薬丸岳のレビュー一覧
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ネタバレ登場人物が多く、かつ子供たちが被害者になるのだろうなと思って最初は読むのがしんどかった。
けれど、職員会議で泣いてしまった。
そこまで、子供に寄り添わない、子供を抑えつけて教育しようとしているように描かれていた先生達の行動は全て生徒のための努力だった。
理不尽に思われる指導は、生徒に嫌われてでも苦しむ子供を見つけたいという先生の作戦だった。
それは、結局意味がない作戦もあったし、実は子供たちを救っている作戦もあって、敢えて存在感が薄く描かれている同僚の先生達は実は子供のことを考えて戦っていた。
前半が場面転換や登場人物が多く読みにくい分、終盤のカタルシスが気持ち良かった。
そして最後に -
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一気読みしてもうた…^^;
因果応報…
やっぱ、若気の至りとか言ってワルさしたら、いずれはそうなるわ〜と思ってしまったけど、まだ、そんな事実が…
何か、みんなが過去を引きずって、みんなが復讐、復讐…って…
これは、何か起こるわな。
でも、完全な復讐には至れない。みんな、どこかに善意というか、そんな事したらアカンって思ってる気もする。それがコトを余計複雑に…
こんな訳ありな人ばっか集まるか?とは思うけど…
後半に色んな事が、一気に結びつく!
薬丸さんのは、最後は、ええ感じで、まとめてくれるので好き!
やっぱり、守れん約束は、しない方が良い! -
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探偵事務所で働いている佐伯修一は、老夫婦から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰した男を追跡調査してほしい」という依頼を受ける。
依頼に後ろ向きだった佐伯だが、所長の木暮の命令で調査を開始する。実は佐伯も姉を殺された犯罪被害者遺族だった。その後、「犯罪加害者の追跡調査」を幾つも手がけることに。
加害者と被害者遺族に対面する中で、佐伯は姉を殺した犯人を追うことを決意する。
薬丸先生は、犯罪被害者や、犯罪加害者の心理を描写させたら右に出るものは居ないんじゃないか??ってくらい、リアリティを感じる。
被害者も加害者も、どちらの苦しみもひしひしと伝わってくる。
短編で繋がる物語。物語の先に大きな -
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昨日モデルナの2回目を打ってきた。
翌日は明け方から猛烈な頭痛と、発熱。
副反応が強いと聞いていたので、日曜は只管寝よう!と決めていた。
午前中はまだ耐えられそうだった為読書をしてみた。
この本は、
父親を亡くし、母親が再婚し、再婚相手の連れ子が自分より出来が良く、あらゆる場面で比較され、傷つき、高卒で家を出て働くもうまくゆかず、なけなしの貯金も騙されて全て取られてしまう。
闇サイトで知り合った複数人と強盗の計画を立てるも、裏切られ、自分が犯人に仕立てあげられる。
誰が自分を裏切ったのか??
この事件の真相を知る為に、警察に追われながらも仲間を探し、真相に辿り着く。
いやぁ、最初は、お -
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ネタバレ超人的な頭脳を持つ登場人物ってそれほど珍しくないけれど、その人物に「あんたもおれもちっとも優れてなどいない」って言わせる作品は珍しいと思う。
町田のキャラクター設定につきる。稔の存在もいい。でも女を見る目はないな。楓のどこがいいかさっぱり分からん。自分の体を報酬に町田を襲撃させといて、町田がなぜ暴行を受けたのか覚えていない、って言ったのに乗っかって、一言の謝罪もないんだが。
雨宮が美香を引き殺した理由もよく分からんし、明がその後どうなったかに一切触れられてないのももやもやするけど(そもそも美香をタメイドラッグに送りこんで何したかったんだか)、町田がいけてるから全部帳消し。
最後の「仲間だ」もい -
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ネタバレおもしろくて一気読みしたんです。
でも、読み終わった後、
要所要所に「ん?」と思う点があり、
沸き起こる違和感に、
しばらく自問自答していました(笑)
妻(私)の立場からの視点なんですが、
こんなにも娘への愛情に溢れた夫なのだから、
そもそもの逮捕劇は何かの間違いだと、
妻の立場なら信じ続けるんではないかと。
たとえ、ひどいことを言われ、
突き放されたとしても。
10年連れ添えば、嘘の違和感はわかるような気がしてならなくて・・・。
となるとこの設定に無理があるような気がしてきたのでした。
とはいえ、私自身一気読みした訳で、
展開にドキドキしながら読破しました! -
