永嶋恵美のレビュー一覧

  • 廃工場のティンカー・ベル

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     どの話もしんどい事情を抱えた人や子どもたちがでてくるけれど、最後は光がさす。読後感はいい。何かが消えて見えるものがあるという言葉が出てきたけど、廃墟へ行くことで見えるもの始まることがあったということかな。

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    2012年11月23日
  • 廃工場のティンカー・ベル

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    6つの短編集。
    帯によると、人生に疲れてうら寂しい場所に行った主人公たちが、劇的に変化する物語という感じかな。
    「廃墟でおこるステキな奇跡」と書いてあるけど、うん、イイ感じに「ステキ」だった。

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    2012年10月25日
  • 災厄

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    おおおおおお。


    この人の作品はたしか、「転落」だけ読んだことある気がする。うーん、あんま覚えていないんだけど、奇妙なくらいによどみなく人が落ちてゆき、どろどろしたいやな感じで終わり、少し最後にGがくる、そんな感じだったかな〜(あいまい)

    で、この、「災厄」。裏表紙で読むと、妊娠している弁護士の妻。その夫はこともあろうに妊婦連続殺人の高校生の弁護を引き受ける。とたんに周りから押し寄せる悪意。女同士の暗闇を描く、的な、あらあらかなり心がタフじゃないとまた、読めませんな。という、すでに裏表紙からかなりの悪意と女性のいやらしさがフンプンと匂ってきております。


    雨が、苦手なんですあたし。雨のふ

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    2012年10月03日
  • インターフォン

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    団地を舞台に起こる嫌な話10篇。専業主婦もサラリーマンも子供も老人も、誰一人共感できる登場人物はいないが、最終話の「迷子」はちょっといい話。

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    2011年03月26日
  • せん-さく

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    うっすらと怖い話。

    出だしは冗長な印象が強く、ぐいぐい引き込まれる、という感じではないのだが、それを我慢して読んでいると、いつのまにか引き込まれていく、という初めての感覚を味わった。
    特に典子と遼介が偶然から次々と犯罪を重ねていく部分は、ああ、こういうなしくずしってあるかも、と、妙なリアルさがあって怖かった。
    実際には無いんだけど。
    それと、章のタイトルだけ見直すと、たった4日間の物語なのに、凄く長い時間が経過したような錯覚に陥るのは、やはり内容が濃いから、だろうとおもう。

    それにしても平凡な主婦と思わされていた典子の暴かれていく実像には驚かされる。
    たいした伏線も無いのに、いきなり感を感

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    2010年12月20日
  • 転落

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    ぬるりと貼りつくような一冊。
    生々しく、人間の暗い部分をしっかり捉えていると思います。
    それでいて、すらすら読めてしまいました。

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    2010年08月22日
  • 転落

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    不可解だった一連の事件が、どんどん読み進めていくうちに謎が少しずつ解き明かされていく過程にはまり込みます。「災厄」よりはサスペンス要素が強く、「メメント」のように過去を発掘していく
    推理の面白さが強いと思います。

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    2010年06月24日
  • 転落

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    一気に読めた。
    読者の興味をそらすことなく、
    次々とそれこそ転がるような展開。

    ところで、
    本作中には食事(と言えないものも含め)のシーンが
    随所に出てくるのだけれど、
    これがことごとく不味そう。
    正直気分が悪くなるようなものが多い。

    おもしろいのは確か。
    だけど読後感も含め、
    決して快い類のものではないことを
    覚悟したほうがいい。

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    2010年05月09日
  • 転落

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    古本屋のばぁさんが薦めてきたシリーズ。

    今回もオチまで話しそうだったので話を遮る。永嶋恵美さんの作品は初。(途中までストーリーを無理矢理聞かされている謎)

    良い意味で不快。(古本屋のばぁさんでは無いです) タイトル不快でもいいんじゃないのくらい不快。

    何度もどんでん返してくるので、後半にはどんでん返し慣れしてくる。

    古本屋のばぁさんには、未だ馴れない。

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    2025年11月24日
  • キッチンつれづれ

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    キッチンには使った人の気配や家族の想い出が詰まっている。色んな家族の生活をちょっと覗ける短編集。
    “レシピ本はその時代の人たちとつながっている。”
    キッチンに立つ度に、この言葉を思い出して、優しい気持ちで料理が出来そう。

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    2025年11月16日
  • これが最後のおたよりです

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    好きなのもそれほどでも…のもあったけど、よかったです。

    猫への遺言
    とても素敵なご主人だな。

    十年日記
    これは、あたしも書いていて、二冊目なんだけど、
    なんか予感があったときには、先に処分しておこうと思ってるけど…
    こんなに素敵な人もいるんだな…と、自分の日記と比べて、恥ずかしくなったよ…泣

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    2025年11月16日
  • これが最後のおたよりです

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    アミの会によるアンソロジー

    もうひとつある 高宮家四訓 大崎梢
    孤独の谷 近藤史恵
    扉を開けて 篠田真由美
    猫への遺言 柴田よしき
    キノコ煙突と港の絵 永嶋恵美
    十年日記 新津きよみ
    そのハッカーの名は 福田和代
    みきにはえりぬ 松尾由美
    青い封筒 松村比呂美
    黄昏飛行 時の魔法編 光原百合
    たからのちず 矢崎存美

