薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった
「刑事のまなざし」「その鏡は嘘をつく」に続く夏目シリーズ第三段
5編からなる短編集です。
今までの物語同様、単純な謎解きではなく、人の心の複雑さをあぶりだす人間ドラマとなっています。この手の作品は大好き。
しかし、第一作、第二作に関連している人物が出てきているようですが、ほぼほぼ前作の内容を覚えておらず、その辺は楽しみ半減でした。残念。
■無縁
DVD販売店で万引きをした少年の物語。
少年は得体のしれない女性と暮らす戸籍のない子供。
黙秘を貫く子供の正体は?
なぜ戸籍がないのか?
家族とは?深い...
■不惑
ホテルで結婚式のビデオ制作する男の物語。
同じ場所で開かれた高校の同窓会に出席した夏目はその男の企みを感じます。
自殺未遂で13年間眠り続けた婚約者の原因を作ったのがその結婚式の新郎。
新郎を殺害するのか?
その真相は奥深いものでした。
■被疑者死亡
殺人容疑で逮捕状をとって、踏み込んだアパートから逃げた男はトラックではねられて死亡。
被疑者死亡で書類を検察に送れば終わると思われた事件を掘り下げます。
そこにあったのは、ろくでもない男なりに守りたかったもの。哀しい物語でした
■終の住処
老婆がケアマネージャを階段から突き落とす事件。
老婆が持っていた桐のタンス。そのタンスを巡る秘密。
■刑事の約束
植物人間だった夏目の娘に反応が..どうなる?
って思いがらも、本編では重い話が..
空き地に停まっていた車から発見された刺殺された女性の死体。その自宅を訪ねると、拒食症の娘が。
女性は覚せい剤で最近まで刑務所で暮らしていた。
そして、数日後、娘が自首。
なぜ、娘が母親を殺したのか?
そこには、「刑事のまなざし」で登場した人物との接点が..
これは、深い。
「刑事のまなざし」のオムライスを読み直さなければ..
ということで、いずれも良い作品でした。
とてもお勧め。
順番通り読み進めましょう。
そして、どうせなら一気に3作を読みましょう(笑) -
Posted by ブクログ
中学校を舞台にした、社会派サスペンス。自警組織の粛清によって秩序らしきものをもたらそうとする生徒たちと、それに違和感を感じる生徒たち。その組織の存在に気づき実態を暴こうとする主人公の教師と無関心な教師たち。色々な人物が入り乱れ、名前とプロフィールを覚えながら読むのが大変。とは言いつつ、物語に引き込まれて、一気に読み終えてしまった。やるせない思いが積み重なっていくが、最後は薬丸岳スタイルの温かさに包まれる。薬丸作品の中では最も人気が高いと思う「刑事のまなざし」などのシリーズの夏目刑事が脇役的に出てくるが、彼が登場しただけで安心感が広がる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ薬丸さんも好きな作家さんのひとり。
薬丸さんのミステリーは、胸が締め付けられるテーマも多いけど…
とても興味深く、惹きつけられます。
この本は、夏目刑事シリーズ。
・刑事のまなざし
・その鏡は嘘をつく
・刑事の約束
に続くシリーズ第3弾。
夏目信人。
一人娘の絵美が通り魔事件の被害者となり、意識不明となる。
当時、法務技官だった夏目は、犯人を捕まえたいとの思いから、警察官となった。
警察小説はちょっと苦手なのですが、このシリーズは別。
夏目の人間的魅力に惹きつけられる。
【刑事の怒り】は4編の連作短編集。
・黄昏
・生贄
・異邦人
・刑事の怒り
どの作品も社会問題をテーマにしている。
表題作である「刑事の怒り」を読みながら、津久井やまゆり園の事件を思い出していた。
夏目の一人娘、絵美も10年もの間、意識不明の状態だった。
表題作はこの重いテーマを描いている。
この作品が描かれたのは、事件のあと。
薬丸さんはこの重いテーマに挑んだことになる。
とても考えさせられた。
刑事・夏目信人シリーズ。
今後も期待! -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
平和な中学校には、平和を維持するために実は自警団が存在した。
自警団は、本当に必要なのか?
