薬丸岳のレビュー一覧

  • 罪の境界

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    無差別通り魔事件が発生した。
    加害者・小野寺圭一と その生い立ちに自分自身を重ねたライターの溝口省吾。
    そして被害者・浜村明香里と彼女をかばって亡くなった飯山晃弘。
    双方から事件に迫る。


    同じ厳しい境遇にありながら“罪の境界”を越えた者と越えなかった者──。


    越えてしまった小野寺も溝口も結局最後まで母親を待つ小さな子供のようなものだったのかもしれない。
    そして自分の奥底の気持ちに気づく術を持てなかった彼らはやっぱり哀しい。


    久しぶりの薬丸岳さん。重厚にして読みやすい。

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    2026年04月15日
  • 罪の境界

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    ネタバレ

    母親の愛に飢えていたゆえの犯罪だったってことなのかな。

    私には小野寺や省吾の気持ちは分からない。見知らぬ人を殺す気はないし、痛めつけたいとすら思えない。でもそれは明香里が語ったように、家族という大切な人がいるから境界を越えないだけかもしれない。

    2人のように家族がいなかったらどうなっちゃってたんだろう。少なくとも今より幸せな生活はできてなかった気がする。

    明香里側のフラッシュバックや悪夢を見るシーン、お酒を呑み家族にあたってしまうシーンが読んでいると辛かった。
    ただ立ち直れたのが結局、しつこいくらいに航平が寄り添ってくれていたからなように思えてしまったことと
    トムくんの登場にもっと意味を

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    2026年04月08日
  • ラストナイト

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    涙腺崩壊しなかった。
    憎まれ口を叩く気はありませんが帯や紹介文であまり盛らないでほしい。
    ただ薬丸さんの作品では『デフ・ヴォイス』みたいなマイノリティーの話が好きでよく読みます。純粋ミステリーはやや懲りすぎていて、後で振り返ってもテーマが掴み取れないことが多々あります。

    本作でも、顔一面が豹柄の刺青、の動機の部分をもっと深く知りたいと思いました。多少の決意や復讐心くらいじゃできないですよね。。
    いくつもミステリーを見てきてそんな登場人物1人もいなかったですもん。

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    2026年03月31日
  • 虚夢

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    刑法39条。
    この法律の是非については常々議論になるところ。
    精神科、心療内科の通院歴の有無や逮捕後の精神鑑定結果で変わる刑罰。

    一度鑑定で認められてしまうと、全く問われなく(問えない??)なってしまう。
    鑑定結果次第ではマスコミも報道しなくなる。

    被害者の人権より加害者の人権?おかしな話だ。

    健常でも誰でも、殺人の犯行の瞬間は心身喪失になっていると思っている自分には悪法とすら思う。

    人を殺してみたかったというサイコパスでさえ鑑定しだい。

    自分や自分の大切な人の身を守るためには、殺すしかないというケースもあるだろう。こちらは罰せられる。
    何が違うというのか。


    被害者と被害者遺族は

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    2026年03月31日
  • 告解

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    ある意味、二十代の若者のリアルを描いた作品。

    深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。
    翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。
    その後、轢き逃げの罪で逮捕された翔太は懲役四年を超える実刑判決を受ける。
    一方、被害者の夫・法輪二三久はある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。

    翔太と二三久という加害者と被害者を軸に、
    当時翔太と付き合っていて実は翔太の罪の遠因を作った綾香と、
    二三久の息子である昌輝が大きく絡んでくる内容。
    果たして、二三久は何故に翔太にこだわっているのか。

    全編通して、綾香の覚悟と献身の様が凄すぎる。
    それに比べて翔太の不甲斐なさというか

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    2026年03月26日
  • 告解

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    雨が降る深夜、飲酒していたにも関わらず車を運転し、何かをはねたと気付くも逃げてしまった籬翔太。
    はねたのは老女だったと翌日のテレビで知るも、警察が訪ねてくるまで現実から目を背けていた。
    そして、翔太には懲役4年を超える実刑が下った。
    その間、妻を殺された夫は翔太の出所を待ち続けていた。
    その理由とは…
    そして、出所した翔太はどんな思いで日々を過ごすのか。
    贖罪について問う、考えさせられる話。

