あらすじ
鏡ばかりの部屋で発見されたエリート医師の遺体。自殺とされたその死を、検事・志藤は他殺と疑う。その頃、東池袋署の刑事・夏目は同日現場近くで起こった不可解な集団暴行事件を調べていた。鍵を握るのは未来を捨てた少年と予備校女性講師。人間の心の奥底に光を当てる、著者ならではの極上ミステリー。何度読んでも落涙のベストセラー短編集『刑事のまなざし』に次ぐ「夏目信人」シリーズ、初の長編。
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重くて、キツイ気分になるので、薬丸岳さん、しばらく休憩しようと思ったのだが、やはり、読んでしまった。
医者になるための大学受験、予備校からの入学の不正、脅迫、嫌がらせなど、絡んでいく。知らない世界なので、面白かった。ちょっと残虐な内容もあり、読むのがきつかった。物語は、さすが、薬丸岳さん、読ませます。次へ次へと読み進めてしまいます。謎解きミステリー要素あるけれど、いろんな人たちの心情に迫っていて、増愛がえぐい。だけど、奥の奥には愛があると思う。裏の裏の裏側?どうなってるの?いつも、重いテーマで、読むと、悲しくて、やりきれなくて、疲れるけれど、ついつい、また、読んでしまいます。薬丸岳ファンです。
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『刑事のまなざし』の夏目刑事シリーズ第2弾の長編。単なる自殺と目されていた案件に違和感を抱き現場に出て解決しようとする志藤検事と、いたずら通報疑われる事件を丹念に追っていた夏目刑事が互いに事件の核心に迫っていく様と絡みが面白い。夏目の深いまなざしは単なる犯人探しの枠を超えて加害者へも贖罪を含めた人間性の回復への信念が込められているように思える。このシリーズの今後にも期待が持てる。舞台の東池袋が身近で目が離せない感じもある。
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「その鏡は嘘をつく」鏡が嘘をつくのではなく、それに映し出された自分の姿を自分自身が嘘をつくのだ。発見された死体が他殺なのか自殺なのか。検事と刑事が少ない手がかりを元に推理を拡げ確信へと繋げて行く。医者を目指す若者と予備校の講師、彼らに一体なにがあったのか!とにかく面白い作品でした。
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夏目刑事シリーズ2作目。長編。
夏目刑事視点はないので、他の登場人物の視点から話が進んでいく。
教育虐待がテーマになっていて、事件の真相は辛いところがあるけれど、それでも命以上に大切なものはない、と話す夏目刑事の優しさに救われる気がする。
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薬丸さんにハマって、100円のを多数買って…その一冊。
シリーズもんやったんや。「夏目シリーズ」。第2弾や。
別に前作知らんでも面白いけど。
殺人事件とかが絡んでくると必然的に警察もんが増える。
こんな風変わりな刑事さんもええな。熱い刑事が好きなら合わんかも。個人的には、飄々としてるけど、凄い実力あって、中身は熱いってのが好み。上の言う事聞かんとか…夏目さんは、後者の部類。なので良い。
ちょっとした事に疑問を持ち、真実を暴く。
ここでは、浅川の部屋。
検事の志藤との対決も見もの。
自殺を他殺とするまでは、同点、それからが…
やねんけど、もう、そんな鋭い感覚が自分にはないから…対決を眺めるだけに…
このシリーズも頑張って読もう!
自分の姿を鏡で見てるか…?髭剃り跡とかの部分的なものしか見てない。
今の自身がどうかをキチンと見て、ちゃんと進んでるが点検が必要かも?
何かこの作品の感想になってないような(ーー;)
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一見なにをしているのかわからない夏目の捜査。小さな疑問から殺人事件の捜査へと繋がっていく。中盤までストーリーを引っ張った志藤検事。この人を主人公にしたものも読みたくなった。被害者は苦労して医者になって名声を得たけど人間としては破綻していて、その破綻の原因はなんだったのかしら。医師の世界の闇の部分が影響したのか。夏目の加害者に向ける優しさ。志藤検事は最後夏目の家庭の事情を知ってどう思ったのかな。またドラマ化されないかなー。椎名桔平の夏目好きだったのになぁ。
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「夏目信人」シリーズの長編。
読み始め いくつかの事件が同時進行しているように思えたが 段々と集約されていく。
医大に入ること医者になることだけを義務付けられている予備校生たちの様子が読んでいてとても息苦しい。
今回 夏目刑事の他に志藤という検事が登場する。彼が検事を志した背景には記者であった彼の父の死があった。
志藤の父は元警察官僚の政治家の不正を追っていた。彼の死は自殺ということで処理されたが志藤は納得していなかった。
