薬丸岳のレビュー一覧

  • Aではない君と

    Posted by ブクログ

    少年犯罪事件は創作であっても事実であっても重苦しい気持ちになる。
    勿論、殺人を犯す事は許されないし愉快犯のような類の事件には嫌悪感を抱くのだが、根本的には深い問題が根差している事も突き付けられる。

    そう言った言語化しにくいが我々が少年犯罪に対して感じている暗澹たる思いを見事に書き切ってくれたのが本作だと思う。

    作者の作品は初めて、と言うよりも現代小説をあまり読んで来なかったので恐らく少年犯罪をテーマにした作品は数多くあるのだろう。

    予想でしかないが、これが世に出て評価された事により、このテーマと向き合ってみようと考えた作家は多いのでは無いだろうか。
    そのうち他の作家の書いた少年犯罪をテー

    0
    2025年04月07日
  • 刑事弁護人(下)

    Posted by ブクログ

    薬丸岳『刑事弁護人 下』講談社文庫。

    下巻に突入。

    下巻でこれだけの伏線やヒントが景気良く盛大にばら撒かれていると、さすがに早々と真相が読めて来る。

    複雑に絡まり合った憎しみと悲しみの連鎖。納得出来るようで、腑に落ちない判決。現実の裁判とはこんなものなのだろうか。


    弁護士の父親を刺殺された犯罪被害者家族であり、刑事弁護に強い使命感を抱く持月凛子と刑事の職を辞して弁護士となり、犯罪を憎む西大輔がホスト撲殺事件で被疑者となった現職警察官の垂水涼香の弁護人となる。

    かつて、葉山文乃の息子である俊太郎が殺害された事件で犯人が遺した物証を発見し、事件後も文乃に寄り添っていた垂水涼香。涼香自身

    0
    2025年04月02日
  • 刑事弁護人(上)

    Posted by ブクログ

    薬丸岳『刑事弁護人 上』講談社文庫。

    薬丸岳にしては珍しく女性が主人公のミステリー小説である。

    主人公の女性弁護士が殺人事件で逮捕された女性警察官の被疑者を弁護するというのが大まかなストーリーであるのだが、主人公を始め、登場人物の多くが何かしらの過去を引き摺っており、描かれる事件の真相と結末は全く見えて来ない。


    マンションの一室でホストの加納怜治が撲殺され、加納が務めるホストクラブの客で、現職警察官の垂水涼香が被疑者となる。

    弁護士の持月凛子は同僚の西大輔と共に、涼香の弁護人となる。凛子は弁護士の父親を刺殺された犯罪被害者家族であり、刑事弁護に使命感を抱いていた。一方、西は元刑事とい

    0
    2025年04月02日
  • 死命

    Posted by ブクログ

    余命数ヶ月と言われたら。

    殺人願望を押さえつけて生きてきた男と犯人を捕まえることに執念を燃やし続ける刑事。
    この二人が残された限りある時間をどうやって過ごしたのか。

    0
    2025年03月31日
  • 天使のナイフ 新装版

    Posted by ブクログ

    2025.03.29
    なぜ主人公の妻が殺されたのかを考え続けさせることができる作者の力量はやはりデビューからすごい

    0
    2025年03月29日
  • 刑事のまなざし

    Posted by ブクログ

    2025.03.29
    薬丸さんらしい人間への暖かい視点を感じさせる一冊。
    30歳過ぎてから警察官になるのはかなり厳しいという現実はおいておくとして刑事にも幅広い人間観察のできる人材がいるかもと思う。

    0
    2025年04月09日
  • 刑事のまなざし

    Posted by ブクログ

    面白い、けど…ちょっとなあっていう感じ。
    殺人を犯す動機が?な人が多かったです。
    人情系の話でそんなことでやるのかって思うと作り物感が出て涙も引っ込むし、どうしようもなかったからしょうがないよねと同情もしずらかった。最後の話もそんなややこしくしなきゃいいのに。

    0
    2025年03月29日
  • 刑事弁護人(上)

    Posted by ブクログ

    殺人容疑で逮捕された女性刑事
    弁護を引き受けた女性弁護士
    綻び始めた供述
    容疑者・涼香の嘘と真実とは…


    面白い!でも弁護士の凛子が好きになれないといういつものわたしの好き嫌い( ̄▽ ̄)
    でもペアの弁護士・西さんは超好きなキャラ!!

    凛子成長しろよ!
    西さん頑張って♡

    って事で下巻にGOです〜ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘




    0
    2025年03月24日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    それぞれが抱えている個人の問題を解決していくガーディアン。
    それに立ち向かうもしくは協力する教師、どちらも相手を思いやる気持ちが強くとても考え深い一冊でした。

    0
    2025年03月22日
  • 悪党

    Posted by ブクログ

    犯罪被害者家族からの依頼を受け、加害者の現況調査にあたる探偵の男
    元警官であり、自身も姉をレイプ事件で殺害された過去を持つ

    被害者家族は、加害者を許すことができるのか
    が、メインテーマ

    依頼人それぞれの事件の悪党が連作短編のように繋がり 主人公は被害者家族と探偵の視線で
    事件を見つめる

    犯罪者を許せる時はあるのか
    更生しない犯罪者を許す必要があるのか
    罪を憎んで人を憎まず そんな理想はあるけれど
    憎むべき犯罪を犯した人を憎むことは許されてもいいのでは

