王谷晶のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレお嬢さんの「尚子」が可哀想で痛々しかった。暴力を愛する新道依子もまたある意味痛々しい。そんな二人が寄り添い合い助け合うのはある意味当然だったかもしれない。この作品は叙述トリックもあり、最終場面に近づいた時にようやく「あれ?」となってもう一度前に戻ってページを繰り直した。見事に騙されました。
読み終わった瞬間、最高品質のシスターフッドを見せてもらったありがとう、という気持ちになった。
この作品の感想としてこれを「レズビアン小説」と評している人もいるけれど、作中で新道は明確にそれを否定しているので、個人的にはやっぱり二人の関係はシスターフッドなのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ名前のつけられないふたりの人間の関係を濃く描いた作品が好きなので、心に深く突き刺さり、さらには血を流させる作品だった。性別も年齢も立場も越えて深いところで繋がっているふたりがすきだ。
このふたりに名前がつけられないように、読み終わった後の自分の感情にも名前がつけられなく、感想をまとめるのに時間がかかる。切なさでも怒りでも、楽しかったでもない。
同時並行で進んでゆく別視点の話にトリックがあり、それが解き明かされた時、あっと驚いた。そして少し休んでまた明日読もうと思っていた気持ちが吹き飛ばされ、そのままページを捲る手が止められず一気読みした。
尚子が男性として生きることを決意したシーンや、その -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいて思わず顔を顰めてしまうほどのバイオレンスな描写が癖になる。主人公の依子のキャラのバランスが良い。育ちが少々特殊であり強靭な肉体と精神を持っている一方で、自分の異常性や尚子の暮らしの窮屈さを客観視できる一般的な感覚も持ち合わせている。
主人公と尚子のやり取りは正に王道のお嬢様と世話係って感じで、ニヤッとしてしまうような愛おしさがある。最後、種明かしされて2人の逃避行が淡々と語られていく様子は妙な疾走感があって良いし終わり方も好きだ。逃避行の中で尚子が反動のようにどんどん男らしくなっていくのはなんだか素直に良いね! とも思えなくて......。尚子がトランスジェンダーだったとかそういうわ -
Posted by ブクログ
あのババヤガの王谷さんの作品。バイオレンス要素はナシ。ほのぼのしてコミカルな世界観で好きな感じ。幽霊が次々来るとかかなぁと思ったら、全く想像外でした。
シェアハウス「ラッキースマイル」404号室に暮らす大夢。冷蔵庫に名前書いておいても食べられてしまうし、ドタバタ喧嘩なども日常茶飯事なので引越したいが、先立つものがないところに、急死したおじさんの家の片付けが舞い込んだ。行ってみると「他人屋」と書いてある。便利屋さんのことらしい。月5万と聞いて、引越すことにした。しかしこの部屋には幽霊が出るのだ。幽霊には足もあるし、お腹も空かせて、しっかり食べる。トイレも使うようで、トイレットペーパーが消える。 -
Posted by ブクログ
初めて小説をオーディブルで聴きました。
暴力描写が非常にわかりやすくて、よりこがどのように立ち回ってるのかが目に浮かびました。
閉じた男性社会に放り込まれたよりこが目にするのは、
女性はかくあるべきという考え方にガチガチに縛られたしょうこであり、
女性の所有権を疑いようもなく誇示する男たちの姿である。
よりこが女性でありながらがっしりした体格であることや、
お人形のようにかわいらしいしょうこが最終的にどんな生き方を選んでいくかなど、
かくあるべきというジェンダーロールへの抵抗というのが縦軸にしっかりあるのが痺れた。
途中から現れるヨシコ、マサによるミスリードも見事だし、
後から考えれば、 -
Posted by ブクログ
・君の六月は凍る
名前も性別も記述はなくて、かろうじて年齢が小学校高学年か中学1年生くらいかな、と思う程度しか登場人物の情報がないので、自分は登場人物全員男の子設定で読ませていだだきました。
これ全員女の子設定とか、「君」が男で「わたし」が女の子とか「わたし」側が二人とも女の子で「君」側が男の子、とか設定によってニュアンスが微妙に異なるんだろうな、と思うとその設定で何回も読み直してみたくなる。
ただ、とても切ないというか痛みのあるお話なので、何度も読み返すのは難しいんだけれども。
幼い「私」が「君」感じた罪の意識は記憶の表層からは消えてしまったけれど、深い深い消えない傷として刻まれていたから -
Posted by ブクログ
──大人ってどうやってなるんだろう
家庭を持つこと、子どもを持つこと、家を建てること。
もちろん、それらは大変に立派である。
しかし、大人とは、煩わしいものを削ぎ落とし、身軽になることでもありはしないだろうか。
例えば、徹夜で仕事をしたり、夜が明けるまで痛飲したり、月給のすべてを趣味・娯楽に費やしたり、牛丼の大盛りをペロリと平らげたり。
いまは到底、胃にも心にも重たい。
そのような現実を後悔しながら、粛々と受け入れていくのが大人の階段なのだ。
すべての悩めるモラトリアム中年へ。
ぜひこの本を読んでほしい。
きっと人生の棚卸しになると思うから。 -
Posted by ブクログ
王谷晶さんのエッセイ、『カラダは私の何なんだ?』がすごくおもしろかったのでこの『40歳だけど大人になりたい』も読みたくなった
タイトルにもある通り、王谷さんが1冊のなかでずーーーーーーっと「大人になるとはどういうことか、いったい何なのだ」を章立てて書いてくれているんだけど、私も何を隠そう大人になりたいがなれている気がしねえ…人間なので、王谷さんが綴っている大人になれていない自分に関する不甲斐なさや罪悪感のようなものに頷きまくりながら読んだ
そのなかでも私が特に刺された部分がある。
”私のどこか特にうんこ野郎なのかというと、自分のことにしか興味がない部分だ。"という一文だ。もう、グッサ -
Posted by ブクログ
私は30歳の会社員で男性の多い職場だ。
上司(男)に飲み会で肩を抱かれたり、頭をたたかれたりされたこともある。胸が小さいと言われたこともある。
すごくすごく嫌だったけど、笑って過ごしてた。場の空気を読んでた。
でもそのときにもしこの本を読んでいたならば、「嫌です」とか「不快です」と言えたと思う。
この本を読んで、私は怒ってよかったんだって知れた。
私のカラダは私のものなので、誰かに脅かされると腹が立つ。
私だけの愛するカラダで私でしか愛せない。
そんなメッセージを感じた。
総じてユーモアと強さとエネルギーをもらった。この本を読んで本当に良かったと思う。
私が今後、嫌な気持にさせられたらギ -
Posted by ブクログ
ネタバレたくさんのレズビアンの表象、ストーリー展開、読みやすい文量。とても好きだった。読んでよかった。
2025/11/17
「Same sex, Different Days. 」すごくよかった…
主人公がただレズビアンなのか、「抱かれる」がいやだから、「抱く」ことができるレズビアンになったのかわからないし考えないようにしてる、みたいなの、すごくわかった…
身体の相性、というか、身体の役割?が合わないことで他が順風満帆でも別れてしまった2人。さびしい。2人をくっつけた固有名詞も、2人を思い出すトリガーだったのにそうでなくなってしまった
2025/11/22
「十本目の生娘」すき…
金髪のお姉さ