王谷晶のレビュー一覧

  • 君の六月は凍る

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    初読み作家さん。「君の六月は凍る」というタイトルにひかれて手に取りました。2篇収録。内容は全然違う2篇ですがどちらも私にとっては良作でした。

    君の六月は凍る
    名前を目にした途端に湧き出てきた、わたしと君の三十年前のこと。狭い世界、ありきたりの日常から兄が出ていくという変化が訪れたころ、ひょんなことから関わるようになった君。

    初めての気持ちをうまく処理できず相手を傷つける。語られるわたしと君の過去は読み手の私の思い出も蘇らせる。

    思い出でできた数珠玉が連なった糸をずるずると引き出すように語られる過去、その文章に身を任せるだけでその思い出に存在する熱と臭いが感じられました。

    ベイビー、イッツ・お東京さま
    二次創作BL字書き貧困女子の物語。超ニッチ。書かれる現実は悲惨なんだけど言葉選びが秀逸でテンポよく進む。30年以上前に数年二次創作を読んでた知識だけでなんとかなりましたが本当にニッチだなぁ。…帯に「半私小説的作品」とありました。そうでしたか。

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    装丁が「どこかで見たことある感じ」と思ったらテッド・チャンの『息吹』などを手掛けられてる水戸部功さんという方でした。

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    2023年09月02日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    様々な短編小説が書かれている一冊。
    世にも奇妙な話から少しホッコリするような話まで、色々な系統が入ってるからサクサク読める!
    改めて人は違ってみんないい!!と、思えるような作品でした〜♪

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    2023年09月02日
  • 君の六月は凍る

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    表題の『君の六月は凍る』と『ベイビー、イッツ・お東京さま』の二本立て。
    どちらも匂い立つ(いい意味ではない)感じで、記憶に残りそう。
    『君の六月は凍る』は登場人物の名前も性別もはっきりせず、読み手に想像させるのだが、それでも他人に抱く恋慕や恨みにも似た怒りというものは、そういう前提がなくてもスッと入ってくる感じがした。
    『ベイビー、イッツ・お東京さま』は、主人公がTwitterやエッセイで読む王谷晶さんそのままで、「自伝?」とも思ってしまった。他県の田舎住まいとしては、東京は光の街のように見えるのだが、なるほど「メトロポリス」と「ゴッサム・シティ」ね。わかりやす…。『君の六月は凍る』でも大橋を境にそんな感じの位置付けになってたな。

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    2023年07月16日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    最初から最後まで最高の女同士の小説しかない!!
    レズビアンロマンス小説もシスターフッド小説もあると思ったらスリラー小説もあるしサスペンス小説もあるしSF小説もあるし、てんこ盛りで良かった。
    お腹いっぱい!!
    この小説たちを一生愛す!!

    『完璧じゃない、あたしたち』で好きだった小説
    「小桜妙子をどう呼べばいい」
    「十本目の生娘」
    「だからその速度は」
    「夢で見た味」
    「東京の二十三時にアンナは」
    「タイム・アフター・タイム」
    中でも「だからその速度は」が好きすぎて最早辛い。
    最高でした。

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    2023年07月09日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    「北口の女」があまりに良かったので、これが所収されている本書を手に取った次第です。もう、あんまり覚えていないのですが、最後の「タイム・アフター・タイム」が好きです。歌がらみの話が私のツボにはまるのかもしれません。女同士のドロドロなのも好みでした。SNSとかニコが若い頃には影も形もなかったもの。これの影響力のスゴさに感心すると同時に、こんなんに振り回されてんじゃねぇ、と言いたい気持ちも募ります。そういいつつ、最早、社会とか流行とか風俗とか、そういうものの第一線から遠ざかった、少なくとも外部からはそのように認定されるであろう私。その私に、シンディ・ローパーの気怠いバラードが染みるのです。

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    2023年03月11日
  • コロナ禍日記

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    半分くらい読んだか。ちょっと読んで読めそうなのだけ読む。しんどいのはパスする。これがちゃんと読めるようになるにはやはり10年くらいはかかるのだろう。最近ようやく東日本大震災のものが読めるようになったのだから。

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    2023年01月17日
  • コロナ禍日記

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    ただただ日々の集積のみがここにある。
    自分の中で空白の期間になっていたものが、他人の日記を通して少しずつ埋められていく。
    この暮らしを無かったことにしてはならないと感じた。それぞれがそれぞれのやり方で戦い抜いた日々を忘れてはいけないと思った。