    被害者家族の癒えることのない心の傷
    罪を償った犯罪者は許すべきなのか
    正しい答えはないのだと思うのですが
    この小説の結末は 少し優しすぎ

    0
    2025年03月19日
  • 罪の境界

    Posted by ブクログ

    文庫王国から。そして薬丸作品初体験。求心力はさすがで、一気呵成に読み干した。反省の無い加害者については、現実でも目にする機会が増えてきたように思えるんだけど、絶対的な解決方法が見えづらい問題ですわな。本書もまさにそうだけど、極刑が必ずしも抑止力にはならないというジレンマもあったりして…。

    0
    2025年03月17日
  • 刑事の怒り

    Posted by ブクログ

    夏目刑事シリーズ
    びっくりするようなどんでん返しやトリックはないけど、その分短時間でさらっと読める短編集
    性犯罪や技能実習生、在宅介護など近年の犯罪のトピックスが盛り込まれていてリアルでした

    0
    2025年03月15日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    登場人物がたくさんで整理するのが前半は大変だった。でもページをめくるごとに『ガーディアン』のナゾが暴かれていくのは面白かった。
    学校現場で働いていると思うけど、エスパーじゃないから話してくれないとやっぱりわからない。匿名の相談ほど難しいものはない。
    だからこそ、先生たちもガーディアンに強力したわけだが、根本的解決にはならない。その場かぎりの対処法に過ぎないし、さらに被害者を増やしている記述もあった。そこに秋葉が己の芯を曲げることなくガーディアンの必要性について呼びかけていく。最後の文面はどちらとも取れる気がする。結局秋葉は大人だけでは無力としたのか、それともガーディアンから最後の依頼『生徒を守

    0
    2025年03月14日
  • 最後の祈り

    Posted by ブクログ

    愛する人を殺された牧師が、死刑囚の教誨師となり犯人に復讐を試みる話。
    死刑囚の教誨師となるのは簡単ではないし、復讐には刑務官の協力も得る必要があるのだが、その過程を丁寧に描いていて引き込まれた。と言っても無駄な描写があるわけではないので納得のボリューム感。
    主人公の教誨師は、愛する人を殺した死刑囚を目の前にして苦しいながらも平静を保っているのがすごすぎる。相当な人格者だと感じた。全ての死刑囚がそうではないだろうが、自分の罪を認めて被害者への贖罪の気持ちを持って罪を償って欲しいと思う。
    死刑執行には刑務官の相当な心理的負担があることも分かった。それまでの関係性もあるので情が移ると苦しいのだろうと

    0
    2025年03月11日
  • 罪の境界

    Posted by ブクログ

    とても面白かった。
    最初からグイグイと引き込まれて、色々な視点(被害女者、その彼氏、ライター)から少しずつ真実がわかっていくのが良かった。
    特に被害男性の過去が明らかになっていく過程は感情を揺さぶられるものがあった。

    0
    2025年03月10日
  • 刑事のまなざし

    Posted by ブクログ

    暇つぶしに読んでみたら、予想より面白かったです。刑事が主人公ですがミステリーというより、事件の背景にある人間のしがらみなどを描いている作品。一つ一つのストーリーが独立しているので読みやすいし、読後感も悪くないです。

    0
    2025年03月10日
  • 刑事弁護人

    Posted by ブクログ

    読者に簡単に善悪を判断させない薬丸さんらしい作品でした。ただ、弁護側と検察側のやり取りで重複する箇所が出てくるのは仕方ないとはいえ、少し助長を感じました。また、西の警察官から弁護士にという設定は良かったのですが、検察官である父との関係が深掘りされていなかったので、モヤモヤが残りました。続編があるなら、またこのコンビの作品を読んでみたいです。

    0
    2025年03月05日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    天使のナイフがおもしろかったので、こちらの作品もチェック!
    数年前まで荒れていた学校が今は何の問題もなく平和になった。
    それは生徒しか知らない自警団の存在があるから。
    新人の秋葉先生は、平和だけど何かおかしいと調べはじめる

    ストーリーもエンディングもおもしろかったけど、登場人物が多すぎてメモっておけばよかったと後悔する場面が結構あった!
    学校での問題ってホント難しいだろうなぁ

    0
    2025年03月04日
  • 友罪【電子特別版】

    Posted by ブクログ

    過去に重大な少年犯罪を犯し、顔や名前を変え社会で生きる青年。そうとは知らず彼を迎えた同僚や周囲の人達と知った後のそれぞれの反応。そういう人が確かに社会に存在しているという事実。償いとは。自分だったらを考えずにはいられない。
    語り手が複数いるなか、最後まで青年の視点で語られる章がないので本心を知り得ないところがもどかしくもありました。

    0
    2025年03月01日
  • 神の子(上)

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    個人的に感情的にならずクールで賢い主人公にハマって、楽しく読み進められた。
    かなりアウトローな話で自分とは無縁な世界だと思ったが、細かい感情の動きなどの描写でそんな世界にも吸い込まれていった。

    0
    2025年02月28日