あらすじ
家庭も仕事も順風満帆な日々を過ごしていた向井聡の元に、一通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています」。便箋には、ただそれだけが書かれていた。送り主は誰なのか、その目的とは。ある理由から警察にも家族にも相談できない向井は、姿見せぬ脅迫者に一人立ち向かうが。故郷、家族、犯した罪……。葬ったはずの過去による復讐が、いま始まる。
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まさかのどんでん返し❣️
謎解きで、ぐんぐん読ませます。さすが薬丸岳さん。真相がわかって、びっくりはしましたが、それがなくても、登場人物がとてもよく描かれていて、楽しめる。それぞれの家族や愛する人との関係などの中に、それぞれの心に愛、思いやりがある。重いこと、ひどいことが起きるんだけどね。いつも、重い内容だけれども、今回の真相は、衝撃的だった。それでも、薬丸岳さんの作品の奥にはいつも愛があると思う。薬丸岳さんにハマって続けて読んでいるが、今回も読書の楽しみが味わえた。
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犯罪というのは必ず誰が傷ついている人がいる
そんなことを改めて気付かされた
彼は辛い約束のせいで自分の過去の犯罪と向き合うそして償いとはなんなのか
自分は知らないうちに誰かを傷つけてきたんだと考えることができたともいえるだろう
ただ復讐というのは本当に何も生まないと思う。
復讐したからといって心の霧が晴れるわけではないのだから
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昔悪人だった主人公が今は家族と幸せな生活を送って、まともに生きているところから物語が始まる。過去のある約束が主人公を苦しめる。
守るべき家族がいる事で窮地に立たされて行く。
壮大な復讐劇…。
愛する家族が殺されたら犯人を赦さないだろうか?考えさせられる作品です。
薬丸岳さんと言えば夏目刑事シリーズ作品が好きですが、犯罪を憎むと言う事に於いてはどの作品も一貫していますね。
非常に良く出来た作品で一気読み必至です。
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おそらく再読。
読み始めると止まらないのが薬丸岳さん。
誰?誰が?と思いながら次々とページを巡り…本書も堪能!
「罪と償い」の名手ですね。
また「赦し」も薬丸岳さんのキーワードなのも納得。
「人が人を大切に思う気持ち」
「大切な人を精一杯大切にしたいと願う気持ち」
読んでいるとその想いがひしひしと伝わって来ます。
自分は薬丸岳さんの伝えたい事をちゃんと受け取れているかな…
今迄読んだ本ももう一度全部読み直してみたくなりました。
最後のメッセージ…読者に委ねられましたね!
読んだ人の数だけラストがある!
なんかそれもちょっと粋なはからいな気がします。
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約束を果たす様次々に迫ってくる犯人からの脅迫。近くにいる人物を疑ってしまうが坂下との関係性は全く見えない。誰なんだ?この連続だった。
号泣のラスト!と帯にあり、どのようなラストかと思いながら読み続けたが、そう言うことか、、、
今いる家族を愛して大切にする者と、大切にしていた者を奪われた者と、赦されたい者と赦せない者と。薬丸さんは罪や赦しと刑法における社会課題の訴えのイメージが強かったが、人を大切に思う事を綴る作家でもある事がわかった。
因みに解説をいつも楽しみにしているけどこの本の解説は個人的にとても秀逸。
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薬丸岳さんの作品を読んだのは、「天使のナイフ」以来2作目。
解説にもあるように、少年犯罪や、罪と償いを中心に描く作家だと知った上で購入。
読み始めてから、すぐに魅了され情景が思い浮かぶかのようで、とにかく読みやすかった。
中盤も中弛みすることなく、主人公の頭の回転の良さに感心しつつ、後半には畳み掛けられるようなストーリーで終盤へと続く。
罪と償いという題材だろうと思っていたので、読み終わった後かなり重くなるだろうなぁ...と覚悟していたが、こんなに心が温まるような 大切な人への想いを感じ取られる余韻が残るとは...
薬丸岳を知らない人にも是非読んでもらいたい。
久しぶりに大変面白かった!
Posted by ブクログ
仕事も家庭も順調そうに見えた向井聡のもとに一通の手紙が届く。「あの男たちは刑務所から出ています」その手紙に恐怖を感じる向井。実は向井には人には言えない過去があり…
犯人と罪とその裏に隠された衝撃の真実
薬丸岳さんの小説はいつもラストのラストまで驚かされる!
それでいて罪と贖罪、愛と救いとを考えさせられる。
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ある約束に縛られて追い詰められていく主人公…テンポ良くストーリーが進んでいくので一気に読み進めました!終盤にいろいろ詰め込んでバタバタした感はありましたが面白かったです!
