佐藤青南のレビュー一覧
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思わず振り向くような美貌を持った女刑事が被疑者を行動心理学を使って尋問する話です。
海外のドラマでメンタリストというものがあるのですが、それの女刑事版という感じでとても面白かったです。
短編集なので最初の方はあっという間に話が進み、物足りない感があったのですが、最後2話らへんは女刑事の過去の話が出てきたり伏線がじわじわとあって面白かったです。
「私はきみと話してない。きみの大脳辺緑系と会話しているの。きみは黙ってていいから」
この台詞が来ると、お、来た!とわくわくしました。
ただ、数字が付いていないのでどれから読んでもいいのかもしれませんが、シリーズのどれが最初なのかよくわかりませんでした。 -
Posted by ブクログ
行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第3弾。本作も連作短編4編を収める。
第1話・第2話は、テレビドラマの原作にもなった作品で、過去の作品同様主な舞台は取調室。しかし、第3話・第4話は今までの流れとは趣を異にする作品といった印象を受ける。取調室での容疑者の様子を見る「静」の観察ではなく、楯岡と相方の西野が事件現場へと向かい聞き込みをする等、「動」といったイメージである。行動心理を駆使した楯岡の推理が炸裂するミステリー仕立てになっている印象がある。
これはこれで面白いのだが、今後のシリーズ展開を左右するのではという印象がぬぐえない。再び舞台は取調室に戻るのか、それともこの流れを引き継ぎ事件現場 -
Posted by ブクログ
行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズ第2弾。本作は4話収録の連作短編集。前作同様、嘘をつく時の一瞬の動き「なだめ行動」や嘘をつく前の一瞬の行動「マイクロジェスチャー」など、すでにお馴染みとなった大脳辺縁系のパターン行動を読み解き、事件解決に導く。さらに本作では、前作よりも取調室における駆け引きがより際立っているようにも感じる。
また、前作から継続して描かれている楯岡の恩師殺害事件が犯人との直接接触によりクライマックスを迎える点も見逃せない。この事件を除く3話はドラマのシーズン1の原作にもなっているが、この恩師殺害に関してはドラマでは描かれていないので、小説でしか味わえない面白さがある。 -
Posted by ブクログ
病に冒されたベストセラー作家に最期のインタビューをするライター、アルバイト先に現れる女子大生に恋をした大学生、公園で出会ったお姉さんから遠い国のお話を聞くのを楽しみにしている少女―彼らが好きになってしまった“あの人”はいつも自分ではない“誰か”を想っていた。
三つの物語は時を越え、“ある人”の深い愛に結実する。
1つ目の作品を読んで、何かうまく表現は出来ないが、好きな感じだなぁ~と思った。
2つ目の作品を読んで、あー、ありそうだなぁ、こういうの。
男の子の恋心なのに、妙に感情移入してしまった。
あれ?でも3作がつながるようなことが帯に書いてあったような・・・。
3作目、あーーーーなるほど -
Posted by ブクログ
佐藤青南『ストラングラー 死刑囚の推理』ハルキ文庫。
新シリーズの書き下ろし第1作。有名なところではトマス・ハリスの『レッドドラゴン』など、死刑囚や囚人が探偵役となる小説やテレビドラマは様々あるが、果してこのシリーズはどうか……
死刑囚の明石の推理とストーリーも面白いし、この後の続きが気になるのだが、警察官の違法捜査と堕落ぶりが際立っているのが気になった。これは一種の反則技ではなかろうか。
東京都内で発生した『ストラングラー』と呼ばれる連続デリヘル嬢絞殺事件の現場に残された物証等は、14年前に発生した4人のデリヘル嬢を絞殺した事件と酷似していた。事件を捜査する警視庁捜査一課の箕島朗は、東