王谷晶のレビュー一覧

  • 完璧じゃない、あたしたち

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    ネタバレ

    本当にどの短編もよかった。王谷作品の恋愛は、自分が相手を好きすぎて困るとモダモダしたり、相手が自分のことを好きになってくれるだろうかとモヤモヤすることはあっても、人を好きになることに真っ直ぐなので気持ちがいい。

    多分登場人物たちが自分の気持ちに常に正直なんだと思う。一般的な考えでは、不道徳で非常識で恥ずかしいようなことを思っていても自分にも誤魔化さないので、心と頭と体がつながっている健全さを感じる。王谷作品のこういうところすごく好き!

    あとデティール組み方が怒涛で多彩。まずいのど飴の表現が「十円玉と雑草とユンケルとフリスクを混ぜたような味」という畳み掛けで、そのまずい味の感じ、舐めてないけ

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    2025年09月07日
  • カラダは私の何なんだ?

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    「余談だが私は女と寝る女、つまりレズビアンなので、自分以外の乳とも幾度か対峙してきた。基本的に大きな機能は変わらない肉体同士なので、当然相手も乳の肉と腹の肉の感覚に大差はないことを知っているが、それでも「揉んでもよし」と言われると興奮と共に揉んでしまうのは、私の脳内にもまだ剝がしきれないおっぱいレッテルがあるのだなと忸怩たる気分になる。毎回。無為を極めるのも難しい。ちなみに相手もだいたい「人のはやっぱり揉んでしまう」と言う。「肉を揉まれたところでなあ……」と思っている同士が揉みあっているわけで、この行動はあまりにややこしいので「人の業」というフレーズで片付けておきたい。」

    —『カラダは私の何

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    2025年08月25日
  • 他人屋のゆうれい

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    ネタバレ

    人との関わり方とか自分の生き方とか色々振り返った。
    同情にはならないように、人を思いやる気持ちは忘れずにいようと思う。
    幽霊だといっても(そのような存在って意味で言ってる)生きている以上、誰かと関わりがあってなにかしらのコミュニティの中にいるからね。

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    2025年08月19日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    短編が23本。全て女たちの話。
    学生の頃友人が「女って、思ったより沢山種類がいるね」と言っていたのを思い出した。

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    2025年08月10日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    身に染みるほど分かるという内容だった。外見の問題ではなく、健康の問題として酒や運動との付き合い方を見直す必要が出てくるよなぁ。フィジカル鍛えて、周囲のあれこれに怒り続けたいと思った。あと、50歳、60歳になった時の文章も読んでみたい。

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    2025年08月08日
  • 父の回数

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    ネタバレ

    色んな家族のお話。短編小説。
    一つ一つが完成されてる感じがして、良かった。
    読みやすいし、面白い。
    今、話題の「ババヤガの夜」の作者さんだったのか!
    って読み終わってから気づいた。
    迷ってたけど、ババヤガも読んでみようと思った。

    ・同棲しているビアンカップルの日常と結婚考察のお話。
    ・年上彼女とその息子君との出会い。そして、これからの杉井くんのお話。
    ・タイムリープしてバイト仲間だった子を助ける主婦のお話。
    ・普通でいたい男子高校生の友情と生活、YouTuber?の実父の謎のお話。
    ・死んだ父親の家の片付けと、生前の人となりが見えてこない父に、思う事がある子ども達のお話。

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    2025年08月03日
  • 他人屋のゆうれい

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    読む前〜序盤までは幽霊は文字通りゴーストだと思ってて、装画や帯もポップだし、「今回はちょい怖ファンタジー系なんか〜」くらいに読んでたら、ド現実を突き付けられた。

    幽霊……何という……。

    伯父さんと幽霊の交流が愛おしい。部屋主が大夢になって、交流の形は変わったけどこれからも続いてほしい。

    「自分は幽霊だ」と言っていても、他人と関わらないではいられないのかも。

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    2025年07月09日
  • カラダは私の何なんだ?

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    あとがきに書いてあったけれど、このエッセイは担当編集者さんが「王谷さん、一緒に社会に火炎瓶投げましょう」と言ってスタートしたらしく、もうこの言葉どおり最高でした。

    読み物としての面白さは勿論なんですが、最初から最後まで筆者の地に足のついた誠実さがブレることなく底流にあって、その倫理感や価値観を信頼して読めました。

    理不尽にとやかく言われたとき、少なくとも「私がいいと思っているんだからいいんだよ!」と心のうちで押し返す勇気になる一冊だなと思いました。

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    2025年07月05日
  • ババヤガの夜

    ネタバレ 購入済み

    面白かったです

    賞を取ったと言うことで、読ませていただきました。おめでとうございます。時系列がわかりづらいところがあって、駆け落ちしたお母さんと若頭かと思ってた人々が実は逃避行中の彼女たち2人のその後の生活だったようです。しかも、40年後。応援しながら読んでいたのに、終わり方がはっきりしなかったので少し残念かなと...

