王谷晶のレビュー一覧

  • 君の六月は凍る

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    「君の六月は凍った。わたしがそれを知ったのは七月の初めで、真夏みたいに暑い日でした。」この文に惹かれて購入。ずっとじめっとした文体で、読み応えがありました。

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    2025年08月04日
  • 父の回数

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    思っていない方向に話が進んでいくのが新鮮で、読んでいて気持ちが動かされた。
    周りの景色や目に入ってくるものの描写も秀逸!

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    2025年08月02日
  • 父の回数

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    初・大谷晶
    2025年のダガー賞の翻訳部門受賞の『ババヤガの夜』で有名になりましたが、それで興味を持ったわけでは無く、この本についての好意的な書評を目にしたのがきっかけです。むしろミステリーには手を出さない事にしている私は、受賞を聞いて大谷晶=ミステリー作家と勘違いして、ちょっと躊躇したのです。
    しかし、なかなか良かった。
    5つの短編。どれも意外な終わり方です。最終盤で少し方向が変わって、かつ完全に決着をつけるのではなく少し曖昧な終わり方。オッそう来ましたかという感じ。個性的で嫌じゃない。
    特に「リワインド」。タイムリープを繰り返すケン・グリムウッドの『リプレイ』や北村薫『ターン』の様な”ルー

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    2025年07月25日
  • 父の回数

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    確実に身の回りにあるのに、誰も文章にしてこなかった人間関係や人生が書かれていた。

    『リワインド』だけは少し感触が違うが、これはこれで結び方が飾りなしで、普通のファンタジーには落とさないところが徹底していてよかった。

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    2025年07月02日
  • 父の回数

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    ネタバレ

    家族をテーマにした5つの短編集。
    どれも甲乙つけがたいほど、良かった。
    ハッピーな話もあれば、切なくなる話もあり。

    表題作「父の回数」は、胸糞悪い最後だった。タイトルの意味がわかると、本当にムカついた。
    小説を読んで、怒りの感情がわくことはあまりない。主人公が哀れで、抱きしめて、慰めたくなる。

    「おねえちゃんの儀」は、同性婚が認められないので、「姉と妹」として暮らしている女性二人の話。家族になりたいけど、なれない主人公の切なさが沁みる。

    「あのコを知ってる?」はシュールでおかしかった。思わず笑ってしまう。

    「リワインド」は爽快!
    何度も過去をやり直す主人公を応援したくなる。

    「かたす

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    2025年05月28日
  • 父の回数

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    「おねえちゃんの儀」
    「あのコを知ってる?」
    「◀◀(リワインド)」
    「父の回数」
    「かたす・ほかす・ふてる」
    5話収録の短編集。

    私達の身近にいそうな人達が織りなす共感ポイントが高い物語も良いけれど、本作は私の周りを見渡しても全くいなさそうな人達のお話。

    でもこれがやけに面白い。

    毛色の異なる5編だが、登場人物は皆、人生を諦観しているようで、その冷めた目線に興味をそそられる。

    無味無臭にも思えるが、どこかおかしみがあり、人間は本当にたくさんの感情で構成されているのだと改めて感じた。

    表題作の『父の回数』には呆然。
    父よ…。

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    2025年05月13日
  • 他人屋のゆうれい

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    ネタバレ

    伯父の住んでいた家に住むことになった大夢。そこでびっくりするようなことに出会う。そこにいた幽霊は一体何者なのか。全く人との関わりに興味のなかった主人公が周囲の人との触れ合いを通して、少しずつ考え方を変えていく。最後は心が救われてねと祈ってしまう。

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    2025年02月26日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    作家というよりツイッタランドでよく怒っている方、って認識だったんだけど、怒るべきときに怒るのは大人の役目ってのはその通りなので偉いなぁと思って見ている。
    説教臭さも意識高さもないのに含蓄深いエッセイだった。「自分のうんこ度を正しく把握しておくのはいいことなのだが、うんこに甘えてはいけない」、は座右の銘にしたい

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    2024年05月02日
  • 40歳だけど大人になりたい

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    ある意味で、自分より何倍も作者が拗らせてくれており()そういう意味でもめっちゃ元気出る部分はあった(笑)自虐的なのだけれども文章がフッ軽で軽快かつ明快かつ学びがある。それにしても拗らせてる。(笑)(笑)だがそこがよい。
    最後の終わり方が「…で、大人になったの?(笑)」と思わず呟いてしまったので星4にしといた。

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    2023年12月18日
  • 君の六月は凍る

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    ずっと心の奥底に眠っていた感情を
    激しく揺さぶられてしまった。
    初めて誰かを好きになったときの
    戸惑い、痛み、もどかしさ、哀しみ。
    自分で自分の感情を持てあまし
    いつも、何にでもいらだったりして。
    本を閉じてからも
    しばらくひりひりと胸が痛かった。
    そして、もう二度と
    あの頃には戻れないことを思い知る。

