薬丸岳のレビュー一覧

  • 刑事の約束

    Posted by ブクログ

    夏目信人シリーズの第三弾。5つの短編連作。様々な社会問題を織り交ぜながら、事件の解決だけでなく、人の裏側・内面を鋭く浮彫にする夏目の深い洞察...。本作も圧巻の展開。他編にさりげなく置かれたプロット。ああそういうことね、と最終編で納得。
    「終の住処」は調査不足の感が否めない。残念。この編だけ細かな点が気になり、感情移入できなかった。

    0
    2019年12月11日
  • ハードラック

    Posted by ブクログ

    面白かった
    薬丸岳の社会派ミステリー!
    しかし、残念なのは、ミステリー色、エンターテイメント色が強くて、読後に考えさせられるような重いテーマを感じられなかったこと。胸打つ展開ではありませんでした。

    ストーリとしては、
    25歳の主人公仁。ネットカフェで暮らす仁は、日雇いの仕事も失い、さらには、だまされて今日を暮らす現金さえもなくなってしまいます。切羽詰まって、闇の掲示板で4人の仲間を募って、でかいことをたくらみます。
    結果、軽井沢で起きた放火殺人事件の汚名を着せられることに。
    誰が仁をはめたのか?
    その4人の中の誰かか?
    その目的は?
    仁を追う刑事。
    出頭すべきか?信じてもらえるのか?
    闇社会の住人の手を借りながら、手探りで真犯人を探します。
    そして、明らかになる真実。
    といった展開です。

    正直リアリティがなく、薄っぺらい印象。
    重みを感じられませんでした。
    さらに都合よくとんとん拍子で真相にたどり着くところもちょっといまいち。
    とはいえ、そのおかげで、さくさくっとスピーディに展開していって、後半はあっという間でした。
    そんなわけでエンターテイメント性が強い作品となっているのだと思います。
    いろいろ突っ込みたいところはありますが、エンターテイメントとして楽しむならOK

    自分の思っていた薬丸小説とはちょっと違いますが、お勧めです

    0
    2019年12月01日
  • 宮辻薬東宮

    Posted by ブクログ

    リレー小説って、テーマ型のアンソロジーにも、一人の作者による連作短編集にもない、独特の味わいがあるんだと知った。

    宮部みゆきのパワーが半端ないのだけど、辻村深月も負けてはいなくて、どうなるかと思いきや、クローザー宮内悠介の絶妙なバランス感(笑)
    あ、ちゃんと、一冊になったな、と。

    個人的に好きなのは、冒頭二作だけど。
    宮部みゆき「人・で・なし」。
    社会小説かと思わせる出だしの、お前らが俺に合わせろ系社員栗田くんエピソードが、ある種、自分的には身近で怖い。『名もなき毒』みたいな。
    ただ、そこから俺に合わせろ系「家」のホラーに変わっていく所や、居酒屋での絶妙な相槌に、スコーンと読まされました。

    続く、辻村深月「ママ・はは」。
    これも、前半の教育熱心なクレーマー保護者が、子供と大人の線引きや躾の在り方を滔々と述べるエピソードから。
    それを友人が引き継いで、自分の家も親の支配下に私がいて……と語り始め、見事なホラーに持っていくところがすごい。

    でも、こっちも本当に怖いのは、子供に過度な干渉をして、気持ちを省みずにいると、いずれ子供から「同等の」扱いが返ってくるんだよ、という示唆の方かもしれない。

    0
    2019年11月23日
  • 刑事の約束

    Posted by ブクログ

    夏目刑事シリーズ。
    久しぶりにこのシリーズを読んだので 
    なんで娘は昏睡状態になったんだっけ?など
    忘れているところが多々あった。
    短編なのでもうちょっと長めに
    読みたいなぁというのが正直なところ。

    0
    2019年11月22日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    うーーん。って感じかな

    最後の4行でよくわからなくなってしまった。
    薬丸さんの新しい試みではあったけど今回はあまり肌に合わない感じがしました

    0
    2019年11月09日
  • 逃走

    Posted by ブクログ

    家族という最小の幸福追求単位が崩壊しつつある、否、崩壊しているところもある日本において、家族の絆を問う本作。登場人物、それぞれのモノローグ移行フェーズがスピード感を生み出し、どんどん引き込まれる。ただ、始まりは所有欲求なんだよなぁ。存在欲求が満たされることで幸せを希求する世の中に移行するには何が必要なのか...。慎ましやかに生きようよ。

