王谷晶のレビュー一覧

  • ババヤガの夜

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    ダガー賞を受賞したとの事で読んだのだが、期待しすぎたかな。イギリスの読者にとっては、ヤクザのバイオレンスな生態(指詰めるとか、面子とか、組長と組員の絶対的な主従関係とか)が珍しかったのか。主人公の依子が女だてらに腕力と胆力があり、とてもいい。組員達をやり込めるシーンは爽快。そしてラストはまんまと騙された。再読はないが、終始パワフルで読み応えのある良作。

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    2026年10月02日
  • ババヤガの夜

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    翻訳での受賞。
    日本独特な感じといえば、そうかも。

    ヤクザと暴力の話でそれなりに過激な描写もあったが、ドン引きするような乱暴さはなかった。
    わりと読みやすいバイオレンスアクション。
    仕掛けにはまんまと引っかかった。
    依子の立ち回りはもっとたくさん見たかった。

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    2026年09月30日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    「ババヤガの夜」が面白かったので、他の作品も読んでみようと手に取った。「ババヤガ」の解説に本作の「ヤリマン名人伝」からの引用があり、気になっていたのでこれから読み、後は掲載順に。

    印象に残ったのは、「ばばあ日傘」、「あなたのことを考えると無駄になる」、「ヤリマン名人伝」、「タイム・アフター・タイム」、「北口の女」の五作品。

    「あなた」と「アフター」は、どちらも、ガールズラブ(シスターフッドと作品案内では書かれているけど違いはよくわかっていない。性的比率が下がるとシスターフッド?)が始まる瞬間まで。

    「ばばあ日傘」が出色の出来。会話劇が行われている場所(刑務所の出口前)が最後に分かるのがかっこいい。

    「北口の女」は、アンソロジーで読んだことがあったが、もう一回読んだ。

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    2026年09月22日
  • ババヤガの夜

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    ネタバレ

    積読消化。
    英国のミステリー文学賞であるダガー賞を受賞した…ということだったけど、ミステリー? となりググる。
    これ多分、犯罪小説の方だな。
    内容としては暴の化身に社会風刺をブレンドした感じ。
    暴は娯楽として享受する分にはシンプルに楽しいですよね。
    一方で単に事務所の前で暴れていただけの、何処の馬の骨ともしれない奴をボコした後にボスの娘の護衛に推薦する説得力。
    主人公が最初に従う理由の御都合主義感。
    権威ある賞を受賞されたという事で、上がったハードルを越えるには引っ掛かりが散見されるなぁとなりました。

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    2026年09月19日
  • ババヤガの夜

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    暴力が生々しく表現され言葉もかなり酷いので、読み手によって好き嫌いがハッキリと分かれそうな作品。
    読んでいると、アニメや映画のように映像が頭の中にイメージされるのが楽しい。食堂の隅で食べるカレーとか、校門の近くに車を停めて居眠りしている姿とか…。
    割と一気に読めました。

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    2026年09月18日
  • ババヤガの夜

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    暴力系の本。最後のオチはすごくよかったし、キャラに魅力があって面白かった。映像化したらすごく化けそう。

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    2026年09月12日
  • ババヤガの夜

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    爽快な暴力で夢中になってスルスル読めた。見たことないけど昔のヤクザ映画を手に取りやすいかたちにした感じ。古典的で目に浮かびやすいこてこてな感じなのでこれが海外で評価されるってどゆこと?ではあるが北野武とかも海外で評価されてたからそういうことかな?? 帯を見てミステリー話と思って読んだけど、ミステリー要素はよくわからず、逃亡生活の因果関係がグチャッとなってたけどこれがミステリーってことなのか?と私の理解力不足なのかよくわからなかった。2人の愛の逃亡とほぼ全く同じ道をたどったある意味2人の愛の逃亡劇のお話なのかな…?犬はかわいいよね

