薬丸岳のレビュー一覧

  • 刑事のまなざし

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    夏目刑事が出てくるほかの作品も読んでたが、初めてこの本で彼の背景を知ることができた。周りの人は夏目を刑事に向いてないと言うが、教師や法務技官を目指していたように一人一人の人間に真正面から向き合い続けられる彼だから本当の意味で罪を償う犯人が多いのではと思う。本人は苦しいだろうが、こういう刑事がむしろ多くあってほしい。

    ほかの方の感想に「作り物感」についてありましたが、最近の作品はリアルを追求し少し前の作品ではフィクションとしての面白さを大事にしている印象があります。私は最近のほうが好き。

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    2026年05月25日
  • アノニマス・コール

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    アノニマス・コール ★4
    誘拐犯が最後まで全く読めなかったのが面白かった。途中で「あ、こいつか」って思ったらぜんぜん違っていい意味で裏切られた。
    元警察官の主人公しんじは捏造された事件の真相を追って、それをよく思わない上層部に無実の罪をきせられ警察をやめさせれる。3年が経ち、しんじの娘が誘拐され犯人の要求はしんじが掴んだ情報の譲渡だった。最初誘拐犯は警察組織かはたまた捏造事件の真相に関わってくる政治家かと思ったがまさかのその捏造事件の被害者たちだった。

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    2026年05月24日
  • 友罪

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    薬丸さんの2冊目。天使のナイフが面白すぎたので星4つです。神戸のサカキバラ事件を彷彿させます。あの時の少年は今何を感じて生きてるのだろう。自分の近くに元少年がいると知ったら、小説の主人公と同じように嫌悪すると思う。更生したと言われてもね。。

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    2026年05月24日
  • 籠の中のふたり 【電子書籍版特典付き】

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    辛くて重たいエピソードも織り交ぜながらも、最後には人間の温かさが心に沁みる、とてもハートフルな物語だった。

    弁護士である主人公の快彦は、傷害致死事件を起こした従兄弟の亮介から身元引受人を依頼され、渋々それを引き受ける。過去の出来事がきっかけで、人と深く関わることを避けてきた快彦だが、刑期を終えてもなお快活さを失わない亮介と過ごすうちに、少しずつ心を開き人間として成長していく。その過程が非常に印象的だった。伏線を回収しながら、広げた風呂敷を上手く畳んでいく構成も見事だった。

    物語を通じて、人間のすべての行動には善悪問わず、それに応じた報いが返ってくるんだな、と痛感させられた。
    とある人物の最

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    2026年05月23日
  • 天使のナイフ 新装版

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    考えさせられる小説だったし、ミステリーとしてもよく出来てて引き込まれました。
    本当の更生というのが、どういうものなのかを登場人物が苦悩して模索している姿が良かった。
    少年犯罪におけるモヤモヤだったり加害者、被害者視点での違いも書かれていて、むず痒くなった。
    被害者遺族に赦されるまで、一生向き合わないといけないという事が大事だと感じた。
    ミステリーとしてもラストのまくりは驚きました笑

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    2026年05月23日
  • 友罪【電子特別版】

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    ネタバレ

    犯罪者のその後の生き方について考えさせられる、かなり重いテーマの作品だった。

    鈴木は普通に生活しているときはむしろ心優しい人物にも見えて、だからこそ「なぜあの事件が起きたのか」という部分がより気になった。映画もあるらしいのでまた見てみようと思う。
    表面的な姿と過去の行動のギャップが大きくて、簡単には理解できない怖さがあった。益田の指が切断される場面での鈴木が少し怖かった。

    また、美代子の立場もとても不憫だった。本人が直接何か悪いことをしているわけではないのに、周囲の視線や扱いによって追い詰められていって社会の残酷さを感じた。

    益田が鈴木に対して距離を置き、時に傷つけるような態度を取る場面

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    2026年05月22日
  • Aではない君と

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    オーディブルで聴きました。えー、どうなっちゃっうのー??と一気に聴いた。
    14歳の少年が同級生を殺害。逮捕されても少年は何も話そうとしない。彼の両親は離婚していて、彼の悩みに気がついていなかった。

