薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『こんなに怒りにうち震えても、まだ、人の心を取り戻して欲しいと望まずにはいられない。』
刑事 夏目シリーズの第4作目。
この作品も社会問題を扱った事件の短編集でどの話も興味深かった。
表題になっている“刑事の怒り”は、寝たきりの若者が急に亡くなり事件か事故かの両方で捜査するのだが、高齢化社会の昨今、考えさせられるテーマだった。
介護をする家族や恋人。意思疎通がままならない患者。誰かの手助けがなければ生きられない人の存在価値を、自らも娘が寝たきりである主人公に突きつけることで読者も一緒に考えさせられる。
“娘がもし死を望んでいたとしたら自分はどうするか“
この問 -
Posted by ブクログ
【希望が、希望と出合えますように。】
植物状態の娘を持つ刑事・夏目信人(なつめのぶひと)。夏目は5つの事件に対し、誰も気づけない手がかりから鮮やかに謎を解いていく。抜き差しならない状況に追い込まれた事件関係者たちの心を見つめる夏目が、最後にした“約束”とは……
刑事 夏目シリーズの3作目。
今回も短編集で安定の面白さがあった。
題名にもなっている最終話の『刑事の約束』は、夏目シリーズ1作目の『刑事の眼差し』と関係の深い話になっているので、合わせて読む事をおすすめしたい。
様々な理由で犯罪を犯す人達の心理を、夏目の鋭さで暴き、遺族や関係者にささやかな救いを与えること -
Posted by ブクログ
面白かった
薬丸岳版、学園ミステリー
教師は子供たちを本当の意味で救うことができるのか?
ストーリとしては、
中学に赴任してきた秋葉。
いじめも少なく、問題を起こす生徒も少ない学校に違和感を持ちます。
そして、そこには、ガーディアンと呼ばれる生徒による「自警団」の存在が..。
背後で支配するガーディアン
ガーディアンは誰なのか?
起きている事件は解決できるのか?
ガーディアンのやり方は正なのか?
そして、教師はガーディアンを超えることができるのか?
といった展開です。
本書で、何がつらいかって、登場人物がいっぱいできてきてわけわからん状態になること(笑)
子供たちが、名字だったり名前だっ -
Posted by ブクログ
元警察官の主人公が誘拐された娘を救うために奔走する物語。
そこまで深く考えずサラッと読める本だった。
元警察官なのに警察に頼らず解決しようとする背景には何が関係しているのか。
警察不祥事や政治家不祥事などたまにニュースになるけど、大きい組織の幹部や有識者の不正が起きたときにすぐに発覚するのではなくて、隠蔽工作されてて後から明るみに出ることもあるって残念。(これ書いてるときでいうと、日大理事による背任とか。)その行為によってどれだけの人が被害を受けたか。
自分の欲からくる行動ではなくて正義や使命、人を思いやる心から行動できる人を尊敬するし見習いたい。
主人公や元妻と共に犯人によって奔走させら -
Posted by ブクログ
英語教師の秋葉が赴任した学校は、いじめも少ない平和な学校。しかし元気だった生徒が突然不登校になったことから、秋葉は学校に対して違和感を覚え、耳に挟んだガーディアンという存在について調べ始める。
学校小説ということもあり、登場人物の多さは確かに感じるが主要な人物はきちんとキャラ立ちしていたし、そこまで覚えるのに苦労はなかった。
生徒を襲うさまざまな問題に教師は無力なのか、見守ることしかできないのか、生徒を救うにはガーディアンがやるような犯罪まがいの方法しかないのか。ガーディアンのやり方は嫌いなのに、そう思わせる文章力はさすがだなと思った。