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鈍い私にしては珍しく早めに犯人の見当がつくくらい不思議なほど狭い世界での物語でした。負の連鎖は切れないんでしょうね〜被害者がきちんと救われ、加害者がきちんと裁かれる世の中になって欲しいと改めて痛感する物語でした
Posted by ブクログ
サスペンスとしてかなり面白かった連続で薬丸さんを読んでいるがこれまでで一番良かった。今のところガッカリはなしです!好きな作家さんを見つけて嬉しいです。
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「あの男たちは刑務所から出ています。」
犯罪者は幸せになってはいけないのか。
人生のやり直し。どこまでいけば許してもらえるのか。
薬丸さんの書く犯罪を犯した人の心情ってなんでこう重く辛いのに引き込まれるんだろう。
犯人、真相、ゆっくりと分かってくるんだけどこれも辛い。
でもね、犯罪を犯して一定期間経てば許されますよってのもオカシな話。
モンスターだから許されるものでもないし。
それにしても脅迫者
わからなかったなぁ。
そこにいたかぁって感じ。
すごく辛い時間だったろうなぁと思いながら
わたしはこういう復讐はできないと思う。
Posted by ブクログ
2024.09.05
考えさせらた。
やり直しはどうすれば認められるのか?
やり直しはどんなレベルの「罪」までは許されるのか?
おそらく「被害者」はそれを決めるのは被害者だ。と断じるだろう。
しかし、その基準が知りたいと読み終わって感じてる。
Posted by ブクログ
訳ありの過去を持つ主人公が、過去を打ち切る為に交わした復讐代行の約束。16年後妻子にも恵まれ平和に暮らしていた主人公に突然手紙が届く「その約束を守らなければ家族の命を奪う」と。脅迫者は誰か、家族は守れるのか。スリリングな展開に手に汗握るミステリー小説。
薬丸岳さんは『更生・償い』のテーマの作品が多いが、本作は『恨み・復讐』が全面押し出されている作品だった。
主人公の過酷な幼少期には同情するが、やや身勝手な言動に感情移入出来なかった。ラストの主人公の涙もモヤっとしたし、昔犯した罪への贖罪が最後まで私は感じ取られなかった。
『犯罪被害者の家族が加害者になる』という憎しみの連鎖について考えされられる作品。
Posted by ブクログ
失恋後24作目
相変わらずのテーマ。面白くてぐいぐい読めるものの、考えさせられる。薬丸岳を読むたびに、毎度同じ感想になる。
真犯人は誰なのか、犯人を奔走することはできるのか、愛する人は守ることができるのか…ぎゅっと詰まってる一冊。
Posted by ブクログ
逃げても逃げても追いかけてくる過去に、向井が幸せにさえならなければこんな苦しみを味わうこともなかったのにとさえ思わされてしまう理不尽な恨めしさ。周りの優しい人たちが次第に不信感を募らせていくのも苦しい。吐き出してしまうことができるならばどんなに楽か。読む側も向井と同じ感情になっていく。
薬丸岳氏の作品はどれも先が気になって一気読みしてしまうものが多いが、脅迫者の正体が最後まで読めないことや、章が分かれてないのもあっていつも以上にノンストップで進んでいく。
Posted by ブクログ
久々の薬丸岳さん。やっぱり面白くて(面白いってちょっと、語弊があるんだけど)、夢中になって一気読みしてしまいました。
薬丸岳さんは犯罪を犯した人の心の変化(人間的成長)を描くことが多いように思う。
この小説では、過去に犯罪を犯して逃げ回り、素性を隠して結婚し子どももいるバーテンダーの主人公が、過去に自分が犯した罪と向き合わなくてはならなくなる、という設定。
正体不明の何者かから、「あの約束を履行せよ」と迫られ、殺人を犯さなければならなくなる…。
15年前、新しい戸籍と顔を手に入れるためお金が必要だった。犯罪被害に遭い、犯人を激しく憎む女性から、復讐を果たす約束と引き換えにお金をもらった。その女性は死んだはずなのに、犯人が刑務所から出てきたから約束を果たせと要求されるのだ。いったい誰が、あの約束を知り、そんな要求をしてくるのだろう…?
