王谷晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
表紙のイラストから、苦手ジャンルの雰囲気がプンプンしていましたが、話題作とのことで読んでみました。
こ、これは、すごい!
(語彙力のなさが出ている)
暴力的な世界は本当に苦手なのですが、この小説はイケる!
オチが気になりすぎて、一日で読み終えました。
一見、暴力の世界で生きる主人公を描いた物語なのかと思いきや、ミステリ要素もしっかり盛り込まれているのです。
しかも、このストーリーは小説だからこそ生きる描き方になっている。
苦手ジャンルだと思っていたけど、挑戦してよかった……。
では、暴力が苦手な私が、なぜこれほどまでにこの小説にのめり込んだのか。
その理由の一つが、関東有数の広域暴力団「内樹會」会長の娘、内樹尚子の存在です。
とにかく、このキャラが謎めいている。
時代遅れのファッション(白ブラウスに紺? もしくは黒のロングスカート、くるぶし丈のソックス)に、腰まで伸びたロングヘア。
短大では友達がいなさそうで、口調もぶっきらぼう。
一体、何が彼女をそうさせているのか。
とにかく、一際キャラが立っているのです。
そして、ストーリーが進むにつれ、彼女の謎めいた言動の理由も少しずつ明らかになっていきます。
しかも、それと同時に物語の舞台が変わり、ストーリーは急展開を見せるのです。
この展開が、たまらない!
以前、翻訳もののハードボイルド小説を読んだときは、「これ、無理だわ……」となってしまったのですが、この小説は全く退屈させません。
殴り合いのシーンも、効果音を巧みに使ってテンポよく表現されています。
暴力的な描写は苦手なはずなのに、どんどんページをめくってしまう。
そして、読み終えた後も、ページを振り返って整合性を確かめたくなる構成。
あの場面は、そういうことだったのか?
あの描写には、こんな意味があったのか?
そんなふうに、もう一度読み返したくなる仕掛けがあるのです。
こういうの、たまらないですね。
そして、何より文章に惚れた。
もう、この言葉で〆させてください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ※ネタバレあり
暴力を何より好む新道依子と、暴力団会長の娘・尚子。序盤から容赦のない暴力描写が続き、その勢いに圧倒された。
特に尚子の父親による支配はあまりにも理不尽で、不快感すら覚える。それだけに、依子と尚子が共に逃げ出す展開には強い解放感があった。
そして何より驚かされたのが、物語の途中に現れる「正と芳子」の存在。
突然登場した二人に「誰だ?」と困惑し、途中から「芳子は依子なのでは?」と疑い始めた。しかし、まさか正が尚子だったとは!
別々の物語だと思っていた二つの時間軸が、約40年を隔てた同じ二人の人生だったと分かる瞬間は見事だった。読者の思い込みが覆される、非常に印象的な仕掛け。
一方で、終盤には戸惑いも残った。
宇田川との長年の因縁が再燃し、いよいよ決着かと思ったところで突然の土砂崩れ。さらに、尚子の生死もはっきりしないまま物語は終わる。正直、急展開すぎて消化不良だった。
ただ、読み終えて考えてみると、この結末にも意味があるように思えてくる。
どれほど喧嘩が強い依子でも、自然の脅威や老い、死には抗えない。土砂崩れは、そんな人間の無力さを象徴しているようにも感じられた。もちろん、これは一つの解釈にすぎない。
そして本作で本当に重要なのは、最後の戦いの勝敗ではなく、二人が約40年間、共に生き抜いてきたことなのだろう。
「ババヤガ」という鬼婆の存在も、読後には違った意味を持つ。他人から押しつけられた役割を拒み、自分たちの意思で生きること。依子と尚子は逃亡生活を送りながらも、自分たちなりの自由を手に入れていたのだと思う。
二人の関係も、友情や恋愛という言葉だけでは簡単に説明できない。その名前のつけられない絆こそが、この物語の中心にあるのかもしれない。
ラストには納得しきれない部分もある。それでも、読み終えた後に結末の意味を考え続けてしまう。
暴力に満ちた物語でありながら、最後に心に残ったのは、強さよりも二人が共に生きた時間だった。
驚きと戸惑い、そして切なさの残る一冊。 -
Posted by ブクログ
私は読んで面白かったけど、万人受けではない。
ダガー章の受賞映像でチラッみた作者の雰囲気から、これは癖が強そうだと思ってエッセイも読んでみたが、なかなか個性的でエグミもある感じ。
オブラートに包まない表現が得意な人にはオススメ。
オタク、引きこもり、BL好き…と来たら、三浦しをんさんと是非対談してほしいと思ってしまった。
セクシャリティは違うが趣味趣向があいそう。
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●人生を洗濯機に例えて、
20代まではブン回されて余裕がなく
30代でものごころがつき、40代で他の洗濯物をみる余裕がでてきた。
⇒これ、めっちゃ分かると思った。いま、まさに40代。
●若い時に大人にして欲しかったこと
この世にはどんな選択肢があるのか教えて欲しかった
自分が選べる選択肢が見えていない⇒焦る、絶望する -
Posted by ブクログ
"女の身体にまつわる与太話を集めたエッセイで、何の生産性もない
でも生産性なんかなくたっていいんじゃない?"
そんな王谷節から痛快に幕を開ける最初のパーツは、"乳、帰る"
月亭可朝師匠のヒット曲『嘆きのボイン』を引き合いにバシッと一喝
『名曲だけど間違っている。
ボインは、赤ちゃんが吸うためにあるのでも、ましてやお父ちゃんのためにあるのでもない。
ボインがくっついている本体の女のためにあるのだ。』
その後も身体のパーツが次々と登場し、生産性はないかもだけど、世の中の固定観念を次々と破壊していった
This book is a collection of random, idle chatter about the female body, completely devoid of anything resembling “productivity.”
But then again, who says everything has to be productive?
Kicking off with that characteristically sharp and delightful Outani-bushi (Outani’s signature flair), the first body part to take the stage is the breast, in a section titled “Chichi, Kaeru” (“Breasts, Return”).
The author brings up Master Tsukitei Kacho’s hit song Nageki no Boin (The Lament of the Big Boobs) and promptly lays down the law:
“It’s a classic song, but it’s wrong.
Boobs don’t exist for babies to suck on, and certainly not for daddies.
They exist for the woman whose body they’re attached to.”
From there, one body part after another takes the stage. It might not be “productive,” but along the way, it gleefully smashes one societal stereotype after another.