薬丸岳のレビュー一覧
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刑法三十九条
1.心神喪失者の行為は罰しない
2.心神耗弱者の行為はその刑を減刑する
今作は、心神喪失者の刑罰の是非を問う
雪の公園で通り魔的に12人を殺傷した青年
男は心神喪失の状態を認められ再び街に出る
主人公の小説家は、この事件で幼い娘を失い
妻は身体と心に大きな傷を負う
辛すぎる展開だけど、現実でも時折発生する事件
犯人の青年
娘を殺された母親
青年に惹かれるキャパ嬢
キャパ嬢に執着する男
決して人ごとでない心の脆さと
それによって引き起こされる犯罪をいくつかの
視点から 刑法三十九への考察
正しい答えは出せなくても
娘を殺された母親が残した手紙の心情が一番近いと思った
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2016年第37回吉川英治文学新人賞
デビューから10年程、少年犯罪に向き合ってきた著者のひとつの到達点と紹介されている。
そして、そこから10年が経ち、より深遠な作品が続き、ここからより深淵な作品が続いていくんだろうと期待させてくれます。
離婚した妻と暮らしていた14歳の息子が同級生の殺人容疑で逮捕される。息子は、警察にも弁護士にも親にも何も語らない。
「物事の良し悪しとは別に、子供がどうしてそんな事をしたのが考えるのか親だ」
少年の父親の年老いた父の言葉は、身に積まされる。この少年の両親には、子供を受け止める余裕が無かった。そしてその余裕を持てる親は、今の社会にどれほど居るのかと思う。 -
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まずこの作品を読み終えての一言
「重い…」
この一語で片付けてはいけないが
そして、
「辛い…」
同じ年頃の子どもをもつ親として、そこまで感情移入するほどのリアルさがあったのだと思う。
日常当たり前のように流れてくる犯罪のニュースに、どの親も他人事と思っていると思う。私もそうだったように。
加害者の親が主人公のため、息子に対する葛藤といった類が次々と現れます。
仮に我が子がそうだった場合、自分はどうするんだろう…。そんなことを考えながら読んでいたら尚更重く…
ただ作品としては惹きつけられました。
「物事の善し悪しとは別に、子供がどうしてそんなことをしたのかを考えるのが親だ」
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元刑事さんで、今は弁護士!
確かに変わり種やな。
何か刑事になる前に、既に司法試験は通ってたみたい。めっちゃ賢いって事か…
「賢い=仕事できる」にはならんにしても。
女性警察官が、ホストを瓶で殴り殺すという容疑をかけられ逮捕!
有名弁護士事務所やけど、若手の女性弁護士が担当!そのに、本刑事の弁護士が…
被告人の人は「やってない」とか色々言っていた事実が食い違う…
う〜ん。
調査のやり直しの予感。
そこで、殺された被害者の新事実が色々…
ヒントが傍聴マニアからとは!
あなどれんな!
こういうオタク気質の人。
詳し過ぎ!
色々と殺された人の事実が…
小児性愛障害(ペドフィリア)か…
何か -
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2018年に映画化
少年Aは、永山瑛太さん、良さそう。
弟さんも好きだったのに残念。
偶然と同じ職場となり、幾つかの出来事を経て
友情らしきものが芽生えるふたりの男。
そのひとりが過去の連続児童殺傷事件の未成年犯罪の少年Aだった。
友人の過去の犯罪を許し受け入れられるか、
というテーマです。
薬丸さんらしく少年Aの罪だけでなく
少年Aが身を寄せた先の人達にも罪を持たせる
少年Aと友人となった男も幾つかの罪を抱える
少年Aを好きになった女は逃げきれない男がいる
そして、自分の息子が犯した事故への懺悔を続ける同僚がいる
未熟だった人間たちの罪の群像劇のようでもあります
少年Aを受け入れるか、罪を -
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少年犯罪事件は創作であっても事実であっても重苦しい気持ちになる。
勿論、殺人を犯す事は許されないし愉快犯のような類の事件には嫌悪感を抱くのだが、根本的には深い問題が根差している事も突き付けられる。
そう言った言語化しにくいが我々が少年犯罪に対して感じている暗澹たる思いを見事に書き切ってくれたのが本作だと思う。
作者の作品は初めて、と言うよりも現代小説をあまり読んで来なかったので恐らく少年犯罪をテーマにした作品は数多くあるのだろう。
予想でしかないが、これが世に出て評価された事により、このテーマと向き合ってみようと考えた作家は多いのでは無いだろうか。
そのうち他の作家の書いた少年犯罪をテー -
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薬丸岳『刑事弁護人 下』講談社文庫。
下巻に突入。
下巻でこれだけの伏線やヒントが景気良く盛大にばら撒かれていると、さすがに早々と真相が読めて来る。
複雑に絡まり合った憎しみと悲しみの連鎖。納得出来るようで、腑に落ちない判決。現実の裁判とはこんなものなのだろうか。
弁護士の父親を刺殺された犯罪被害者家族であり、刑事弁護に強い使命感を抱く持月凛子と刑事の職を辞して弁護士となり、犯罪を憎む西大輔がホスト撲殺事件で被疑者となった現職警察官の垂水涼香の弁護人となる。
かつて、葉山文乃の息子である俊太郎が殺害された事件で犯人が遺した物証を発見し、事件後も文乃に寄り添っていた垂水涼香。涼香自身 -
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薬丸岳『刑事弁護人 上』講談社文庫。
薬丸岳にしては珍しく女性が主人公のミステリー小説である。
主人公の女性弁護士が殺人事件で逮捕された女性警察官の被疑者を弁護するというのが大まかなストーリーであるのだが、主人公を始め、登場人物の多くが何かしらの過去を引き摺っており、描かれる事件の真相と結末は全く見えて来ない。
マンションの一室でホストの加納怜治が撲殺され、加納が務めるホストクラブの客で、現職警察官の垂水涼香が被疑者となる。
弁護士の持月凛子は同僚の西大輔と共に、涼香の弁護人となる。凛子は弁護士の父親を刺殺された犯罪被害者家族であり、刑事弁護に使命感を抱いていた。一方、西は元刑事とい