佐藤青南のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ誤解を恐れずに言うならば、これはサイコパス小説である。
理由さえあれば人間を害することに対して抵抗は覚えないが、犬を傷付けることだけは何があっても絶対に受け入れられない、というタイプのサイコパスに備わる心理こそが物語の核となっている、という恐ろしい小説だ。
そしてここには、そのような犬偏愛型サイコパスに暗く深い共感を抱いてしまう私がいる。
松本も木戸も私も、そしてもしかしたら著者もあちら側…いやこちら側?
私からすれば、人間こそが生物界の頂点に立つ優越的な種だとみなし、社会の中でもぞもぞと蠢くマジョリティたちの方がよほど愚かだと感じるが、まあ一般的には今作中のサイコパスたちに共鳴する私のような -
Posted by ブクログ
ネタバレインタビュー形式で進んでいくため、慣れるまで視点の変換にやや苦労しました。
ミステリーとしては、想像以上の出来事が待っていて最後まで楽しむことができました。
自身も保育を学んできたため『児童虐待』のテーマは感情移入をしてしまいやすいですが、だからこそ子どもという存在の難しさを改めて感じました。
酷すぎる虐待をしてきた両親のせいで、一番苦しんできたはずなのに結局自分も同じことをしてしまう…さらにはその親も虐待を受けてきた…虐待の連鎖と我々はもっと向き合わないといけないんですね。
そしてどんなに周囲のソーシャルサポートが希望を持って接していても良い結果はなかなか生まれない現実に、苦しくなりました。 -
Posted by ブクログ
佐藤青南『不純正律 上』中公文庫。
絶対音感刑事・鳴海桜子シリーズの最新作が書き下ろしの上下巻で2ヶ月連続刊行。
警察音楽隊志望で音大から警察官になった異色の刑事、鳴海桜子が再び捜査一課の音喜多玄とコンビを組み、連続殺人犯に迫る。
既に上巻では連続殺人犯の正体が明らかにされているのだが、下巻ではどのような決着を付けるのだろうか。
都内のアパートで男子大学生が殺害される。捜査一課の音喜多弦は再び、鳴海桜子刑事と共に捜査を開始する。被害者の足取りから、セレブのホームパーティに辿り着くのだが、そこには、桜子の父で音楽家の薬丸昭治から音喜多が捜索の相談をされた女子大生の姿があった。
セレブ