王谷晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ※結構ガチなネタバレを含みます。
無自覚なまでに染みついた常識、それは幼い頃から暴力に快感を覚えてきた依子ですらも持ち合わせていた。依子との出会いで「常識」や「世間体」の概念が崩壊してゆく尚子。そして彼女(?)との逃亡生活の中で、自分の素性やお互いの関係に名前をつけることで世間に納得されやすくなった経験や、宇多川との40年越しの戦いのなかで己の闘争心を思い出すことで、依子も常識に縛られる人間としての生き方をやめ、鬼婆になる決意をする。
よくありがちな、サイコパスな人が人間味のある部分に気づいてしまう系のお話ではなく、元々サイコパスな人が、自分の真にサイコパスであることを自覚するというのも自分の読書経験の中では斬新だった。
凝り固まった常識に囚われる人間に対する鋭い眼差しで描かれた、海外で好評な理由もよくわかる物語だった。 -
Posted by ブクログ
ダガー賞受賞の王谷晶による、
カラダにまつわるエッセイ。
最高過ぎて半年空けて、2回読んだ。
最初はそうそうそうなのよよく言語化してくれたわといった共感、言い回し天才!、ヲタク要素にクスクス、的な感想を持った。
でも2回目はメッセージが刺さりまくって、メモをしたくらい。
身体のパーツごとに書かれてるのだけど、
最初の『乳』が秀逸。
私の体は私だけのものだ。
というメッセージが1番詰まってる気がする。
頼んでもないのに評価に晒される。
レッテルを貼られる。
そうそうそうそうそうそう!!
これを読んで、我がコンプレックスの肉の塊も、確かに相棒に思えてきた、というか。
あと『肌』の章の、この一文も最高。
『肌を出せ(スケベ目的のため)と、肌を出すな(スケベなのはいけません)を、左右のサラウンドスピーカーでがなられながら成長するのがニッポンの女だ』
いや本当に。
あと『表情』の喜怒哀楽もいいね。
『無理して笑わなくていい。
ガンガンに怒っていい。
いつでも泣いていい。
そしてラクになっていい。』
上司や同僚のセクハラ発言を(無理矢理)笑って流していた自分に教えてあげたかった。
次回から真顔で睨もう。そして誰かの見た目を公然とイジる場面に遭遇したら、ため息をつこう。
若い女子が生きやすい社会は、
若い男子もLGBTにも生きやすいのでは。
いま悩んでる子たちに届くといいな。
そして大事なことは娘たちにも教えてあげよう。
あとがきも最高でした。
他の本も全部読みたい。