夏目が刑事になった理由と志藤が検事になった理由。どことなく通じるものがある。
人間性はだいぶ異なるけれど…
終盤 志藤から「彼との勝負、ぼくは負けたんでしょうか」と彼らしくない言葉が出た。
同じ言葉を聞いても同じものを見ても志藤と夏目の考えかたは大きくちがっていた…
この後 志藤は夏目の娘の事件を知ることとなる。
エピローグ 事件後の幹夫を訪ねてきた夏目がいた。夏目は刑事であるけれど今でも優秀な“法務技官”でもあると思う。
やっぱり長編は読み応えがある。
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夏目シリーズ第二弾でとても面白かった
一見すると全くつながりが見えてこないものが最後の方になると急に繋がってきて驚いた
また夏目信人にもまた本の中で出会うことができて嬉しかった
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薬丸岳さん著「その鏡は嘘をつく」
夏目刑事シリーズの第二弾、前作は短編集だったが今回は長編作品。
前作でも思ったのだが薬丸作品の醍醐味は刑事視点から描かれるものではないなという感想。今回この作品を読んでみて面白いのは違いないのだが事件の被害者や加害者、その家族等の感情の渦の中に巻き込まれていくようなものは読み込めなかった。
逆をいえば薬丸作品にはそれを期待してしまっている。取り返しのできない事件、その事件に関わる誰しもの未来が描かれていく事によって窮屈で術のない、答えのない人生の岐路を考えさせらながら深く思慮を廻らせたいと思っている。
刑事目線のこのシリーズでは自分が求めているものとの違いが露になってしまった。
著者の別の作品を今後は読んでいきたいと思う。
著者の代名詞といえる、脳が考えすぎてパンクしそう、正解という答えはない中それでも考えないといけないというような作品を欲している。
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普通に面白いエンターテイメントミステリー。
謎解きも良かったし、検事・志藤のキャラも良かった。
ただ、刑事・夏目信人の続編としては少し物足りなさが残る。
第一作にあった「社会的弱者・マイノリティの哀しさ」が欠けていたからだろうか?
3作目、4作目に期待する。
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「刑事のまなざし」に続く夏目刑事シリーズ第2弾。
前作で夏目刑事の人柄に惹かれファンになり、今回の物語でも行動や想いにブレなく真相を追求する姿が素敵だった。
エリート医師が池袋の一室で遺体で発見された。当初は自殺と考えられたその死を、検事:志藤は些細な疑問点から他殺ではないかと考え始める。
その一方で夏目刑事は、深夜に現場近くで起きた暴行事件を調べていて、別視点から2つの事件の関係性を疑い始める。
志藤検事が夏目刑事をライバル視しているのに対して、夏目刑事は気にせず飄々と我が道を行く感じで捜査をするのが良い。捜査のためとはいえ、女子大学生と友達みたいになれるのも夏目刑事の魅力の1つだと思う。
今回の物語では、お医者さんになるために塾に通ったり浪人して再チャレンジする学生や親、指導する先生が出てきて、それぞれに想いがあって、それを夏目刑事が細部まで汲み取り核心をついていくのがすごい。
跡継ぎのために無理に続けなければならないって他の人からしたら贅沢な悩みかもしれないけれど、本人にとって精神的に相当辛いだろうな…
色々な事情が絡み合っての悲しい事件。けれど、誰かを大切に思う気持ちが人を動かしていることを改めて感じた。
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断定せず、一つのわずかな疑問をコツコツと明らかにしていく夏目に対して、持論や推理に基づき自身で出向き確実に明らかにする志藤。同じように見えてなんだか対照的な二人のやり方が面白かった。
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刑事夏目信人シリーズ、第二弾。
『刑事のまなざし』に次ぐ長編です。
主役は刑事夏目ですが、検事の志藤の活躍もあり、ダブル主役と言えるでしょうか?
鏡ばかりの部屋で発見されたエリート医師。
そして、現場近くで発生した不可解な集団暴行事件。
全く別の2つの事件が、奇妙に絡みあう。
果たして、夏目と志藤は、この謎を解き明かすことが出来るのか?
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痴漢で捕まった医師がのちに自殺したが
検事の見立ては自殺ではなく殺人
再捜査で動き出す
近くで起こった暴行事件も絡んできて
夏目刑事シリーズ第二弾らしいが
検事も刑事もそれぞれに事件を追い
解決に導く
さくっと読めました
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夏目シリーズ第二弾。
鏡張りの部屋で自殺したとされる医師。
その医師は、その前に痴漢容疑で逮捕されていた。
それを苦に自殺したのか?