    #カッコいい #ドキドキハラハラ #切ない

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    2025年07月06日
  • 君の六月は凍る

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    表題作、わたしと君の性別が気になるけど、男か女かなんて本当はどちらでもいいってことなんだと思う。属性を省いてその人を見る練習をしたような感覚。
    「ベイビー〜」、いつかすごく悪いことが起こりそうでヒヤヒヤしながら読んだ。

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    2025年01月15日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    わかるわかると思いながら読む。私と同じ考えをしているのでなんか安心するが堕落しているのだから安心してはいけないと思いながらもうれしかった。こんな事考えている人はあまりいないとおもっていたけどいるんだなぁと思いながらあっという間に読み切る。

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    2024年11月17日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    ネタバレ

    わたし、39歳。
    40になる前に満を持して手に取ったのがこの本。

    初めてこの方の本を読みました。
    いやぁ、おもしろかった。

    「終活と大人 自分編」が特に良い。
    そうだよね、そうだよねと思いながら読んだ。

    「だって、死んじゃうんだぜ。人の死なんてだれのものでも多かれ少なかれ迷惑をかけるに決まってる。最後くらいもっと自分のことを考えてあげてもいいと思うのだ。」

    最後にトンカツを食べたくなってこの本を閉じる。

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    2024年09月13日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    王谷晶さんの著書を初めて読みましたが、すごく好きです。共感する部分が多すぎて書ききれません。本当に面白かった…!王谷さんのエッセイもっと読みたいなあ。

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    2024年08月09日
  • カラダは私の何なんだ?

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    2019年に発売された『どうせカラダが目当てでしょ』を改題・加筆した文庫版です。

    あとがきで著者が、「どうっすか、世界。ちょっとはマシになってますか」と問いかける部分がありますが、回答としては「いや、この本全然まだまだ賞味期限ありそうです」といったところでしょうか。

    女性の肉体をパーツごとに(声、顔、目、足、爪など)論じたエッセイを集めたものですが、主軸となっているのは社会から押しつけられる「女性」についてです。

    足に履くストッキング、ネイルアートに向けられる歪な視線、髪型に投影される恋愛模様、「女性はいい香り」の勝手なイメージなどなど、本を持ったまま頷きすぎて首が痛いくらいの話が大盛り

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    2024年06月10日
  • 君の六月は凍る

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    君の六月は凍った。すごい、すさまじい。
    これは、恋…?ラブレター?熱烈な 性愛と友愛のあわいの、えもいえぬ感情が描かれている。
    依存と自立、内と外(弁慶)の、ああこの感じすごくわかる…!(私は甘えたの方なので)そしてこの、居心地のわるさというか、いたたまれなさというか。あなたの知る私は半分だけ、と言った、ダーシー(ハートストッパーS2)だ、これは。いろいろと、ほんとうにいろいろと無限に、妄想してしまう。感情が…推しカプすぎる…バッドだけどグッドな。
    誰もが持っていて、奥底に、忘れ…たくてしまっているような、こう、隠したい、後ろめたい記憶のような、でも穏やかで、フラッシュバックするようなものでは

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    2024年01月31日
  • 君の六月は凍る

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    『君の六月は凍る』の方は好きなタイプの小説だった。なのでほとんど一気読みだった。
    何故か自分の子どもの頃の地元の雰囲気と重ねて読んでいた。
    最後はそうくるかと。

    『ベイビー、イッツ、お東京さま』は私小説なのかな?
    苦しいんだけど読んじゃう。貧しさの辺りが女版西村賢太という感じで胸がジクジクする。
    私は腐女子ではないけれど、オタではあるし体型的にも他人事と思えない。


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    2023年10月28日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    短編集。
    同著者の「ババヤガの夜」が面白かったので、他の作品も読んでみたいと思った次第。

    百合系の恋愛もの、SF、昭和歌謡、ホラー、異国情緒もの、他、非常にバラエティーに富んだ内容で、どれもが全て短編じゃなく、長編で読みてー!と叫ばずにはいられないほど引き込まれる内容。

    また、作者の独特の表現も素晴らしく、例えば、

    「ゆっくりゆっくり歩いた。恋の速度に合わせて。」(「だからその速度は」より)
    「~、私はくじ引きで当てた腐ったほうれん草のような色の折り畳み傘を広げ~」(「あなたのこと考えると無駄になる」より)
    「~こんなところで終わる人間じゃないんだと毎日自分に言い聞かせていた。つまり私は

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    2021年04月07日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    まずタイトルがむちゃくちゃ好き。(ダブルミーニングには英タイトル読んで初めて気づくという)

    そして、サクサク読めてツッコミの切れ味鋭い語り口も大好き。ずっと浸っていたくなる感じ。収録されているのも、甘いものからおぞましいもの、ガンガン行く系まで幅広く最後まで飽きなかった。

    「しずか・シグナル・シルエット」のみじめな2人同士のなんともいえない関係好き。
    「だからその速度は」恋の突然来る感じと、恋したせいで世界が変わる感覚が鮮やかに書かれてて好き。
    「陸のない海」のお先真っ暗なくせに爽やかな感じも、「夢で見た味」の不気味さ気持ち悪さも、「シオンと話せば」のどこかさみしい雰囲気も好き!

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    2020年09月29日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    ガールミーツガール率高めの短編集。友愛から性愛まで、年齢層もいろいろ、女同士の関係性もいろいろだが、基本的に読むとスカッとする。若くて美少女同士の百合概念を煮詰めました!みたいのもいいけれども、こういう現実と地続きな感じがするお話もよいと思う。
    205pにある「殺人は、死体が出てこないかぎり立件が難しいって」というNetflixのドラマは、Orange is the new blackのことだろうか…

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    2018年03月26日
  • ババヤガの夜

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    普段全く本を読まない自分が奥様のきっかけで読み始めた所、意外に面白く読み易く、朝と帰りの通勤電車内でずっと読んでました。

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    2025年12月21日