佐藤青南のレビュー一覧
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音楽隊採用の鳴海桜子と、捜査一課刑事の音喜多弦がバディを組み、難事件を解決するシリーズの第3弾。
他人の顔が見分けられないながらも、顔以外への観察力で名推理を働かせるが、食べ物に目がない大食漢、桜子のキャラで、この小説クセになる。
今回は、殺人事件の遠因があるということで、桜子と音喜多が北海道に飛ぶ。北海道の食の名産品に貪欲なまでに目がない桜子の行動に思わず笑い。
事件の背景に「いじめ」があり、登場人物の一人が吐く言葉は著者による告発だろう。
「私、思うのよ。見て見ぬふりとか、しかたなくとか、結果的にいじめに加担した・・・っていうほうが、わかりやすい悪意を持っていじめをする人間よりよほどたちが -
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ネタバレ行動心理捜査官…ミステリー好きとしては、そそられるタイトル。
舞台はほぼ取調室。刑事・楯岡絵麻は、被疑者の言動を観察して、嘘をついた時の動きを特定、イエスがノーかだけで犯罪の内容を暴いて行く。「あなたには聞いてない。大脳辺縁系に聞いてる」は、なかなかないジャンルの決め台詞。
全ての事件がスムーズに解決までいくわけではないので、犯人が追い詰められていくワクワク感と、どうやって解決する?というドキドキ感が味わえる。
取調べでの相棒、西野は、身長185センチ、柔道有段者の強面刑事だけど、言いたい事は数あれど、絵麻には絶対逆らえないところが笑える。
絵麻自身の過去も提示されて、この先の話で進展して行 -
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以前同じ作者の別のシリーズ物を読んだ事がありますが、そちらとは全く異なる世界を描いており、すごいな…とまず感服してしまいました。
シリーズ物であるのは知らずに読みましたが、主人公の生い立ちなど最低限の説明はされているのでそんなに気にせず読む事が出来ました。
他者の様々なプライベートに、良い意味で遠慮なく踏み込んでズバッと言ってくれる主人公の姿勢が気持ち良く、読み進めるのに良い塩梅となっているように感じられました。
許されない行為をした加害者の事はしっかりと断罪しつつ、しかしその加害者に対する復讐の正当性は否定する所がただのスカッと物とは一線を画す箇所であると感じました。
クライマックスの解決 -
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ネタバレシリーズ第7弾?
楯岡と西野のやりとりにニンマリしながらのスタート。久しぶりに手に取ったシリーズだったが、いつものキャラがいつもの感じで・・・てな序盤がシリーズものの安心感を醸し出し、一気に物語の世界観に呼び戻してくれた。
カルト宗教絡みのお話はいつ読んでも、信者たちの“本当にそんななの?”とツッコミを入れたくなるような極端な思想に引いてしまう。
しかし、これだけあちこちの媒体で同じような描かれ方をするのだから、きっと現実でもそうなのだろう。
たしかに・・・、それくらい“染められて”なければサリン事件だって起きないし、オウム無き後にまで“アレフが我が街に来るのを住民が反対”なんて話 -
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題名のホワイダニットは推理小説で普通に使っている。語源はwhy did it? なのだが、私が気になったのは、なぜホワイとダニットの間に「・」が入っているのか?だ。英語にしても「・」はない。意図はないのはわかっているつもりだが、わたし気になります。
さて、題名通りなら「動機」を暴くのだろう。動機にのみ焦点を当てる事の佐藤青南さんの勇気や気概が見えるような気がするので、楽しみだ。
動機は行き着くところ、お金か異性絡みか恨みか復讐か知られたくないことがあるかくらいで、サイコパスなら快楽なのでわかりにくい。にも関わらず「動機」が題名だ。面白いに違いない。
竈門炭治郎のように闘気を消すくらい、動機 -
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佐藤青南『ラスト・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻』宝島社文庫。
書下ろし作品。12年続いたシリーズが第11弾にして、ついに完結。楯岡絵麻と宿敵、楠木ゆりかの最終対決。
完結ということもあってか、かなりハードな内容になっている。楠木ゆりかは既に死刑囚として収監されており、楯岡絵麻がどう決着を付けるのかと思ったのだが、無理矢理どうにか着地させたようなスッキリしない結末だった。
やはり、なだめ行動とマイクロジェスチャーだけでシリーズを引っ張り続けるのには無理があったのか。完結するのには良いタイミングだったのかも知れない。
相手のしぐさから嘘を見破る美人刑事『エンマ様』こと楯岡絵麻は、相 -
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ネタバレ公洋、奈々、峰岸の三人の視点から書かれる三角関係の恋愛ミステリーかと思いきや、峰岸の化け物じみた情念がひたすら怖い、甘ったるいだけではない恋愛ミステリーだった。また、「事件が起きてから、実際にはどのようなことが起こったのか?」「峰岸の過去と今回の事件のミッシングリンクは何か?」ということが明らかになっていく展開に驚かされた。それにしても、公洋は職場で上司にパワハラを受けて挙げ句にクビになり(峰岸の謀略)、その後殺されるという気の毒では足りないくらい悲惨な最期だったが、想い人の奈々も好意を持っていた(利用することから始まったが)というのが唯一の救いだったと思った。そう考えると「タイトルは公洋だ