薬丸岳のレビュー一覧

  • ラストナイト

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    主人公は59歳。顔まで刺青がびっしりと彫られ、左手は義手。傷害事件を起こして服役して以来、何度も刑務所を出たり入ったりの生活を送る男…実はこれには胸に秘めた思いがあった。

    古くからの友人、元担当弁護士など主人公を取り巻く5人の視点が各章になっていて、主人公の過去を解き明かしていく。

    『運が悪い』と言ったら、それで全てが当てはまってしまうが、生い立ちから不幸がつきまとう人もいるだろう。お金に目が眩み、誰かを陥れたり、騙されたり…そして『恨み』が生まれ、『復讐心』が芽生える。

    『復讐』をする話って、ドラマや小説に多い。そこには殺人事件が絡んでいたり、ミステリー要素が多分にあるもので、僕も好ん

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    2025年02月27日
  • ブレイクニュース

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    YouTube配信のネットニュース『ブレイクニュース』の編集とレポーターをし、一千万超えの再生回数を連発する謎の女性:野依美鈴(のよりみすず)。
    テレビや雑誌では描けない真相を追求するためには強引な取材を行い、時にはコンプライアンスにも違反するような番組編集をおこなう。

    小説は短編集だが、それぞれのテーマも8050問題、パパ活、冤罪、ヘイトスピーチ…旬な話題をYouTubeで番組として取り上げて、問題提起する。一歩間違えたら、迷惑系YouTuberである。だが、実際にありそうな内容ばかりだ。
    最後に野依美鈴が何故この『ブレイクニュース』を続けているのかがわかり、解決に向かう途上で小説は終わる

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    2025年02月27日
  • 罪の境界

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    渋谷のスクランブル交差点で起こった無差別殺傷事件。
    被害者の1人である明香里は、付き合っている航平との約束がドタキャンされた後に事件に合った。
    その際、明香里を助けてくれた男性は死亡する前、明香里に訴えてきた言葉があった。
    その言葉を、本人の代わりに伝えたいと動き出す明香里。
    しかし、そこまでの道のりは決して楽ではなかった。
    明香里は顔やその他の身体に数十ヵ所の傷を負わされ、その恐怖からなかなか立ち直れずにいた。
    航平とも別れ、家族にも辛く当たってしまう日々…
    一方、事件を起こした犯人の小野寺の過去を知ったライターの溝口は、自分の過去に重なり小野寺に興味を持つ。
    小野寺から送られてくる手紙を元

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    2025年02月26日
  • 悪党

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    長編ではなく短編集のようになっていて読みやすいです。
    加害者と被害者の家族がテーマ。残された家族は加害者を許せるのか。
    読みやすいです。

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    2025年02月16日
  • 刑事の約束

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    ネタバレ

    ・終の住処
    「思い出ですよ。ご主人との思い出を嚙み締めながら最後の時間を過ごしたいというのが彼女の希望だったんじゃないですか」

    ・刑事の約束
    「人を憎むことでしか生きられない、人を殺すことでしか生きられない心をなくした人間だっているんだ。ぼくのようにね」



    まさかの連続でした。娘さんが目覚めるのがまさかでしたし、前作の「オムライス」の少年が今度は犯罪者になってしまうのもまさかでした。でも親に殺されそうになったことがある子どもが真っ当な人生を歩めるはずもないと思う。犯罪までは犯さないかもしれないけどずっと人を疑いながら生きていくような人生なんかじゃないかな。母親が子どもの心を殺さなければ今

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    2025年02月13日
  • 友罪

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    ネタバレ

    重く、考えさせられる話。
    自分が益田と同じ立場だったらどうするか。
    刺激しないよう愛想笑いでうわべだけ付き合って、徐々に距離を置くかなぁー…。。

    それにしても益田が偽善者の優柔不断野郎で読んでてイライラした。
    偽善者のふりして結局学も鈴木もいちばん傷つけている。
    こういう人間は嫌いだ。

    ラストは益田の手記で終わるのではなく、それを読んだ鈴木がどうするのか、どう感じたのかとか、その後の益田との再会まで書いてあると私としてはよかった。
    その後が気になる。

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    2025年02月06日
  • 告解

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    罪を犯し償っていこうとしている人が近くにいたら、自分ならどう接するのか正直分かりません。

    社会復帰に寛容であってほしいけれど、身近な出来事になれば綺麗事ではすまないような気がしました。

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    2025年01月26日
  • ラストナイト

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    いろいろな人物の話からひとつになる過程で哀しくなりましたが、一人でも理解してくれる人がいたのならば、最期は救われた気持ちだったのかもしれません。

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    2025年01月19日
  • 罪の境界

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    ぐいぐい惹き込まれて良かったー!
    明香里と共に過ごした。でもなんだか途中から急に別人になって違和感のまま終わった。
    面白かった!

