薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「螺旋」プロジェクトの5冊目。4冊目から少し間が空いた。時は明治の物語。
かつて同じ村に住み、沼に落ちたところを救ってくれた灯を探し、鬼仙島にたどり着く鈴。灯は流れ流れて瀬戸内海を根城にする海賊になっており、一方、鈴の兄・新太郎は呉鎮守府の軍人として海賊の討伐に参加させられる。
蒼い目の灯に大きな耳の鈴と新太郎。このプロジェクトを読んでいれば灯と鈴が交わることがないと分かっていながら、三者それぞれの思いと行動が微妙にすれ違い、出会いそうで出会わない、出会ってもすぐに離れ離れになる前半の展開はサクサクと面白く読めた。
ただ、灯の人物像にあまり面白みがなく、後半の鈴や新太郎との交情があまり盛り上 -
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妹を性犯罪者に殺害された過去を持つ刑事が主人公。
性犯罪で殺害された子供の事件を追うが、並行して過去に性犯罪で逮捕された男が殺害される事件が起きる。その犯人はサンソンと名乗り、警察やマスコミに殺害現場のビデオを送るのだが…。
という粗筋。
「天使のナイフ」の次の作品らしい。ストーリーが入り組んでいることに加え、登場人物が多いため、なかなか全体像が理解できずに何となく読み進めてしまった。構成にひねりを加えようとして煩雑になってしまった感じがする。
しかし、それでも現在の法制度への憤りや犯罪被害者の悔しさなど、作者の思いが伝わってくる。この作者の作人にはソウルがある気がする。「これが書きたくて -
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犯罪被害者遺族のための犯罪加害者の追跡調査とその後の展開を描く衝撃作。息子を殺された父親、弟を育児放棄という形で失った兄、身内が犯罪加害者になってしまったために苦しみぬいた母娘などなど。どこまで行ってもぬぐい切れない思いがある。
そんな人たちが犯罪加害者の居場所を知ったとしたらどうなるのか。それが本作のテーマ。初めは連作小説のような展開だが、徐々に主人公である元警察官、今は探偵事務所で探偵をしている佐伯修一が自分自身が巻き込まれた犯罪加害者との対峙という展開に集約されていく。
本作を読んでいると、加害者を守ることは、被害者遺族が犯罪を犯さないためのある意味での抑止力にもなっているのではな -
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「刑事のまなざし」「その鏡は嘘をつく」「刑事の約束」に続く夏目シリーズ第四段。
4編からなる短編集です。
これまた、重いストーリばかり。しかし、この手の話は大好きです。
■黄昏
第70回日本推理作家協会賞受賞作品。
母親の死体をスーツケースに隠してもっていた娘。
母親の死を届けなかった理由とは?
年金詐欺 ?
■生贄
これは辛い物語。
公園のトイレで起きた殺人事件。
レイプから身を守ったと主張する女性。
しかし、その女性の過去、そして、その真相とは..
最後、もうひとひねりあったところがすごい。
■異邦人
ベトナム人による強盗致傷事件発生。
しかし、その事件の真相とは?
外国人労働者に対