薬丸岳のレビュー一覧
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重い!
やっぱり薬丸岳さんの作品は重い。
加害者と被害者、家族、様々な視点から語られ、その辛さを感じます。
渋谷のスクランブル交差点で発生した無差別通り魔殺人事件!
事件の加害者の小野寺。
誰でもよいから人を殺して、塀の中で生活したいという動機。こういうの、現実世界でもありますよね。ほんと、腹が立つ!
全く許せません!
被害者の明香里。
全身刺されて、顔も切られたが、九死に一生を得る。
被害時のトラウマ、フラッシュバック、辛い生活です。
その明香里をかばって、亡くなった通りすがりの男晃弘。
「約束は守った。伝えてほしい…」
という言葉を明香里に託して死んでしまう。
明香里の恋人の航平。
約束通りに明香里に会っていれば、彼女が被害にあわなかったと悔やむ。
フリーライターの省吾。
事件の加害者の小野寺に興味を持ち、小野寺に接触。
小野寺からは自分をすてた母親を探してほしいと依頼される。
小野寺の生い立ちを調査すると共に、自分の過去に重ね合わせていく..
被害後の明香里の生活が辛すぎる。人生ボロボロです。
そんな明香里が晃弘に託された
「約束は守った。伝えてほしい…」
を伝えるために、立ち直っていく、強くなっていく、向き合っていく、展開です。
晃弘は誰に伝えてほしかったのか?
そして、省吾が明らかにしていく、小野寺の過去。
しかし、その過去をもっても、殺人は許されません。
母親との関係って重要なんだなって思います。
小野寺が超えた「境界」
超えるものと超えないものの違い。
省吾が明らかにした真相は衝撃的でした。
かなりのボリュームですが、お勧めです! -
Posted by ブクログ
薬丸岳の夏目刑事シリーズ第3弾。
次作の「刑事の怒り」も読んでいるので既に読んだはずだが、内容の記憶が曖昧だったので再読した。
最初の方の「無縁」「不惑」などは夏目の深い人間洞察力がよく表れていて面白い。また本作ではずっと眠りについていた娘が遂に目を覚ます。この時の夏目夫妻の喜びようは読んでいても泣けてくるし、そういう時でもずっと側にいてやれない刑事という職業の過酷さに思いを馳せた。
しかし何と言っても本作は最後の「刑事の約束」が良くない。表題にもなっている重要な話であるのは間違いないが、読後感が圧倒的に悪く、せっかく良かったそれまでの短編が台無しになるほど感じが悪い。
このシリーズに読者が期待しているのはこういう話なのか?と思わせる作品になったのは残念だ。 -
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2017年第70回日本推理作家協会賞(短編部門
「黄昏」を含む夏目シリーズ第4弾
夏目刑事の犯人へも注ぐ優しさが読める短編4編
「黄昏」
高齢の母親の遺体をスーツケースに入れてかくしていた娘。母親の死を隠蔽した理由が切ない。
けれど幼いかな
「生贄」
夏目刑事が錦糸署に移動直後の事件。
公園のトイレで若い男がナイフで刺殺。
二重三重の性犯罪の被害者の苦悶。
夏目の許しの心情も揺らぐ。
「異邦人」
ベトナム人留学生が警察通訳人として同胞の女性の犯罪に夏目と共に関わる。
外国人労働問題を犯罪の根底に。
「刑事の怒り」
疾患や事故で身体が不自由となり呼吸器を必要とする患者が立て続け亡くなる。
それは自殺幇助か安楽死か
この物語では夏目の怒りをかう犯罪なのだけれど
重いテーマとして長く考察されていくんだろうなと思う。 -
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ネタバレ
「誓約」読んだ時も戸籍がうんぬん、、だったから
主人公に同じ雰囲気を感じた。
第一章、プリズンブレイク(失敗)
第二章、義手(まさかこんな義手の話だなんて思いもしなかった)
為井が軽いのよ。
次期社長自分じゃなかったの悔しい!起業したい!→面白い合成樹脂!これだ!
までの流れ。かるっ。
いや分かるんだけど、町田の義手と工場の立て直しに繋げるためにそうなったのは分かるけど、デキレースすぎて、だったらもっとさらっと繋げてほしかった。これ何の物語?下町ロケット?となってる時間長すぎた。
そして楓がイライラポイント。
殺人鬼の居候いるのうざい!ボコって!→もしかして犯罪してない?ごめん→工場潰れちゃうかもしれないから助けて
なんて都合がいいんだ。しかも結局惚れてるっぽいわ。
あと町田の口調が
「そんな暇じゃないのさ」とか「そうかい?」とか
妙にキザでダサめで、もしやこの本出版されたのだいぶ昔?と思ったら、10年前くらいだった。
これも人とのコミュニケーション不足で、本ばっか読んでるから本に出てくる話し言葉になってるってこと?
最後の数ページ、雨宮のターンは面白いことになりそうだぞー!と思ったけど、どうか杉村が雨宮の父親ではありませんように。そしたら評価2。 -
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この作品を読んで思い出した。
若い時に付き合った彼氏が私だけに語ってくれた。「人を殺したい願望がある」のだと。
イケメンでクラスの人気者で明るい性格の彼の暗い一面を知り、若い私には受け止められず、いつか殺されるのではないかと怖れて、別れたけれど。
事件を起こしてないだけで、彼はいまだにその欲望を抑えて生きているのだと思う。
そんな「人を殺したい願望」がある男性が、末期癌で余命宣告を受けてから、残りの人生を自分の欲望の赴くまま、連続殺人を繰り返していく。
同じく余命宣告を受けた刑事が、その連続殺人鬼を追う。
快楽殺人でありながらも苦悩している描写が多々あり、さすが薬丸岳さんだなと思った。 -
Posted by ブクログ
薬丸さんは、罪と贖罪をテーマにした物が多く見られます
その中でこの「闇の底」は異質に感じました
連続して起こる幼児への性犯罪事件
幼い頃妹を性犯罪者に殺された刑事が追うのは
その幼児性犯罪者を殺してサンソンと名乗る男
サンソンはフランスの死刑執行人の名前
(コミック「イノサン」はまだ続いているでしょうか?サンソン兄妹が美しい描かれてます)
犯罪者を処刑するがごとくのサンソン
読みながら多少違和感はあるものの
多くの人が薬丸さんにしっかりミスリードされてしまうと思う
そして、真犯人は驚きのあの人
この妹を殺された過去をもつ刑事が
事件の後退職するのだが、
彼のこれからの動向が思わせぶりで良いです