佐藤青南のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ誤解を恐れずに言うならば、これはサイコパス小説である。
理由さえあれば人間を害することに対して抵抗は覚えないが、犬を傷付けることだけは何があっても絶対に受け入れられない、というタイプのサイコパスに備わる心理こそが物語の核となっている、という恐ろしい小説だ。
そしてここには、そのような犬偏愛型サイコパスに暗く深い共感を抱いてしまう私がいる。
松本も木戸も私も、そしてもしかしたら著者もあちら側…いやこちら側?
私からすれば、人間こそが生物界の頂点に立つ優越的な種だとみなし、社会の中でもぞもぞと蠢くマジョリティたちの方がよほど愚かだと感じるが、まあ一般的には今作中のサイコパスたちに共鳴する私のような者が相対的に歪んだ存在とされるのだろう。
さすがに金属バットで肉親を殴り殺して平気でいられる素養はないが…。
犬たちを通じて築かれていく人間関係の描写がとても巧みでリアル。
ネット上の暴走が大きく関わってくる、という仕掛けも今やありふれた手法ではあるが、違和感のない範囲で上手く絡められていると思う。
確か帯に"犬は辛い目に遭いませんので安心してください"という旨の文句があったかと記憶するが、それはちょっと嘘かな…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレインタビュー形式で進んでいくため、慣れるまで視点の変換にやや苦労しました。
ミステリーとしては、想像以上の出来事が待っていて最後まで楽しむことができました。
自身も保育を学んできたため『児童虐待』のテーマは感情移入をしてしまいやすいですが、だからこそ子どもという存在の難しさを改めて感じました。
酷すぎる虐待をしてきた両親のせいで、一番苦しんできたはずなのに結局自分も同じことをしてしまう…さらにはその親も虐待を受けてきた…虐待の連鎖と我々はもっと向き合わないといけないんですね。
そしてどんなに周囲のソーシャルサポートが希望を持って接していても良い結果はなかなか生まれない現実に、苦しくなりました。
気になる点としては、恐らくこのインタビュアーである精神科医の夫はなんのためにこれを実行しようとしたのか…。きっと最後の描写や第3章の『連鎖』という題名から、亜紀の息子への虐待を勘づいているはず…亜紀と前向きに向き合うためなのか、他の狙いがあるのか…気になりますが、また大きなことに繋がる前に救われてほしいの一心です。 -
Posted by ブクログ
行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る、美人刑事・楯岡絵麻。その手腕から“エンマ様”と呼ばれる。離婚した元夫に刺されたという被害者女性の証言により、被疑者の取調べに当たった絵麻。しかし、ふたりの娘が三年前に殺されていた事実を知った絵麻は、筆談でしか応じようとしない不可解な行動をする被疑者から、ある可能性を感じ、後輩の西野とともに調査に乗り出すと……。
エンマ様の行動心理学は本当に凄すぎます!
西野とのやり取りはくすくす笑ってしまいますがエンマ様のその犯人への嘘、本当の区別が分かるのが凄いと思いました!
今回のやばいのは最後の章でした。
エンマ様の事敵対してた筒井さんもエンマ様とタッグ組んでやってたのがもうニヤニヤしながらがやばかったです!