薬丸岳のレビュー一覧

  • 蒼色の大地

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    螺旋プロジェクト4冊目。
    現状、基本的には文庫の刊行順に読んでいこうかなという方向性。編集者側が何かを意図してこの順で出してるんだろうなと思いつつ。

    この作品は本筋のストーリーが分かりやすかったのでサクサク読めた。

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    2023年02月03日
  • 蒼色の大地

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    螺旋シリーズ4冊目
    今まで読んだ螺旋シリーズの中では一番構成がしっかりしていて、読みやすかった。
    一定のルールに無理やり合わせている感もなく、
    初めて希望を残してのラスト。
    螺旋シリーズの本来のテーマはこの作品中の「手をつないでみる」であってほしいな、と感じました。

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    2023年02月02日
  • 蒼色の大地

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    螺旋プロジェクト(私の中で)3冊目。

    これまでの2冊(死にがいを求めて生きてるの、ウナノハテノガタ)と比べて、非常に分かりやすい作品。海と山の対立がハッキリしていて読み進めやすい。
    映画とかゲームにしやすそうなストーリーでベタな展開ではあるが、それが逆に安心して読める要素かも。
    もう少し心の機微みたいなのをしっかり描いてあると良いなと思ったが、このプロジェクトが当初は連載物だったと知って、それならこのスピード感も納得。さて次はどの螺旋プロジェクトを読もうか。

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    2023年02月01日
  • 悪党

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     犯罪被害者遺族のための犯罪加害者の追跡調査とその後の展開を描く衝撃作。息子を殺された父親、弟を育児放棄という形で失った兄、身内が犯罪加害者になってしまったために苦しみぬいた母娘などなど。どこまで行ってもぬぐい切れない思いがある。
     そんな人たちが犯罪加害者の居場所を知ったとしたらどうなるのか。それが本作のテーマ。初めは連作小説のような展開だが、徐々に主人公である元警察官、今は探偵事務所で探偵をしている佐伯修一が自分自身が巻き込まれた犯罪加害者との対峙という展開に集約されていく。
     本作を読んでいると、加害者を守ることは、被害者遺族が犯罪を犯さないためのある意味での抑止力にもなっているのではな

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    2023年01月31日
  • 誓約

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    初めての、薬丸氏の作品。
    現代社会で、この主人公の様に戸籍を、変える。乗っ取る。事は、良く起こり得ているのだろうか。数々の、小説やドラマででてくる手法だが。
    そこで、この主人公に対して、共感することが、出来なかったな!

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    2023年01月25日
  • 蒼色の大地

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    螺旋プロジェクト。
    私が読んだ順番では3つ目。

    まさかその前に読んでいたものが伏線になるだなんて…
    歴史、時代小説ばかり読んできた私にとっては新たな作家との出会い。これがこのプロジェクトの凄さと実感。

    物語は対立という軸は残しつつも差別という視点が加わった。考えてみればその前の時代も差別だったものが差別という描かれ方をしてなかったが故に気が付かなかったのかもしれない。そして、それが時代の変化なのかもしれない。

    螺旋プロジェクトの次の時代を買いました。

    ※評価はすべて3にしています

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    2023年01月24日
  • 刑事の怒り

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    「刑事のまなざし」「その鏡は嘘をつく」「刑事の約束」に続く夏目シリーズ第四段。
    4編からなる短編集です。
    これまた、重いストーリばかり。しかし、この手の話は大好きです。

    ■黄昏
    第70回日本推理作家協会賞受賞作品。
    母親の死体をスーツケースに隠してもっていた娘。
    母親の死を届けなかった理由とは?
    年金詐欺 ?

    ■生贄
    これは辛い物語。
    公園のトイレで起きた殺人事件。
    レイプから身を守ったと主張する女性。
    しかし、その女性の過去、そして、その真相とは..
    最後、もうひとひねりあったところがすごい。

    ■異邦人
    ベトナム人による強盗致傷事件発生。
    しかし、その事件の真相とは?
    外国人労働者に対

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    2022年12月24日
  • 誓約

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    大切な人ができてから、過去の自分を捨てて、必死に守ろうとする、って当たり前のようですごく難しいことなんだなぁ。そう思わずにはいられなかった。

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    2022年12月19日
  • 闇の底

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    【どうやったら子供たちを守れるだろうか】


    子どもへの性犯罪が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。卑劣な犯行を、殺人で抑止しようとする処刑人・サンソン。犯人を追う埼玉県警の刑事・長瀬。そして、過去のある事件が2人を結びつけ、前代未聞の劇場型犯罪は新たなる局面を迎える。


    作者の作品は、少年犯罪がテーマのものしか読んでいなかったので、大人の性犯罪をどう裁くかがテーマのこの作品は新鮮で興味深く読んだ。

    大人が子供たちを自らの欲のために利用する。
    あまりにも理不尽な理由に巻き込まれた幼い子供たちを守る為にはどうしたらいいのだろう。
    性犯罪者の刑期の短かさと再犯率の高さに驚いた

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    2022年12月19日
  • ラストナイト

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    面白かった。面白かったけど、こんな風にしかできないものなのかな

    生き方が変われば、許せるのか?

