薬丸岳のレビュー一覧

  • その鏡は嘘をつく

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    薬丸岳さん著「その鏡は嘘をつく」
    夏目刑事シリーズの第二弾、前作は短編集だったが今回は長編作品。

    前作でも思ったのだが薬丸作品の醍醐味は刑事視点から描かれるものではないなという感想。今回この作品を読んでみて面白いのは違いないのだが事件の被害者や加害者、その家族等の感情の渦の中に巻き込まれていくようなものは読み込めなかった。

    逆をいえば薬丸作品にはそれを期待してしまっている。取り返しのできない事件、その事件に関わる誰しもの未来が描かれていく事によって窮屈で術のない、答えのない人生の岐路を考えさせらながら深く思慮を廻らせたいと思っている。
    刑事目線のこのシリーズでは自分が求めているものとの違いが露になってしまった。

    著者の別の作品を今後は読んでいきたいと思う。
    著者の代名詞といえる、脳が考えすぎてパンクしそう、正解という答えはない中それでも考えないといけないというような作品を欲している。

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    2025年06月18日
  • 虚夢

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    刑法39条「心神喪失者の行為は罰しない」
    この作品の根底にあるこの条文
    様々な事件が起こるなか、私自身も不可解に感じているこの部分を題材に見事に書ききった一冊だと思います
    娘を殺害された夫婦に訪れる絶望
    法律でも犯人を裁いてもらえない絶望
    被害者遺族がなんども味わうことになる暗闇が読んでいて苦しくなるが、救いを求め最後まで一気読みでした

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    2025年06月12日
  • 友罪

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     過去に残虐な事件を起こしてしまった少年の更生後の人生を描いている小説。オーディブルで聴いたのだが、ストーリーの展開テンポが軽妙で、集中力が継続した。人というものは、ある時期に冒してしまった犯罪に結構囚われてしまうものである。たまたま重大な犯罪を犯さなかっただけで、軽微な犯罪だったら冒してない人はいない。この小説はそんな残虐な特殊事件の犯人とその親友が主人公なのだが、それを取り巻く人たちがとても上手く描けている。

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    2025年06月12日
  • 刑事のまなざし

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    薬丸岳さん著「刑事のまなざし」
    夏目刑事が主軸となるシリーズ物の作品で7篇からなる連作短編集。

    この作品は読み始めてから気付いたが、娘が通り魔事件にあい長年植物状態になってしまっている設定から、椎名桔平さんが夏目役のドラマ化されたものを以前観たなと思い出した。そのドラマを観たのも調べてみれば10年前。やはり内容は全く覚えていない。その為かなり新鮮な気持ちで読み進める事ができた。

    今回初めて著者の短編作品を読んだのだが、短編長編とで比べてみれば著者の作品はやはり長編の方が味わいが濃いし余韻が
    深いと感じる。
    短編作品だと意外とあっさりしており著者作品特有の「深く考えさせられる」というところまでには至らなかった。

    連作物で次作「その鏡は嘘をつく」は長編作品らしいのでそちらも読み終えてから総合的な感想を書いてみたい。

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    2025年06月09日
  • 悪党

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    わたしーわたしーわ~た~し~はここにいる~♫
    殴り書きみたいな音出せない状態で叫んだよー♫


    主人公の一人称が
    わたし で、なんかその度に↑のフレーズ歌ってしまって

    本が

    聞いて!
    聴けよ!

