薬丸岳のレビュー一覧

  • ハードラック

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    少ない手がかりからよく最後まで続いたなという感想。最後の方になってやっと少しずつ犯人像が浮かび上がり、わかった途端読み終わってしまった。大したことないと思っていたことが相手にとっては重大なこととなる。全然亡くならない闇の仕事。苦しくて手を出しそうになる人に読んでもらいたい一冊。心配させたくない、迷惑かけちゃいけないと思っていても、親としてはどんな状況にせよ頼ってほしいと思っているもんなんだよね。母のためにも仁にはしっかり更生してほしいと思った。

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    2022年02月21日
  • その鏡は嘘をつく

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    断定せず、一つのわずかな疑問をコツコツと明らかにしていく夏目に対して、持論や推理に基づき自身で出向き確実に明らかにする志藤。同じように見えてなんだか対照的な二人のやり方が面白かった。

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    2022年02月21日
  • ハードラック

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    騙す相手リストに記号
    『BL』バットラック 運の悪いやつでうまく引っかかったカモ。
    『HL』 ハードラック 更に運の悪いやつで首をくくっちまってもう用無し。
    『HL』に認定された被害者からの逆襲になるのか…
    それに巻き込まれてしまう仁。
    でもなぁ〜派遣切りにあって、日雇いで、ネットカフェ住まいで、どん底なんは分かるけど。強盗はあかん。人は傷つけないとルール作っても、そんなのそのうちルール無用になるって!
    闇の掲示板とかで、変な犯罪紛いの仕事とかして、自分を堕とすな!
    そもそも、そんなどん底になったら、公的機関で何とかして貰えんの?生活保護なりなんなり…まぁ、それで解決したら、この話なくなるけど

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    2022年01月30日
  • 神の子(上)

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    上下巻かつ1冊が分厚いけど、読みごたえ満載なのでサクサク読めました!
    薬丸岳さんの本で個人的に好きな作品上位にランクイン。

    殺人の罪で少年院に入所した主人公:町田は、18年間戸籍を持たず「自分が生き残るためにできることは何でもやる」精神で生きてきた。
    人並外れた知能指数を持ち、その能力ほしさに闇の組織からも執拗に狙われるが、町田自身は他人に関心なく我が道を行く。その人格形成や行動には少なからず生い立ちが関係しているのだろう。

    町田目線での話は少なく、様々な人物が登場してどんどん物語が進んでいくから思わず集中してしまう。町田のもつ能力に興味を持つ者・嫉妬する者が物語を盛り上げる。水面下で動く

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    2022年01月26日
  • 逃走

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    あんなに優しいお兄ちゃんが、不可抗力かもしれんけど、人を殺めて逃げるなんて!
    それには、深い訳が…
    20年以上前の事件の真実が今解き明かされる!
    逃げてる訳ではなかった!母親に会うため、真実を知りたいためやった!まぁ、周りからは、逃げてるとしか思えんわな。
    しかし、親!何とかならんかったんか?どんな事情があっても、子を手離したらアカンって!
    色々言いたいやろうけど、アカン!アカン!
    確かに犯罪者の子として生きていくのはツライかもしれんけど。
    「たとえどんなツライ真実があったとして目をそらさない」(解説より)
    これや!これしかないねん!
    目をそむけても、いずれ見えてしまう。でも、自分の意志で見な

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    2022年01月07日
  • ラストナイト

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    顔一面に刺青を入れ、犯罪を犯しては刑務所を出たり入ったりしている片桐。
    彼の秘密とは。

    片桐の周囲にいる人達の目線で各章が語られる手法。
    あそこはこうだったんだ、という答え合わせが楽しかった。
    片桐の秘密は、とっても悲しい。
    そこまですることなのか、と思いながらも、片桐の気持ちを考えると、それほどのことなのだと思わされる。

    著者の作品はとても読みやすく、心に響くものが多く大変好みです。
    今回も良い出会いでした。

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    2022年01月06日
  • ラストナイト

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    これはすごい
    THE薬丸岳 といった作品
    壮絶な男の物語、そして結末。
    熱いものがこみ上げます。

    ストーリとしては
    顔に豹柄の刺青を入れた刑務所帰りの男、片桐。再犯を繰り返し何度も刑務所に収監されます。
    そもそも事の発端は暴力団員への傷害事件。そこから、人が変わったように再犯を繰り返す片桐。
    片手が義手となり、豹柄の刺青を入れたり、いったい何が彼を変えたのか?

