王谷晶のレビュー一覧
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オーディブルで。ちょっと変わった形の家族を描いた短編五篇。
「おねえちゃんの儀」レズビアンカップルの日常。
「あのコを知ってる?」彼女(40歳)が失踪?主人公(30歳)のもとに、その息子を名乗る男(20歳)がやってくる。この息子の造形が切なかった。
「リワインド」偶然知った昔のアルバイト仲間の死。それを救うため、何度もタイムリープする。
「父の回数」幼いころ別れた父。その理由を知る高校生。高校生の、何もしたくない、植物のような精神と、父の幼児性。回数って、YOUTUBEの再生回数のことだった。
「かたす・ほかす・ふてる」孤独死した父の部屋の片づけを、初めて会った腹違いの弟とする。父は何を考え -
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ネタバレヤクザとの喧嘩をきっかけに、ヤクザのトップの娘のボディガードとして働く女性の物語。全体的に暴力的な描写が多く、緊張感が続く作品だった。
序盤は、娘を宇多川と結婚させようとする親父の意図が理解できず違和感があった。ただ、後半の娘を襲う描写によって、その歪んだ考えが見えてきて納得。クズだった…
また、中盤に登場する正と芳子については、過去に親父から逃げた正と芳子だと思って読んでいたが、後半で構造が明らかになり理解できた。特にV章で感じていた違和感が回収され、この構成や表現方法が秀逸だった。
一方で、ラストの宇多川との戦いのシーンはややイメージしづらく、もう少し描写が整理されていると入り込みやすかっ -
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王谷さんが40歳の頃に書かれたエッセイ。
自分が40歳になるウォーミングアップとして読んだ。
この年齢になって体力とか心体機能とかが衰えてくるという類いのエピソードにめちゃくちゃ共感した。もう若くないんだなって思わされる年齢なんだな……
40歳でもたいして大人じゃないって話も本当にそのとおりだと思う。40歳になる心構え!と思ったけど、優しく迎え入れられて安心した。40になってもみんなこんな感じだよね。
政治やくらしやすさへの言及はちょっと強火だったのでびっくりした。こういう方なのね。
当時の著者と同じくらいの年齢の今読んだから更に面白く感じた気がする。 -
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「ババヤガの夜」を描いた人物がどのような人か気になり手に取ってみた。
また王谷さんと同世代であり、大人なくせに大人になりきれていない自分を持て余していたこともあり、このタイトルに惹かれた。
共感できる部分よりも共感できない部分が多くて、ある意味それに面白みを感じた。
エッセイ本に共感を求めすぎると、多分読んでいくのが苦痛になる。え、何この人、理解出来ない…的な。でもね、そもそも違う人間なのだから、全て共感できるほうがおかしいし、そんなんつまらん。
むしろ、自分と違う感性と考え方を持っている人に出会うと、なんだこの世界はー!と扉が開かれる感覚がしてワクワクする。この世界には人の数ほどの世界があ -
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全5話の短編集
以下、各話の感想です。
「おねえちゃんの儀」
前作「他人屋のゆうれい」の感想で、「この作品には続編が必要だ」みたいなこと書いたんだけど、続編ありました。続編というか、スピンオフっぽい作品ですが「ゆうれい」で気になってた姉妹?二人のお話です。
「あの子を知ってる」
現代版長屋話の続編だった「おねえちゃんの儀」と比べてポップな文章。そして、紗代子カッコいいな。振りまわされるまわりは迷惑だけど、、、
「リワインド」
三部けいさんの漫画のようなストーリー。でも小説ならではの心情描写が随所に見られ、面白いです。しかし、だんだん可愛くなっていく宮城野さんを漫画や実写などビジュアルで見 -
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なんか、やる気のなさそうなタイトルだなぁと思いながらも王谷晶さんの本なので読んでみることに。作者曰く「現代版長屋話」だそうで、そう考えるとゆるめのタイトルにも納得がいく。
現代版長屋話は、決して世話好きとは言えない主人公が、亡くなった叔父の店舗兼住居に引っ越す事でトラブルに巻き込まれていく話。叔父は親戚中から評判が悪い男だった、、、
解き明かされる叔父の人柄と、主人公大夢の人間的成長。
中心となる幽霊話は一応落着するのだが、叔父とゆうれいとの邂逅など語られていない部分も多い。大夢の成長もまだまだこれからだ。登場人物もみな個性的で、もしシリーズ化されれば面白くなりそうなのだけれど、本作だけ