読みながら、けっこう身近な人のはずだと考えていたが、一番信頼し、身近にいた共同経営者だった。実は、主人公が過去に悪いことばかりしていたとき、強盗に入った家の女性の恋人だったのだ。彼女はその事件がきっかけで自殺した。自殺したのは主人公が彼女を強姦したせいだと誤解していたのだが、そこには深い事情が隠されていて(実は強姦していたのは実の父親、強盗に入った主人公は、それを目撃していた)、彼女は忌まわしい事実(息子は実の父との間の子ども)を隠すために、強盗が自分を犯したことにしていた。共同経営者はゆえに、彼を憎しみ続け、復讐の機会を15年も待っていたのだ。
途中まですごく面白かったのだが、この最後のネタバラしが、ページ数が足りなくなって大急ぎで書いたのかな?って感じでした。
だけど、一緒に店をやってきて、主人公が本当に生まれ変わり、悪人ではなくなったと感じて許そうかと思ったこともあったのに、小さなきっかけで「やっぱり更生なんかしてない、強盗に入った日(つまり彼女が深く傷つきその後自殺するきっかけになった日)を覚えていないじゃないか」と思って許せなくなった、というくだりが、薬丸岳さんらしいしかけだと思った。
「悪い人間」が「本当に反省」して「善良な人間」になる、というのは、どういうことなのか、はたして他人に(または本人に)判断できるものなのか、心から反省するとは、どういうことなのか、人は生まれ変われるのか、過去に犯した罪は許される可能性があるのか、そういう問いが、これまでの作品にも散りばめられていたので…。
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妻と娘と幸せな日々を送っている向井の元に届いた手紙。
「あの男たちは刑務所から出ています」…向井は届くはずのない、果たす必要のない約束に怯える。
自分の過去と罪は、誰にも知られるわけにはいかない。
正体不明の相手に怯えながらも、大切な家族を守るために究極の選択を迫られる。
2023.10.15
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名前を捨てて、顔を変えて 犯した罪から逃げてきた男。長い年月の中で本人さえ犯した罪を忘れていたのかもしれない。
新しい名前でつかんだ幸せが、過去の自分の誓約で崩れ始める。
果たせない約束から逃れるため過去の罪と向かい合う。
罪を重ねるということは大切な人が居ないということなのか。
守りたいものを得た時罪への償いが始まるのかもしれません。
と、ストーリーは追跡劇となり緊張感ある読み応えありです。先に読んだアノニマスコールとテーマは違うけれど構成が似てるかなと思いました。
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なかなか無理な感じの設定だなぁ、って。
途中、先に進まない、展開が同じような、みたいな状況で少しダラける。
犯人はやっぱりかぁ、と思ったけど、そこまでするかと。共感できないわー。M氏が気の毒だったなぁ。
面白くないわけではないけど、現実離れした感じと、展開のダラダラ加減が残念だった。
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最初から最後まで酷い話。
忘れかけてた15年前の約束。それを結構するべく亡くなったはずの依頼者から催促の手紙が届く、、、
でもね最後の最後物語がぐるんぐるんする訳なんですが、よう15年も普通に生活しとったわい!ってツッコんでしまう。どう考えても無理があるって!
私には家族も今の幸せもあるんだ!バラさないでくれー的な過去と言えども罪は罪。悪く言えばバレんかったらいい、自分の周りのこと世間体を気にして過去の罪に対して贖罪の気持ちってあるのかな?って思えました。まぁ顔がモンスターだったのは同情するが、顔変えたからって中身は変わらない。酷い話やでまったく
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誓約:必ず守ると約束すること。またその約束。
向井と坂本伸子との誓約一点に注目してしまいがちだけれど、この本随所に誓約が隠されているなと思った。
え、そんなのありえる?って思うシーンがいくつかあったけれど、最後の最後で私の中の犯人が二転三転する盛り上がりがなかなか面白かったポイント。
主人公で散々な目に遭う向井だけれど、
心の奥底で自業自得ではとも思ってしまった。
オーディブルで聞いたけれど、
ナレーションの声が渋くて聞き惚れました笑
役の使い分けもばっちりでのめり込めました。
Posted by ブクログ
過去に罪を犯した者は、終生その罪から逃れることはできないのか。
本作の主人公は、葬り去ったはずの過去によって、今の順風な生活が壊れ、その過去と強制的に向き合わなければならなくなる。誰が何のために、そんな過去を持ち出したのか。過去の悪事をひた隠しにしてきた上で今の生活があるので、家族にも警察にも相談できず一人苦悩し、向き合う決意をするが…。一気読みのノンストップサスペンス。
Posted by ブクログ
過去に罪を犯し その過去を捨てて自分の大事なものを守ろうとする。
犯人がわかり 人間関係がわかっていく
真実がわかって 家族はこれからどうなるんだろう?その人の過去を受け止められるだろうか?
そんな思いでモヤっとした気持ちになった。
Posted by ブクログ
初めての、薬丸氏の作品。
現代社会で、この主人公の様に戸籍を、変える。乗っ取る。事は、良く起こり得ているのだろうか。数々の、小説やドラマででてくる手法だが。
そこで、この主人公に対して、共感することが、出来なかったな!
Posted by ブクログ
オーナーの落合とレストランバーを共同経営し、愛する妻と娘と幸せな人生を歩んでいた向井聡の元にある日、「あの男たちは刑務所から出ています」という手紙が届く。差出人の名前は坂本伸子。今はもうこの世に存在しない人物からの手紙、そしてあの日してしまった約束を思い出した向井は慄く。
娘の復讐を代わりに果たすという約束でお金を譲り受けたにも関わらず、相手が癌で死んだことをいいことに、その約束を記憶の彼方に追いやって新しい人生を歩んできた主人公。脅しているのは誰なのかを最後まで追い続けることになるが、正体についてはそんな偶然あるか、という思いが無いわけではない。主人公についても結構ひどいことをやらかしていて、自業自得という言葉が無いわけでもない。それでも、一度罪を犯した人間は幸せになってはいけないのかという問いに、「否」とは言い切れないなぁと思ってしまう話だった。