薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生が狂うのって日々の積み重ねなこともあるし、渦みたいなものに急に巻き込まれて、みたいなこともある。
しんどいな。
最後、悔しいのかやるせないのか分からないけど涙が出た。
人が人を思う気持ちはいつも複雑で、絡み合っていて、一筋縄ではいかない。
私はいつ自分が借金まみれになるか分からないと思ってるし、いつ犯罪者になるか分からないと思ってる。苦しい。しんどい。他人事じゃないんだ、こういうのは、ずっと。でもこんな話リアルな友達とは中々できないし、「そんなことないよ」「なんでそんな風に思うの?」って不安にさせるだけだから言えない。
不運に不運が重なったり、誰もその人の背景を知らなかったり、真実を話すことが怖かったり、そんな風に犯罪者側になることはありえると思う。やだな。
しんどかったーーーーーー。でも文体が本当に読みやすいよ薬丸岳。映像が頭に浮かびまくるよ薬丸岳。すげーよ薬丸岳。いい名前だよ薬丸岳。 -
Posted by ブクログ
薬丸岳さん著「こうふくろう」
著者の作家デビュー20周年記念作品として描かれたクライム巨編とのこと。
今現在、著者の最新作にあたる作品。
昨年夏頃までは薬丸作品をかなり立て続けに読んでいたので、約半年振りの今作品に
久方ぶりを感じる。
物語の舞台はコロナ禍の池袋。
コロナで制限された環境下、様々な理由で登場人物達の行き場のない不都合や不自由が描かれていく。
その状況下で引かれ合うように集っていく仲間達。本物の絆を目指して、家族として仲間として誰よりも身近な存在でとお互いを意識しながら。
面白かった。
「こうふくろう」というグループが結成されていき、数人のペアレントと呼ばれる幹部達の温度差やその組織の在り方の捉え方等が違うため見ている未来が多種多様。それらを多視点で描いているため複雑で重みのあるクライムミステリーに仕上がっている。
弱冠、展開が読めてしまい想像の範疇での物語進行だったのが残念ではあるが…
若者達の心の不安定さやその心情が生む「心の隙」みたいな物が上手に描かれていて、それらが物語を深く重く厚くしていく。
「後味最凶」と唱われていたがそれはそこまで感じなかった。読者によっては感情移入して「最凶」と感じる方もいるだろうが自分はそこまで感じなかった。
ここ数年の著者の作品は作風が少し変わってきたような気がしている。
傾向として物語がきれい、スッキリしている。「神の子」辺りが分岐点だったのかな?
読者を答えのない中で考えさせていくような窮屈で重たい読み物は減ってきている。自分はどちらかというとそういう物が読みたいのだが。
4月に新作予定とのこと。
その前に数年積んでしまった著者の人気作「最期の祈り」を読んでいく予定。 -
Posted by ブクログ
ネタバレAudible聴了。
薬丸岳の少年犯罪のその後を描いた作品の内、一番重い作品。(「読者に「その過去を知っても友達でいられるか?」と問いかける衝撃的な内容」)。
埼玉の小さな町工場に就職した益田は、同日に入社した鈴木と出会う。無口で陰のある鈴木だったが、同い年の二人は次第に打ち解けてゆく。しかし、あるとき益田は、鈴木が十四年前、連続児童殺傷で日本中を震え上がらせた「黒蛇神事件」の犯人ではないかと疑惑を抱くようになり、実際そうであることを知ってしまう。また元AV女優(彼氏に騙されその道に入らされた)が元カレや世間の中傷から逃れて同じ工場で働き、しつこく付きまとう最低の元カレから救ったことで鈴木と親しくなるシチュエーションもつらい。
最後に益田から鈴木に宛てた手紙で終わるが、何かすっきりしない終わり方でやりきれなかった。