佐藤青南のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
セブンス・サインの題名はもしかしてシリーズ7作目という意味なのだろうか?それとも、隠された7つの行動があるのだろうか?
危機に瀕した動物の行動の3つのF、硬直、逃避、戦闘、さらにもう一つ先にフェイス(信仰)が加わった。今回もウィンザー効果やカラーバス効果など、心理学的な事象が織り込まれていて楽しめた。
後半で、エンマ様の元カレの塚本が再登場した場面から、何かが起こると期待が膨らむ。また絵麻が危険な目に遭うのだろうかと読み進めたが・・・。
自己愛性パーソナリティ障害は身近にも存在する。程度の差はあれ、人の内面を蔑ろにして金や私利私欲に向かうのは人の常なのだろうか?もしそうであるなら、残念だ -
Posted by ブクログ
題名のストレンジ・シチュエーションって、直訳すれば変わった状況だろうか。心理学用語だと、愛着理論として有名だが・・・この題名が作品にどう関わるのか楽しもうと、本書を手に取った。
予言の自己実現性はまた古い論文からの引用だと感じた。ピグマリオン効果もそのひとつだったと記憶している。作品は4章で章ごとに歪んだ愛が描かれている。最初の事件が、織り込まれているものの、短編に近いと感じる。
綿貫の同期を思う気持ちもストレンジシチュエーションだ。最終章に向けて盛り上がってくる、ハズだ。絶対。きっと。たぶん・・・
新橋の居酒屋でスッキリビールをあおるというより、哀愁を払拭するために飲みたい気分になった。 -
Posted by ブクログ
なんとなく書店で見かけたのが読むきっかけ。
手にとって「このシリーズってTVドラマでやってたな」と出演の俳優を思い出し購入。
青南作品は初めて。
作者と同名のヒールと主人公との対決!
「企画ものじゃん」という冷めた読み始め。
最初は退屈に思えたが
業界の裏話的なものを交え
実際そのように思っている作家もいるんじゃないの?と想像させられ、
いつの間にか物語は中盤から終盤へ。
読んでる気持ちも物語の展開に乗せられ、
最後のクライマックスへ。
事件解決と思ったところで次回につながるようなにおわせ。
企画に乗せられたのかもしれないが有意義であった。 -
Posted by ブクログ
題名に拘る私としては、これまでの三作とも題名が強調されていないように感じる。
本作は4つの物語ではあるが連作として描かれている。4つの章の題名にもしっくり来ないのが残念だ。
インサイドフェイスという題名に対し、ひとつ目は「目は口よりもモノを言う」、大学の基礎心理学ノンバーバルコミュニケーションで学んだ記憶が蘇る。しかし、内容はこれまでと大差がない。
「狂おしいほどeyeしてる」は、想像がついてしまった。絵麻がなだめ行動を見極めるのは顔だけでないので、余計にインサイドフェイスという表現がしっくり来ない。繋がりがあるともっと良かったのにと思う。
「ペテン師のポリフォニー」は多少わかる気がする -
Posted by ブクログ
佐藤青南さんの作品は「犬を盗む」を読んで面白かったので、これが2冊目だ。そして楯岡絵麻のシリーズのはじめでもある。題名にも興味がそそられる。
大脳辺縁系と大脳新皮質、そして人間の心理としての逃避行動で犯人の真実を見抜いていく。
マイクロジェスチャーを見逃さない能力に長けている。取り調べ専門のようだ。なにせ自供率100%という凄さだ。
後輩の西野と主人公の楯岡絵麻のやりとりもワンパターンだが、アクセントになっている。
幼児誘拐犯から始まり、歯医者、占い師、女優、自称音大院生の結婚詐欺師たちの真実を暴いていくのは爽快さも感じる。
女優の時は、最後に意外な結末が待っていた。これは予測できなかった -
Posted by ブクログ
110番通報での対応だけでたちどころに事件を解決する「万里眼」シリーズ3作目。前作に比べるとママ友に放火された「ママ友大戦争」とか飛び降り自殺を阻止する「常連自殺志願者の憂鬱」とかといった通報からの真相は捻りが効いていると思う。やんちゃ小学生、海斗君の恋の相手が万引きする話は話の方向はいいけど万里眼過ぎでは?そして最後「名探偵たちです」の「万里眼」への復讐の為に拉致監禁されたのがいぶきさん!「万里眼」不在でどう電話のやり取りだけで解決するのかと思っていたらある人物登場で成程、だったのにそんなに活躍が語られなくて残念。ミキさんと和田さんに発破かけられ、自身の気持ちをやっと認めた早乙女君。危機を越