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    2022年10月08日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    女同士の関係が1番自由なのかもしれない…友情でも愛情でもなんとなく隣りにいるでも、強く結びついてても付かず離れずでも今は遠く離れてても何にでもなれる。
    初読みの作家さんでしたがもっと読みたくなりました。
    いかにもありそうなお話から、自分や友人が変態していくファンタジー、ゾンビもの(とても楽しいし終わり方が好き)まで自由でした。
    お婆さんのひとり語りのお話も、夢で見た料理を友人が作ってくれるお話も好きです。不味い餃子のお肉それ鈴木さんですよね……?

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    2022年03月29日
  • コロナ禍日記

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    コロナ禍をどうやって過ごしたのか。日記にすることで、日常の変化やそれに対する筆者や世間の反応の変遷が見えて面白かった。国や仕事によっての違いも興味深くて、その辺もっと幅広く知りたいと思った。

    苦しかった頃のことをいろいろと思い出して憂鬱な気持ちにもなったけれど、記録として大事な一冊になるでしょう。

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    2021年12月07日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    女性の身の回りにじんわりと纏わりつくしんどさを淡々と、端的に表していて馴染みやすい。具体的な店名や曲名、駅名が出てきてより身近に感じることができた。単なる『百合』の言葉に収まらない日常たち。ひとの人生なので。

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    2021年09月19日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    23編の環境も立場も違う「あたしたち」の関係性の物語。百合要素が強めだかそうではない問題を提議する関係も。恋の始まりや終わり、友情やふとすれ違っただけの交流まで徹底して女と女で構成されていて正に帯の「女の人生を変えるのは男だなんて、誰が決めたのさ?」をにやにやしながら叩きつけるのが爽快。23編もあるからなんだこりゃ?な話もあるけどその分刺さる話は直球でやって来る。「しすか·シグナル·シルエット」「だからその速度は」「あなたのこと考えると無駄になる」「ヤリマン名人伝」辺りが好み。「ときめきと私の肺を」や「東京の二十三時にアンナは」の辛い時に静かに横にいる、というのも染みる。

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    2021年06月19日
  • 探偵小説には向かない探偵

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    タイトルにある「探偵小説には向かない探偵」というのがまず気になる。素直に読めば、「探偵小説には向かない」探偵を主人公とした「探偵小説」というのだから、これはもう相当に挑戦的である。本書の説明には、登場する探偵はヘタレとある。だが、ヘタレは探偵小説に向いていないのか、定かではない。一般的には、探偵小説に登場する探偵は、少し変わり者で、何かに偏執的なこだわりを持っていて、鋭い観察眼あるいは深い洞察力(推理力)を備えている。本作に登場するヘタレ探偵は、いずれもほどほどにしか備えていない。別の作品では、資産家の出自で金にものを言わせて事件を解決する探偵もいたが、ヘタレ探偵は有名な探偵の末裔でありながら残念なことに金にも縁がない。

    そんなことを考えながら読み始めたのだが、途中からどうでもよくなった。幼少期をずっと山の中で過ごし、通常の文化的生活とは隔離されていたロランなる人物が登場する。山に住んでいたからか、何と動物と会話できる。これまたトンデモな人物が登場する。ロランはこの物語で準主役的な働きをするが、探偵という生き物に輪をかけた変人が登場するに至って、もはやヘタレ探偵が探偵小説に向いているか否かはどうでもよくなった。小説である以上、畢竟面白ければいいのである。

    三話で構成されているが、話としては一つにつながっている。巣鴨というロケーションの選択も絶妙だ。巣鴨という名称が連想させるように、個性派集団と称していい連中が登場する。ロランは彫りの深いギリシャ彫刻を思わせるイケメンの設定だが、個性派集団のおばさまたちはロランにメロメロである。

    ヘタレ探偵とロランはそれぞれにいくつもの危機に直面する。ヘタレ探偵の割に、時として命の危険さえ感じるような出来ごとにも遭遇する。ドタバタコメディの趣を伴って、物語は進行する。そうしたドタバタを経て、ヘタレ探偵はやおら鋭い推理を働かせるのである。

