薬丸岳のレビュー一覧

  • 悪党

    Posted by ブクログ

    犯罪被害者の家族の依頼を受けて出所後の犯人の現状を調査する探偵事務所の唯一の探偵。
    彼もまた犯罪被害者の遺族であり、姉を殺した犯人への復讐を動機にこの仕事をしており、犯人グループの今の姿を順番突き止めていく。
    最後はハッピーエンド的になっているものの、犯罪者達があまりに卑劣で読んでいて苦しくなった。
    金の亡者の如く語られていた所長が実は格好良すぎるくせに警察官を辞めた理由が分からないのと、謎の事務員であるお染さんが最後まで謎の存在のままだったところが不完全燃焼かな。

    0
    2025年03月28日
  • アノニマス・コール

    Posted by ブクログ

    薬丸岳さん作家10周年記念作品のようでした

    主人公の元刑事は、警察の理不尽な陰謀の標的となり、辞職して離婚、小学生の娘とも音信不通の生活
    そこに娘が誘拐されたらしいという電話が
    警察を信じられない男は協力者を得て
    自分で誘拐犯に挑む
    警察の闇、政治家の圧力等興味深く読みました
    現場を移動しながら展開もスピードがあり
    緊張感が続きます
    クライムサスペンスという範疇でしょうか
    タイトルをアノニマスとしたところがポイントかと思います
    犯人像としては多少無理があるかなと感じました

    0
    2025年03月27日
  • 刑事のまなざし

    Posted by ブクログ

    「小説現代」掲載の連作短編7編

    主人公は罪を犯した少年達の更正を手助けしたいと法務技官となった夏目
    一人娘が暴漢に襲われた事をきっかけに
    警察官へと転職を果たす
    刑事となってから向き合った事件を
    切ない事情と大切な人を庇いたい背景と共に

    ラストの「刑事のまなざし」は、
    未成年時の自分の犯罪が自身に巡り巡ってくる
    夏目により正しい裁きを得るのだけれど
    果たして夏目は許せるのかと思う
    「オムライス」が、事件の背景としては一番辛くて悲しい  息子よりも愛人を優先する母親

    穏やかな語り口から犯人の深層心理に向かう
    読み応えある短編集で シリーズになっているようです

    0
    2025年03月22日
  • 天使のナイフ 新装版

    Posted by ブクログ

    the薬丸という話。
    面白かったが、最後に話を詰め込みすぎ感は否めず。丸山と歩美が共犯という展開は雑だと感じてしまった。

    0
    2025年03月20日
  • アノニマス・コール

    Posted by ブクログ

    薬丸岳の長編。
    3年前の出来事で失職した元警察官が、ある電話をきっかけに娘の失踪を知る。やがて身代金1千万円を要求する匿名電話(アノニマス・コール)が届き…。

    警察もので誘拐サスペンスというのは王道であるが、警察内部の隠蔽体質や闇を描いたという点ではこれまでのものとは少し違う。また身代金の受け渡しのため、犯人からの指示通りに、大森、新橋、池袋、高田馬場…あちこち東京中を移動するさまが妙にリアルでした。前半はやや展開が遅かったが、中盤から終盤にかけての目まぐるしい展開がなかなかスリル満載でした。

    アノニマス・コールとは非通知電話のこと。最後まで犯人がわからずにやきもきしたが、最後はネタが明か

    0
    2025年03月07日
  • 闇の底

    Posted by ブクログ

    重いテーマで、主人公の移ろう心情が気になりました。
    犯人の目星も付けていたが、まんまと騙されました。

    0
    2025年03月03日
  • 死命

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こういう快楽系の殺人事件は、女として読んでいてほんとに胸糞わるくなる。
    しかも、どうして犯人がそういう事件を起こすことになった過去を知ったとしても、全く納得も出来ないし、許す事なんて1ミリも出来ない。
    それに加えて、犯人の彼に殺されかけた事があるにも関わらず、彼のことを思いつづける澄乃にも全く共感できなかった。で、最後の最後でようやく彼の本性を知り絶望の中で、彼の子供を身ごもりながら事故で亡くなる澄乃…
    救いが無さすぎる展開の中、最後蒼井が犯人を捕まえ、子供達に看取られながら、妻の元へ旅立てたのだけが唯一の救いだった。