    ずっと辛かった。なんでこんなものを選んでしまったのか。。

    身体を殺すのと、心を殺すのとどちらが悪いのけという問いに、明確な理由とともに答えが出たのは良かった。

    事件が起こるたびに、犯人の家族がマスコミに追い回されるのは、なぜだろう。犯人の家族が苦しむ様子を見ることで、溜飲がさがるのか。下がらないなー。

    また、刑期を終えて社会復帰した人と普通に付き合える?こちらは自分でも自信がないな。

    考え

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    2026年05月20日
  • ラストナイト

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    ただただ悲しい物語だった。
    優しい男が純粋な愛過ぎる情故に罪を犯し続け、でも愛する娘の一言で最後まで人を殺すことはなかった。
    自分の都合のために誰かが犠牲になるのは新たな憎しみや苦しみを生むためやって良い訳はないが、絢子や荒木だけでなく、もしかしたらほかの事件でも、彼に救われた人がいるのかもしれないもしくは未遂で終わってることが多いのかもしれないとも思った。

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    2026年05月18日
  • 告解

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    ありきたりという言い方は悪いが、どこにでもあるような事件で、それなのに当たり前に被害者にも加害者にも家族がいて。

    薬丸岳先生の本は常に「許す」というのはどういうことなのかを追っている気がする。
    今回のことで、翔太がどのように罪を償うのかというのと、被害者側の気持ちがありありと描かれていた。

    自分のせいじゃないと思いたい気持ちやら、出所した後の友達の反応があまりにもリアルだった。
    そうは自分がなりたくないなと思った。

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    2026年05月16日
  • 天使のナイフ 新装版

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    薬丸岳氏の『天使のナイフ』は、現代社会が抱える少年法の矛盾を鋭く突いた作品である。妻を殺害された主人公・桧山の視点を通じ、読者は「被害者の人権」と「加害者の更生」が激しく衝突する現場に立ち会うことになる。
     最も深く考えさせられたのは、更生の「実態」についてだ。書類上で更生が認められても、被害者の遺族の傷が癒えるわけではない。本作は、少年法という「更生の機会を与えるための盾」が、時には遺族を追い詰める「凶器」に変わる現実をリアリティを持って描き出している。加害者側にも事情があるという描写は、物語に多層的な視点を与え、読者を安易な勧善懲悪の着地点へとは逃がしてくれない。
     緻密なミステリーとして

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    2026年05月15日
  • 死命

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    『死命』は、命の期限を突きつけられた二人の男――連続殺人犯の榊と、彼を追う刑事・蒼井の執念が激しく交錯する、重厚な倒叙ミステリーだった。

    犯人が最初から明かされているにもかかわらず、最後まで張り詰めた緊張感が途切れない。物語の中心にあるのは、共に末期がんを抱えた榊と蒼井の追跡劇だ。歪んだ自己顕示欲に突き動かされる榊と、命を削りながらも事件を止めようとする蒼井。互いに死を意識しているからこそ、その対立には単なる「犯人と刑事」を超えた凄みがあった。

    蒼井が家族への思いと自身の苦痛を抱えながら、それでも刑事として捜査に執念を燃やす姿には強く胸を打たれる。一方で、冷酷非情に見える榊の内側にある孤独

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    2026年05月13日
  • 刑事の怒り

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    他の人も書いてるように、私も短編より長編の方が好き。やっぱり短い分、伏線から回収までが短スパンで疑問や違和感を持つ時間が少ないからではないかと思う。でもどの話も裏があって面白かった。
    ほかの作品と同じように、話のテーマが実際に日本の抱える問題(闇)で、それを繊細な綿密な感情表現によって描かれており、どんな立場の人にも読んで感情を動かしてほしいと思う。

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    2026年05月13日
  • アノニマス・コール

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    皆が言う真実は誰かが見えてる限りの事実を、もしくはいくつかの事実を選定して組み合わせた結果だと思う。そして、正義だと言っているものは、何かを正当化するために、自分が納得するために、使う鎧だと思う。誰かの人生を犠牲にしてまで守るべき真実と、それによって果たされる正義って、どれだけの価値があるのか。確かに多くを守るものなのかもしれない。だけどそれが仕方のないことだとされる世の中であってほしくないし、だから戦争が肯定されるのだと思った。