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*菊池正弘が営む居酒屋「菊屋」に、刑務所を出所したばかりだという片桐達夫が現れた。三十五年来の友人を迎える菊池だが、刑務所から離れられない人生を送る彼に、忸怩たる思いを持っていた。片桐が犯罪に手を染めるようになったきっかけは、彼が「菊屋」で起こした傷害事件だった。しかしそれは因縁をつけてきた暴力団員から、店と菊池の妻を守るための行動だったのだ――。片桐は、なぜ、罪を重ねることになったのか? 涙腺崩壊必至! 心奪われる、入魂のミステリ*
”片桐達夫、五十九歳。顔には豹柄の刺青がびっしりと彫られ、左手は義手。三十二年の間に誘拐事件を三回、強盗を一回起こし、刑務所を出たり入ったりの生活を送る男には -
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もし、自分の友達が少年犯罪者だったら…
友達のままでいられるのだろうか…
そんなことを考えさせられる話でした。
本当に残酷な犯罪を犯したとしても、
今の人権まで否定するのは違うと思った。
けど、実際の社会は「犯罪者」のレッテルを貼ったまま
だと思う。
逆に、友達のままでいられる方が珍しいと思う。
けど、道徳的なことを考えると、仲良くしなさい、
ってなるんだろうし…。
なにが正解なのか分からなくなったけど、
主人公の益田は、鈴木くんと友達でいることを
選んでくれて、読んでて嬉しかった。
きっと、鈴木くんもこの手紙を読んでくれると思う。
キレイな友情の話を見せてもらって感じー。 -
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ネタバレおもしろかったけど最後が微妙
語り手がころころ変わるので
だんだん交錯していって
同じ場面にいる登場人物のなかで語り手が替えられたときは混乱した
物事を調べて読者に開示していく物語の探偵役がたくさんいて
何度も同じ事柄を説明された
室井さんのやりたいことがあまり理解できなかった
少年院から脱走させるほど時間を惜しんだくせに
町田の大切なものをつくらせるように
会社の成長を待ったり
最終的にはどちらのほうが頭がいいかって
稔をそばに置いて
町田の大切なものを壊して
待つ室井さんと
大切なものをこわされそうになるなら
乗る船を何度もつくるという町田
どちらも受け身で
おせっかいな探偵役 -
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好感のもてる友人が、かつて人を殺していた犯罪者だとしたらあなたはどうしますか
そんな果てしなく正解のない問いを圧倒的な文章力と構成で示され続けているような作品だった。
過去に後ろめたさを持つ人は、ずっとその後ろめたさに追われ続けねばならないのか、犯罪者を許すとはどういうことなのか、幸せを願うのは罪なことなのか。一般的な立場として答えるならば人を殺したことは変わることのない事実だ、一生苛まれて然るべき、幸せになんて被害者のことを思ったらなるべきじゃないだろう、そんなふうに思うだろう。
しかしこの作品は、その犯罪者がふと自分の隣にいる友人のことのような距離感で、語りかけてくるのだ。だからこそ先ほど -
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ネタバレ新興宗教の絡むミステリかと思って読んだら、さすが薬丸岳氏、一筋縄とはいかない、少年の成長冒険譚、かつ青春群像劇だった(ミステリ的色合いは薄い)。
かなりの長尺だが、リードが巧みで、油断できない展開に引っ張られ、一気に読んでしまった。
正直、荒いな、長いな、と思わせる部分はあった。
特に、黒幕の室井が、あれだけ恐怖されているにも関わらず、殆ど出てこない。得体のしれない闇を煽る演出にせよ、あまりにも不可解で、(自分には)ほぼ彼の心理や正体が明らかにならずに消えてしまい、消化不良気味。キャラクターとして魅力的だったので残念。
また、雨宮がホームレスに化けて、稔を探す場面が長すぎる。下手をすると、主人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新興宗教の絡むミステリかと思って読んだら、さすが薬丸岳氏、一筋縄とはいかない、少年の成長冒険譚、かつ青春群像劇だった(ミステリ的色合いは薄い)。
かなりの長尺だが、リードが巧みで、油断できない展開に引っ張られ、一気に読んでしまった。
正直、荒いな、長いな、と思わせる部分はあった。
特に、黒幕の室井が、あれだけ恐怖されているにも関わらず、殆ど出てこない。得体のしれない闇を煽る演出にせよ、あまりにも不可解で、(自分には)ほぼ彼の心理や正体が明らかにならずに消えてしまい、消化不良気味。キャラクターとして魅力的だったので残念。
また、雨宮がホームレスに化けて、稔を探す場面が長すぎる。下手をすると、主人