薬丸岳のレビュー一覧
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薬丸岳さん著「アノニマス•コール」
だいぶ著者の作品は読んできたがその中でも極めて疾走感のある作品だった。
調べてみたら「アノニマス」とは「匿名」とか「正体不明」とかの意味らしい。
半年位前に「アサヒビール」が「アノニマス」という集団からサイバー攻撃された事件を思い出した。
そういう意味だったのか…
その時は言葉の意味を深く考えずそのままの時事として受け入れてしまっていたと反省。
知らない言葉はやはりその都度調べるべきだと今回思い至った。
物語は奥行きこそ余り感じなかったが、特質として疾走感に富んだ作品だった。
警察、もしくは何かしらの権力によって引き起こされた誘拐事件なのはすぐに察しがつ -
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実際にあった少年による殺人事件と結びつけてしまう。そして、あの時の犯人が名前を変えて自分の近くにいたとしたら、しかもそれが友達だったらと考えてしまう。果たして、彼を受け入れる事ができるのか。
受け入れることは難しく、かと言って切り捨ててしまうことは辛すぎる。
過去の罪を背負って生きる人の苦悩。
苦悩という言葉では軽すぎる、地獄と言ってもいいくらいの壮絶な苦悩。
だからと言って、手を差し伸べることなど容易ではない。自分だったらどうするのか。ずっとそう思いながら読み進め、結論が出ないままに読み終わった。
作中の主人公の結論はとても感動的である。あくまでも自分も、そうありたいという気持ちとは別に。 -
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旅先で一気読み。
殺人を犯した、加害者の少年の親が主人公。
きっつい。
同じように親である自分には1番想像したくない世界。
でも、主人公に言いたいよ。
仕事?彼女?精神が不安定?
どんなに一生懸命そばで過ごしてても大変なこといっぱいあるのに、でも寄り添ってるからこそわかるものもあるのに。
なんでそこまで追い詰められてるのにカケラもわからないの。
まだまだ小さな世界で生きてる子供は逃げ道がほとんどない。1人で歩いていけるまで親は一緒に歩んで行かなきゃいけないのに。
罪ってなに。反省ってなに。
人を殺してしまうということって。
ニュース観て、酷いね。こんな犯人最低ね。っていつも思う。
でも -
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辛くて重たいエピソードも織り交ぜながらも、最後には人間の温かさが心に沁みる、とてもハートフルな物語だった。
弁護士である主人公の快彦は、傷害致死事件を起こした従兄弟の亮介から身元引受人を依頼され、渋々それを引き受ける。過去の出来事がきっかけで、人と深く関わることを避けてきた快彦だが、刑期を終えてもなお快活さを失わない亮介と過ごすうちに、少しずつ心を開き人間として成長していく。その過程が非常に印象的だった。伏線を回収しながら、広げた風呂敷を上手く畳んでいく構成も見事だった。
物語を通じて、人間のすべての行動には善悪問わず、それに応じた報いが返ってくるんだな、と痛感させられた。
とある人物の最 -
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ネタバレ犯罪者のその後の生き方について考えさせられる、かなり重いテーマの作品だった。
鈴木は普通に生活しているときはむしろ心優しい人物にも見えて、だからこそ「なぜあの事件が起きたのか」という部分がより気になった。映画もあるらしいのでまた見てみようと思う。
表面的な姿と過去の行動のギャップが大きくて、簡単には理解できない怖さがあった。益田の指が切断される場面での鈴木が少し怖かった。
また、美代子の立場もとても不憫だった。本人が直接何か悪いことをしているわけではないのに、周囲の視線や扱いによって追い詰められていって社会の残酷さを感じた。
益田が鈴木に対して距離を置き、時に傷つけるような態度を取る場面 -
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オーディブルで聴きました。えー、どうなっちゃっうのー??と一気に聴いた。
14歳の少年が同級生を殺害。逮捕されても少年は何も話そうとしない。彼の両親は離婚していて、彼の悩みに気がついていなかった。
ずっと辛かった。なんでこんなものを選んでしまったのか。。
身体を殺すのと、心を殺すのとどちらが悪いのけという問いに、明確な理由とともに答えが出たのは良かった。
事件が起こるたびに、犯人の家族がマスコミに追い回されるのは、なぜだろう。犯人の家族が苦しむ様子を見ることで、溜飲がさがるのか。下がらないなー。
また、刑期を終えて社会復帰した人と普通に付き合える?こちらは自分でも自信がないな。
考え -
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薬丸岳氏の『天使のナイフ』は、現代社会が抱える少年法の矛盾を鋭く突いた作品である。妻を殺害された主人公・桧山の視点を通じ、読者は「被害者の人権」と「加害者の更生」が激しく衝突する現場に立ち会うことになる。
最も深く考えさせられたのは、更生の「実態」についてだ。書類上で更生が認められても、被害者の遺族の傷が癒えるわけではない。本作は、少年法という「更生の機会を与えるための盾」が、時には遺族を追い詰める「凶器」に変わる現実をリアリティを持って描き出している。加害者側にも事情があるという描写は、物語に多層的な視点を与え、読者を安易な勧善懲悪の着地点へとは逃がしてくれない。
緻密なミステリーとして -
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『死命』は、命の期限を突きつけられた二人の男――連続殺人犯の榊と、彼を追う刑事・蒼井の執念が激しく交錯する、重厚な倒叙ミステリーだった。
犯人が最初から明かされているにもかかわらず、最後まで張り詰めた緊張感が途切れない。物語の中心にあるのは、共に末期がんを抱えた榊と蒼井の追跡劇だ。歪んだ自己顕示欲に突き動かされる榊と、命を削りながらも事件を止めようとする蒼井。互いに死を意識しているからこそ、その対立には単なる「犯人と刑事」を超えた凄みがあった。
蒼井が家族への思いと自身の苦痛を抱えながら、それでも刑事として捜査に執念を燃やす姿には強く胸を打たれる。一方で、冷酷非情に見える榊の内側にある孤独