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Posted by ブクログ
うわ~!この小説、おもしろかった~!
子供への性犯罪事件が起こるたびに性犯罪者を殺す…
殺人で子供への性犯罪を阻止しようとする処刑人・サンソン
子供の頃に妹を失った過去を持つ埼玉県警の刑事・長瀬
身内を残酷な事件で失ったものにとって犯人を殺すのは悪なのか?そしてサンソンとは…
サンソンが…
驚いた~!
でもって…ラストも…
薬丸岳さんって本当にすごい作家さんだわ~!
まさに世の中の闇にザクッと切り込んで
「さあさあ…」と迫ってくる
目をつぶりたくなるような問題を「さあどう思う?」
と先送りにできないように心に突き付けてくる
すごいわあ~。
目の前にグイグイ
Posted by ブクログ
江戸川乱歩賞の受賞作は好みのものが多いのですが、これも例に漏れず、好きでした。
【あらすじ】
少女を犠牲者とした痛ましい性犯罪事件が起きる度に、かつて同様の罪を犯した前歴者が首なし死体となって発見される。
身勝手な欲望が産む犯行を殺人で抑止しようとする予告殺人。
狂気の劇場型犯罪が日本中を巻き込んだ―。絶対に捕まらない―。運命が導いた、哀しすぎる「完全犯罪」。
過去に妹を亡くした刑事が過去に同様の犯罪を犯した人間の警護を命じられるという苦悩をも謎解きと共に描いていて完全に作者に翻弄された感があります。
面白かった!
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薬丸岳6冊目。重たい本を読みたくなったら真っ先に手が伸びる。タイトルの闇の底、その一線を越えると何が見えるのか。「闇」か?あるいは「光」か?少女を誘拐・性的暴行・殺害する事件がいつでも起きる。勿論、刑事も被害者家族となる可能性もある。とある被害者家族が犯人たちを殺害していく。被害者である刑事は犯人の犯罪をどう思い、どう対峙するのか。この刑事と犯人とのラストのシーン、刑事が犯人に銃口を向けるがその時にこみ上げるのは犯人への共感と罪を見過ごしてはいけないという刑事の本分。この相対する想いが闇の底だった。⑤
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2日間で一気に読んだ。読みやすい文章、テンポの良い展開は著者の得意とするところだろう。
ラストの展開には驚いた。長瀬の父親が犯人ではないかと思っていたが、まさか長瀬の妹を殺した犯人が、、、
そして、長瀬は警察官として、人として超えてはならない壁を超えて、サンソンを永遠に生きながらえさせた。思いもしないラストにあっぱれ。
救われないラスト?いや、そうではない。
人にはだれしも、闇の底があるということだろう。
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薬丸岳さんの作品、2作読んでみて、心血を注いで書いている内容だと思ったので、非常に暗くなる内容だけど読みました。
幼女に対する性犯罪を扱った内容。子どものころ妹を殺された刑事が、同じような犯罪と対峙する。その葛藤を描くことで、犯罪被害者の気持ちを深く考えさせられるようになっている。そして、世の中からそのような悲劇をなくすにはどうすれば良いのか。性犯罪者を残虐に殺す殺人犯を、社会は容認できるのか?処刑人「サンソン」を名乗る犯人の正体はいったい誰なのか?かなりドキドキしながら読めます。性犯罪者=変態。で終わってしまわず、犯罪者を取りまくいろいろな要素も取り入れ、その葛藤も究極的な形で描いている。衝撃。
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『天使のナイフ』に続く薬丸 岳氏の長編ミステリー。
幼児への性犯罪が起きるたびに、かつて同様の事件を起こし、今は更生したとされる前歴者が、殺される。
犯人は、幼児の性犯罪を無くすためという目的を掲げる謎の死刑執行人・サンソン。
一方、犯人を追う埼玉県警の長瀬は、かつて自分のせいで可愛い妹を失うという悪夢から逃れられず、日々、苦悩の中にいた。
果たして、サンソンとは、誰なのか?
二転三転するストーリーの先に、最後、サンソンの正体が明かされる衝撃の結末が...
その時、長瀬のとった行動は?
