佐藤青南のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ小説は、色んな人の見方・考え方を感じれるなと気付く作品。
それゆえに、物事に真実はなく、誰がどう切り取ったかによるものなのだなと感じた。
物語の軸は、1本の筋が通っておりわかりやすい。
様々な人から語られるストーリーが、まるで自分がその人と対話しているような錯覚を覚える。
最終章が「連鎖」とあるように、終わり方は少し闇を残す形となっている。
最後のストーリーでは、
最後の一文までは、幸せな家庭を築いていると感じられた。
だが、
・友人を職場のおばさまを排除するための鉄砲玉にしたこと
・小学校からの友人が同棲して幸せな生活を送っていたこと。その後、魔王を倒してもらうほどの恩人になったこと。ただ、そんな人と結婚をしなかったこと
・結婚後も、義父母の手を借りず、自分の手で子を育て上げようとすること
など、亜紀にとっての理想の生活・家族を作り上げる為ならいかなる手段も問わないというような危うさを感じた。
個人的には、亜紀が幸せになるために、手に取りうるチャンスをつかみ続けた人だからこそ、負の連鎖が繋がったとしても、自ら気付き、良い方向に変わっていってほしいと感じた。
総じて、ページを進める手が止まらなくなるような
素晴らしい小説でした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレただただ切ない。これはハッピーエンドなのか?
身勝手な大人のせいでふたりの子供が殺人鬼になってしまった。ふたりはくっつくと思ってたけど亜紀は別の人と結婚をした。小さい頃から亜紀のために頑張ってきて杉本を殺すことまでした彼が無念で切ない。そして前に奥さんに似てる子供と旦那さんと暮らしてる亜紀はほんとに幸せなのか?幸せとは家族とは、考えさせられる作品だった。
・アビューズとは虐待を意味する医学用語です。
・児童相談所には「四十八時間ルール」というものが存在します。虐待の通報ば受けたら、四十八時間以内に児童に接触するというきまりです。
・「助けるけんな、おじちゃんが、必ず助ける」
・児童福祉法第三十三条に定められた児童の一時保護は、児相の職権に基づくれっきとした行政処分です。子どもや保護者の同意のもとに行うとが原則ですが、子どもをそのまま放置することが子どもの福祉を害すると認められる場合には例外とされます。つまり保護者の同意は必要ないとです。私の独断で亜紀ちゃんを児相に連れ帰り、一時保護所に収容することは可能でした。
・ 立入調査とは、当時施行されたばかりの〈児童虐待の防止等に関する法律〉第九条に定められた児相の職権です。この権利を行使すれば保護者の同意を得ることなく家庭に立ち入り、強制的に子どもを一時保護することができます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一話目。人気者を殺ってみた
ユーチューバーが死んだ。容疑者はヤクザの岩政。容疑を否認していたが、楯岡が取り調べを始めると、自供する。しかしまだ隠していることがあるようで…
二話目。歪んだ轍
強盗殺人容疑で捕まった鳥飼はかつて筒井が逮捕した男だった。きっと更生していると思っていた筒井は落ち込む。鳥飼は仲間をかばって共犯者の名前を言わない。仲間をかばっているのではなく、脅迫されているのでは?と疑う楯岡…
三話目。トンビはなにを産む
澤山は娘ともほぼ絶縁状態にある孤独な老人。そこへヘルパーとして通う河北。河北はバツイチで息子を手放していた。そこへ澤山が家の階段から落ち、危篤状態。河北は殴る蹴るの暴行を受けて死亡した…河北は澤山と養子縁組をし、死亡二日前に縁組みが解消されていた。絶縁したはずの娘が戻ってきていた…
四話目。きっと運命の人
無差別殺人を起こそうとして未然に取り押さえられた日比野。日比野はこのままいけば、実刑がつかずに外に出てくるだろう。そうすると日比野は西野の恋人、坂口を狙う、と記者の畑中から坂口自身が脅される…
また連作短篇形式に戻ったようだ。しかしこの一冊には西野くんが恋人坂口さんにプロポーズを切り出し、坂口さんがどう答えるか、というストーリーが流れている。結局、答えはしっかりは出なかったが、西野くんの恋愛関係は上手くいっていると思われる。新たに出てきた総務課のシオリさん。どうこれから関わってくるのだろう。また最後に出てきたシリアルキラーのゆりか。楯岡が西野との絆を感じていることを察して、どのように行動していくのだろう。昔見た「コピーキャット」という映画を思い出した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回も面白かった。全体的に流れるのは西野のキャバクラ狂い。しかも楯岡のマネをしながら女の子を侍らせるというたちの悪いやつ。
1話目がミュージシャンの死亡の話。筒井と綿貫が薬物中毒で死亡という結論を出したのに、楯岡が殺人の可能性を考え始める。楯岡がこれはもう自殺か、と思ったときに筒井たちが見つけた物証が自殺じゃないことを示唆するという劇的な話。
2話目、楯岡の行動がおかしくなってくる。元彼が関係してくるようだ。それとは別に事件が起こる。ご近所トラブルで死なせてしまったという話。加害者の成田は亡くなった妻の連れ子で脳性麻痺の娘を献身的に介護している。一方被害者はゴミの分別などでトラブルになっていて…。
この事件は胸くそ悪いが、想像がついた。嫌な話だ。
3話目、中学生の女の子が4人から暴行を受けた上で死亡。被害者はラインで加害者の一人の悪口を書いたという。スクリーンショットを見た、と誰かが言っていたと。しかし解析では被害者のスマホにそんなことを書かれた形跡はない。誰かが言っていた、と曖昧な話の中、スクリーンショットを見た、という1人の女の子。しかしスマホにはそんな形跡はない。一体どういうことなのか。しかも被害者の死亡は暴行ではなく、鈍器で頭部を殴られたこと。4人は誰も物で殴ってはない、と言う…
これは、なんだかなあ、と思った。反省すればいいって訳ではないけれど、この4人、反省しなさそう。
4話目、この本のバックグラウンドで進行していた感があった事件が表出。楯岡の元彼の公安部の塚本が楯岡に潜入捜査を依頼。塚本はサイコパスだった…
塚本、酷い奴。そんなんだから、結局、裏切られるんだよ。ただこういう狂信的な組織って本当に関わりたくないなあと思うんだけれど、国を憂えているのは彼らにとって真実で、どのように折り合いをつけていくのがいいのだろう、と考えてしまう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回も面白かった。先生の事件に蹴りが一応ついたことになってどんな事件が?と思ったが、刑法39条関係がメインテーマ。
まずは後妻業っぽい被疑者の話。しかし楯岡が担当するのは妻ではなく、実行犯かと目されている妻の弟。何に嘘をついている?
次は離婚した妻を刺した元夫の事件。元夫がかつて巻き込まれたと思われていた娘の殺人まで自供する。筒井による完落ちかと思いきや夫婦には目的があって…
3つめは佐村河内さんを彷彿とさせる事件。詐病は可能か?という話から詐病を騙っているのは誰?という話。
4つめはずっとバックグラウンドで進んでいた話が表に出てくる。この閉鎖病棟にはなにがある?
最後、また犯人死んで終わりか?と覚悟していたので生きててほっとした。自分が事件に巻き込まれて相手が39条で罪に問えなかったら?それが詐病だったら?疑わしきは被告人の利益に、意志なき行為は罪に問えない、納得できるだろうか。