王谷晶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ババヤガの夜」が展開されてる書棚に関連本として置かれていた本作。
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理想と現実のギャップに
戸惑う中年世代に贈る、痛快エッセイ!
我々は
本当に
大人に
なれるのだろうか?
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とうとう私も40歳になり、
とてもタイムリーすぎて思わず手に取りました。
ババヤガの夜を読んで、著者の方がどんな方なのかも気になっていて。
日々思うことを淡々と綴ってくれていて、
自分も老いを感じる年齢かとしみじみしたり、
クスッと笑えたり、 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの前に読んだダガー賞受賞の「ババヤガの夜」が、冒頭のバイオレンス満載のハードボイルドタッチから全く別の印象となる後半の逃亡とシスターフッドの物語に就職氷河期世代でさらに性的マイノリティである作者自身が色濃く投影されていた。
この作品は、この後半部分でのあった「今の社会で不安定なひとの現実を不安定なまま、一念発起して自己改革するようなことはなく、ふらふらとしたままなんとか生きていくという」今この社会にもある現実をそのまま描いている。
作者のインタビューにあるように「現代版長屋噺」と語っているように昭和レトロなマンションを舞台に展開する幽霊譚のドタバタ劇でもあるだが、急死した幽霊と交流していた伯 -
Posted by ブクログ
女と女だからこその気安さやわかりあえる事柄もあれば、どうしても憎みあうこともある。性別関係無しにただ愛しかったり、その逆だったりもまた当然、色とりどりの関係が生じ得る。そのバラエティ豊かな女たちの物語を、これまたバラエティ豊かな筆触で生き生きと描いた短編をぎゅうぎゅうに楽しめる短編集です。
ときにあけすけにエロティックに、ときに純粋な思慕を潜ませて、ときにただくだらなくギャグを貫く、豊かな物語の粒のひとつひとつが瑞々しくて堪らなく楽しめました。
「ババヤガの夜」とは全く違う作品群ですが、だからこそまたフレッシュに楽しめました。面白かったです。 -
Posted by ブクログ
題名を見てホラーっぽいコメディかなと何の気無しに読みました。
読み終わって作者の紹介のところに、少し前に賞を取った「ババガヤの夜」と書いてあってびっくり、テレビで見たあの作家さんなんですね。
成り行きで亡くなった親戚の部屋に住む事になると、そこには幽霊がやってきて…
ほとんど交流のなかった親戚のおじさんの人柄が実は、周りから聞かされていたような人物ではなく、その部屋には通ってくる幽霊も…謎はありつつ、交流が続いていく。
印象に残ったフレーズは、自分の事を行きた幽霊だと 生きているけど生きてない 死んでないけど死んでいると話していた先住人のおじさん。
趣味も無く親しい友人もおらず、淡々と過ごす