全体的に重いテーマで、犯罪の再犯性や、被害者の苦悩など、なかなか結論が見えない課題に考えさせられます。
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重いテーマですが、気分が沈むことなく読めるのは、筆力があるからでしょうか。ミステリー要素と社会問題がうまく絡み合っています。登場人物に感情移入できませんでしたが、読書ペース変わらずに読むことができました。
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やりきれないです、初めから終わりまで。
どうしたら、この世界で子供たちを守れるのでしょうか。
どうしたら、犯罪被害者とその家族を救えるのでしょうか。
私は14歳の娘がおりますので、幼児への性的暴行殺害とは、苦しいですね。
この手の犯罪を犯す人は、極刑に処するべきだと思っています。
趣味趣向ですから、「更生」なんてものは最初から無いと思います。
東野圭吾さんの「さまよう刃」
これ読んだ時は、私も覚悟しました。
もしも、うちの娘や猫ちゃんが、使い捨ての安い玩具のように遊ばれて汚されて壊されてゴミのように捨てられる事にでもなったら、警察や司法に任せるつもりはない、私がやってやろうと。
怒りの感情は、疲れますよね。
でも、赦すことなんて出来ない事をされたら、どうやって生きていけばいいのかな。
でもでも、何かのきっかけで被害者ではなく加害者、加害者の親になる可能性だってあるのだと思うと、今日も無事に一日が終わって幸せなんだな…
主人公の長瀬さんは救われたのでしょうか。
たくさんのものを捨てて、一瞬だって忘れることのできないものを背負って…
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社会問題について深く考えさせられるのが特徴の薬丸作品。今作は性犯罪者の更生について。サムソンの正体は早めに想像がついた。
日本も早くアメリカのように出所後も追跡できるようなシステムにしてほしいが、整備されないのだろう。更生の考え方は大事とは思うが、性的嗜好や衝動はどうしても変えられないのでは?女性による少年への性犯罪より、男性による幼女暴行が圧倒的に多いのはなぜなのか。
サムソンの行為を容認することはもちろんダメだが、自分が遺族になったらそう思えなくなるのは確実。この結末を受け入れてはいけないけれども、責められない気持ちもある。
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幼少期に性犯罪者に妹を殺された過去を持つ刑事の長瀬は、幼女殺害事件が起きるたびに性犯罪の前歴者が殺害されるという連続殺人事件を追う。殺人犯は死刑執行人のサンソンを名乗り、捜査本部とマスコミに犯行声明文を送りつける。サンソンの目的は?長瀬の心情は?運命の対峙が描かれた社会派ミステリ。
ブク友・なんなんさんの薬丸岳作品へのレビューが素敵で、感化された私も続こうと積読棚から手に取った。
薬丸岳7作品目。
いやはや、今回も恐れ入った。
薬丸岳は、一体どこまで人間模様や立場の【あちら側】と【こちら側】を追求し続けるおつもりなのであろうか。
そして読者は、毎回突きつけられるテーマに対して各々の答えを出すたび、己の性根にある正邪と向き合わされるのだ。感情が零す。辛い、憎い、悲しいと。読後に祈る。救い、願いが、叶いますようにと。
今回のテーマは【性犯罪】
物語は長瀬、死刑執行人サンソン(男)、ベテラン刑事・村上の三人称視点で進行していく。
立場の異なる3つの視点が都度スイッチングするため、なかなか感情移入し切れず、はじめはとても読みづらかったのだが、途中から感情の切り替えが自然と出来るよう読み進められた。これも著者の緻密な思惑の賜物であろう。
本作のポイントは同じく性犯罪を憎み、根絶のためにそれぞれ行動する刑事長瀬と死刑執行人サンソンがどのように対峙するのかである。
逮捕vs成敗であれば、いっそのこと二人称の構成で良いのではないかと思ったのだが、ベテラン刑事・村上のフラットな視点あってこそ、我々読者は理性と本性の2軸で読み進められるのだと気付く。
そして、最大の見どころはサンソンの正体と真の目的、性被害者の長瀬の深層心理、そして何より日本の性犯罪に対する刑事罰の在り方だ。
特に性犯罪に対して、私個人としては酌量の余地など無くて良いと思っている。何故ならば、世界的にも性犯罪の再犯率は群を抜いて高いからだ。さらに諸国対策する刑罰の重さが大きく異なる。とある国では性犯罪前歴者の情報を国が管理し、国民に情報開示を行なっている。また、重罪人にはGPSを体内に埋め込み、一生監視下に置く処罰まで行われると言う。一方、日本は殺意の有無や人権に重きを置き過ぎるゆえ、被害防止の取り組みが圧倒的に遅れている。
性犯罪者に人権や名誉などの配慮は一切不要。極刑一択の厳罰化を願う。これは一国民である私の一意見である。
本作もやはり、目を背けたくなるような、想像したくないような描写が綴られている。そして表題名が語る終い方も。未読で興味のある方はご留意を。
どうも薬丸岳作品を読むとオフェンシブな自分が登場してしまう。嫌いじゃないけど。
Posted by ブクログ
サンソンは誰だろう?って考えながら読んでました。
長瀬の父親なんじゃないか?
