薬丸岳のレビュー一覧
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ネタバレ殺されて当然の人はいない、と理性では理解できる。しかし、亮介が起こした事件の被害者は、少なくとも殺されたことで悲しむ人がいないどころか、その死を知った全ての人を安心させるような人間。
それでも、「殺された人」となれば、事情を知らない一般人が「殺した人」を恐れるようになるのも普通のことだろう。「人を殺す」ということにはそれほどの重みがあるわけで、なければ平穏な社会生活を維持するのは難しい。
だが、まっとうに生き直そうとする人がやり直せる社会でなければ、息苦しいのも事実。自分のなかの偏見を振り払う難しさは感じるが、人を弾くことに喜びを感じるようにはならないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
「誓約」読んだ時も戸籍がうんぬん、、だったから
主人公に同じ雰囲気を感じた。
第一章、プリズンブレイク(失敗)
第二章、義手(まさかこんな義手の話だなんて思いもしなかった)
為井が軽いのよ。
次期社長自分じゃなかったの悔しい!起業したい!→面白い合成樹脂!これだ!
までの流れ。かるっ。
いや分かるんだけど、町田の義手と工場の立て直しに繋げるためにそうなったのは分かるけど、デキレースすぎて、だったらもっとさらっと繋げてほしかった。これ何の物語?下町ロケット?となってる時間長すぎた。
そして楓がイライラポイント。
殺人鬼の居候いるのうざい!ボコって!→もしかして犯罪してない?ごめん→工場 -
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この作品を読んで思い出した。
若い時に付き合った彼氏が私だけに語ってくれた。「人を殺したい願望がある」のだと。
イケメンでクラスの人気者で明るい性格の彼の暗い一面を知り、若い私には受け止められず、いつか殺されるのではないかと怖れて、別れたけれど。
事件を起こしてないだけで、彼はいまだにその欲望を抑えて生きているのだと思う。
そんな「人を殺したい願望」がある男性が、末期癌で余命宣告を受けてから、残りの人生を自分の欲望の赴くまま、連続殺人を繰り返していく。
同じく余命宣告を受けた刑事が、その連続殺人鬼を追う。
快楽殺人でありながらも苦悩している描写が多々あり、さすが薬丸岳さんだなと思った。 -
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薬丸さんは、罪と贖罪をテーマにした物が多く見られます
その中でこの「闇の底」は異質に感じました
連続して起こる幼児への性犯罪事件
幼い頃妹を性犯罪者に殺された刑事が追うのは
その幼児性犯罪者を殺してサンソンと名乗る男
サンソンはフランスの死刑執行人の名前
(コミック「イノサン」はまだ続いているでしょうか?サンソン兄妹が美しい描かれてます)
犯罪者を処刑するがごとくのサンソン
読みながら多少違和感はあるものの
多くの人が薬丸さんにしっかりミスリードされてしまうと思う
そして、真犯人は驚きのあの人
この妹を殺された過去をもつ刑事が
事件の後退職するのだが、
彼のこれからの動向が思わせぶりで良 -
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昔、世間を震撼させた、酒鬼薔薇聖斗事件のその後を連想させるような、ストーリー。
少年2人を殺し目玉をくり抜いた狂気殺人事件の犯人の少年が、医療刑務所を出所し、名前を変えて過去を隠してシャバで働くお話。
そこで、同期の益田に言われた「お前が死んだら悲しいよ」という一言に救われる。
色々な目線で語られる。
生まれ持った異常な性質は、治るものなのか。
凶悪犯が普通の世界で生きていけるものなのか。
周りがそれを知って、普通に接することが出来るのか。
築き上げた友情は、壊れないか。
凶悪犯は、この世の何処かでちゃんと生きている現実。
難しい題材ながら、うまくまとめてあるなと思った。 -
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昔、世間を震撼させた、酒鬼薔薇聖斗事件のその後を連想させるような、ストーリー。
少年2人を殺し目玉をくり抜いた狂気殺人事件の犯人の少年が、医療刑務所を出所し、名前を変えて過去を隠してシャバで働くお話。
そこで、同期の益田に言われた「お前が死んだら悲しいよ」という一言に救われる。
色々な目線で語られる。
生まれ持った異常な性質は、治るものなのか。
凶悪犯が普通の世界で生きていけるものなのか。
周りがそれを知って、普通に接することが出来るのか。
築き上げた友情は、壊れないか。
凶悪犯は、この世の何処かでちゃんと生きている現実。
難しい題材ながら、うまくまとめてあるなと思った。 -
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教誨師、という言葉を初めて知ったのは、
堀川恵子さんのノンフィクションでだったと思う。
小学校のPTA図書で借りたと記憶しているけど、
記憶違いかも。これほど重い本が並んでるとは思えないし。読後、夜中に目が覚めてしまう程に引きずった覚えがある。
エネルギーの総量が同じであるなら、事件を起こしてからではなく、事件の前に同じくらいに話を聞いてあげられていたなら、悲しい思いをする人がいなかったはずなのに、と思うとやりきれない。
被害者、遺族、加害者、その家族、刑務官、誰もが苦しんで、こちらまで苦しくなる。
聞いてもらえないから悲惨な事件が後を絶たないのだろうけれど。誰でもよかった、分かってもらい -
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深夜、飲酒運転中に轢き逃げ事故を起こしてしまった大学生。一人の老女の命を奪う。
彼は、平常真面目で勤勉。その日は、彼女から無理な呼び出しに応えてしまった。
罪と現実を受け入れられないまま、懲役4年を超える実刑となる。
大切な話があると思わせぶりがすぎた彼女の呼び出しとか、
他の移動手段を選択できなかった大学生とか、
何かを轢いたと思いながら逃げた状況とか
被害者の高齢な夫が、加害者の出所を待って
語る過去の戦争体験とか
ちょっと作り込みではと思いながらも
切なく読み進みました。
私はあまり運転が好きでなくて
バイパスとかですごく乱暴にスピード出して
追い抜かれると、
「きっと奥さんが出産 -
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中学校運営のひとつの形になりえるのか。
赴任した先にガーディアンという名称の自警団が生徒によって組織されているらしい事に気づく一人の教師。
ガーディアンは教師や親が気が付かない、対処できない、いじめに対して制裁を加えている。
学校でのいじめの問題に解決が見出せない状況で問題点があるとしても 対抗する組織力は有効なのではと思う。
ガーディアンは、いじめに全体力で対抗措置を施し、数日の措置の後受容処置に移る
効果的だなと感心する。
解決できない教師や親は、意見できないと思う。
重松さんの小説に多い、ひたすら我慢するよりも建設的かもしれない、と思いました。