王谷晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編集。
同著者の「ババヤガの夜」が面白かったので、他の作品も読んでみたいと思った次第。
百合系の恋愛もの、SF、昭和歌謡、ホラー、異国情緒もの、他、非常にバラエティーに富んだ内容で、どれもが全て短編じゃなく、長編で読みてー!と叫ばずにはいられないほど引き込まれる内容。
また、作者の独特の表現も素晴らしく、例えば、
「ゆっくりゆっくり歩いた。恋の速度に合わせて。」(「だからその速度は」より)
「~、私はくじ引きで当てた腐ったほうれん草のような色の折り畳み傘を広げ~」(「あなたのこと考えると無駄になる」より)
「~こんなところで終わる人間じゃないんだと毎日自分に言い聞かせていた。つまり私は -
Posted by ブクログ
まずタイトルがむちゃくちゃ好き。(ダブルミーニングには英タイトル読んで初めて気づくという)
そして、サクサク読めてツッコミの切れ味鋭い語り口も大好き。ずっと浸っていたくなる感じ。収録されているのも、甘いものからおぞましいもの、ガンガン行く系まで幅広く最後まで飽きなかった。
「しずか・シグナル・シルエット」のみじめな2人同士のなんともいえない関係好き。
「だからその速度は」恋の突然来る感じと、恋したせいで世界が変わる感覚が鮮やかに書かれてて好き。
「陸のない海」のお先真っ暗なくせに爽やかな感じも、「夢で見た味」の不気味さ気持ち悪さも、「シオンと話せば」のどこかさみしい雰囲気も好き! -
Posted by ブクログ
話はすごく面白かったし、文章もうまくて、サクッと読めたのに満足感あって、美味いラーメンって感じ!後書を読んで、依子って名前が依子にぴったりだなぁって思いました。
暴力シーンがしっかりあるけど、くどくなくてサッパリ、だけどパンチが効いてるみたいな今まであんまり感じたことない文章だったかも。暴力を描きたい人って、そこに固執してくどいイメージがあるけど、このお話は文章に溶け込んでて良い塩梅だったと思う。
私の好みは、苦しんだ人が苦しみから解放されて幸せになる話なんだけど、このお話は残念ながら逃げ続けて、解放された瞬間に死ぬって感じの悲しいエンド。幸せがどんな形であれ、尚子が幸せだと感じる描写が欲しか -
Posted by ブクログ
伊坂さんの本に苦戦したが、こちらは一気に読み終わってしまった。短い文章が続き、テンポ良く読めた。
イギリスのダガー賞受賞でミステリーだそうだが、あまりミステリー感は無い。最後のドンデン返しらしきものがそうなのだろうか。
暴力シーンが多い上に、猥褻な表現もあちこちで見られる。暴力を趣味とする女性の新道依子は、その暴力性の故に暴力団に雇われる。暴力団組長の溺愛する一人娘の尚子の送迎係だが、この親の組長がえげつない。尚子に接触するものは容赦無く断罪する。尚子の婚約者はもっと酷い。吐き気を催すほどの変態っぷり。尚子の母親は男と逃げたことから、父親の執着が酷くなる。
依子と尚子の結びつきが強くなると予想