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    2026年09月08日
  • ババヤガの夜

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    この作品は3通りの読み方ができると思います。
    ひとつは「女性が主人公のバイオレンスアクションやノワール」。もうひとつは「性別を超越したところにあるシスターフッド小説」。これは私の語彙力が不足していただけで、調べたら「クィア・シスターフッド」と呼ぶらしいです。
    私は本作をダガー賞の件以降に知ったのですが、多分出版された当初はさほど話題にならなかったはず。恐らくほぼ前者のみの文脈の中で消費されたのだろうと想像します。

    それが時を経て、3つ目にして作者の本来意図したであろう読み方、「バイオレンスの皮を被ったクィア・シスターフッド」という本質が理解され、ダガー賞はじめ海外で評価された上で国内での再評価となる訳ですが、いざ読んでみると確かにこれは海外に受ける小説なんだろういう印象を持ちました。
    ただし、必ずしもいい意味でというわけでもありません。

    というのは、普段から日本のエンターテインメントに接している人は、少し本作のストーリーがありきたりに感じる面もあるのではないかと思うのです。
    腕っぷしが強いが不器用で孤独な主人公と深窓の令嬢(訳アリ)の逃避行。これは主人公が男性なら小説に限らずフィクションでよくある話でしょう。高倉健のような往年のスターならば昭和のヤクザ映画に、桐生一馬ならば『龍が如く』に。他にもたくさんありそうです。

    また、新堂と異なり腕っぷしに頼れない尚子がアクションシーンに参加する終盤。そこで使われる武器と力の弱い女性の組み合わせもやはりありがち、というかド定番に感じる。この武器、日本のものは構造上精度が低く百発百中にはなり得ないのですが、その辺りの違和感は海外の読者には伝わらず、逆に力を持たざる女性が次々に男性を倒すというクールな場面として映るのかもしれません。

    少し粗探しのような意地悪な見方をしてしまいましたが、本作がとても魅力的な作品であることは間違いありません。主人公の新堂が女性であるということの意味は大きく、体調面で月経周期の影響を受けたり、性的な被害に遭いかける場面がある。これはもちろん高倉健や桐生一馬ではあり得ないことです。
    身体が大きく力のある新堂に過度な男性性を与えず、あくまでも女性として男性に立ち向かっていく様は素直にカッコよく、この作品の精神性を象徴していると思います。

    クィア・シスターフッドの「クィア」の部分はネタバレになり得るので触れませんが、「シスターフッド」の部分はとても印象的でした。終盤から最後にかけての新堂と尚子の関係性。これは女性同士だから成り立つ関係なのでしょう。最初は上下関係だった2人が最終的に極めて対等な関係へと変化している。関係性の変化が共に過ごした時間の濃密さを静かに、しかし饒舌に物語っているようでした。

    個人的には読んでいる間どうしても「ありがち感」への違和感を払拭できず、無条件の絶賛とまではいきませんでした。しかしクィア・シスターフッドをバイオレンスという強烈なスパイスをまとわせて提供するという試み、本当にお見事という他ありません。ダガー賞翻訳部門受賞という快挙に値する作品だと思います。王谷晶さんがこれからどういう作品を書かれるか、楽しみにしています。

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    2026年09月04日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    特に「しずか・シグナル・シルエット」「ときめきと私の肺を」「カナちゃんは足が無い」「東京の二十三時にアンナは」「タイム・アフター・タイム」あたりが好き。文体や話のいい意味での雑っぽさというか、ざっくばらんさがよかったです。
    なんだろう。終わってる会話とか終わってる人の感じがけっこう好きなんだよね。「風と共に去りぬ」とか、「Ave Mujica」とかでも感じる感覚なんだけど、この新ジャンルに名前をつけたい。

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    2026年08月22日
  • 父の回数

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    雑多な短編集。バラエティに富んでて読み応えあった。表題作の父の回数は星5を与えたい。読後になんとも言えない感情になる内容だったわ、、

