。
    罪と向き合うことが出来るまでの過程や、立場が違う人たちの事件に対する思いが込められた本。相変わらず考えさせられる作品。
    自分でどうするか、逃げや嘘はないか、犯罪を起こさずとも、日々の生活でも繋がっているのかもしれない。
    私的なことだが、失恋して一カ月経過。元彼は新しい彼女が出来て幸せだという報告をしたいそうで食事に誘われた。幸せなの見るの辛いんですけど…

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    2024年06月05日
  • 刑事のまなざし

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    ネタバレ

    夏目信人刑事、このキャラクターを生み出したことがこの作品の成功である
    「法務技官、罪を犯した少年に寄り添う心理士」から愛娘に起きた事件を契機に刑事となった異色の経歴
    娘はハンマーで殴られてから十年間植物状態なのだ
    作中の人物は犯人というよりも過酷な運命の被害者である
    短編集だがラストには・・・秀逸で清涼感があるが事件はやりきれない不思議な作品

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    2024年05月28日
  • 宮辻薬東宮

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    宮部さんから始まり、他4人の作家さんたちが繋いでいくアンソロジー。どれも、意思を持っているかのように思える無機物に人生を翻弄されてしまった人たちが出てくるところが共通してたように思う。最後の宮内さんの作品だけ違ったかな。辻村さんの「ママ・はは」は「噛み合わない会話と〜」で読んだことがあったのだけど、今作で宮部さんの作品を受けて書いたものだと分かると理解が深まった気がして良かった。

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    2024年05月16日
  • 虚夢

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    刑法三十九条を題材にした作品。
    通り魔事件により娘を殺された夫婦は、犯人が犯行時に心神喪失であったことから罪に問われることがなかったことに憤りを感じて、その後の人生を送ることになった。
    夫婦の生活は上手く行かなくなり離婚していたが、事件から4年が経ったある日、元妻から犯人の藤崎を見かけたと連絡がある。
    娘の命を奪った犯人は、どうなっているのか…病気は治っているのか…あの事件をどう捉えているのか…様々な思いが過る。

    2024.5.14

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    2024年05月15日
  • 友罪【電子特別版】

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    自分だったら‥
    どーしてたかと‥
    考えてしまいました。

    鈴木が最後に手紙を読んでどー思うのか‥
    そこも知りたくなりました。

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    2024年04月30日
  • 告解

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    さすが薬丸先生、おもしろくて一気に読み終わってしまいました。被害者と加害者側の心情を描く作品ってありそうで、なかなか読んだことないなぁ〜と。両者の苦悩がよく描かれてました

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    2024年04月30日
  • 刑事の約束

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    ネタバレ

    夏目刑事シリーズの短編集。
    娘さんが!
    そこの展開は予想していなかったのでびっくりした。
    夏目刑事の素晴らしい人柄に尊敬する。

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    2024年02月13日