いや、小池なんじゃないか?
って最後の最後まで分からなかった。
でもまさか小池を長瀬が殺すとは思わなかった。
彼は一線を越えちゃったんだね。
それはサンソンを引き継いだって事なのかな?
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ほんまに闇の底やな。
子供への性犯罪…再犯も結構あるみたいやし…
アメリカでは、そういう人らは、写真とか勤務先とかまで、公開されるらしい。
本人は、そらイヤやけど、小さな子供を持つ親は不安で仕方ないのも確か。
この作品では、幼児に対する犯罪があると、過去にそんなことした人が殺される。抑止力を狙ってるらしいけど、微妙な…
サンソンを名乗って、処刑。
世間も評価が二分する。
自分もそんなんが、実際にあったら、考えるもんな。
でも、人殺しは人殺し!あかんもんは、あかん!
犯人は、コイツ?お前なぁ〜人のこと言えんのか…
…分からんかった(−_−;)
Posted by ブクログ
幼い子へのの性犯罪、扱うテーマが重い為心が晴れない。現実的に起こっている犯罪だと思うと嫌悪感でいっぱいになる。
犯人が最後まで分からず、ハラハラして物語としては最後まで面白く読めたが、ラストが意外な展開というか私の望む展開にはならず、やや納得感に欠けた。
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犯人が意外だった。そして終わり方が自分的には良かった。幼女陵辱事件、本当になくならない。良識や頭で考えたら、サンソンの行為は法律で決まってるしダメなものはダメ。でも子供を持つ身だったら密かにサンソンに同意してしまうと思う。猥褻罪で捕まってもいつかは出てくる、反省してるかしてないかは別として。そして人権を盾にして居場所はわからないし、警察は事件が起こらないと動いてくれない。1日中監視しながら育てる訳にはいかないし、どうすればいいんだろうと、読後に考えがループしてしまう作品でした。
Posted by ブクログ
サンソンがこの男だろうという思わせぶりが見事でした。性犯罪の犯人は反省するものなのだろうかという疑問が残る。自分が死ぬことなく、このまま大人しく楽しく生活していくだろうとツッコミ入れたくなる。
Posted by ブクログ
最後までサンソンは誰なんだろうと確信を持てなかった。加害者と被害者。様々な苦悩を描くのは難しいのに、心理が上手く出せているとても上手い作品だった。自分を抑えられない性癖や薬物中毒など。この世界の中の色んな事に置き換えられる。
Posted by ブクログ
優等生的なデビュー作から、ここまでダークな作風に転向したのは好印象。テーマと真摯に向き合う姿勢、トリッキーな趣向、救いのない結末は貫井さんを連想しました。ただ、オチが容易に読めてしまうのが残念。
Posted by ブクログ
読んでて辛くなる物語。
社会的問題を描く薬丸岳さんの作品を読むたびに深く深く考えさせられる。自分ならどうするだろうって。
ラストには賛否両論あるだろうけど、個人的にはここまで警察官としてよく頑張ったなって思ってしまった。
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女性や子どもが性被害にあう話は本当に吐き気がする
この世から男はいなくなった方がいいんじゃないかと思う
被害者家族なら性犯罪者を殺してくれる犯人が捕まらなければいいと思ってしまうかもしれない
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妹を性犯罪者に殺害された過去を持つ刑事が主人公。
性犯罪で殺害された子供の事件を追うが、並行して過去に性犯罪で逮捕された男が殺害される事件が起きる。その犯人はサンソンと名乗り、警察やマスコミに殺害現場のビデオを送るのだが…。
という粗筋。
「天使のナイフ」の次の作品らしい。ストーリーが入り組んでいることに加え、登場人物が多いため、なかなか全体像が理解できずに何となく読み進めてしまった。構成にひねりを加えようとして煩雑になってしまった感じがする。