    て叫んでました。
    (結束バンド ギターと孤独のなんたらて曲)

    て冗談はそこまでにして、

    内容は、復讐したらあかんのや(´;ω;`)
    がテーマなのやけど、姉ちゃんレイプして殺されてその後DVDとか観たらわたし、わたしーわたしならー

    、、、

    アイキルユーですね。。

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    2025年06月08日
  • 天使のナイフ 新装版

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    ネタバレ

    少年法の是非を問う本作。
    元々否定派なので、さまざまな少年たちが不当に守られていく現実をもどかしく思いながら読みました。
    もちろんミステリとしても楽しめる内容でした。
    怪しい人物が特に印象に残るような描き方なので分かりやすくはありましたが、群馬の事件がどう関わってくるかは最後まで読めませんでした。
    薬丸さんは事件に巻き込まれた人々の心情を描くのがとても上手いので、毎回考え込んでしまいます。
    被害者ばかりが奪われ続ける社会が少しでもマシなものになるよう祈っています。

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    2025年06月04日
  • 刑事の約束

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    夏目信人シリーズ第3弾
    娘が暴漢に襲われて、植物状態となってしまった夏目は、法務技官から警官へと転職
    警官となった夏目の短編集

    「無縁」
    R15のDVDを万引して補導された少年
    悲しい過去と情愛ある偽物の家庭
    哀しいけど少年の未来があるラスト

    「不惑」
    江戸川乱歩受賞者アンソロジーで既読
    恋人を喪った復讐を計画する夏目の同級生
    復讐という行為に隠された恋人との本当の関係
    短編ですが、復讐を達せず隠されていた心情が表れてくる様子が上手い

    「被疑者死亡」
    殺人容疑がかかった男の事故死
    男が追い込まれた複雑だけど確かな家族への気持

    「終の住処」
    認知症の女がケアマネを突き落とす
    彼女はなぜその行為に
    この作品で志藤検事が再登場
    夏目刑事と相対してなく小説として珍しい
    似た者同士なところが好き

    「刑事の約束」
    「オムライス」の少年が登場
    少年のように母親から粗悪な扱いを受けている少女との関わりの中で夏目と再会
    夏目が再び少年犯罪と向き合う作品
    そして、娘さんが 反応するようになる

    ミステリーと人情と家族を短編の中にぎゅっと
    詰め込んできます

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    2025年06月03日
  • ハードラック

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    途中までは、何をやっても報われず恵まれず他人に騙されちゃう不幸な男の人の話だと思っていたが、「なにか大きいことをやろう」と闇サイトで募った仲間と強奪を企てるところくらいからおもしろくなった!
    犯人や真相が全く想像できず全員怪しい状態でテンポよく進むストーリーにのまれた!

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    2025年05月28日
  • 告解

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    ネタバレ

    告解とは、キリスト教の罪の赦しを得るのに必要な儀礼や、告白といった行為のことだそう。

    人を殺めた罪の深さは、到底計り知れるものではない。いくら反省し懺悔し悔いたところで、その罪が無くなるわけでもゆるされるわけでもない。
    遺族は、けして加害者を許したわけではなく長年その罪を悔い反省し続ける加害者の態度をみて、その反省の態度を認めたにすぎない。

    恨み憎み続けることも辛いこと。被害者の息子は、加害者の反省を認めると同時に、恨み憎み続けることを終わらせたんじゃないかな。

    罪は悔い改めたところで無くなりはしない。
    その悔いた心を一生抱えてどう生きていくのかを考えさせられるお話でした。

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    2025年05月26日
  • 友罪

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    ネタバレ

    重い一冊だった。テーマは重厚なのに、人物の悩みや立場が明確なのでスラスラ読めるのが不思議。
    少年事件の本人や被害者ではなく、その後の人生に関わる人の葛藤を描くのは新鮮。
    主に取り巻く4名の視点がどれも重いが考えさせられる。

    Aではない君とと、似た部分もあるが、全然飽きないししっかりと心にくる。

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    2025年05月26日
  • 刑事弁護人(下)

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    「母親」の物語でもあると感じた。
    裁判で負けようが、ある事実を隠すために嘘を積み重ねる。母親の子を思う気持ちはここまで強いのか。

    裁判員から被告人への質問が印象的だった。
    本当のことを知るのと、嘘でも自分の子が性犯罪を犯したのを知らされるのと、どちらが辛いだろうか。

    シリーズ化しても面白そうなコンビだった。

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    2025年05月26日
  • ブレイクニュース