「臭いものには蓋をする」ではないけれど、根本を解決せず上辺だけきれいにする。
一時的には生徒みんなに安心と平穏をもたらすけど、本質的には何も解決はしていない。
まだ未熟な中学生にはそれで平和に卒業できれば何も問題はないと考えるのは当然の事。
秋葉先生が、それに必死に立ち向かい、生徒一人一人に向かい合う姿はとても感動した。
それなのに。。。。最後の一文。
えっ?!今までの感動は?
世の中、綺麗ごとだけでは平和は維持できないということか。
でも、友情とか先生の熱い思いとか、とても良かった。
コロナでヒマヒマしている息子におすすめしました♪ -
Posted by ブクログ
「みやつじやくとうぐう」と読むんだそうです。
好みの作家さんが名を連ねていて、その豪華な面々に、思わず即買い。
ミステリーというよりはホラー寄り。勝手にリレー形式のミステリーだと思っていたので、連作短編集のようなものをイメージしていましたが、それぞれが独立したアンソロジーですね。
リレーだと思うと、前の作品を強引に入れ込んだでしょ感が出ちゃってる。でも、宮内さんの作品のラストは秀逸でした。リレー形式ならではの〆だと思います。
アンソロジーって、好きな作家さんの作品を、濃密に、いいとこどりしたような感覚で楽しめるのはもちろん、知らなかった作家さんや、興味はあったけれどまだ読めていなかった作家さんの作品も楽しめるのが好きです。さらに、その作家さんの作風だとか強みを出してくれるので、その作家さんの背景を知れたり。例えば東山彰良さんの作品は、「なんで中国!?」と思いもしたけれど、東山さんご自身が台湾出身だってことを知ったり。宮内悠介さんの、ド文系には何を言っているのか分からなかったプログラミング用語も、宮内さんご自身がプログラマーだったということを知ったり。今回のアンソロジーで、今のお二人の作品がすごーく刺さってきたかと言われるとお答えしにくいのですが、こんな風にお二人の背景や生い立ちを知っていると、次に本屋さんでお二人の作品を目にした時、わたしはきっと、立ち止まってあらすじと舞台を確認してしまうだろう。
他の三名の作家さんも、それぞれ作風と強みがすっっごく現れていて好きです。宮部さんは、わたしはどちらかというとミステリーが好きですが、最後たたみかけてくるところはミステリーとは別の意味でゾクゾクさせられたし、さらにそこでタイトルの「人・で・なし」の意味が激変する。この短いアンソロジーの最初に、ものすごいインパクトと個性を残して去っていく。他の作品が気にならないわけがない。辻村さんは、「母子」という根深いテーマを、このアンソロジーという短い作品の中にぎゅっと詰め込んで、スミちゃんの言葉でいちいち読者を刺してきながらも、「ちょっぴり怖い」を落としどころとしているところはお見事だし、薬丸さんはやはり少年事件を扱っていて、こんな風に、初めてその作家さんに触れる読者への自己PRのようなものも意識してるんだろうな。
で、結局やっぱり、宮部さん辻村さんがダントツ、続いて薬丸さん、という感じかなあ。 -
Posted by ブクログ
平和な中学校生活を送るために、SNSを使った、生徒達による自警団は必要なのか。
中学時代は、友達間のいざこざや、学校でのトラブルは、つきもの。
ガーディアンと呼ばれる自警団が、加害者や問題児を色んな手段で、不登校に追い込むので、この学校は一見平和です。
赴任したばかりの秋葉先生は、その妙な雰囲気に違和感を覚え、真相を調べ始めます。
こんな組織が、必要なのか、不要なのか。
それは、ガーディアンのおかげで、直接的な被害を受けなくなった生徒の言葉にあると思います。物語の要なので、その言葉は言えないけど、心に響く、深い言葉でした。
大人になっても、人間関係のトラブルはなくなりません。
どうやって、そこを乗り越えたり、交わしたりすればいいのか、何があればいいのか、そんなことを考えられる本でした。
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ネタバレ 購入済み
よかった。
犯罪者遺族の苦悩が色々な立場から描かれていて、読んでいて辛くなりました。
でも、人はこうであってほしいというラストにたどり着けて、よかったです。