あらすじ
第9回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作の、待望の文庫化です。「今日的テーマを扱いつつ難易度の高いテクニックを駆使し、着地の鮮やかさも一級品」茶木則雄(書評家)。10年前に起きた、ある少女をめぐる忌まわしい事件。児童相談所の所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言から、やがてショッキングな真実が浮かび上がる。巧妙な仕掛けと、予想外の結末に戦慄する!
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Posted by ブクログ
ただただ切ない。これはハッピーエンドなのか?
身勝手な大人のせいでふたりの子供が殺人鬼になってしまった。ふたりはくっつくと思ってたけど亜紀は別の人と結婚をした。小さい頃から亜紀のために頑張ってきて杉本を殺すことまでした彼が無念で切ない。そして前に奥さんに似てる子供と旦那さんと暮らしてる亜紀はほんとに幸せなのか?幸せとは家族とは、考えさせられる作品だった。
・アビューズとは虐待を意味する医学用語です。
・児童相談所には「四十八時間ルール」というものが存在します。虐待の通報ば受けたら、四十八時間以内に児童に接触するというきまりです。
・「助けるけんな、おじちゃんが、必ず助ける」
・児童福祉法第三十三条に定められた児童の一時保護は、児相の職権に基づくれっきとした行政処分です。子どもや保護者の同意のもとに行うとが原則ですが、子どもをそのまま放置することが子どもの福祉を害すると認められる場合には例外とされます。つまり保護者の同意は必要ないとです。私の独断で亜紀ちゃんを児相に連れ帰り、一時保護所に収容することは可能でした。
・ 立入調査とは、当時施行されたばかりの〈児童虐待の防止等に関する法律〉第九条に定められた児相の職権です。この権利を行使すれば保護者の同意を得ることなく家庭に立ち入り、強制的に子どもを一時保護することができます。
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インタビュー形式で描かれる、殺人の告白のお話(?)。
児童虐待やDV等ハードな内容が次第に明らかになっていくも、肝心の殺人についてがなかなか語られず、とうとう明かされる殺人の真実で物語はひっくり返る。
ラストもなかなかに怖い。
Posted by ブクログ
絶対に一気読みした方が面白い一品
ちょっとずつ入れ代わり立ち代わりの証言により
構成されたもの
なので、この人は誰だろう、
この人の証言は、この人の証言より前なのか後なのか
など
自分で予想していくのが
大変なんだけどそれもまたおもしろかった
頭の片隅で、そもそもこの人たちを
取材しているあなたは一体誰???という疑問があって
その答えもワクワクしながら読めた
いや、ワクワクなんて不謹慎
というくらい亜紀がかわいそう過ぎて
でも
亜紀の虐待や、実際の児童相談所の現場は
実際にあることだと受け止めていかないといけないなと
思った
海外では、
虐待されている子供より、虐待している親のほうが、
手厚く、お金をかけて、そうならないようにケアしているらしく
虐待されていた親が子供を虐待する連鎖ってあると思うので
その場の虐待ではなく、そもそもこの連鎖を止めるという対応が大切ですよね
おおう
話がそれた
楯岡絵麻シリーズが大好きすぎて
そればっかりだったけど
他の作品も機会があれば
ぜひ読んでみたいです
Posted by ブクログ
最後まで展開が読めなかった。
色々な人のインタビュー視点で進む。
インタビューしてる人も最後までわからず、最後に全てがつながり、ハッとした。
伏線回収も見事であるし、結末の含みの持たせ方もよかった。
飽きずに最後まで読める。
再読したいなと思った作品。
Posted by ブクログ
全員が被害者。まさにこの一言になってしまった。インタビュアーは?殺されたのは?決して救われることのない世界はある。
「杉本ですね、杉本がやったとですね」 私は祈るような気持ちで、あの言葉を発しました。もしも君枝さんに子どもを愛する気持ちがわずかでも残っているとしたら、きっと私の意図が伝わる。そう信じとりました。最後の賭けです。
Posted by ブクログ
ハラハラと先が気になってあっという間に読み終わりましたが、後読感は良くありません。
重いテーマですので、最後はなんとか伏線を回収しながらも、救われてほしかったと思いました。
ですが告白系、インタビュー系の物語大好きなので、⭐︎4です。
Posted by ブクログ
コレは中々面白かった。
終盤のヒタヒタと怪しげな雰囲気は感じとれ、
最後はヒヤッとしてほーと関心したけど、、
何だか…悲しみが残る終わり方だった。。
Posted by ブクログ
インタビュー形式の小説。
それぞれの人物の細かい描写がインタビュー形式だからこそ滲み出ていて自分が取材者のように感じた。
最後の終わり方含めて、感じてた違和感がうまく回収されて納得できる終わり方だった。
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作品の部類、他の方の感想を見ないで読み進めたので、読み終えるまでわからなかったのですが、いわゆるイヤミス。
取材して回っているのが誰なのか、最後の最後でわかるが、結局誰だったんだ?と鈍い私は考えてしまった。
章タイトルの意味を含んで頭を整理すると、なるほど、でした。
