佐藤青南のレビュー一覧
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これは...「凄い」(^ ^; 緻密なストーリーの組み立てが凄い(^ ^; 犯人の行動の原動力となっている「狂気」も凄い(^ ^;
⚪︎⚪︎ガールシリーズで知られる佐藤西南氏だけあって、メインの探偵役はいたいけな(?)女性刑事。温大卒で音楽隊採用なのに、なぜかバリバリの一線で刑事として活躍している。が、起こる事件は陰湿で根が深く、その背景もかなり救いがない。
章ごとに過去と現在を行ったり来たりする構成で、最初のうちは何が何やらさっぱり分からない(^ ^; 刑事たちは「現在」でとある殺人事件を追っている訳だが、過去の登場人物は事件とは何の関係もない子供達で...(^ ^; でも、ジグソーパ -
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前作が面白かったので、「その前」のシリーズ第一作を買いに行ったら、売ってなくて(^ ^; 代わりに「第三弾」である本書を購入。安定の面白さと、相変わらずの「中学生の初恋」レベルのもどかしい恋模様が微笑ましい(^ ^
が、今回は序盤からいつになく不穏な動きが見え、終盤に向かってサスペンスフルな展開が(^ ^; 章タイトルの「名探偵たち」に込められた、意外な真実(?)に驚く(^ ^; クライマックスの意外すぎる幕引き(^ ^; ...と、後半は怒濤の展開(^ ^; 管理官に配られたお菓子食ってる日常とのギャップがすごい(^ ^;
気がつけばあっという間に読み終わっていた、という感じの一冊(^ -
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何の予備知識もなく、「あ、佐藤青南...」程度で手に取って購入。おかげで、これがシリーズ物の「第二弾」であることに読み始めてから気づき(^ ^;
登場人物紹介的な意味では、やはり「途中参加」なので若干分かりづらい部分もあったが、大筋としては本作から読み始めても無問題。ストーリー的には一話完結の連作短編集。
主人公と「万里眼」先輩とのビミョーな関係性が、前作を読んでるともっと分かるのかも知れないが、何というか「中学生向けラブコメ」みたいな感じで(^ ^; もどかしくもくすぐったい(^ ^; 惜しむらくは、ネガティブスパイラル陰キャの主人公に、「好意を寄せられる」要素がもっと見えると、納得した -
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なんだろう、このタイトルは?エアコンのメーカーのような、女子中学生のヘアスタイルのような。
佐藤青南さんのこのシリーズは8作目、比較的飽きないのは、毎回新しいキャラが登場するからだ。
今回は短編4作。楯岡絵麻、西野ペア、筒井、綿貫ペアも健在で、面白い。そこに既出の人物や新キャラが加わり、新しい展開も予想でき、今後が楽しみになった。
今回も行動心理学用語でバーナム効果が出てきた。フォアラー効果とも言うが、一般的に当てはまる事を占い師が言って信用させる手法のひとつだ。新キャラは、林田シオリ、彼女もわかっているようだ。
そして題名の意味が最後の最後でわかる。と同時にゾクっとした。終わり方も秀逸だ -
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今回の題名は、魅力的な題名だ。視覚的断崖という三次元の感覚は生まれながらに人は持っているのだろう。YouTubeなどで見かける下がガラスで絶壁のところには、たとえ安全だと分かっていても、恐怖心から足を踏み入れたくないものだ。
題名だけでなく、登場人物にも魅力を感じる。6冊目にして最強のボスキャラが出てきたようにも感じる。私の恩師は他界したので、話すこともできないが、懐かしさが込み上げて来た。
催眠商法から始まり、その店主が殺害される。そこから事件がさまざまな方向に散らばっていく。読み応えがある作品だ。
SF商法と借りの心理、返報性の法則、なんだか私自身が引っかかった経験がある。同調効果は日 -
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楯岡絵麻シリーズの2作目。前作は取調室から出た描写が無かった絵麻が出ていく。
最初は元高校美術部教師、意外な展開があるので面白い。絵麻のことばに「お金とか肩書きの問題じゃない。人柄が良くないと、一緒にいても疲れちゃうわよ」とある。その通りである。では人柄が良いとはどんな状態だろう。言葉遣い、気遣い(相手への思いやり)、傾聴する態度、思い込みで判断しないなど、枚挙にいとまが無い。
プログラマーの取調べにおいては、取調べの可視化を求める弁護士が絡む。ここでも楯岡絵麻のことばが印象深い。「弱者を装う強者の権利主張ほど、たちの悪いものはない」、なるほどと納得できる面がある。「人格障害的な資質は、カリ -
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シリーズ3
人気ロックバンド・ツートーンズのトランペット担当、古溝祐樹が、自宅近くのマンションから、転落死した。
捜査の結果、殺人事件の可能性が高いと判明。
捜査一課の音喜多弦は、一年ぶりにコンビを組む、鳴海桜子と再会する。
最上一雄がふざけて、音喜多の山高帽を被っているところに出会して、相貌失認の鳴海が、音喜多と間違えて挨拶すると言うハプニング付きで。
事件の内容より、30歳にもかかわらず、食いしん坊で、天然で、それでも、キャッチするところはすると言う、鳴海に目が離せない。
最終章では、鳴海の、異母妹と出会うと言う、ハプニング。
しかも、その事は、音喜多しか知らない。
次回作があるか -
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佐藤青南『残奏』中公文庫。
『音楽隊採用刑事・鳴海桜子』シリーズの第3弾。今回も文庫書き下ろし。
前回の事件から1年後、再び捜査一課の音喜多弦が、警察音楽隊志望で採用された変わり種の所轄署刑事・鳴海桜子とコンビを組む。鳴海桜子は相貌失認で他人の顔を判別出来ないが、類稀なる観察力で次々と事件の謎を暴いていく。
今回の鳴海桜子は一味違う。恐ろしく変わり者の女性刑事を演じながらも、しっかりと刑事の職務を全うし、音楽家として後輩たちを成長させるのだ。何よりも、ラストで鳴海が犯人に語り掛ける言葉の一つ一つにもの凄く重みを感じた。
人気ロックバンドでトランペットを担当する古溝裕樹が、何者かにより