    好きだったのは、もうひとつある、十年日記、青い封筒かな。(孤独の谷も面白かったけど既読だったので)

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    2025年11月04日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ネタバレ

    傑作長編ミステリとうたわれているので読んだが、ミステリ感はあまりないのでそこは残念だった。
    でも私があまり読んだことのない歴史物、一族物で、妾の娘であるかな子が本妻の家に引き取られ、知識や知恵を生かしながら成長して生き抜いていく様が面白くはあった。
    初めは妾の子として疎ましく扱われていたが、なんやかんやで雪姉様や花、スヱから可愛がられたり認められている部分もあり、震災で家族全員を失ったときにかな子自身も悲しみの感情や、スヱを越えたかったと尊敬の気持ちを表しているところが印象的だった。
    暁子との友情も素敵だし、度々登場する西原とはお互いに恋心だったのか?というのも気になる。病床の西原と最後に会っ

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    2025年10月23日
  • ここだけのお金の使いかた

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    お金にまつわるアンソロジー。
    アンソロジーは読んだことない作家さんもいて、読書の幅が広がるような気がする。 

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    2025年10月07日
  • これが最後のおたよりです

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    「最後のおたより」がテーマの短編集。
    半分近くが初めて読む作家さんでした。
    「おたより」と言ってもパッとイメージする「紙の手紙」ばかりじゃない。その形は本当にさまざまで、次はどんな“おたより”ストーリーなのか楽しみに少しずつ読み進めました。

    特に好きだったのは、
    「もうひとつある 鷲宮家四訓」大崎梢
    「猫への遺言」柴田よしき
    「そのハッカーの名は」福田和代

    家訓の謎が気になって引き込まれたもの、
    夫の猫に宛てた手紙から愛情を感じたもの、
    ちょっと異色でミステリーっぽい雰囲気のもの、
    趣向は異なりますが、どれもラストは優しく、晴れ晴れとした気持ちになりました。
    矢崎存美さん「たからのちず」は

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    2025年10月07日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    タイトルの「炎上」は、最近のネット空間で表すような言葉の意味なのかそれとも本来の意味なのか、どちらにせよこの家の末路が暗示されるタイトルです。
    明治時代の末から大正時代にかけての物語ですが、主人公はこの檜垣澤商店を興した檜垣澤要吉の妾の子、かな子です。彼女は母を亡くした後この家に引き取られました。かな子は既にこの世を去った父への思慕と同時にその死因に疑念を抱いていました。彼女はその生い立ち故か人への観察眼が鋭く、お屋敷の様々な人物と上手く立ち回りながら。この家を実質取り仕切る本妻スヱへ内なる闘争心を燃やしていたのでした。
    内容的にミステリーの要素もあるお話ですが、10歳そこそこで他人同様の家に

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    2025年10月01日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    このミステリーがすごい!2025年版第3位
    不慣れな日清戦争からの時代が舞台のミステリー作品とのことでワクワクしながら購入。
    ミステリー要素は薄いかと感じつつも、沢山の登場人物、主人公である一族の長の妾の子かな子と共に駆け抜ける一冊の中には、きめ細やかな時代背景の描写、当時の少女たち、裕福な起業家一族の様子が描かれている。
    たった一冊だが、まるで上下巻ものに詰め込まれたような時代の流れ、一族の成り行きは不思議と詳細で、大急ぎ感もない。
    終盤に進むに連れて、様々な出来事や登場人物たちの存在が少しずつミステリーの回収をしてくれるようだった。
    穏やかに、しかし激動の時代を迫力をひしひしと感じさせる時

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    2025年09月26日
  • ここだけのお金の使いかた

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    お金にまつわる7つの話。

    お金の使い方で基準値もわかる、というものですが
    2話目の話はちょっとすごかったです。
    ケチを通り越して、自分の事だけを考えている状態。
    付属品というよりも、便利ツール?
    どうしてそういう考えになった? と聞きたいものです。

    子供の話も現実的で微妙な気持ちになりましたが
    そういう塾も、そういう同級生もいるかも、と。
    相手の母親も察してくれて、泥沼にならなくて
    かなりホッとしました。
    最初が最初なので、そうなったらなかなか…。

    わらしべ長者、やれると楽しそうです。

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    2025年09月26日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文庫2冊分、774ページの大作。
    妾の子・かな子が本宅に引き取られ、人々の様子を冷静に観察しながら成長していく話。7歳のかな子がかしこ過ぎて、転生ものを読んでいる気分になりました。

    大正時代の街の様子が丁寧に描かれています。女の人たちそれぞれの個性に合わせたファッションや横浜の風景が目に浮かびます。しかし、その丁寧さも加わってか、長女・花の夫が殺されたものの、本の半分を過ぎてもミステリ部分の話が進みません。全く進みません。
    もう読むのをやめたい…と思いつつ読み続けたら、最後6分の1くらいから、めちゃくちゃ面白くなって一気読み。
    意外な犯人と、意外な家族の秘密がわかり、ミステリなのに前向きな気

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    2025年09月20日
  • 檜垣澤家の炎上(新潮文庫)

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    NHKの朝ドラのようなストーリー。
    妾の子である「かな子」が母の死後に本家に引き取られて…。
    ちょっとだけミステリー的な部分はあるが、ほぼ大正ロマン的な少女漫画ストーリー。腹の探り合いなどの描写は面白かったが、期待とは違ってた。

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    2025年09月04日