薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書を読んでコロナ禍を思い出した。あの頃は蜜を避けるために人との交流は減り、常にマスクを着用し、外出や人混みには神経をすり減らすような生活だった。振り返ってみると、よくあんな生活をしていたと思う。
コロナ禍で人との繋がりが減ると、人恋しくなる気持ちはとてもよくわかる。ずっと一人でいたら、気づけば一日声を出すこともなく、自分だけが取り残されたように感じることもあった。特に家族と離れていたり、家族とうまくいっていなければ、その気持ちは一層強くなるだろう。
本書『こうふくろう』では、まさに一人で寂しい気持ちを抱えた人たちが集まり、「家族」を作っていく。コロナ禍でなくても、仕事で嫌なことがあったり -
Posted by ブクログ
被害者遺族の宗佑が教誨師(もともと牧師ではあるので強引すぎる設定ではないとは思うが。)になり、犯人への復讐を企てる。
非常に重く苦しいストーリーだが、そもそも宗佑が牧師になるための理由が取ってつけた感があり、被害者の育ての母なる人物も自分本位すぎて共感できなかった。
作中において主役ではないが、重要なポジションである刑務官の仕事は同等以上だと思う。
執行の立ち会い勤務を経験すると打ちのめされたメンタルからの回復が思うようにできない人も珍しくないだろう。
刑務官の描写に苦しくなる。
執行される時の場所の雰囲気、立ち会いの雰囲気、死刑囚がどのようにうながされ最後の瞬間を迎えるまで(物理的に -
Posted by ブクログ
被告人涼香の気持ちは今ひとつ理解できない。心の奥には子供を殺した犯人を憎む気持ちが大きくあることは最後にわかったが、私なら心の奥ではなく全面でお前は死んで当然だ!とでも叫びそうだ。犯人の母親の気持ちなんて考える余裕などない。涼香は人間が出来すぎてる。子供を失った母親の気持ちを思う気持ちは理解できるが、それが息子を死に至らしめた男の母親の気持ちなら、、、到底思いやる気持ちは生まれなそうだ。母親に罪はないかもしれないが、そんな息子に育てた母親のあなたも同罪だとだから苦しめと、思ってしまいそう。
今ひとつ理解はできないとはいえ、内容的にとても面白かった。
弁護人西の冷静で犯罪に対して真摯である姿勢に -
Posted by ブクログ
主語がどこなのか、良く分からない小説だが、犯した罪の亡霊に悩んだ被害者の夫が、被告人が犯罪犯して、互いにつみを改めて、被告人が、つみを認めて、罪に向かい合う事で、人生やり直し出来ると言うことか?
「告解」とは、主にキリスト教、特にカトリック教会において、信者が司祭に自分の罪を告白し、神の赦しを求める儀式のことです。これは「ゆるしの秘跡」とも呼ばれ、洗礼後に犯した罪を清める儀式とされています。
贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。
「自分は運が悪かっただけだ……」
女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生
「やらなければいけないことがあるんだ」
愛する妻を奪われ、犯人の出所