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    2023年09月24日
  • 君の六月は凍る

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    ネタバレ

    初読み作家さん。「君の六月は凍る」というタイトルにひかれて手に取りました。2篇収録。内容は全然違う2篇ですがどちらも私にとっては良作でした。

    君の六月は凍る
    名前を目にした途端に湧き出てきた、わたしと君の三十年前のこと。狭い世界、ありきたりの日常から兄が出ていくという変化が訪れたころ、ひょんなことから関わるようになった君。

    初めての気持ちをうまく処理できず相手を傷つける。語られるわたしと君の過去は読み手の私の思い出も蘇らせる。

    思い出でできた数珠玉が連なった糸をずるずると引き出すように語られる過去、その文章に身を任せるだけでその思い出に存在する熱と臭いが感じられました。

    ベイビー、イッ

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    2023年09月02日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    様々な短編小説が書かれている一冊。
    世にも奇妙な話から少しホッコリするような話まで、色々な系統が入ってるからサクサク読める!
    改めて人は違ってみんないい!!と、思えるような作品でした〜♪

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    2023年09月02日
  • 君の六月は凍る

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    表題の『君の六月は凍る』と『ベイビー、イッツ・お東京さま』の二本立て。
    どちらも匂い立つ(いい意味ではない)感じで、記憶に残りそう。
    『君の六月は凍る』は登場人物の名前も性別もはっきりせず、読み手に想像させるのだが、それでも他人に抱く恋慕や恨みにも似た怒りというものは、そういう前提がなくてもスッと入ってくる感じがした。
    『ベイビー、イッツ・お東京さま』は、主人公がTwitterやエッセイで読む王谷晶さんそのままで、「自伝?」とも思ってしまった。他県の田舎住まいとしては、東京は光の街のように見えるのだが、なるほど「メトロポリス」と「ゴッサム・シティ」ね。わかりやす…。『君の六月は凍る』でも大橋を

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    2023年07月16日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    最初から最後まで最高の女同士の小説しかない!!
    レズビアンロマンス小説もシスターフッド小説もあると思ったらスリラー小説もあるしサスペンス小説もあるしSF小説もあるし、てんこ盛りで良かった。
    お腹いっぱい!!
    この小説たちを一生愛す!!

    『完璧じゃない、あたしたち』で好きだった小説
    「小桜妙子をどう呼べばいい」
    「十本目の生娘」
    「だからその速度は」
    「夢で見た味」
    「東京の二十三時にアンナは」
    「タイム・アフター・タイム」
    中でも「だからその速度は」が好きすぎて最早辛い。
    最高でした。

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    2023年07月09日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    「北口の女」があまりに良かったので、これが所収されている本書を手に取った次第です。もう、あんまり覚えていないのですが、最後の「タイム・アフター・タイム」が好きです。歌がらみの話が私のツボにはまるのかもしれません。女同士のドロドロなのも好みでした。SNSとかニコが若い頃には影も形もなかったもの。これの影響力のスゴさに感心すると同時に、こんなんに振り回されてんじゃねぇ、と言いたい気持ちも募ります。そういいつつ、最早、社会とか流行とか風俗とか、そういうものの第一線から遠ざかった、少なくとも外部からはそのように認定されるであろう私。その私に、シンディ・ローパーの気怠いバラードが染みるのです。

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    2023年03月11日
  • コロナ禍日記

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    ネタバレ

    半分くらい読んだか。ちょっと読んで読めそうなのだけ読む。しんどいのはパスする。これがちゃんと読めるようになるにはやはり10年くらいはかかるのだろう。最近ようやく東日本大震災のものが読めるようになったのだから。

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    2023年01月17日
  • コロナ禍日記

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    ただただ日々の集積のみがここにある。
    自分の中で空白の期間になっていたものが、他人の日記を通して少しずつ埋められていく。
    この暮らしを無かったことにしてはならないと感じた。それぞれがそれぞれのやり方で戦い抜いた日々を忘れてはいけないと思った。

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    2022年10月08日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    女同士の関係が1番自由なのかもしれない…友情でも愛情でもなんとなく隣りにいるでも、強く結びついてても付かず離れずでも今は遠く離れてても何にでもなれる。
    初読みの作家さんでしたがもっと読みたくなりました。
    いかにもありそうなお話から、自分や友人が変態していくファンタジー、ゾンビもの(とても楽しいし終わり方が好き)まで自由でした。
    お婆さんのひとり語りのお話も、夢で見た料理を友人が作ってくれるお話も好きです。不味い餃子のお肉それ鈴木さんですよね……?

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    2022年03月29日
  • コロナ禍日記

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    コロナ禍をどうやって過ごしたのか。日記にすることで、日常の変化やそれに対する筆者や世間の反応の変遷が見えて面白かった。国や仕事によっての違いも興味深くて、その辺もっと幅広く知りたいと思った。

    苦しかった頃のことをいろいろと思い出して憂鬱な気持ちにもなったけれど、記録として大事な一冊になるでしょう。

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    2021年12月07日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    女性の身の回りにじんわりと纏わりつくしんどさを淡々と、端的に表していて馴染みやすい。具体的な店名や曲名、駅名が出てきてより身近に感じることができた。単なる『百合』の言葉に収まらない日常たち。ひとの人生なので。

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    2021年09月19日