    0
    2025年03月02日
  • 天使のナイフ 新装版

    Posted by ブクログ

     これは著者が江戸川乱歩賞を受賞して、小説家として生計を立てる出発点となった小説だ。流石にストーリーはよく練れていて飽きさせない。オーディブルで聴く場合に、テンポが良くないと集中できないのだが、この作品は集中が途切れない。

    0
    2025年03月02日
  • ガーディアン

    Posted by ブクログ

    中学時代って子供以上大人未満の微妙な時期だったなあ。また幼稚であり、残酷なことも平気でやれる時期だった…

    小説の主人公は中学教師。赴任した中学校は今までの学校とどこか違うことに気がつく。いじめもなく、不良もいない…やがて生徒たちの中に『ガーディアン』という自警団がいることを耳にする…そのガーディアンのメンバーたちは、問題のある生徒らに次々に「制裁」を行っていた…そしてガーディアンについて調べていると、教師である自分に対しても制裁(生徒全員から無視され、根も葉もない噂が立てられる)が加えられる…なかなか現代の教育現場に一石を投じるような内容でした。

    難点としては学校ものなので、視点人物(物語

    0
    2025年02月27日
  • ラストナイト

    Posted by ブクログ

    薬丸さんらしく、読み易い物語でした。5人の登場人物の視点がそれぞれクロスオーバーしていく展開は新鮮でしたね。ただ、他の薬丸さんの著書と比べると、少しテーマに深みが足りないような気がしました。片桐は不器用過ぎるというか、もう少しやりようがあったのではないかと思ってしまいます。

    0
    2025年02月16日
  • 逃走

    Posted by ブクログ

    なぜ加害者は逃げているのか、と気になりながら一気読みした。薬丸岳さんの作品は読みやすく、好きだなぁと思う。

    0
    2025年02月15日
  • アノニマス・コール

    Posted by ブクログ

     あることをきっかけに警察をやめた朝倉真志は、できるだけ人と関わらないように暮らしてきた。ある日、自分の携帯にかかってきた電話からかすかに娘の声が聴こえたような気がしたため、ずっと連絡をとっていなかった、同じく元警察官の妻・奈緒美に連絡をする。友達と出かけているはずだと思い込んでいた奈緒美だったが、連絡をしてみると娘は友達とは一緒におらず、本当に誘拐されていることが判明する。

     警察に頼れない(頼りたくない)ばかりに、昔自分が逮捕した情報屋の男や、知り合って日の浅い青年の力をかりながら、自らの手で誘拐犯に挑むことになる真志。本当の退職の理由を知らずにいまだに真志に敵意をむける奈緒美も実際に取

    0
    2025年01月31日
  • 闇の底

    Posted by ブクログ

    幼い少女を狙った性犯罪が起こり、埼玉県警の長瀬はその捜査に乗り出す。
    長瀬には過去に妹を殺された過去があり、同様の事件が起こる度に怒りを覚える日々だった。
    そんな時、卑劣な犯行を殺人で阻止するという処刑人サンソンという人物が現れ、過去に子どもへの性犯罪を行ったことのある人物たちを次々に殺めていく。
    警察としては黙って見ているわけにはいかない。
    過去に犯罪歴があったとしても、彼らを守らなければならない。
    しかし、長瀬は過去のこともあり、サンソンに共感していることを隠すことが出来なかった。
    そして、サンソンと長瀬は徐々に引き付けあっていくことに。
    話の流れが、サンソンという人物の影をちらつかせ、も