スッキリとはしない結末ながら、伏線が回収されて、読後にいろいろ考えさせられるストーリーでした。
Posted by ブクログ
第9回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞作品。
佐藤青南さんの「連弾」「人格者」と読んで、この作家さんに興味が湧き、デビュー作を読んでみたいと思い、手に取った。
10年前に起きた、児童虐待事件を、
長崎県南児童相談所 所長・隈部と、当時をよく知る関係者へのインタビューとして、交互に展開する。
虐待の連鎖は、止められないのか。
最終章で、インタビューをして回った人物が判明し、そして・・。
ゾーとさせられた。
Posted by ブクログ
インタビュー形式で関係者が当時から現在近くまで、ある少女とその家族について語っていくのだけど、
なるほどね~。
わたしはてっきりこの少女が殺人の被害者なのかと思ってたよ。そう思って読み始めたけど、あれ?違うのか?ってなって真相はなかなかに闇が深い…
児童虐待と不幸の連鎖は分かる気もするし分かりたくない気もする。
児相の抱えるジレンマというか現場の苦労と消耗も何とかしないといけないよね…
今日の国葬のニュース見ながら、元総理の不幸を悼む気持ちはあれど心底税金払いたくね~~~~!!って気持ちになってるので、こういうところに回せないもんかな。ふるさと納税みたく使い道指定できたらいいのに。
Posted by ブクログ
このインタビュー形式で進んでいくのは、湊かなえさんの告白と同じだけど、私は気にぜずにすんなり読めました。
亜紀ちゃんの人を上手く使う本性や、最後のイヤミス的な結末、終わらない不幸の連鎖。
先が気になり一気に読みました。
児童虐待のシーンは、フィクションだけど何処かでは現実の出来事だと思うと読むのが辛かった。
そして、こんなに日本の児童福祉の現状について考えさせられるとは…
私には娘が一人居ますので、自分自身とても考えさせられる一冊になってしまいました。
話の仕掛けや結末等よりも、自分のしてきた子育てと呼ばれるものを思い出し、物思いに耽りました。
Posted by ブクログ
長崎の小さな町で交通事故がきっかけで発覚した義父による虐待案件。被害児童、亜紀を救おうと動いた児相の元所長の話を軸に彼女を取り巻く当時の状況が担任教師や同級生、母親の同僚や児相職員等様々な視点で語られる。それはやがて10年前に起きた事件の真相に繋がり…。インタビュー形式を取っていて外堀から徐々に埋まっていく流れが堅実だと思っていたら最終的に浮かんだ事件の真相は斜め上でおおっとなった。虐待からの逃亡の難しさが最後のやるせなさに繋がるのも上手いが亜紀が不憫過ぎる。何処かに違う道が…ないよなぁ多分。
Posted by ブクログ
児童相談所の所長と取材の聞き手の男のインタビュー形式の進行のもと進む物語。児童虐待がこの本のメインかな。
この種のもの、弱い立場の者を虐待するという者に強い嫌悪感を感じる自分にとって、かなり辛い内容だった。
希望が潰え絶望しかない毎日はさぞ地獄でしかなかっただろう。
虐待する糞な動物(親や人間なんて現したくない)にどんな不幸が起こっても自業自得でしか感じないが。悲劇の連鎖、闇は続いていってしまうのか。
救いがほしかった。でも、これが現実なんだろう。
とにかく辛い物語でした。
Posted by ブクログ
購入してから読み始めるのに少し期間があいてしまった。
そのため、この作品がフィクションかノンフィクションかを忘れて読んでいた。
逆を言えば、どちらかわからないくらい設定が緻密だった。内容は証言をまとめたかのような構成になっている。
「とある事件」に関することを様々な人が、様々な立場で語る。
その中には、直接事件に関りがない人もいる。
共通していることは、うそをついている人はおらず、皆自分の視点からとある物事をとらえている。
複雑な伏線はなく、あっと驚くトリックもない。
しかし、それがこの物語のいい部分である。
いつのまにかこの物語の本筋へと導かれている。
「あっ!そういうことか!」と驚くことはないが、はっと気が付くと、驚くべき事実が目の前に首をもたげている。
タイトルからすでにミステイクは始まっていた。
それに気が付いたときは衝撃だった。
すっきり爽快な解決劇を期待し、真犯人がきちんと捕まるミステリーが好きな人にとっては正直ちょっとしんどい終わり方をする。
そこだけは覚悟してほしい。
Posted by ブクログ
”NO BOOK~"から。自分好みのインタビュー形式ってこともあってか、リーダビリティは高い。サクサク読めて気軽に楽しめる。そういう意味で評点は悪くないんだけど、内容はっていうとちょっと微妙。自分的には東野圭吾がずっと思い浮かんでいたけど、まず、既読感が終始拭いきれない。どんでん返しの謳い文句だったから、それを期待して読む訳で、とりあえずインタビュアーの正体がそれに当たるのだろうけど、逆にそうである必然性が殆ど感じられない。意外性のためだけに取って付けた感じ。最後、自分が虐待母になっているかの展開も、特に目新しいものではない。どんでん返しと聞けばとりあえず当たってきたけど、既読数が増えるにつれ、さすがにもう、ひっくり返るようなインパクトを期待するのは難しいのかもな~。
Posted by ブクログ
このミス大賞。
インタビュー形式で行われるDVの話。
シングルマザーの子供の小学生女子。内縁の夫にDVされる。内縁の夫の子供である妹を実は殺してた。それを察した児童相談所の踏み込んだ所長が母親に内縁の夫がやったと言わせる。