その一方で、暴行事件が起きており、被害者や通報者がわからない状況となっていた。
自信溢れる検事の志藤とマイペースの刑事の夏目、キャラの違う二人だが、頭が切れることには共通点がある。
ただ激しいだけの刑事物ではないところが、面白い。
2025.11.1
Posted by ブクログ
非常に面白かった夏目刑事と志藤検事のそれぞれの活躍によって真実が解き明かされていいくその過程がとても面白く勢いよく読むことができた。夏目刑事も志藤検事も非常にレアキャラであるために、お互いを意識している様子も面白い。最後に真実が明らかになっていく様が非常に美しいと感じた。作者の視野の広さを感じる設定や、医学部の中の、特別意識のような部分にも少し棘を刺しているところなどはこの作者らしいと思った。とても良い本だと思う。
Posted by ブクログ
今まで読んだ薬丸作品とは違うテイストの作品だった気がする。最初のうちはストーリーが今ひとつ掴めなくて中弛みな感じだった。でも、事件が解決に向かって出口が見えてくると盛り上がってきて納得の面白さだった。
検事と刑事の両方で事件解決に向けて同時進行していくのも面白かった。
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シリーズ第二弾は長編。
対照的なキャラクターである夏目刑事と志藤検事の描写が交互に入れ替わる事によって、2人のアプローチの違いや少しの共通点がより明確に感じられる。
事件の真相に関しては、幾度となく仮説を立てては否定される繰り返しで、最後まで想像できずに読者の関心を失わない。但し、イマイチ被害者も犯人もリアリティに欠けるかな。
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【夏目シリーズ第二弾】
痴漢容疑をかけられた医師の遺体が見つかった。自殺として捜査は進んで行くが、違和感を感じた刑事と検察官。自殺なのか他殺なのか。
それぞれの立場から事実を炙り出す、夏目刑事と志藤検察官の対比が面白かった。見どころは夏目の洞察力と志藤の行動力。
お互い違う事件を追っていたが、やがて事件がひとつに繋がっていく。関係者の証言も二転三転し、新たな証言が出てきたり読んでいるこちらも翻弄された。
面白いのは間違いない。でも何かが足りない感じがした。これまでの様なテーマ性が余り感じられなかったからか…。個人的には一作目の『刑事のまなざし』の方が夏目刑事の魅力が伝わるので好きです。
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このシリーズは少年鑑別所の法務技官であった夏目
の人間への深い洞察力により、絡み合った事情から
生まれた悲しい事件が解決される
ネタバレだが誰かへの大事な思いが事件をつくる
エリート医師が謎の一室で遺体となり、志藤検事だ
けが他殺を疑う
並行して夏目刑事がいたずらと思われた暴行事件を
調べ、2つの事件が関連してくる
夏目刑事の風評が広まりつつあり、特別視している
志藤検事という構図であるが、変な邪魔をしてくる
という作品ではない
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「刑事のまなざし」はずいぶん前に読んだので、かなりうろ覚え。そんな状態で読むにはふさわしくなかったかも。もう一度「刑事のまなざし」を読もうかな。
嘘を言っているように感じられない(描写されていない)のに、後で撤回、結果としては検事の予想通りで、え?何?やっぱり噓だったの?! と若干イラッとしたが、夏目さんに中和してもらえた。
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夏目シリーズの第2作目の長編。これは好みの問題だが、この後もシリーズは第3、4と続くが短編集の方が面白いと思う。
この作品は夏目ともう一人志藤検事が主人公のようなもの。最終的には夏目の深い洞察により真実が明らかになるが、志藤の思い込みもミスディレクションの伏線というには物足りなく、かといって痛快な終わり方でもなく、全体に普通の作品で纏まった感じだ。
Posted by ブクログ
面白いミステリーが読みたい!…のに今年は不作。
本作もしかり。
なかなか明らかにならない真実にジワジワと近づいていく感じがくどいというか、中だるみするというか。
そして明らかになった真実もなんというか…大したことないと言うか。
確かに殺害動機となった事件は衝撃的でしたが、全体的にシリアスに重たくしようとしすぎて、逆に読み手の私にはふわふわふわ~と流れていくような感覚。
レビューを真剣に書くほどでもないのでこれでおしまい。
2021年14冊目。
Posted by ブクログ
【彼は何故未来を捨てたのか】
人間の心の奥底に光を当てる、著者ならではの極上ミステリー。
刑事 夏目シリーズの2作目。
1作目に比べ、物語のペースはゆっくりなものの、人の奥底に隠している秘密まで解き明かしてくれる夏目の鋭さがいい。
今回は刑事 夏目と対象的な検事も登場し、双方から事件が解決されていく様子が面白かった。
この作品もドラマ化しているようなので観てみたい。
こんな人におすすめ.ᐟ.ᐟ
・社会派ミステリーが好きなひと
・医療ミステリーが好きなひと
・少年犯罪がテーマの話が好きなひと
Posted by ブクログ
鏡ばかりの部屋でエリート医師が遺体で発見された。自殺か他殺か。
検事の志藤、東池袋署の夏目刑事。
読み始めはどちらの目線で読めば良いのか分からず、入りにくかったが、それぞれが段々と真実に近づいていく中で引き込まれて、最後の取り調べがとても良かった。
Posted by ブクログ
この作家さんの作品をはじめて読みました。
自殺した(が他殺の疑いがある)医師、
受験戦争から逃げるように失踪した少年、
強盗殺人事件……
それぞれが視点を変えて描かれていきます。
文章は読みやすく、飽きずに最後まで読めました。
2つの事件がつながっていく工程が面白かったです。
結末は意外な真相。
とはいえ、少年が好意を寄せる人を想っての行動が、いまひとつややこしくて腑に落ちませんでしたが……。
ミステリーとしての物語の進み具合は面白かったですが、心情描写がものたりなかったので、☆3つ。
鏡をタイトルにいれるなら、もう少しうまく鏡を使ってほしかったかな。