薬丸岳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
被告人涼香の気持ちは今ひとつ理解できない。心の奥には子供を殺した犯人を憎む気持ちが大きくあることは最後にわかったが、私なら心の奥ではなく全面でお前は死んで当然だ!とでも叫びそうだ。犯人の母親の気持ちなんて考える余裕などない。涼香は人間が出来すぎてる。子供を失った母親の気持ちを思う気持ちは理解できるが、それが息子を死に至らしめた男の母親の気持ちなら、、、到底思いやる気持ちは生まれなそうだ。母親に罪はないかもしれないが、そんな息子に育てた母親のあなたも同罪だとだから苦しめと、思ってしまいそう。
今ひとつ理解はできないとはいえ、内容的にとても面白かった。
弁護人西の冷静で犯罪に対して真摯である姿勢には好感を持てる。 -
Posted by ブクログ
主語がどこなのか、良く分からない小説だが、犯した罪の亡霊に悩んだ被害者の夫が、被告人が犯罪犯して、互いにつみを改めて、被告人が、つみを認めて、罪に向かい合う事で、人生やり直し出来ると言うことか?
「告解」とは、主にキリスト教、特にカトリック教会において、信者が司祭に自分の罪を告白し、神の赦しを求める儀式のことです。これは「ゆるしの秘跡」とも呼ばれ、洗礼後に犯した罪を清める儀式とされています。
贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。
「自分は運が悪かっただけだ……」
女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生
「やらなければいけないことがあるんだ」
愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男
ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものは――?
深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。
だから自分が生きている間に、誰かに自分がしてきた罪を告解したかった。だが、家族にはとてもできるものじゃない」
「わたしと同じく罪深い人間だからだ。ただ、それだけではだめだった。わたしと同じように自分の罪に苦しんでいる者でなければ話すことはできない」 -
Posted by ブクログ
重い!
やっぱり薬丸岳さんの作品は重い。
加害者と被害者、家族、様々な視点から語られ、その辛さを感じます。
渋谷のスクランブル交差点で発生した無差別通り魔殺人事件!
事件の加害者の小野寺。
誰でもよいから人を殺して、塀の中で生活したいという動機。こういうの、現実世界でもありますよね。ほんと、腹が立つ!
全く許せません!
被害者の明香里。
全身刺されて、顔も切られたが、九死に一生を得る。
被害時のトラウマ、フラッシュバック、辛い生活です。
その明香里をかばって、亡くなった通りすがりの男晃弘。
「約束は守った。伝えてほしい…」
という言葉を明香里に託して死んでしまう。
明香里の恋人の航平。
約束通りに明香里に会っていれば、彼女が被害にあわなかったと悔やむ。
フリーライターの省吾。
事件の加害者の小野寺に興味を持ち、小野寺に接触。
小野寺からは自分をすてた母親を探してほしいと依頼される。
小野寺の生い立ちを調査すると共に、自分の過去に重ね合わせていく..
被害後の明香里の生活が辛すぎる。人生ボロボロです。
そんな明香里が晃弘に託された
「約束は守った。伝えてほしい…」
を伝えるために、立ち直っていく、強くなっていく、向き合っていく、展開です。
晃弘は誰に伝えてほしかったのか?
そして、省吾が明らかにしていく、小野寺の過去。
しかし、その過去をもっても、殺人は許されません。
母親との関係って重要なんだなって思います。
小野寺が超えた「境界」
超えるものと超えないものの違い。
省吾が明らかにした真相は衝撃的でした。
かなりのボリュームですが、お勧めです! -
Posted by ブクログ
薬丸岳の夏目刑事シリーズ第3弾。
次作の「刑事の怒り」も読んでいるので既に読んだはずだが、内容の記憶が曖昧だったので再読した。
最初の方の「無縁」「不惑」などは夏目の深い人間洞察力がよく表れていて面白い。また本作ではずっと眠りについていた娘が遂に目を覚ます。この時の夏目夫妻の喜びようは読んでいても泣けてくるし、そういう時でもずっと側にいてやれない刑事という職業の過酷さに思いを馳せた。
しかし何と言っても本作は最後の「刑事の約束」が良くない。表題にもなっている重要な話であるのは間違いないが、読後感が圧倒的に悪く、せっかく良かったそれまでの短編が台無しになるほど感じが悪い。
このシリーズに読者が期待しているのはこういう話なのか?と思わせる作品になったのは残念だ。 -
Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
設定は重いけど、こじらせ男子か…と思えるところが端々に感じられる。
傷害致死事件を起こしたような人が周りにいないので、知り合いになり、仲良くなった人の過去にそんな罪を持つ人に対して、どのような感情が湧くかわからないが、府中にあんなに親身になってくれる人がたくさんいるのに、孤独に生きていこうとなるのかな?
親族からも見放され、周りから関わるとろくなことにならないと言われるほど素行が悪かった石倉と付き合い、周りから別れたほうがいいと言われても、自分とつきあったらまっとうな人に変わるんじゃないか、という快彦の母の考えには納得できなかったなー。別れようとしても脅され、ストーカーのような男に対して、もっと他にやりようがあったのでは?と疑問だった。