薬丸岳のレビュー一覧
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薬丸岳さん著「その鏡は嘘をつく」
夏目刑事シリーズの第二弾、前作は短編集だったが今回は長編作品。
前作でも思ったのだが薬丸作品の醍醐味は刑事視点から描かれるものではないなという感想。今回この作品を読んでみて面白いのは違いないのだが事件の被害者や加害者、その家族等の感情の渦の中に巻き込まれていくようなものは読み込めなかった。
逆をいえば薬丸作品にはそれを期待してしまっている。取り返しのできない事件、その事件に関わる誰しもの未来が描かれていく事によって窮屈で術のない、答えのない人生の岐路を考えさせらながら深く思慮を廻らせたいと思っている。
刑事目線のこのシリーズでは自分が求めているものとの違いが露になってしまった。
著者の別の作品を今後は読んでいきたいと思う。
著者の代名詞といえる、脳が考えすぎてパンクしそう、正解という答えはない中それでも考えないといけないというような作品を欲している。 -
Posted by ブクログ
薬丸岳さん著「刑事のまなざし」
夏目刑事が主軸となるシリーズ物の作品で7篇からなる連作短編集。
この作品は読み始めてから気付いたが、娘が通り魔事件にあい長年植物状態になってしまっている設定から、椎名桔平さんが夏目役のドラマ化されたものを以前観たなと思い出した。そのドラマを観たのも調べてみれば10年前。やはり内容は全く覚えていない。その為かなり新鮮な気持ちで読み進める事ができた。
今回初めて著者の短編作品を読んだのだが、短編長編とで比べてみれば著者の作品はやはり長編の方が味わいが濃いし余韻が
深いと感じる。
短編作品だと意外とあっさりしており著者作品特有の「深く考えさせられる」というところまでには至らなかった。
連作物で次作「その鏡は嘘をつく」は長編作品らしいのでそちらも読み終えてから総合的な感想を書いてみたい。
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Posted by ブクログ
夏目信人シリーズ第3弾
娘が暴漢に襲われて、植物状態となってしまった夏目は、法務技官から警官へと転職
警官となった夏目の短編集
「無縁」
R15のDVDを万引して補導された少年
悲しい過去と情愛ある偽物の家庭
哀しいけど少年の未来があるラスト
「不惑」
江戸川乱歩受賞者アンソロジーで既読
恋人を喪った復讐を計画する夏目の同級生
復讐という行為に隠された恋人との本当の関係
短編ですが、復讐を達せず隠されていた心情が表れてくる様子が上手い
「被疑者死亡」
殺人容疑がかかった男の事故死
男が追い込まれた複雑だけど確かな家族への気持
「終の住処」
認知症の女がケアマネを突き落とす
彼女はなぜその行為に
この作品で志藤検事が再登場
夏目刑事と相対してなく小説として珍しい
似た者同士なところが好き
「刑事の約束」
「オムライス」の少年が登場
少年のように母親から粗悪な扱いを受けている少女との関わりの中で夏目と再会
夏目が再び少年犯罪と向き合う作品
そして、娘さんが 反応するようになる
ミステリーと人情と家族を短編の中にぎゅっと
詰め込んできます -
Posted by ブクログ
ネタバレ告解とは、キリスト教の罪の赦しを得るのに必要な儀礼や、告白といった行為のことだそう。
人を殺めた罪の深さは、到底計り知れるものではない。いくら反省し懺悔し悔いたところで、その罪が無くなるわけでもゆるされるわけでもない。
遺族は、けして加害者を許したわけではなく長年その罪を悔い反省し続ける加害者の態度をみて、その反省の態度を認めたにすぎない。
恨み憎み続けることも辛いこと。被害者の息子は、加害者の反省を認めると同時に、恨み憎み続けることを終わらせたんじゃないかな。
罪は悔い改めたところで無くなりはしない。
その悔いた心を一生抱えてどう生きていくのかを考えさせられるお話でした。