    0
    2019年10月06日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    また薬丸岳さん読みました。今後は中学校を舞台にしているもの。なので、ちょっと「それはないなぁ」と、感じる部分が多かった。
    私の感覚では、中学生のスマホの所有率が上がりつつあるとはいっても、地方ではそこまでではない。スマホを与えるときには、まともな親ならもう少し注意を払うし、学校に持って行かせたりしないし、使用を制限したり、メールをチェックしたりする。全校生徒がある組織からのメールの指示に一斉に従うなんてことは無理かな。数百人単位の中学生が、全員大人に対して秘密を守るなんてことも、まぁ、無理かな。
    教師像や職員室像も、私の身近の中学校の実態とはかけ離れている。でも、そういうところはちゃんと編集者やらが調べたり裏付けとっているのだろうから、東京と地方の違いなのかもしれない。
    夏目刑事がチラッと出てくるのが良かった。そして、読みながら「教師集団ってこういうのじゃないけど(イラッ)」と思っていたのが、終盤に覆されて良かった。
    教師は万能じゃない。日々苦しんでいる。中学生は難しい。答えは見つからない。苦しんでも苦しんでも、悩んでも悩んでも、どうにもならないことが多すぎる。子どもは日々、変化する。成長している。何が正しいのか、中学生も悩んでいる。強く生きたい。正しく生きたい。でも正しいと思うことを貫くって、どうしてこんなに大変なんだろう。いじめられている友達を助けるのが、どうしてこんなに難しくなってしまうのだろう。少し切ない。
    サスペンスとしても、青春期を描いた物語としても、まぁまぁ良かったです。

    0
    2019年10月05日
  • ハードラック

    Posted by ブクログ

    どん底のその日暮らしから一発逆転を狙い
    裏サイトで強盗仲間を集めた主人公

    相手を傷つけることなくお金だけ奪って逃げるはずが
    気が付いたら3人もの殺人事件の容疑者に?!

    ハメたのは誰か
    真の犯人は誰なのか
    中盤からは一気怒涛の展開

    一度こぼれ落ちたら2度と這い上がれない格差社会の闇

    0
    2019年09月28日
  • ラストナイト

    Posted by ブクログ

    とても好きなのですが精神削られる作家のひとりであります薬丸岳さん。本作は舞台装置としては渦中の人物の風貌が派手です。左手が義手で顔に豹柄の入れ墨の片桐達夫が、何故犯罪を繰り返してしまうのか。その粗暴な言動と見た目にに関わらず、関わった人間はその奥底に優しさを感じるのであります。さて何故?何故犯罪と服役を繰り返すのか?
    彼と関わった人々の視点ごとの章立てとなっている為、読むごとに片岡の姿が立体的になっていきます。どちらかというとオーソドックスな話なのですが、そのオーソドックスな話を興味深く書けるという事が一番大切な事だと思います。薬丸岳さんはその辺りの信頼度が非常に高い作家です。
    星が少ないのは圧倒的な彼の名作に比べると相対的に低いだけで、普通に良い作品だと思います。

    0
    2019年09月26日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    先生は何もしてくれない、何も出来ない。。。
    教師に失望した生徒が学内に自警団を作る。
    『ガーディアン』彼らの存在を知るのは生徒のみ。
    だが彼らの素性を知る者はいない。

    ガーディアンのとった行動は、いき過ぎているところもあって、見方をかえれば、ガーディアンが集団イジメの音頭を取っているようにも見える。
    だが彼らによって救われた生徒が居たことも事実。
    そう思うとガーディアンの存在を否定できない自分がいる。

    いじめ作品の多くは、いじめられる側が排除される。
    「いじめる側を排除する」という考え方の作品は新鮮であり、希望が見えた。

    0
    2019年08月22日
  • 逃走

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルにも惹かれるし、最初の方の展開はワクワクさせられた。徐々に謎が解明されるが、何故逃げるのか、妹に隠す必要あるのか、など共感できないところ多々あり。惜しいなぁって感じ。

    0
    2019年07月04日
  • ラストナイト

    Posted by ブクログ

    顔中に豹のイレズミを入れた男の話。
    なぜ男は誰しもが恐れるようなイレズミを入れたのか、何十年も全国各地で罪を犯して刑務所を出たり入ったりするのか、単に、一度犯罪に手を染めたらそうなってしまうのか、、と思った感じで始まる物語なんだけど、なぜか、がわかるにつれて悲しくやるせない話になっていく。