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    ネタバレ

    新しい切り口で良かった!薬丸岳さんは色々な作風があって新鮮に読めた。
    最後のオチがもう少し詳しく書いてくれてもよかった気がする。ちょっと良い話だった。

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    2025年05月26日
  • 罪の境界

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    被害者も加害者も、不幸のオンパレードかつ連鎖で、読んでいてかなり滅入る内容ではありますが、ページをめくる手は止まらなかったです。
    人を殺めるような重大な罪でなくとも、日常生活でちょっとしたラインを踏み越えるだけで向こう側に行ってしまうような罪の境界ってありそうですね。

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    2025年05月25日
  • 刑事のまなざし

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    少年犯罪者の更生に向き合う職から転職した異色の夏目刑事の短編の連作。刑事に似つかわしくない夏目の眼差しは、事件の真相に深く注がれている。罪を犯した者の後悔と恐れ、悲しさも理解しながらも、真実に向き合うこと以外に贖罪はないこと、未来に向かうことは出来ないことを教える。それは少年更生に向き合っていたと同様の人間性への愛情ように思える。
    続編も読んでみたくなりました。

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    2025年05月25日
  • 刑事の約束

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    ネタバレ

    オーディブルにて

    娘さんの目が覚めてよかった。
    10年という歳月を考えると手放しで喜ぶことはできないが
    それでも明るい未来が待っていると信じたい。

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    2025年05月25日
  • ブレイクニュース

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    面白かった。
    audibleで聞いたが朗読も工夫されていてとても良かった。youtubeに本当に「ブレイクニュース」があるのではないかと思わず検索してみたくなるほどリアリティーがある。
    引きこもりや貧困の現状も描かれていて厚みがあった。そして最後に医療過誤。謎解きが最後にあり、読者もスッキリ読み終えることができる。

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    2025年05月23日
  • その鏡は嘘をつく

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    ネタバレ

    オーディブルにて

    被害者がクソすぎて胸糞悪かった。
    結局あの鏡だらけの部屋はそういう行為のためってことでいいんだろうか。

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    2025年05月22日
  • 神の子(下)

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    ネタバレ

    少年院入所時の知能検査でIQが極めて高いことが判明した主人公町田博史。戸籍を持たない数奇な運命を辿ってきた。己の頭脳だけを頼りに。

    振り込め詐欺に関わり、殺人を犯し、少年院を脱走し、大学生になり、会社経営に携わり、結婚?する。

    これだけだと主人公の、どん底からのサクセスストーリーのように感じるがまったく異なり、読み応えがあり面白かった。
    上下巻の大作であったが珍しく一気読み。
    個人的にはムロイとの対決構図がもっと大きく描かれていればよりのめり込めたのになぁと…。

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    2025年05月22日
  • 闇の底

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    子供目当てで犯罪を犯す輩に制裁(殺人)をするサンソン。ダークヒーロー的なことなのかなーと思ったけど、ストーリーの質は重め
    自分の子供を守るために犯罪者を殺す、、すでに精神的にヤバい気はする
    このままサンソンが捕まってエンディングかと思いきや、そうくるか!!

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    2025年05月20日
  • ラストナイト

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    居酒屋「菊屋」で最初の傷害事件を起こしてから
    32年の間犯罪を繰り返し刑務所を出入りしている男、片桐59歳

    全5章で 各章片桐に関わる人物から彼の人となりと犯罪を連作短編的に
    なぜ彼は顔に刺青まで入れて犯罪を繰り返すのか
    そのミステリの部分は早めにわかってしまったのですが、片桐の態度や言葉の裏には深い想いと
    決心がありました。
    他の方法でも良かったのではと思わずにいられないのですが、小説ですから
    ラストナイトは 片桐の望む夜となりました

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    2025年05月19日