    0
    2025年01月30日
  • 死命

    Posted by ブクログ

    うーん、快楽殺人者がそれを追う刑事が共に胃がんの末期で最後はふたりとも死んでしまう。
    澄乃が信一に扼殺されなくて良かったけど、主役のひとりなのに交通事故であっけなく死んでしまうなんて。
    幼なじみでお互い両思いだったのにふたりの間にいったい何があったのか澄乃が二度も裏切ったってなんなのか、そこが知りたくて最後まで読んだけど、なんとも下世話な内容だった。
    いくら水商売でも尻軽でもあんな殺され方はない。
    それは親からの生育歴の問題のように書いてあったけど、それは信一の先天的な性癖なんだろうと思う。
    読んでいて胸くそ悪くなった。

    0
    2025年01月21日
  • その鏡は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    今まで読んだ薬丸作品とは違うテイストの作品だった気がする。最初のうちはストーリーが今ひとつ掴めなくて中弛みな感じだった。でも、事件が解決に向かって出口が見えてくると盛り上がってきて納得の面白さだった。
    検事と刑事の両方で事件解決に向けて同時進行していくのも面白かった。

    0
    2025年01月21日
  • 刑事弁護人

    Posted by ブクログ

    大事な局面で誤った選択をしてしまった事で、周囲の人が傷つきどんどんこんがらがってしまった。涼香の一見相手を思っての行動が、ことごとく悪い方を選んでしまっている事に、読んでて不快感を感じてしまった。
    真実をねじ曲げるのはやはり良くないんだろうな。たとえ真実が明るみになって傷つく人がいたとしても、それは真実として受け止めないといけない、辛いけど…
    西弁護士に共感。
    でも自分だったら、相手の気持ちに寄り添わなきゃと思ってしまう。

    0
    2025年01月18日
  • 友罪

    Posted by ブクログ

    書店でポップに目を惹かれて買った。めっちゃ分厚くて時間かかるかなと思ってたけど内容おもろすぎて一晩で読めた

     「心を許した友は、あの少年Aだった」がキャッチフレーズで、それを軸に話が進むねんけど、もし自分の身近にいる人、好きな人、信頼してる人の過去が少年Aだったら、そのことを知ってしまったら、私やったら距離を置いてまうな〜って思った。でも読んでいくうちに受け入れることもできるんかな、ってめっちゃ心が揺らいだ。更生してたら許せんのかな?でもなにをもって更生と言うんかな?被害者遺族でもない世間一般が許すってなんなん?ってなんか色々考えさせられた。

     大学の授業で少年法について学ぶ機会があって、

    0
    2025年01月18日
  • 誓約

    Posted by ブクログ

    なかなか無理な感じの設定だなぁ、って。
    途中、先に進まない、展開が同じような、みたいな状況で少しダラける。
    犯人はやっぱりかぁ、と思ったけど、そこまでするかと。共感できないわー。M氏が気の毒だったなぁ。
    面白くないわけではないけど、現実離れした感じと、展開のダラダラ加減が残念だった。

    0
    2025年01月17日
  • その鏡は嘘をつく

    Posted by ブクログ

    シリーズ第二弾は長編。
    対照的なキャラクターである夏目刑事と志藤検事の描写が交互に入れ替わる事によって、2人のアプローチの違いや少しの共通点がより明確に感じられる。
    事件の真相に関しては、幾度となく仮説を立てては否定される繰り返しで、最後まで想像できずに読者の関心を失わない。但し、イマイチ被害者も犯人もリアリティに欠けるかな。

    0
    2025年01月16日
  • 虚夢

    Posted by ブクログ

    札幌にある街なかの公園で無差別通り魔事件が起こるが、犯人は憲法第39条により不起訴になる。
    目の前で娘を殺傷され自身も重体に陥った母親。徐々に壊れていく母親を支えきれなくて別れてしまった夫。
    母親の執念をみました。

    道内での話しで知ってる場所がたくさん出てきたのですが、昔の職場が登場した時は、おぉーっとなりました。

    0
    2025年01月13日