佐藤青南のレビュー一覧
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今回の題名は、魅力的な題名だ。視覚的断崖という三次元の感覚は生まれながらに人は持っているのだろう。YouTubeなどで見かける下がガラスで絶壁のところには、たとえ安全だと分かっていても、恐怖心から足を踏み入れたくないものだ。
題名だけでなく、登場人物にも魅力を感じる。6冊目にして最強のボスキャラが出てきたようにも感じる。私の恩師は他界したので、話すこともできないが、懐かしさが込み上げて来た。
催眠商法から始まり、その店主が殺害される。そこから事件がさまざまな方向に散らばっていく。読み応えがある作品だ。
SF商法と借りの心理、返報性の法則、なんだか私自身が引っかかった経験がある。同調効果は日 -
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楯岡絵麻シリーズの2作目。前作は取調室から出た描写が無かった絵麻が出ていく。
最初は元高校美術部教師、意外な展開があるので面白い。絵麻のことばに「お金とか肩書きの問題じゃない。人柄が良くないと、一緒にいても疲れちゃうわよ」とある。その通りである。では人柄が良いとはどんな状態だろう。言葉遣い、気遣い(相手への思いやり)、傾聴する態度、思い込みで判断しないなど、枚挙にいとまが無い。
プログラマーの取調べにおいては、取調べの可視化を求める弁護士が絡む。ここでも楯岡絵麻のことばが印象深い。「弱者を装う強者の権利主張ほど、たちの悪いものはない」、なるほどと納得できる面がある。「人格障害的な資質は、カリ -
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シリーズ3
人気ロックバンド・ツートーンズのトランペット担当、古溝祐樹が、自宅近くのマンションから、転落死した。
捜査の結果、殺人事件の可能性が高いと判明。
捜査一課の音喜多弦は、一年ぶりにコンビを組む、鳴海桜子と再会する。
最上一雄がふざけて、音喜多の山高帽を被っているところに出会して、相貌失認の鳴海が、音喜多と間違えて挨拶すると言うハプニング付きで。
事件の内容より、30歳にもかかわらず、食いしん坊で、天然で、それでも、キャッチするところはすると言う、鳴海に目が離せない。
最終章では、鳴海の、異母妹と出会うと言う、ハプニング。
しかも、その事は、音喜多しか知らない。
次回作があるか -
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佐藤青南『残奏』中公文庫。
『音楽隊採用刑事・鳴海桜子』シリーズの第3弾。今回も文庫書き下ろし。
前回の事件から1年後、再び捜査一課の音喜多弦が、警察音楽隊志望で採用された変わり種の所轄署刑事・鳴海桜子とコンビを組む。鳴海桜子は相貌失認で他人の顔を判別出来ないが、類稀なる観察力で次々と事件の謎を暴いていく。
今回の鳴海桜子は一味違う。恐ろしく変わり者の女性刑事を演じながらも、しっかりと刑事の職務を全うし、音楽家として後輩たちを成長させるのだ。何よりも、ラストで鳴海が犯人に語り掛ける言葉の一つ一つにもの凄く重みを感じた。
人気ロックバンドでトランペットを担当する古溝裕樹が、何者かにより -
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シリーズ6冊目で、完結編、らしい。
ホンダではなく、カワサキが主役(木乃美ではなく潤が主役)の本作。のっけからもっっっのすごくテンポが速く、展開がドラマチック。息をもつかせぬ怒濤の展開で、最後まで一気読み必至(^ ^; 途中ちょっとほっこりしたり、意外なラブ展開(?)も挟みつつ、本筋はかなりのハードボイルド。乱闘発砲負傷は当たり前、殺人事件も何のその、クライマックスまでハラハラドキドキが止まらない(^ ^
最後の最後、そう来るか、という告白。その中でもホロリとさせられる展開が(^ ^ 本当に盛りだくさんで隙がない(^ ^ 一点だけ、印象的に出てくる成瀬が「ほったらかし」なのは、作者の狙いか -
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佐藤青南『ストラングラー 死刑囚の悔恨』ハルキ文庫。
シリーズ第3弾。佳境に入り、いよいよ物語は面白くなって来たのだが、テレビドラマのように良い所で終わってしまった。
14年前の風俗嬢連続殺人事件の犯人として死刑囚となった明石陽一郎は冤罪だったのか。最近起きている風俗嬢連続殺人事件は本当のストラングラーによるものなのか。そして、ストラングラーの正体は警察関係者なのか。
そして、簑島朗は『怪物』と化してしまうのか。
捜査一課の簑島朗は14年前の風俗嬢連続殺人事件の冤罪を訴える死刑囚にして元刑事の明石陽一郎の冤罪を証明するための証拠を集め始めるのだが、明石が別件で殺人を犯していたことを知る