薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★4は高いし3じゃ低いかな…で気持ちとしては★3.5という感じ。
大好きな薬丸作品。面白くていつも通りスイスイ読めたけど、今回はちょっと複雑な気持ちだった。
薬丸作品に出てくる主人公は、誤解されてしまったり本人のどうしょうもない事情で悪の世界に足を踏み入れざるをえなかったけど心根は繊細で人思いの優しい少年…という感じが多かったけど、今作品は、今でこそまじめに家庭を持っているけど、少年時代は本当に悪だったのね…と思ってしまった。
もちろん、芯の芯の部分は本当の極悪人ではないのだけれど。
それとドンデン返し要素が、薬丸作品にしては珍しいような気がしました。
何も考えずに読んでいたから、ええぇぇぇ〜〜〜?!その人が?!となりました。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
スイスイ一気に読んだ。
自分がもし違う場所で育っていたらどんな人生を歩んでいたんだろうか、子供ができたとき子供と上手に関わって一緒に成長していくことができるのだろうか?
今の私はあまりにも未熟すぎるかもしれない。
私たちは自分ごとではないと思って少年犯罪を眺めてしまう。しかし少年犯罪は社会的な問題である。少なからず市民みんなが個別の事件に関わっているという自覚を持つことが必要だと思った。
決定論・非決定論など争いはあるが、私たちは犯罪のある世界で、どのように犯罪に向き合っていくのか、犯罪を個別の問題と捉えるのみならず、大きな枠組みで捉えることでもっと良い社会になるのではないかと思った。 -
Posted by ブクログ
500ページ超えの長編。
コロナウイルスにより孤独を抱える若者たち…
職と居場所をなくす人たち…
そんな拠り所のない人たちでお互いに助け合い、血の繋がり、戸籍よりも強い血からで結ばれた家族を作ろうと立ち上げられた「こうふくろう」
実際コロナウイルスによって人生が変わってしまった人はたくさんいるんだろうな…
にしても!
人物名プラス、家族を捨てたとことしての偽名?セカンドネーム?もーややこしい(笑)
そしていつもより多い登場人物。場面展開…
読むの混乱したー(゚∀。)
他の作品より広く浅く…感じてしまいなかなか感情移入しにくかったかなぁ… -
Posted by ブクログ
とても怖いお話だった。舞台は2020年から2021年の池袋。新型コロナによるパンデミックの時代、閉塞感孤独感が社会を覆う。家庭内で孤立し居場所がないと感じる若者が出会い、血縁ではないほんとうの家族を求めることから物語が動いていく。家族を守る、幸せになりたい、それだけの願いが歪んでいく。依存し合い、縛り会う。家族を守るという大義名分のために、犯罪に手を染めていく。とうとう仲間の1人が死ぬ。
時系列が前後するのでけっこう混乱する。本名の他に新しい名前を名乗ったりするので登場人物が2倍な感じ。強盗、美人局、覚醒剤、そして殺人まで。単に公園で屯してた若者にどんなルートでそこまでいけるようになるのかというのも冷静に見れば疑問。とはいえ、いろんな組織や思想が陥りがちな過ち。例えば、オウム真理教。例えば、連合赤軍。現実にも起こりそうで恐怖を感じる小説だった。 -
Posted by ブクログ
刑法39条。
この法律の是非については常々議論になるところ。
精神科、心療内科の通院歴の有無や逮捕後の精神鑑定結果で変わる刑罰。
一度鑑定で認められてしまうと、全く問われなく(問えない??)なってしまう。
鑑定結果次第ではマスコミも報道しなくなる。
被害者の人権より加害者の人権?おかしな話だ。
健常でも誰でも、殺人の犯行の瞬間は心身喪失になっていると思っている自分には悪法とすら思う。
人を殺してみたかったというサイコパスでさえ鑑定しだい。
自分や自分の大切な人の身を守るためには、殺すしかないというケースもあるだろう。こちらは罰せられる。
何が違うというのか。
被害者と被害者遺族は置いてけぼりだ。
39条を存続させるなら、被害者遺族の当事者への復讐、仇討ちも無罪、減刑にせよ、と昔から思っている。
大切な人を亡くす悲しみ、苦しみ、外的な痛み等、自分が経験しなくても想像力で寄り添える《辛いこと》はあるけれど
統合失調症の苦しみは統合失調症ではない人間には、医師ですら本当のところは絶対に分からない。
重い言葉だ。 -
Posted by ブクログ
ある意味、二十代の若者のリアルを描いた作品。
深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。
翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。
その後、轢き逃げの罪で逮捕された翔太は懲役四年を超える実刑判決を受ける。
一方、被害者の夫・法輪二三久はある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。
翔太と二三久という加害者と被害者を軸に、
当時翔太と付き合っていて実は翔太の罪の遠因を作った綾香と、
二三久の息子である昌輝が大きく絡んでくる内容。
果たして、二三久は何故に翔太にこだわっているのか。
全編通して、綾香の覚悟と献身の様が凄すぎる。
それに比べて翔太の不甲斐なさというか、甘ったれた精神。
そこは誇張のように感じつつも逆に非常にリアルに感じた。
二十歳そこそこの男の子が背負えば、そりゃそうなるよなというリアルさ。
ある意味、同情できない上に終始苛立たせる翔太の言動が
より現実感を引き出しているような感じがした。
だが最終的に明らかになる二三久が翔太に拘った理由。
これが何とも表現に困るというか、比べようがないもので
同じ土俵で語れるものではないだろうと、
どうしてもそこが引っかかってしまった。
設定と流れは秀逸ではあったが、
その両者のギャップが最後にリアルさをかき消してしまったような気もした。
とは言え、罪を犯した者のその後を描くには非常に勉強になる作品。