しかし、それでも現在の法制度への憤りや犯罪被害者の悔しさなど、作者の思いが伝わってくる。この作者の作人にはソウルがある気がする。「これが書きたくて小説家になったのだ」という気迫だ。
二作目なので過渡期の作品なのだろう。三作目を読んでみたい。
Posted by ブクログ
【どうやったら子供たちを守れるだろうか】
子どもへの性犯罪が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。卑劣な犯行を、殺人で抑止しようとする処刑人・サンソン。犯人を追う埼玉県警の刑事・長瀬。そして、過去のある事件が2人を結びつけ、前代未聞の劇場型犯罪は新たなる局面を迎える。
作者の作品は、少年犯罪がテーマのものしか読んでいなかったので、大人の性犯罪をどう裁くかがテーマのこの作品は新鮮で興味深く読んだ。
大人が子供たちを自らの欲のために利用する。
あまりにも理不尽な理由に巻き込まれた幼い子供たちを守る為にはどうしたらいいのだろう。
性犯罪者の刑期の短かさと再犯率の高さに驚いた。
犯罪を犯したものを厚生へと手助けすることに理解はするものの、プライバシー保護の為、出所者の個人情報は守られており、所在地を追跡しにくいこともこの作品で問題提起されている。
法の裁きにも限度があり、だから本書で登場する私刑執行人のサンソンのようなものが現れたのだが。
サンソンと警察のパートが交互に描かれていて、誰がサンソンなのか予想しながら一気に読んでしまった。
実際に明日のサンソンが生まれないために、性犯罪者への処罰の厳罰化し、警察が所在を把握できるようにして欲しいと思う。
犯罪者の再犯と厚生について考えさせられる一冊だ。
こんなひとにおすすめ.ᐟ.ᐟ
・親
・社会派ミステリーが好きなひと
Posted by ブクログ
子どもへの性犯罪は、まさしく闇の底。加害者を決して許せないけど、加害者自身もそういう自分が許せず、自らが恐ろしいということなのでしょう。被害者だけでなく、加害者の心理の奥深くまでを感じます。終わり方がはっきりとした描写があるような、無いような。伏線の回収がしきれていない(読み取れていないだけかも)ところも、『闇の底』はまだまだ継続しているというメッセージのように感じます。素早くて、無駄のない展開で、一気に読んでしまいました。
Posted by ブクログ
幼児への性犯罪の抑止力のために、過去の性犯罪者を惨殺するサンソンを名乗る男。幼児性犯罪の抑止ができない警察ではあるが、正義の名の下私刑を繰り返すサンソンを許してはならない。警察はサンソンを捕まえて、性犯罪を抑止できるのか?
薬丸岳さんは少年犯罪ものをたくさん執筆しているので、幼児性犯罪は珍しいかも。叙述トリックで犯人像を読者に想像させる手法も良かった。
Posted by ブクログ
子供への性犯罪が起きるたび、
同様の罪を犯した前歴者が殺されると言う
私刑的犯罪が起こる。
幼い子供を育てている身としては、「サンソン」はぶっちゃけ大賛成。
ただそれだけで子供への犯罪が減るわけでもなく、
じゃあどうやったら子供を守る事が出来るんだ…と
悩ましいところ。
「サンソン」の正体は最後の最後まで分からなかった。
服役してから普通の生活を送り、
罪など無かったかのように過ごしている犯罪者たち。
被害者家族からしてみたら、たまったもんじゃないよな。
Posted by ブクログ
ラストはそうなるんですね…
被害者遺族の気持ちがわかる警察官が、被害者遺族に話を聞く。これは若い長瀬にはとても荷が重かったことだと思う。
納得いくラストではなかったけど、長瀬の決断は心情として理解できる。
Posted by ブクログ
薬丸岳氏は少年犯罪という難しい題材を巧みに鋭くそして繊細にエンターテイメント小説と仕上げる作家であるが今回のテーマも非常にセンセーショナルだ。
プロットが面白く一気に読ませる展開であったがテーマとラストに暗澹たる気持ちになる。特にクライマックス。そこと某映画とも似ていたため★3つ。
Posted by ブクログ
被害者、その家族、加害者とその後の社会的孤立。被害者家族であり警察官となった長瀬の葛藤を描く。そんな簡単に答えの出せるテーマではない。そこに切り込む著者の意気込みに感じ入る。最後は“そっちか”とやられました。藤川と長瀬の父との対決場面があってもよかったかも。