    そんな片桐を友人、弁護士、別れた妻の娘とそれぞれの視点から、語られていきます。
    そして、ラスト明らかになる真実
    哀しい結末
    まさに驚愕なラスト
    骨太のヒューマンミステリでした。

    ネタばれになるので、詳細にコメントできない。
    しかし

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    2022年01月01日
  • 友罪【電子特別版】

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    ネタバレ

    日本中を震撼させた少年事件の犯人が、医療少年院を経て社会復帰。知らずに親密になる益田は、正体を察し苦悩する。

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    2021年12月18日
  • 逃走

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    傷害致死で指名手配の男の逃走劇
    男の妹や友人、刑事など視点は都度、変わり
    それぞれの状況や思いが語られる
    追う側追われる側の両方から楽しめました
    徐々に明らかになる事実そして終盤と
    流れに乗って読み進められました

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    2021年11月23日
  • その鏡は嘘をつく

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    刑事夏目信人シリーズ、第二弾。
    『刑事のまなざし』に次ぐ長編です。

    主役は刑事夏目ですが、検事の志藤の活躍もあり、ダブル主役と言えるでしょうか?

    鏡ばかりの部屋で発見されたエリート医師。
    そして、現場近くで発生した不可解な集団暴行事件。
    全く別の2つの事件が、奇妙に絡みあう。

    果たして、夏目と志藤は、この謎を解き明かすことが出来るのか?

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    2021年11月14日
  • 刑事の約束

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    薬丸岳さんの”夏目シリーズ”の第3弾の短編集です。「無縁」、「不惑」、「被疑者死亡」、「終の住処」、「刑事の約束」の5話が収録されており、どの話も良く練られたストーリーで読者を飽きさせる事が無いです。夏目刑事の、感情を前面に出す事の無い淡々とした捜査と推理が大好きなんだよな~♪

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    2021年11月03日
  • 闇の底

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    ほんまに闇の底やな。
    子供への性犯罪…再犯も結構あるみたいやし…
    アメリカでは、そういう人らは、写真とか勤務先とかまで、公開されるらしい。
    本人は、そらイヤやけど、小さな子供を持つ親は不安で仕方ないのも確か。

    この作品では、幼児に対する犯罪があると、過去にそんなことした人が殺される。抑止力を狙ってるらしいけど、微妙な…
    サンソンを名乗って、処刑。
    世間も評価が二分する。
    自分もそんなんが、実際にあったら、考えるもんな。
    でも、人殺しは人殺し!あかんもんは、あかん!

    犯人は、コイツ?お前なぁ〜人のこと言えんのか…
    …分からんかった(−_−;)

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    2021年10月14日
  • ガーディアン

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    ネタバレ

    登場人物が多く、かつ子供たちが被害者になるのだろうなと思って最初は読むのがしんどかった。

    けれど、職員会議で泣いてしまった。
    そこまで、子供に寄り添わない、子供を抑えつけて教育しようとしているように描かれていた先生達の行動は全て生徒のための努力だった。
    理不尽に思われる指導は、生徒に嫌われてでも苦しむ子供を見つけたいという先生の作戦だった。

    それは、結局意味がない作戦もあったし、実は子供たちを救っている作戦もあって、敢えて存在感が薄く描かれている同僚の先生達は実は子供のことを考えて戦っていた。

    前半が場面転換や登場人物が多く読みにくい分、終盤のカタルシスが気持ち良かった。

    そして最後に

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    2021年09月18日
  • ラストナイト

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    犯罪を繰り返し人生のほとんどを刑務所で過ごす男の関係する人物が各章の主人公として物語は展開していく。なぜ罪を繰り返すのかそこには衝撃的で悲しい理由が。帯の煽り文句には辟易したけど、不覚にも涙してしまった。そんな結末。

