薬丸岳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
薬丸さんの作品はいくつか読んできたけれど、この作品はこれまでとは少し違う印象を受けた。
テンポよく読めて決してつまらなくはないのに、どこか物足りなさを感じる。これまでのようにガツンと心を揺さぶられるような衝撃や余韻が、少し薄く感じられた。
「どうしてあんたがここにいるんだ!」その一言から裕輔の人生が一変し、男を殴り死なせてしまう。
20年前に母が父を殺害し、孤児となった兄妹。兄として妹を守り続けてきた裕輔が、なぜ逃亡という道を選ばなければならなかったのか。その理由が明かされたとき、胸の奥に哀しさと虚しさが残った。
これまでの薬丸作品に比べ、社会的テーマに加えて「家族とは何か」に深く踏み込んだ物語。人間の弱さや優しさ、そして絆の形が丁寧に描かれていて、読後には重さの中にも温かさが残る。
解説にあった『単行本から真相が変わっている』という一文も気になり、元の物語にも興味が湧いた。 -
Posted by ブクログ
被告人涼香の気持ちは今ひとつ理解できない。心の奥には子供を殺した犯人を憎む気持ちが大きくあることは最後にわかったが、私なら心の奥ではなく全面でお前は死んで当然だ!とでも叫びそうだ。犯人の母親の気持ちなんて考える余裕などない。涼香は人間が出来すぎてる。子供を失った母親の気持ちを思う気持ちは理解できるが、それが息子を死に至らしめた男の母親の気持ちなら、、、到底思いやる気持ちは生まれなそうだ。母親に罪はないかもしれないが、そんな息子に育てた母親のあなたも同罪だとだから苦しめと、思ってしまいそう。
今ひとつ理解はできないとはいえ、内容的にとても面白かった。
弁護人西の冷静で犯罪に対して真摯である姿勢には好感を持てる。 -
Posted by ブクログ
主語がどこなのか、良く分からない小説だが、犯した罪の亡霊に悩んだ被害者の夫が、被告人が犯罪犯して、互いにつみを改めて、被告人が、つみを認めて、罪に向かい合う事で、人生やり直し出来ると言うことか?
「告解」とは、主にキリスト教、特にカトリック教会において、信者が司祭に自分の罪を告白し、神の赦しを求める儀式のことです。これは「ゆるしの秘跡」とも呼ばれ、洗礼後に犯した罪を清める儀式とされています。
贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。
「自分は運が悪かっただけだ……」
女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生
「やらなければいけないことがあるんだ」
愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男
ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものは――?
深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。
だから自分が生きている間に、誰かに自分がしてきた罪を告解したかった。だが、家族にはとてもできるものじゃない」
「わたしと同じく罪深い人間だからだ。ただ、それだけではだめだった。わたしと同じように自分の罪に苦しんでいる者でなければ話すことはできない」