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    2025年01月18日
  • 最後の祈り

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    娘を殺された男が教誨師として、娘を殺した死刑囚に復讐を果たそうとする物語。

    罪人であっても1人の人間の命を絶つ死刑の重さ、そして罪を許すこと、自分を許すことの途方もない難しさが丁寧にどっしりと描かれていて、考えさせられたし、感動した。

    一言では言い表せない一冊だった。
    ☆3.8

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    2025年01月16日
  • 虚夢

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    当たり前だけど、明るい内容の話ではない。
    読んでいてずっと重苦しくて仕方なかった。
    でも、三上夫妻、ゆき、藤崎の最後がどうなるのかが気になって時間も忘れて読んでいた。

    クライマックスに近づくに従って明かされてゆく真実に驚かされっぱなしだったが、刑法39条という難しいテーマを分かりやすく取り込んだ作品。

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    2025年01月13日
  • 刑事のまなざし

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    ネタバレ

    娘を襲った事件をきっかけに、法務技官から刑事に転職した夏目を取り巻く短編作品集
    夏目の洞察力はもちろん、大切な人を庇ったり守ったりする各作品の登場人物たちの人情味溢れるお話が魅力的
    自分の欲を最優先してしまった「オムライス」の主人公も人間臭くておもしろい

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    2025年01月13日
  • 罪の境界

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    自分の生きてきた環境の違いによって、価値観は大きく変わる。1つの事件を通し関係者達の過去から、生きるとはを考えさせられる。

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    2025年01月11日
  • 友罪【電子特別版】

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    薬丸岳さんの著書は2冊目です。
    益田の煮え切らない言動に少し苛立ちを覚えました最後の手記で納得することが出来ました。重大犯罪を犯した加害者を決して許しはしないが、奪った命の大切さを噛み締めるためにも、加害者にはきちんと生きて欲しいというメッセージを感じ取りました。ただ、実際に自分が加害者と関わることになったら、すぐに縁を切ってしまうだろうなと思います。恐らく世間一般の多くの方も。だからこそ、加害者の更生は本当に難しいことなのだと感じます。

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    2024年12月29日
  • 天使のナイフ 新装版

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    薬丸岳作品4冊目。これがデビュー作!
    とてつもないドラマチックな展開に読む手が止まらなかった!それだけじゃなく、少年法というテーマを真正面から最後まで貫く姿勢が伺えた。
    登場人物それぞれも味が出ていて、覚えが悪い自分でも名前を覚えながら読み進めるのに苦労はしなかった笑
    本書は、高野和明著『13階段』を読んだ後に読みました。
    余談ですが、『13階段』をまだ読んでいない方はそちらも手にとってみてはいかがでしょうか。

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    2024年12月21日
  • 告解

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    人生を振り返ったときに、あの時もしこうだったら加害者になってしまっていたかもしれないと思うことは人間誰しもあるだろう。
    軽い気持ちで、たまたまが重なり、実際に加害者になってしまうこともあるだろう。
    起こしてしまった罪を消すことは当然できない。
    その罪にどう向き合っていくのか大変考えされられた。
    当人がどれだけ反省しているかは周りはわからない。
    罪に向き合い、正直に、誠実に生きていこうとする姿が描かれているが、自分が被害者遺族の立場であったらどう思うのだろうか。自分だけスッキリすんなとでも思ってしまうかもしれないな。
    誰にでも起こり得る可能性がある題材で、良く考えされられた良作であった。

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    2024年12月13日
  • ブレイクニュース

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    ある目的のため、女はひとり、立ち上がった。

    ユーチューブで人気のチャンネル『野依美鈴のブレイクニュース』。児童虐待、8050問題、冤罪事件、パパ活の実情などを独自に取材し配信。マスコミの真似事と揶揄され、誹謗中傷も多く、中には訴えられてもおかしくない過激でリスキーな動画もある。それでも野依美鈴の魅力的な風貌なども相まって、動画の視聴回数は1千万回を超えることも少なくない。年齢、経歴も不詳で、自称ジャーナリストを名乗る彼女の正体を探るべく、週刊誌記者の真柄は情報を収集し始める。すると彼女の過去が見えてきて……。
    デジタル社会の現代へ警鐘を鳴らす、SNS時代の新たな社会派小説。

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    2024年12月10日
  • アノニマス・コール

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    元警察官の朝倉は3年前に妻と別れ、娘とも離れて暮らしている。その娘が誘拐されてしまったところから物語がスタートする。機械で声を変えて電話をかけてくる誘拐犯。その声を想像しながら、朝倉とともに誘拐犯と真相を追いかけて、読む手が止まらない。少しずつ真相解明されていくのが面白く、さすが薬丸岳!という1冊。

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    2024年12月04日
  • 誓約

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    「あの男たちは刑務所から出ています。」
     
    犯罪者は幸せになってはいけないのか。
    人生のやり直し。どこまでいけば許してもらえるのか。
     
    薬丸さんの書く犯罪を犯した人の心情ってなんでこう重く辛いのに引き込まれるんだろう。
    犯人、真相、ゆっくりと分かってくるんだけどこれも辛い。
     
    でもね、犯罪を犯して一定期間経てば許されますよってのもオカシな話。
    モンスターだから許されるものでもないし。
     
    それにしても脅迫者
    わからなかったなぁ。
    そこにいたかぁって感じ。
    すごく辛い時間だったろうなぁと思いながら
    わたしはこういう復讐はできないと思う。

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    2024年11月28日
  • 虚夢

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    薬丸さんの少年犯罪が好きでいつも読んでいるが、今回は心神喪失者の犯罪、刑法三十九条について描かれていてとてま興味深く読ませてもらった。考えさせられる一作でした。

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    2024年11月22日