母親は夫を捨てられず。東京の祖母の元に脱出するといいつつ、それは嘘で夫に連れて行ったり。
10年後も女子はいい感じに回りを操って邪魔者を排除したりして、インタビュアーである精神科医と結婚して幸せに暮らす。
Posted by ブクログ
児童虐待をテーマに“ある少女が殺害された経緯”が綴られる。インタビュー形式でお話が進められ、児童相談所の所長を筆頭に虐待されている児童の家族や義理の父、クラスメート、児童が大人になるまでに知り合った友人などが登場する。
読んでいる間ずっと心がザワザワした。
Posted by ブクログ
インタビュー形式で進んでいく物語。
時系列や人が入れ替わるので、ちょっと読みづらいけど、先が気になってドンドン読み進めちゃいました。
あぁ、そーだったんだって、、、
どんでん返しとまではいかないし、彼女自身は何も語らないからちょっと腑に落ちないところもあるけど、とても面白い作品でした。(話の内容的には胃がキュッとなるツラい描写もあり)
Posted by ブクログ
「鍊獄(れんごく)」には、カトリック教会の教義で天国に入る前に小罪を浄化する場所
一時保護所ではさまざまな事情を抱えた子どもをお預かりしとりますが、無事親許に帰ることができるのはおよそ半数程度というのが現状です。
第9回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作の、待望の文庫化です。「今日的テーマを扱いつつ難易度の高いテクニックを駆使し、着地の鮮やかさも一級品」茶木則雄(書評家)。10年前に起きた、ある少女をめぐる忌まわしい事件。児童相談所の所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言から、やがてショッキングな真実が浮かび上がる。巧妙な仕掛けと、予想外の結末に戦慄する!
Posted by ブクログ
何年か前の「このミス」大賞で、タイトルが気になって、読んでみた。
義父から虐待を受けていた少女について、関わった周辺の人たちへのインタビューという形で、過去に何があったのかが解き明かされていく。
時系列順、関係者別ではないので、わかりにくいところもあった。叙述ミステリーなので仕方ないが。発言の中に伏線が隠されていたりするので、後でもう一度読むと「あ~そういうことだったのか~」ということになると思う。
虐待の連鎖は現実に起こっていることなので、断ち切ることが重要だが、児童相談所にそれをすべて負わせるのは酷である。
Posted by ブクログ
インタビュー形式で物語が進む。
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児童相談所の人達がどの様な事をして、どんな対応をするのかとかが結構細かく書かれているのでリアルに感じた。
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終盤に事件の謎は明かされるのだけど、肝心な謎は深まるばかり。
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少女は皆が思う様な子供だったのか…?
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後味のスッキリしない終わり方で読後はイヤ~な気分になれます。
Posted by ブクログ
児童相談所の仕事についてよく分かる内容だった。
虐待をする親、虐待を受ける子の一つの現実が小説の中に表されている。
個人の責任では片付けられない「何か」を何かのままで終わらせておくのではなく、しっかりと社会で暮らす自分たちが意識化していかなければならないのだと感じた。
経験の大切さを実感できる物語だった。
Posted by ブクログ
このミステリーがすごい大賞優秀賞。
ある少女について、児童相談所長、小学校教師、同級生らのインタビューで構成される。
ラストは確かに「こう来たか」と思ったが、ミステリーいうより児童虐待、DV現場の話である。
人手不足、専門家不足の児童相談所、無責任なマスコミをはじめとした外野の声、著者は一石を投じたかったのだと思う。
Posted by ブクログ
彼女と同じく妹がいて両親がいる少女が命を奪われた現実と併せ読むのがつらかった。
この小説のラストと現実の事象、どちらがより辛く苦しいのかわからない。わたしに何かできないだろうか。助けさせてくれないだろうか。ずっと長い間考えてる。でも考えても考えても見えない。
Posted by ブクログ
私の周りには、自立していける女性は普通にいる。ですが1人なら問題ないようでが子供がいると中々難しいようです…よ。
家庭環境って本やドキュメントを通し、また周りで現実にあった事をして知っています。どんなに劣悪でも根気強く助け合い、本気で自立させる事を目標にしていれば大変だけど良い影響がでる。守られてるて実感があるんですよ。逆に、途中で投げ出したら…幼い頃の心の傷は深くなる。子供を守れなかった大人達は代償を因果応報で受けて、そして遺伝していく。現実だからこそこんな物語がなりな立つんです…そんな経験した子供たちは、自意識がついたら損得勘定になるの当たり前で…大人になって覆すのは至難。
私たちもそうです。毎日悪い事が続けば損得勘定は働く…幼い時期に、もし毎日が悪い事しかなければ、歪んでいくのは当たり前だと思う。。。そんな幼き頃の体験は、大人になると思うと怖い……