王谷晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映画ジョンウィックで主人公がババヤガって言っていて、あとアクション小説を読んだことがなかったので興味本位で読んだ。
個人的には次々と展開が広がり始めて線と線が繋がる感覚を覚えた。
会話がいいなと、特に依子と障子の会話とか柳の会話や宇多川のシーンが印象に残った。
キャラクターで好きなのは柳と宇多川で、宇多川は頭がぶっ飛んでいるし、柳はホワホワしているがなんか正直な所になるときもあった。
主人公の依子がお腹空いた時の文の表現、言葉遣いが好きになった。
不満は、名前を見忘れなのか、フリガナが、ない人がおり、なんて読めばいいんだ? と、少し戸惑ってしまった所と、どいつが話しているんだと、一瞬わからなくなる時があるぐらいです。個人的は。
この小説は、どの人物も執念がすごいなと思い知らされる。そんなことものを感じました。
深田秋生さんの解説や王谷晶さんのあとがきなど見ていて、こんなに細分化し、語れる力がこんなにあるんだなと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの前に読んだダガー賞受賞の「ババヤガの夜」が、冒頭のバイオレンス満載のハードボイルドタッチから全く別の印象となる後半の逃亡とシスターフッドの物語に就職氷河期世代でさらに性的マイノリティである作者自身が色濃く投影されていた。
この作品は、この後半部分でのあった「今の社会で不安定なひとの現実を不安定なまま、一念発起して自己改革するようなことはなく、ふらふらとしたままなんとか生きていくという」今この社会にもある現実をそのまま描いている。
作者のインタビューにあるように「現代版長屋噺」と語っているように昭和レトロなマンションを舞台に展開する幽霊譚のドタバタ劇でもあるだが、急死した幽霊と交流していた伯父さんの痕跡をたどる主人公を通して社会で人と関わり合うことの理想に迫ろうとしたようだ。
なぜ伯父さんは自らも幽霊と称していたのか?なぜ他人屋として評判のいい伯父さんなのに一族からは悪評しか聞こえてこなかったのか?婚活連敗続きでも“立派”な兄と主人公…
どんな属性であっても“普通”に生きることとその難しさを改めて考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
女と女だからこその気安さやわかりあえる事柄もあれば、どうしても憎みあうこともある。性別関係無しにただ愛しかったり、その逆だったりもまた当然、色とりどりの関係が生じ得る。そのバラエティ豊かな女たちの物語を、これまたバラエティ豊かな筆触で生き生きと描いた短編をぎゅうぎゅうに楽しめる短編集です。
ときにあけすけにエロティックに、ときに純粋な思慕を潜ませて、ときにただくだらなくギャグを貫く、豊かな物語の粒のひとつひとつが瑞々しくて堪らなく楽しめました。
「ババヤガの夜」とは全く違う作品群ですが、だからこそまたフレッシュに楽しめました。面白かったです。 -
Posted by ブクログ
題名を見てホラーっぽいコメディかなと何の気無しに読みました。
読み終わって作者の紹介のところに、少し前に賞を取った「ババガヤの夜」と書いてあってびっくり、テレビで見たあの作家さんなんですね。
成り行きで亡くなった親戚の部屋に住む事になると、そこには幽霊がやってきて…
ほとんど交流のなかった親戚のおじさんの人柄が実は、周りから聞かされていたような人物ではなく、その部屋には通ってくる幽霊も…謎はありつつ、交流が続いていく。
印象に残ったフレーズは、自分の事を行きた幽霊だと 生きているけど生きてない 死んでないけど死んでいると話していた先住人のおじさん。
趣味も無く親しい友人もおらず、淡々と過ごす毎日を、行きた幽霊とでも言うのだろうか…
テンポよく一気に読めました。 -
Posted by ブクログ
初・大谷晶
2025年のダガー賞の翻訳部門受賞の『ババヤガの夜』で有名になりましたが、それで興味を持ったわけでは無く、この本についての好意的な書評を目にしたのがきっかけです。むしろミステリーには手を出さない事にしている私は、受賞を聞いて大谷晶=ミステリー作家と勘違いして、ちょっと躊躇したのです。
しかし、なかなか良かった。
5つの短編。どれも意外な終わり方です。最終盤で少し方向が変わって、かつ完全に決着をつけるのではなく少し曖昧な終わり方。オッそう来ましたかという感じ。個性的で嫌じゃない。
特に「リワインド」。タイムリープを繰り返すケン・グリムウッドの『リプレイ』や北村薫『ターン』の様な”ループもの”のSF的設定ですが、最後に主人公を同時大量発生させて。。。。どう決着をつけるのかと思ったら、その件は放っていきなり未来に戻っちゃった。でも、その放り出しっぷりがなかなか清々しく、突っ込むよりも面白がってしまいました。
もう一冊、どうしようかな。