    2026.3.15

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    2026年03月15日
  • Aではない君と

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    「心とからだと、どっちを殺したほうが悪いの?」
    中2の息子が同級生を殺害したが、刑事にも親にも弁護士にも全く何も話そうとしない。
    父親の吉永は何も分からず、読み手もやきもきする。
    もしかしたら本当はやっていないのか?
    そんな希望さえ湧いてくる。
    離婚して離れて暮らす父子。
    大きな事件の裏では、お互いを思い遣ってすれ違う場面もあった。
    それでも命があってこそできるのであって、命を奪ってしまったことは、一生をかけて償わないといけない。
    今の時代はすぐに個人情報が晒されてしまうので、少年の更生は難しいと思う。
    いつ自分の過去が周りにバレてしまうか、その恐怖がつきまとうはずだ。

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    2026年03月12日
  • 友罪【電子特別版】

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    薬丸さんの本は、読んだらものすごいダメージを受けそうで、今まで避けてきたけど
    今回思い切って

    被害者の事はほとんど出てこないし、
    犯行当時の事や、犯行に及んだ理由もよく分からないままで、あくまで仲良くなった人物が実は殺人犯だったら。
    という所にフォーカスした話だったので
    心配していたダメージはほとんどなかった

    自分だったらどうするだろうと考えながら読んだ

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    2026年03月10日
  • ラストナイト

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    薬丸岳氏らしい作品。

    犯罪が起きた後の加害者、加害者家族、被害者、被害者家族を丁寧に表現する。

    自分ではない誰かのために、人生の全てを賭けて思いを遂げることの厳しさを感じた。(手段の準備として、犯罪を繰り返し刑務所を転々とすることを目的としたのもあるが。)

    片桐が生涯大切にしていた家族写真、ひかりの元で新しい意味も加わって末長く大切にされることを願う。

    顔に刺青はあるし、犯罪を繰り返して最後は殺されてしまったお父さんだけど、いつか受けいれられる日がくると信じて。

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    2026年03月07日
  • こうふくろう

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    救いを求める若者たちの自助と協力の理想の世界「こうふくろう」。
    でも徐々に、いかがわしさが生まれてくる。

    登場人物と時系列がわかりづらく、何回も戻らなければならない。

    しかもすっきりしない結末…

    なんらかの心の居場所の「こうふくろう」は必要だと思うんですけどね…

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    2026年03月01日
  • Aではない君と

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    少年犯罪系のテーマが多く、いつもモヤモヤさせられる薬丸岳さんの作品。
    今回も予想通り、難しい感想。
    この人はいつも読後感を悩ませる。今回は特に。
    色々書いたけど、長くなりすぎたのでコンパクトに。

    あらすじは割愛。作品紹介読んでくだされ。

    法に則ったら悪いのは加害者なのは当たり前。
    俺もそう思う。ルールを破るのは悪い。

    けど、そこに至った理由も理解できる。
    そこまで追いやった被害者も十分加害者でしょ。
    殺人を許容するつもりはないけど、自業自得なところはあるんじゃないかと。

    とは言いつつも、全体的に加害者擁護に感じてしまって、それはちょっと違うよな、と思った。

    有意義な読書タイムをありが

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    2026年02月23日
  • こうふくろう

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    コロナ、大変だったな。
    今はコロナ禍ではないけど今後同じようなことは起こるだろう。小説を教訓にしたい。主題と違う感想だけどね。