    どうなんだろう…。とても難しい問いに感じる。やったことは変わらないし、傷つきもする。でも本当に改心してまるっと生き方が変わればとも思うけど、それが本当にできるのかな、とも思う。自分が自分の生き方をなかなか変えられないからこそ、そう思ってしまう

    やっぱりそれには、自分だけじゃなく、誰かの力が必要だとも思う
    一人じゃ無理

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    2022年11月15日
  • 誓約

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     オーナーの落合とレストランバーを共同経営し、愛する妻と娘と幸せな人生を歩んでいた向井聡の元にある日、「あの男たちは刑務所から出ています」という手紙が届く。差出人の名前は坂本伸子。今はもうこの世に存在しない人物からの手紙、そしてあの日してしまった約束を思い出した向井は慄く。

     娘の復讐を代わりに果たすという約束でお金を譲り受けたにも関わらず、相手が癌で死んだことをいいことに、その約束を記憶の彼方に追いやって新しい人生を歩んできた主人公。脅しているのは誰なのかを最後まで追い続けることになるが、正体についてはそんな偶然あるか、という思いが無いわけではない。主人公についても結構ひどいことをやらかし

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    2022年10月23日
  • 闇の底

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    子どもへの性犯罪は、まさしく闇の底。加害者を決して許せないけど、加害者自身もそういう自分が許せず、自らが恐ろしいということなのでしょう。被害者だけでなく、加害者の心理の奥深くまでを感じます。終わり方がはっきりとした描写があるような、無いような。伏線の回収がしきれていない(読み取れていないだけかも)ところも、『闇の底』はまだまだ継続しているというメッセージのように感じます。素早くて、無駄のない展開で、一気に読んでしまいました。

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    2023年02月22日
  • ガーディアン

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    石原中に赴任した教師・秋葉は、問題を起こす生徒は殆どいないが、長期欠席をする生徒が多いという独特な雰囲気が、今迄赴任した学校と"何か違う"と感じたのも束の間、演劇部に所属していた生徒が突如欠席をするという事を機に、学校内外を調査し始める。調査の中で「ガーディアン」という石原中内の自警団が存在する事を耳にするのだが、その「ガーディアン」の正体とは!?

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    2022年10月02日
  • 友罪【電子特別版】

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    ミミの身に何か良からぬことが起こるのでは(達也に傷つけられる、大家にバレて追い出される、など)、とハラハラしながら読みましたが、無事で良かった。

    担当の精神科医のパートは息子に対してオドオドし過ぎなのではと読んでてイライラした。仕事に誇りを持っているけど、あなたのことは何よりも大切に思ってるって伝えて堂々としてろよと。あんなビクビク接してこられたら、私が智也でもかなりイラついちゃうと思う。

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    2022年09月25日
  • 逃走

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    なぜ彼は自首せずに逃走するのか。文字通りの作品。
    薬丸岳らしく家族愛が描かれているが、読後が切ない作品。

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    2022年09月17日
  • 悪党

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    赦すとはなんだろう。
    赦されるとはどういう事なんだろう。

    結局は自分自身に納得させるしかないのだろうか。

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    2022年09月16日
  • その鏡は嘘をつく

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    面白いミステリーが読みたい!…のに今年は不作。
    本作もしかり。

    なかなか明らかにならない真実にジワジワと近づいていく感じがくどいというか、中だるみするというか。
    そして明らかになった真実もなんというか…大したことないと言うか。

    確かに殺害動機となった事件は衝撃的でしたが、全体的にシリアスに重たくしようとしすぎて、逆に読み手の私にはふわふわふわ~と流れていくような感覚。

    レビューを真剣に書くほどでもないのでこれでおしまい。

    2021年14冊目。

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    2022年09月02日
  • 刑事の怒り

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    ネタバレ

    刑事・夏目信人シリーズ
    自分の娘を通り魔に刺され、娘の意識は戻らない。重度障害者になった娘の事件の犯人に何度も会いに行く…
    まず普通の人にはできないであろう。

    それでも、刑事を続ける夏目。
    こんな刑事がいたら…と思う。

    容疑者はレイプから身を守ったと主張する、生贄という短編。
    このメッセージはとても伝わる。レイプされた後の自分は死んだまま生きていた。
    男性にはわからない感覚かもしれない。



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    2022年08月23日
  • 闇の底

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    犯人は意外な結末だったが、やり切れない読後感が残る作品。
    日本は性犯罪者の出所後の管理についてはやはり欧米より格段に甘いと思う。

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    2022年08月08日
  • 刑事の怒り

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    『こんなに怒りにうち震えても、まだ、人の心を取り戻して欲しいと望まずにはいられない。』

       
    刑事 夏目シリーズの第4作目。
    この作品も社会問題を扱った事件の短編集でどの話も興味深かった。

    表題になっている“刑事の怒り”は、寝たきりの若者が急に亡くなり事件か事故かの両方で捜査するのだが、高齢化社会の昨今、考えさせられるテーマだった。

    介護をする家族や恋人。意思疎通がままならない患者。誰かの手助けがなければ生きられない人の存在価値を、自らも娘が寝たきりである主人公に突きつけることで読者も一緒に考えさせられる。

    “娘がもし死を望んでいたとしたら自分はどうするか“

    この問

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    2022年06月28日