佐藤青南のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
このインタビュー形式で進んでいくのは、湊かなえさんの告白と同じだけど、私は気にぜずにすんなり読めました。
亜紀ちゃんの人を上手く使う本性や、最後のイヤミス的な結末、終わらない不幸の連鎖。
先が気になり一気に読みました。
児童虐待のシーンは、フィクションだけど何処かでは現実の出来事だと思うと読むのが辛かった。
そして、こんなに日本の児童福祉の現状について考えさせられるとは…
私には娘が一人居ますので、自分自身とても考えさせられる一冊になってしまいました。
話の仕掛けや結末等よりも、自分のしてきた子育てと呼ばれるものを思い出し、物思いに耽りました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ捜査一課の音喜多と音楽隊志望の所轄刑事・鳴海とペアを組んで捜査する事に。鳴海の風変わりな言動に戸惑いつつも、徐々に鳴海の刑事としての才能に気づき…
容疑者の生い立ち、そして愛した人への執着が異様で怖かったです。
小学生の頃助けられた恩を感じて殺人の手助けをした弥生も、中村に対して愛情を感じた訳ではなく同情だったのも何だか切ない。あの状況で唯一の救いだったんだろうけど、執着された弥生もある意味被害者だったのかもしれないですね。
過去と現在が交差して、徐々に事件の背景が繋がった時、何とも言えない気持ちでした。
音喜多と鳴海は良いペアになりそうで、続編希望です。 -
Posted by ブクログ
佐藤青南『連弾』中公文庫。
恐ろしく観察力が鋭く、警察の音楽隊志望という変わり種の所轄署刑事・鳴海桜子が主人公の書き下ろしミステリー。身元不明の男性の他殺事件が驚くべき過去と関連していく過程は見事であるが、少しストーリーが複雑になり過ぎた感じがする。また、楯岡絵麻ほど鳴海桜子のキャラが立っていないのが残念。
都内の小さな公園で身元不明の男性の他殺死体が発見される。捜査一課の音喜多弦は、鳴海桜子と共に事件の捜査を開始する。男性の遺留品のクラッシクコンサートのチケットを手掛かりに関係者を訪れた2人は事件を巡る驚くべき過去と対峙することになる。
本体価格740円
★★★★