    たしかに、ここまでするか?という感はあるしご都合主義的な偶然もあるんだけど、そりゃ小説なんだからアリっしょ、てことで楽しめた。

    また、章ごとに視点が5人変わって、同じ場面でも見方が変わるのはこういった手法のおもしろいところだな。でも衝撃というほどの変わりようはないので、人の気持ちのゆらぎ程度を楽しめればいいのだと思う。

    直前にオムニバスを読んだからだけど、やっぱり長編のほうが重いしきますな~
    おもしろかったけど、薬丸作品という意味で他の作品と比較して★3つ

    0
    2019年06月20日
  • 悪党

    Posted by ブクログ

    なにをもって罪をつぐなうのか - ?薬丸岳「悪党」 ★★★☆☆

    被害者側の視点だけでなく、加害者側の視点も余すことなく記載した点が秀逸。ただあまりに暗いのでよんでいてどんよりしてきます。
    刑期を終われば罪は消えるのか?何をもって罪は償われるのか?
    考えても考えてもその答えは出ない。罪は本人だけでなくその加害者・被害者の関係者全員に深い爪痕をのこす。
    永遠に答えの出ない問題。それに人間は刑期という線引きを行った。それは悪いことではないが、完ぺきではない。ただ、世界に完璧なんてない。
    #引用
    ・法律を犯すことだけが罪じゃない。たとえ罰せられなかったとしても、犯した罪は人の心に一生消せない傷を残す

    0
    2023年10月27日
  • ラストナイト

    Posted by ブクログ

    ある男の最後の夜を、一瞬でも共に過ごした5人の目線で描かれた物語です。32年前に起こした傷害事件を契機に、約20年ほど刑務所を入退所を繰り返す意味は・・・顔に豹柄刺青をした理由は・・・疑問は深まるばかり。我が家のように思う下町の飲み屋がすべての始まり、で終わりだった。5人の心には彼の最後はどう映っているのか。。。

    0
    2018年10月15日
  • ラストナイト

    Posted by ブクログ

    ストーリーとしてはとても悲しい、皆がこれで報われたのかどうか悩ましいものでした。梶原というどうしようもない人間のために、このお話に出るすべての人が不幸を背負わされているのですが、彼はこれからも生きながらえる。個人的にはどうにも納得しがたいものがありました。また、顔に刺青をする必要性がそこまであったのか、なぜ片桐は400万以上ものお金を持つことができたのか、など疑問に思う点もいくつかあり、、この評価となりました。

    0
    2018年03月26日
  • ラストナイト

    Posted by ブクログ

    ああ、薬丸岳さんだ~。お終いまで読んでそう思った。
    第5章読むまで、片桐の行動に全く理解が出来なかったし、全く面白さが解らなかった。しかし、途中でやめなくて良かった~。第5章で納得。
    陽子を本当に愛していたんだね。ひかりも。だから、絢子にも、荒木にも…。
    梶原さえいなければ、幸せになれたはずなのに。虚しさが残る。

    0
    2017年10月11日
  • 友罪【電子特別版】

    購入済み

    キャラの

    立ち過ぎは現実味を削ぐ?

    0
    2013年06月28日
  • 悪党

    Posted by ブクログ

    帯にタッキーが写っているけど、TVドラマになるわけね。
    最近、こういう感じが多いけど、小ネタを潰しながら、お話全体としてはひとつの謎を追うというのは、確かにTVドラマ向きな話ではあるわな。
    少年の頃に姉を暴行で殺された主人公が、警官経由探偵になり、依頼人(主に犯罪被害者)からの調査をこなしながら、独自に姉を殺した犯人のその後を追うというお話。
    心の底に憎悪の焔を隠し、いつ爆ぜるともしれない感情を抱えて、刑期を終えて出てきた犯人の生活を探り、彼らが赦すに値するか否かを問い続ける。
    前半、40頁程度の話が連なって進む話は、登場人物のそれぞれが罪を犯したか、あるいは犯罪によって肉親を喪ったり家庭を壊された人々で、いずれの側にせよどこまで行っても救いようのない暗さが付きまとい、多少読むのがキツイ。
    後半、姉を殺した犯人の出所後に迫る話になって、「犯罪被害者遺族は、何をもって 罪を赦すことができるのか?」というテーマが更に重く圧し掛かってくるのだけど、主人公の躊躇を尻目に周りのほうから展開し、主人公の葛藤が突き詰められないまま、ある意味、普通の小説の展開になって、最後はきれいにまとまってしまう。
    前半の遣る瀬なさに比べ、結末の後口は悪くなく、まあいいんだけど、投げたテーマに対する落し方としてはこれで良かったのかい?という感じも。

    0
    2025年03月18日