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    2026年05月13日
  • ガーディアン

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    薬丸岳さんのほかの作品でもよく取り上げられる社会課題が学校での「いじめ」。いじめの経験がその後の問題や犯罪に繋がっていくことが多いが、今回はそのいじめがメインテーマの一つだった。
    いじめで一番辛いのは仲間がいないこと。なのにいじめを無くすために孤立を加速させて、表面上は解決したことになっている。その後、ガーディアンの活動は活発がしている。しかし、当人はそれに感謝しておらず、寧ろ逆効果だったと感じる反応をしている。それが答えだと思った。
    もちろん、教師は完璧ではなく力があるわけでもない。だけど無力でもない。学生や生徒のことを想い、見つめ、向き合うことが、解決策にはなっていなくても、学生や生徒にと

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    2026年05月10日
  • ハードラック

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    SNSを使って、分担して、見えなくても直接関わらなくても、誰かを騙しお金を取る事が出来てしまう。更に、犯罪に加担したつもりがなく、したくはないがいつの間にか、巻き込まれてることもある。
    闇バイトによって生まれる被害は尋常ではないのに、やってる側はその罪の重さを感じられるほどの覚悟と意識はない。
    一方、管理してる側は「ビジネス」をやっているかのように、マニュアル化し手を汚すことなく稼いでいく。
    ある意味、最も残酷な犯罪なのだなと思った。

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    2026年05月09日
  • こうふくろう

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    コロナ禍真っ只中の東京が舞台。
    2020年5月、池袋の公園に
    「本物の家族」を求め集まる若者たちがいた。
    息苦しく閉塞的な日常を過ごす中
    少しづつ変わっていく彼らの姿をリアルに描く。

    登場人物が多いので、名前、特徴をメモする。
    少し広がりすぎたかな、と感じた。
    スポットライトは舞台の中心に立つ主人公に当て
    周りを固める登場人物も
    輪郭がはっきりする程度の光が欲しかった。
    薬丸岳さんの書きたいメッセージを
    ポンと投げてくれたら。
    私も上手に受け止めてキャッチボールができたかな。
    (既刊本は全て読破していますので受け止める自信あり)

    今までと同じようなストーリー展開を期待してしまうけれど
    新し

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    2026年05月14日
  • 神の子(下)

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    ネタバレ

    上巻とは異なり、町田の人間性が垣間見える場面が多くあり、町田が前原家と生活できてよかったと思った。
    晶子が実は室井と通じていたのは予想外だったが、最後の「弔い」 とは何を指すのか、為井との再会はあったのか、語らられないまま終わった部分も多かったように感じた。

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    2026年05月06日
  • 告解

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    ネタバレ

    知人から頂いて読んだ本(紙の本!)。

    「轢き逃げ」という重いテーマ。初見の作家さんでしたが、興味深く読ませて頂きました。

    ただ、各々のキャラクターがかなりわかりやすく書かれていて、なかなかそうじゃないんだけどなあ、という複雑な思いはありました。

    いずれにせよ、「轢き逃げ」はイカんですよ。その場一度逃げてしまったら、また次にそういう苦難が来た時に、また逃げるという選択肢があると勘違いしてしまう。

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    2026年05月06日
  • 罪の境界

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    加害者になるか被害者になるかの境界は紙一重

    その境界を越えるのか越えないかは
    自分を大切しにしてくれる人がいることを理解し、その愛情に気づけるかがとても重要なのかもしれない

    大切な人のことを思えばその境界は絶対に越えないと思う
    大切なひとは悲しませたくはないから

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    2026年05月05日
  • 刑事弁護人(下)

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    下巻は法廷シーンを中心に真相が暴かれていく。
    犯罪者を弁護するという特徴から恨まれたり攻撃されたりすることもあるが、それでも弁護士は憎しみの連鎖を止めるために必要な存在。
    弁護とは、正義とはを、考えるきっかけになった。

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    2026年05月05日