王谷晶のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表題の『君の六月は凍る』と『ベイビー、イッツ・お東京さま』の二本立て。
どちらも匂い立つ(いい意味ではない)感じで、記憶に残りそう。
『君の六月は凍る』は登場人物の名前も性別もはっきりせず、読み手に想像させるのだが、それでも他人に抱く恋慕や恨みにも似た怒りというものは、そういう前提がなくてもスッと入ってくる感じがした。
『ベイビー、イッツ・お東京さま』は、主人公がTwitterやエッセイで読む王谷晶さんそのままで、「自伝?」とも思ってしまった。他県の田舎住まいとしては、東京は光の街のように見えるのだが、なるほど「メトロポリス」と「ゴッサム・シティ」ね。わかりやす…。『君の六月は凍る』でも大橋を -
Posted by ブクログ
「北口の女」があまりに良かったので、これが所収されている本書を手に取った次第です。もう、あんまり覚えていないのですが、最後の「タイム・アフター・タイム」が好きです。歌がらみの話が私のツボにはまるのかもしれません。女同士のドロドロなのも好みでした。SNSとかニコが若い頃には影も形もなかったもの。これの影響力のスゴさに感心すると同時に、こんなんに振り回されてんじゃねぇ、と言いたい気持ちも募ります。そういいつつ、最早、社会とか流行とか風俗とか、そういうものの第一線から遠ざかった、少なくとも外部からはそのように認定されるであろう私。その私に、シンディ・ローパーの気怠いバラードが染みるのです。
-
-
-
-
Posted by ブクログ
23編の環境も立場も違う「あたしたち」の関係性の物語。百合要素が強めだかそうではない問題を提議する関係も。恋の始まりや終わり、友情やふとすれ違っただけの交流まで徹底して女と女で構成されていて正に帯の「女の人生を変えるのは男だなんて、誰が決めたのさ?」をにやにやしながら叩きつけるのが爽快。23編もあるからなんだこりゃ?な話もあるけどその分刺さる話は直球でやって来る。「しすか·シグナル·シルエット」「だからその速度は」「あなたのこと考えると無駄になる」「ヤリマン名人伝」辺りが好み。「ときめきと私の肺を」や「東京の二十三時にアンナは」の辛い時に静かに横にいる、というのも染みる。
-
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルにある「探偵小説には向かない探偵」というのがまず気になる。素直に読めば、「探偵小説には向かない」探偵を主人公とした「探偵小説」というのだから、これはもう相当に挑戦的である。本書の説明には、登場する探偵はヘタレとある。だが、ヘタレは探偵小説に向いていないのか、定かではない。一般的には、探偵小説に登場する探偵は、少し変わり者で、何かに偏執的なこだわりを持っていて、鋭い観察眼あるいは深い洞察力(推理力)を備えている。本作に登場するヘタレ探偵は、いずれもほどほどにしか備えていない。別の作品では、資産家の出自で金にものを言わせて事件を解決する探偵もいたが、ヘタレ探偵は有名な探偵の末裔でありながら
-
Posted by ブクログ
後半に進むにつれて一文が短くなり、テンポ自体は良くなっていくのだが、その分描写が淡白に感じられる。暴力シーンもエンタメとしては面白いものの、どこか漫画的な「効果音で演出された喧嘩」のようである。暴力を前面に押し出した作風ではあるが、果たしてそれを魅力として受け取った読者はどれほどいるのだろうか。
読後感は『流浪の月』や『正欲』を読んだときの余韻に近い。
物語の背後に、著者の個人的な思想や社会への問いかけが隠れている。ジェンダー、LGBT、多様性……。そういったテーマに対して、自らの倫理観を省みることになるのだが、純粋にミステリーを楽しみたいと思っていた身としては、今回はそのような重さを求めて -
Posted by ブクログ
ネタバレだいぶ表現がリアルでエグい。
映像化するなら表現考えないといけないレベルでグロい笑
でもその分アクションが入るシーンの疾走感が凄くて、爽快。私は結構好きかも。
途中謎の2人の逃避行が出てきて、ん?と思ったけど終盤で2人のことかい!とまんまとハマりました笑
結構脳死で展開を楽しんで読んでたのが分かりますね。
新藤とお嬢さんの距離が縮まってゆく感じがたまらない。名前呼びになったり、お茶友達みたいになったり笑
お嬢さんが新藤助けるシーンはとても好き。守られてばかりのお嬢様って感じがしてたけど、芯を持ってる強い人だったんだなってのが中盤~終盤にかけてはっきりと分かるのが素敵。
柳さんもなんだかん -
Posted by ブクログ
本屋さんで異様な迫力を醸し出していて気になった一冊。英国推理作家協会が主催する世界的に権威のある文学賞(ダガー賞)を日本人で初めて受賞した作品です。
かなりエグくて、う!っと躊躇するほどにバイオレンスな描写もあり、映画にするなら視聴制限かかるだろうな〜と思います。僕は映画化されても観るのをオススメしないな。
ヤクザの世界を描いた暴力に溢れる話です。メインストーリーと並行して何者かに追われている夫婦の描写が出てくるんですが、予想していた流れとだいぶ違っていて、最後の終わり方がかなり予想外でした。前半にも、ちょっと違和感を感じるところはあったんですが、その違和感が伏線だったか〜!みたいな感じで