【感想・ネタバレ】ある少女にまつわる殺人の告白のレビュー

あらすじ

第9回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作の、待望の文庫化です。「今日的テーマを扱いつつ難易度の高いテクニックを駆使し、着地の鮮やかさも一級品」茶木則雄(書評家)。10年前に起きた、ある少女をめぐる忌まわしい事件。児童相談所の所長や小学校教師、小児科医、家族らの証言から、やがてショッキングな真実が浮かび上がる。巧妙な仕掛けと、予想外の結末に戦慄する!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

はじめの部分はあまり慣れなかった。
どういう形で物語が進んでいくのか読めず、核心もなかなかでてこない。
少女の虐待についてのさまざまなひとの証言らしいことがわかると、次第に早く次へ次へとのめり込んでいった。

少女が殺された話かと思ったが、
もしかしたら違うかもしれないと勘ぐりはじめ
誰が殺されたのかは終盤までわからず、
ただ、まあ多分アイツが死ぬんだろうなという予測がだんだんつく。

自分含め、おそらく多くの読者のその予想は当たることになるが
まさか殺人がその1件だけじゃなかったことは予想外だった。そしてそれに手を下した人物も。

悲しく、そしてゾッとする結末。
あまりにも救われない物語。
軽く関わっただけの証言者はともかく
深く関わっている主要人物の誰も救われない。
幸せになったのは…誰??


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2025年12月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小説は、色んな人の見方・考え方を感じれるなと気付く作品。
それゆえに、物事に真実はなく、誰がどう切り取ったかによるものなのだなと感じた。

物語の軸は、1本の筋が通っておりわかりやすい。
様々な人から語られるストーリーが、まるで自分がその人と対話しているような錯覚を覚える。

最終章が「連鎖」とあるように、終わり方は少し闇を残す形となっている。

最後のストーリーでは、
最後の一文までは、幸せな家庭を築いていると感じられた。

だが、
・友人を職場のおばさまを排除するための鉄砲玉にしたこと 
・小学校からの友人が同棲して幸せな生活を送っていたこと。その後、魔王を倒してもらうほどの恩人になったこと。ただ、そんな人と結婚をしなかったこと
・結婚後も、義父母の手を借りず、自分の手で子を育て上げようとすること
など、亜紀にとっての理想の生活・家族を作り上げる為ならいかなる手段も問わないというような危うさを感じた。

個人的には、亜紀が幸せになるために、手に取りうるチャンスをつかみ続けた人だからこそ、負の連鎖が繋がったとしても、自ら気付き、良い方向に変わっていってほしいと感じた。

総じて、ページを進める手が止まらなくなるような
素晴らしい小説でした。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ただただ切ない。これはハッピーエンドなのか?
身勝手な大人のせいでふたりの子供が殺人鬼になってしまった。ふたりはくっつくと思ってたけど亜紀は別の人と結婚をした。小さい頃から亜紀のために頑張ってきて杉本を殺すことまでした彼が無念で切ない。そして前に奥さんに似てる子供と旦那さんと暮らしてる亜紀はほんとに幸せなのか?幸せとは家族とは、考えさせられる作品だった。

・アビューズとは虐待を意味する医学用語です。

・児童相談所には「四十八時間ルール」というものが存在します。虐待の通報ば受けたら、四十八時間以内に児童に接触するというきまりです。

・「助けるけんな、おじちゃんが、必ず助ける」

・児童福祉法第三十三条に定められた児童の一時保護は、児相の職権に基づくれっきとした行政処分です。子どもや保護者の同意のもとに行うとが原則ですが、子どもをそのまま放置することが子どもの福祉を害すると認められる場合には例外とされます。つまり保護者の同意は必要ないとです。私の独断で亜紀ちゃんを児相に連れ帰り、一時保護所に収容することは可能でした。

・ 立入調査とは、当時施行されたばかりの〈児童虐待の防止等に関する法律〉第九条に定められた児相の職権です。この権利を行使すれば保護者の同意を得ることなく家庭に立ち入り、強制的に子どもを一時保護することができます。

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2025年12月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童福祉の現場の実態や問題がリアルに描かれていて胸に刺さります。(10数年前の作品なので今は変わっているかも?)
これがイヤミスっていうのかな。後味はあまり良くない作品ですね。毒親が毒親を再生産するんですかね‥。良心で頑張っている児童相談所の職員が哀れに思いました。
とにかく、子どもへの暴力は絶対に良くない!
表紙の女の子(おそらく亜紀)はよく内容を表していますね。身体は子どもだけど顔は大人。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全員が被害者。まさにこの一言になってしまった。インタビュアーは?殺されたのは?決して救われることのない世界はある。

「杉本ですね、杉本がやったとですね」  私は祈るような気持ちで、あの言葉を発しました。もしも君枝さんに子どもを愛する気持ちがわずかでも残っているとしたら、きっと私の意図が伝わる。そう信じとりました。最後の賭けです。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童相談所の所長と取材の聞き手の男のインタビュー形式の進行のもと進む物語。児童虐待がこの本のメインかな。
この種のもの、弱い立場の者を虐待するという者に強い嫌悪感を感じる自分にとって、かなり辛い内容だった。
希望が潰え絶望しかない毎日はさぞ地獄でしかなかっただろう。
虐待する糞な動物(親や人間なんて現したくない)にどんな不幸が起こっても自業自得でしか感じないが。悲劇の連鎖、闇は続いていってしまうのか。
救いがほしかった。でも、これが現実なんだろう。
とにかく辛い物語でした。

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2020年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

このミス大賞。

インタビュー形式で行われるDVの話。
シングルマザーの子供の小学生女子。内縁の夫にDVされる。内縁の夫の子供である妹を実は殺してた。それを察した児童相談所の踏み込んだ所長が母親に内縁の夫がやったと言わせる。

母親は夫を捨てられず。東京の祖母の元に脱出するといいつつ、それは嘘で夫に連れて行ったり。

10年後も女子はいい感じに回りを操って邪魔者を排除したりして、インタビュアーである精神科医と結婚して幸せに暮らす。

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2025年11月26日

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