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    2026年07月08日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    女同士のいろんな形のお話。イエローチェリーブロッサムが印象に残りました。そんな世界があったらいいような。悪いような。いいような。

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    2026年06月17日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    世間的に大人と言われるような年齢になっても自分と同じように大人になれないと思っているのかと安心する反面、やや文章のアクが強くのめり込めず。

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    2026年06月08日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    生々しいのにサラリとしていて読みやすくて面白い。
    どストレート過ぎてオブラート破けてるどころかオブラート存在してないなって思う話がちょいちょい出てきて笑った。
    でも、その合間にキュンとなったり切なくなったりヨシ!って前向きな気持ちになったり。
    いい短編集だな。

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    2026年05月28日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    年はとった。しかし、なんか違う気がする。身体の衰え、お金の不安、変えられない生活習慣…。理想と現実のギャップに戸惑う中年世代へ贈る、痛快オトナ考。『ウェブ平凡』連載に書き下ろしを加えて書籍化。

    そうねぇ…。って、現在に至る。

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    2026年05月06日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    共感しながら読む。
    若かりし頃の理由のない自信みたいなもの、それが歳を重ねるごとになくなっていってしまったのだけれど、何でも出来てコミュ力ある、みたいなあの自信は思い込みだったのだろうなぁ、私も。心も体も若い頃のままではいかないけど、今の自分を受け入れて、無理せず生きていきたいな。

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    2026年04月21日
  • 探偵小説には向かない探偵

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    タイトル通り、探偵というには特徴のあまりない探偵の話。ラノベらしく絶世のイケメンキャラも出てくるが、文体は硬めで読みやすかった。
    途中までの展開もなかなか面白かった。
    が、事件の解決が肩透かしだった。能力系は不要だったかも。

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    2026年04月13日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    作者と自分をそこまで重ねられなかった
    でも、自分がカバーできる人間関係を超えたら酒が必要になるとか、周りに優しい人がこんなに多いのに孤独を感じるのは優しさを受け取れてないとか、酒を飲まなくてよくなったら大人なのかな、とかは分かるってなった

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    2026年04月12日
  • 君の六月は凍る

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    少年の初恋と美を失ったオタク女子の物語
    もはやジェンダーレスの世界と思っているけれど、日常での認知度はまだまだ低い

    魅力のある子は自分の“好意”に忠実に従い、興味のあることや人にグイグイいく描写に納得

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    2026年04月06日
  • 父の回数

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    オーディブルで聴きました。
    ババガヤの夜の作者の作品だけど、乱闘などは特に起こらず。割と聞く普通のシチュエーションでの、心の機微の表現が秀一。

    感受性が高く繊細な心の機微をアウトプットできる能力が素晴らしい。胸に溜め込んてモヤモヤしている状態が言語化されて、そうそうそんな感じ⋯と納得させられること多数。

    ユーチューバーの話を始め、他人に期待することがいかに自分勝手なことかと思い知らされる。三つ子の魂じゃないけどやはり人は変わらない、というか、予想を超えて悪く動くものだと肝に銘じよう。

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    2026年04月02日
  • 父の回数

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    オーディブルで。ちょっと変わった形の家族を描いた短編五篇。

    「おねえちゃんの儀」レズビアンカップルの日常。
    「あのコを知ってる?」彼女(40歳)が失踪?主人公(30歳)のもとに、その息子を名乗る男(20歳)がやってくる。この息子の造形が切なかった。
    「リワインド」偶然知った昔のアルバイト仲間の死。それを救うため、何度もタイムリープする。
    「父の回数」幼いころ別れた父。その理由を知る高校生。高校生の、何もしたくない、植物のような精神と、父の幼児性。回数って、YOUTUBEの再生回数のことだった。
    「かたす・ほかす・ふてる」孤独死した父の部屋の片づけを、初めて会った腹違いの弟とする。父は何を考えて生きていたのか。

    おもしろかった。どれも切なくて。

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    2026年04月01日