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    2026年02月20日
  • ラストナイト

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    ネタバレ

    顔面に刺繍を入れた刑務所を出所入所を繰り返す男・片桐。片桐を昔から知る菊池、犯罪を繰り返させたくない弁護士中村、元妻陽子の娘・ひかり、元暴力団員梶原の女・絢子、ラストは荒木目線で片桐の幸せの絶頂時から転落して現在に至る様を見る。
    なんで出所入所を繰り返すのかと思えば、ラストの刺殺のシーンで明らかに。梶原のクソ野郎感は胸糞ではあるが、片桐の転落のキッカケを作った梶原への復讐がこうなされるのかと悲しくもあるが片桐の考えた末の行動なら…胸打たれる話でした。

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    2026年02月15日
  • 天使のナイフ 新装版

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    罪の意識をどう捉えるかで、自分を生かしも殺しもできる。重視すべき価値はどこにあるのか、最後は考えさせられた。

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    2026年02月08日
  • 闇の底

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    いつまで経っても答えのない問題の1つに切り込む作品。ただ予想していた重さよりも軽かったかな。ミステリーとしても読みごたえある1冊。

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    2026年01月27日
  • 刑事の怒り

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    短編集は正直あまり好きではないが面白く読めた。それぞれの事件に裏があって、それを明らかにしてい夏目刑事の活躍が緩やかで良かった。

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    2026年01月22日
  • 天使のナイフ 新装版

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    少年法という難しいテーマを扱った作品。後書きで、13階段に影響を受けたと書いてあり納得しました。本作の主人公が事件を解決することで、成長する姿が見れた。

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    2026年01月10日
  • 友罪【電子特別版】

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    ネタバレ

    最後の鈴木に向けた手紙は良かった。泣いた。
    正直仲良くなった人が犯罪者でしたって最初から分かってて面白いのかな?この人がどうせその人でしょ〜的な読み方をしてました。
    メインテーマとしては『過去とどう付き合っていくか』なのかなと読みながら思いました。
    読みながら登場人物たちの"消せない過去"に触れて、そこから葛藤どう向き合うのか、そんなお話でした。

    でもすっごく個人的な感想だと益田が軽率すぎてキーっ!!!となりました。鈴木の過去が許せるか許せないかとかは意見が違うと思うし、私も実際どうするか分からないけど、口軽そうな人に写真見せたり、週刊誌の先輩に写真あげちゃったり、、記事

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    2026年01月09日
  • 刑事の約束

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     最初に少し読んだ時には、少し風変わりな刑事が実は名探偵で、些細な手がかりを元に、人の心の闇が引き起こす犯罪の真相を解明する連作短編集というものだった。読み終えてみると、あまりの落差に自分でびっくりしてしまう。

     読んでいて苦しくなる話が多かった。狡猾で悪い犯人が犯罪を引き起こすのではない。犯罪が人の運命を変え、時にそれが新たな犯罪を引き起こす悲劇。犯罪の奥に見える人の苦しさ、悲しさ。本来なら幸せな人生を送っていたはずの人が、何の罪もないのに絶望の中に叩き込まれ、それでも懸命に生きようとしている姿が見える。そして、それに不器用ではあるけれど誠実に向き合おうとする主人公の刑事の姿が見える。読ん

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    2026年01月05日
  • 刑事の約束

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    夏目シリーズ。短編5話。
    無戸籍児童として生きている少年。
    夏目の同級生が同窓会と同じ会場で起こそうとしている事件。
    殺人事件の容疑者だった男が逃げた先で事故死したが、その男が守りたかったもの。
    88歳の女性がどうしても高齢者住宅でなく、自宅での生活を続けたかった理由。
    過去に関わった事件の被害者で夏目が気にかけていた少年との再会とその際に交わした約束。
    短編なのに、どれも長く読み続けているように深い。
    特に最後の「刑事の約束」は夏目にとって辛く、今後にも続く話だと思う。
    そして、各所に登場する検事の志藤や夏目の家族との絡みも読み応えあり。

    2025.12.30

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    2025年12月30日