    それはたしかに、これまで一般的に「探偵小説」に分類される物語に登場する探偵とは異なるかもしれない。だから、典型的な「探偵小説」には向いていないのだろう。だが、「探偵小説」に向いているにせよ、向いていないにせよ、ヘタレ探偵は素敵な愛すべき探偵であることは間違いない。本作の続編を望む声は多いが、その声にささやかな一票を投じたいと思う。

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    2021年03月29日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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     短編というよりショートショート。
     そしていきなりクライマックス。
     長編小説にしろ何にしろ、いろいろなものを積み上げてクライマックスに持ち上げるという印象があるのだが、この作品のようにクライマックスをいきなり見せてくるような作品でも面白く読めるのかと驚いた。
     私はあまり短編が好きではないのだが、これは面白かった。むしろもったいない。ここにのっている作品たちをもっと長く読みたいという気持ちになった。

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    2018年12月13日
  • ババヤガの夜

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    ネタバレ

    こことここが繋がるのか、、!
    ヤクザ側が気色悪くて依子もっとやれって気持ちで見てました。
    これはハッピーエンドになれないのでは?
    と最後の方は薄目で読み進めましたが
    全員ぶちのめして束の間の娑婆を楽しんでいいエンドだったんではないでしょうか?
    でも元気ない時には読めないです。

    0
    2026年10月24日
  • 完璧じゃない、あたしたち

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    初めて読んだ作家
    受賞作を先に読むべきだったか?

    ↑
    受賞会見見た
    その前提で本作を読んだので
    納得の徹底ぶりという気もするが

    女は女が好きなんだよなと
    これはどんな女にも共通
    自分も女なんだから当然か

    最近SNSで
    「女はうっすら男を憎んでる」みたいなの読んだけど
    それな〜

    短編が14作も!
    どれもおもしろかったけど
    ちょっとおなかいっぱい
    やはり長編を読みたい

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    2026年10月24日
  • ババヤガの夜

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    星3.5

    ダガー賞を取った小説という事で、ずっと気にはなってました。
    珍しい?バイオレンス物という事で、やっと読みました。 

    バイオレンス物としては、描写は少なくて、物足りなく感じてしまいました。
    あっと驚く展開は驚きました。
    ただ、最後はキャラクターと合ってないような気がして違和感が。

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    2026年10月23日
  • ババヤガの夜

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    ヤクザや暴力といった類の話はあまり得意ではないのですが、イギリスのダガー賞を受賞した話題作ということで気になり読んでみました。
    スピード感があって面白かったです。主人公の女性が圧倒的な強さでかっこいい。ただ、やはり暴力的な描写が多く、読んでいて何度も気分が悪くなりました。
    ヤクザの世界ってこんなに恐ろしいのでしょうか…
    いつか映像化されることがあったら主人公を誰が演じるのか楽しみです。

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    2026年10月19日
  • ババヤガの夜

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    内容がわからず何となく読んでみた。
    極道にスカウトされ新道衣子(22歳)の拳
    組長の娘内樹尚子(18歳)の護衛を任される
    漫画の様な暴力シーン⁉︎が多くなんのこっちゃ⁉︎と思いながら読み進め

    最後に納得‥少し切なくなった。
    海外で評価が高い作品なのかー。
    今まで読んだ事ないなぁ‥

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    2026年10月17日
  • ババヤガの夜

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    ネタバレ

    【2026年112冊目】
    腕っぷしの強さを見込まれ、半ば強制的に極道の一人娘の護衛をすることになった新道依子。娘の尚子はどこか人形じみていて、最初はぎくしゃくしたコミュニケーションを取っていたものの、二人は徐々に打ち解けていく。だが、尚子の婚約者の本性を知った依子は――。

    女!バイオレンス!強い!暴力!血!って感じの話でしたが、文体が読みやすかったのでするすると読めました。しっかり騙されていたので、途中の展開はビックリでした、読み間違えたのかと思いました笑

    少し終わりに向かっては駆け足だったような感じがして、物足りない気もしましたが、物語のボリューム感としてちょうど良かったのかもしれません。

    最後はちょっと切なかったですね。

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    2026年10月14日
  • カラダは私の何なんだ?

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    要点を直球の書きっぷりでスッキリする。考えてることよく伝わってくるし共感してる。メインテーマ〝オマエの人生の主役はオマエだ〟はよく伝わりました。世の中のハラスメントとルッキズムをぶち壊しましょう!

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    2026年10月12日