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    2021年09月09日
  • ラストナイト

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    ネタバレ

    小さいながらも幸せをやっと掴んだと思ったら。。。罪を重ねた理由に心が痛んだ。周りから非難されてもたった一つの愛を貫き、最愛の娘も敢えて突き放し、最後まで一人だった。犯罪を犯すには色々な事情があると、加害者だけを理由もなく責めてはならなと思わされました。

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    2021年09月04日
  • ハードラック

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    昨日モデルナの2回目を打ってきた。

    翌日は明け方から猛烈な頭痛と、発熱。
    副反応が強いと聞いていたので、日曜は只管寝よう!と決めていた。

    午前中はまだ耐えられそうだった為読書をしてみた。

    この本は、
    父親を亡くし、母親が再婚し、再婚相手の連れ子が自分より出来が良く、あらゆる場面で比較され、傷つき、高卒で家を出て働くもうまくゆかず、なけなしの貯金も騙されて全て取られてしまう。
    闇サイトで知り合った複数人と強盗の計画を立てるも、裏切られ、自分が犯人に仕立てあげられる。
    誰が自分を裏切ったのか??
    この事件の真相を知る為に、警察に追われながらも仲間を探し、真相に辿り着く。

    いやぁ、最初は、お

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    2021年08月30日
  • ラストナイト

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    異形の風貌に変わってしまった彼を理解し、何とか救えないものかと奮闘する登場人物たち。
    ラストナイトを迎えるまでの日々をそれぞれの視点から描き、寡黙で多くを語らない彼が何故罪を重ね続けるのか、その意図が少しずつ明らかになっていく。

    本来であれば、憎むべき犯罪者であるのに、彼に寄り添い、何とか理解しようと思えてしまう。
    この作者の描く犯罪者には皆心があり、読者側が同情すらしてしまうような魅力がある。
    切なくて哀しい、一人の男による人生をかけた愛の物語。

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    2021年08月03日
  • アノニマス・コール

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    ネタバレ

    おもしろくて一気読みしたんです。
    でも、読み終わった後、
    要所要所に「ん?」と思う点があり、
    沸き起こる違和感に、
    しばらく自問自答していました(笑)

    妻(私)の立場からの視点なんですが、
    こんなにも娘への愛情に溢れた夫なのだから、
    そもそもの逮捕劇は何かの間違いだと、
    妻の立場なら信じ続けるんではないかと。
    たとえ、ひどいことを言われ、
    突き放されたとしても。

    10年連れ添えば、嘘の違和感はわかるような気がしてならなくて・・・。
    となるとこの設定に無理があるような気がしてきたのでした。

    とはいえ、私自身一気読みした訳で、
    展開にドキドキしながら読破しました!

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    2021年07月30日
  • ラストナイト

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    *菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、刑務所を出所したばかりだという片桐達夫が現れた。三十五年来の友人を迎える菊池だが、刑務所から離れられない人生を送る彼に、忸怩たる思いを持っていた。片桐が犯罪に手を染めるようになったきっかけは、彼が「菊屋」で起こした傷害事件だった。しかしそれは因縁をつけてきた暴力団員から、店と菊池の妻を守るための行動だったのだ――。片桐は、なぜ、罪を重ねることになったのか? 涙腺崩壊必至! 心奪われる、入魂のミステリ*

    ”片桐達夫、五十九歳。顔には豹柄の刺青がびっしりと彫られ、左手は義手。三十二年の間に誘拐事件を三回、強盗を一回起こし、刑務所を出たり入ったりの生活を送る男には

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    2021年07月12日
  • ラストナイト

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    顔中にヒョウ柄の刺青を入れた
    犯罪者である主人公の
    長い長い年月を賭けた復讐の物語。
    人生を賭けて完結させた執念の物語だ。
    刹那すぎる結末だけれど、
    果たさなければならなかった。

    いつか娘に知って欲しい。
    主人公の執念の人生を。

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    2021年06月25日