王谷晶のレビュー一覧
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23編の環境も立場も違う「あたしたち」の関係性の物語。百合要素が強めだかそうではない問題を提議する関係も。恋の始まりや終わり、友情やふとすれ違っただけの交流まで徹底して女と女で構成されていて正に帯の「女の人生を変えるのは男だなんて、誰が決めたのさ?」をにやにやしながら叩きつけるのが爽快。23編もあるからなんだこりゃ?な話もあるけどその分刺さる話は直球でやって来る。「しすか·シグナル·シルエット」「だからその速度は」「あなたのこと考えると無駄になる」「ヤリマン名人伝」辺りが好み。「ときめきと私の肺を」や「東京の二十三時にアンナは」の辛い時に静かに横にいる、というのも染みる。
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ネタバレタイトルにある「探偵小説には向かない探偵」というのがまず気になる。素直に読めば、「探偵小説には向かない」探偵を主人公とした「探偵小説」というのだから、これはもう相当に挑戦的である。本書の説明には、登場する探偵はヘタレとある。だが、ヘタレは探偵小説に向いていないのか、定かではない。一般的には、探偵小説に登場する探偵は、少し変わり者で、何かに偏執的なこだわりを持っていて、鋭い観察眼あるいは深い洞察力(推理力)を備えている。本作に登場するヘタレ探偵は、いずれもほどほどにしか備えていない。別の作品では、資産家の出自で金にものを言わせて事件を解決する探偵もいたが、ヘタレ探偵は有名な探偵の末裔でありながら
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ここ数年「この関係に名前なんてない、付けさせない」みたいな創作が増えてるけど正直あんまり好きじゃない。ラベリングを拒否する強い女✨みたいなのも結局「名前のない関係」という希少性に酔ってるようにしか見えないし、むしろどんどんラベルを貼って「あなたは普遍的な人間です、おかしくないよ」って言える社会のほうが健全だと思うけどな。このブームいつまで続くのかな…
まあそれを差し引いても特に目新しいことは無く、つまらなくはないけど夢中にもなれない本だった。暴力描写が評判だったのでバトロワぐらいのバイオレンスを期待しちゃったのもある、思ったよりシーン自体が少なかった。サクッと読めるのは美点。 -
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話題になっていたので読んでみた。
2人の女性の話。バイオレンス表現が多いが元々ヤクザものやグロ作品を好む人は平気だと思う。女性が男性社会で物のように扱われていることの方がよっぽど不愉快で気持ち悪かった。どんな容姿でも力があっても立場であっても「女」というだけで弱い立場になってしまう。フェミニストやフェミニズムなどの観点からこの作品が評価されている理由がよく理解できた。
時系列が途中で混同しているようになっているのが良かった。あ、そういうことかと。
女性達のなかで少しずつ出来ていく信頼関係、若い頃から老年までのふたりが最後まで愛しくなるような作品だった。 -
Posted by ブクログ
なんか、やる気のなさそうなタイトルだなぁと思いながらも王谷晶さんの本なので読んでみることに。作者曰く「現代版長屋話」だそうで、そう考えるとゆるめのタイトルにも納得がいく。
現代版長屋話は、決して世話好きとは言えない主人公が、亡くなった叔父の店舗兼住居に引っ越す事でトラブルに巻き込まれていく話。叔父は親戚中から評判が悪い男だった、、、
解き明かされる叔父の人柄と、主人公大夢の人間的成長。
中心となる幽霊話は一応落着するのだが、叔父とゆうれいとの邂逅など語られていない部分も多い。大夢の成長もまだまだこれからだ。登場人物もみな個性的で、もしシリーズ化されれば面白くなりそうなのだけれど、本作だけ